日本にいる蜂の中で、人を刺すタイプは大きく分けて「ミツバチ」「マルハナバチ」「アシナガバチ」「スズメバチ」の4種類がいます。
その中でもスズメバチと並んで特に被害報告が多い「アシナガバチ」が、我が家の敷地内に巣を作っていたのを発見しました。
過去に草刈りをしていてアシナガバチの巣をつついてしまい家族が刺されてしまったことがあり、今は幼い息子たちがいるので早いうちに駆除をすることに決めました。
この記事では、アシナガバチの巣の見分け方や駆除をする際の注意点等について、できるだけわかりやすく解説していこうと思います。
・アシナガバチの危険性を理解しよう!
・アシナガバチの巣を放置しても良い場合と駆除した方が良い場合があるよ!
・自分でアシナガバチの巣を駆除しても良いタイミングと注意点とは?
Contents
ハチの種類を巣を見て見分ける方法!
アシナガバチの巣の特徴とは?
※我が家の敷地内で取り除いたアシナガバチの巣
この写真は我が家の敷地内に作られていたアシナガバチの巣ですが、もうすでに中に幼虫がぎっしりと詰まっていますね。
巣を除去したのは6月1日で、我が家のある東北地方も徐々に夏の陽気が続くようになってきた頃でした。
ハチの巣は枯れ草などを女王バチが噛み砕き、唾液と混ぜることでドロドロの繊維状の液体に変えてつなぎ合わせるので、和紙のような丈夫な素材で出来ています。
アシナガバチの巣の特徴は、ハスの実をひっくり返したような形で六角形に仕切られた部屋が外から見えるという点です。
除去する前の様子はこちら
スズメバチの巣の特徴とは?
※画像:pixabay
スズメバチの巣とアシナガバチの巣の一番の違いは、アシナガバチの巣が外部から六角形の小部屋が全て見えるのに対し、スズメバチの巣は外殻に覆われているために中が見えないという点です。
上の画像は全て完成している状態ですが、巣の作りはじめの段階でも、六角形の小部屋を作るのと同時に外殻も作るため、アシナガバチの巣とは違いが一目瞭然です。
アシナガバチとスズメバチの特徴の違い
アシナガバチ | スズメバチ |
---|---|
・ふらふらと揺れながら飛行する ・胴体は黒っぽい色をしている ・胴体は細い ・スズメバチに比べやや小柄 | ・真っすぐ素早く飛行する ・胴体は黄色~オレンジ色が多い ・胴体が太い ・アシナガバチよりも大きい |
アシナガバチも危険であることに変わりはありませんが、見た目の特徴でスズメバチと見分けることができます。
巣を作る場所や攻撃性に差があるので、大型のハチを見かけた場合は上記の特徴などから見分けておくと良いでしょう。
アシナガバチの毒性と攻撃性について
※我が家の敷地内に落ちていたキアシナガバチ
偶然ですが、巣のそばに綺麗な状態で息絶えたキアシナガバチがいたので拾ってきました。
キアシナガバチの大きさは2~2.5cm程度で、アシナガバチの中では大型の種類です。
アシナガバチの毒性は、スズメバチほど強くはありませんが、刺されると激痛が走り、場合によってはアナフィラキシーショックによって亡くなる可能性もあります。
厚生労働省によると年間10~20人がハチ刺傷によるアナフィラキシーショックで亡くなっているという結果が公表されており、アシナガバチによる死亡例も含まれています。
攻撃性はスズメバチほど高くなく、春先から初夏の巣作りの段階ではあまり気にしなくて良いレベルですが、幼虫が羽化して活発になる9月頃になると攻撃性が高まります。
集団で襲われると危険性も高くなるので、やはり早い段階での駆除が効果的と言えるでしょう。
アシナガバチの被害が増える時期
アシナガバチは、5~6月に巣を作りはじめ、幼虫が孵化して活動が活発化するのが8~9月頃です。
特に、アシナガバチの被害が増えるのが6~9月の間で、攻撃性が高まって刺される被害報告もこの時期に増えます。
アシナガバチの巣は放置しても大丈夫?
アシナガバチの巣を見つけた場合、まずは駆除すべきかどうかが頭をよぎると思います。
結論から言うと、放置していい場合と駆除した方がよい場合の両方があります。
まずは、放置していい場合。
アシナガバチは農業害虫となるイモムシなどを捕食してくれるので、我が家のような農家にとっては益虫の側面もある虫です。
もし「巣の場所が人の通り道ではない場合」「住宅や店舗など人が活動する場所から離れた場所に巣がある場合」などは、放置しても大丈夫な場合もあります。
つぎに、放置しない方が良い場合。
当然、巣が人通りのある場所や人家・店舗などにある場合は除去の対象になります。
そしてもう一つ、アシナガバチの巣を放置することによるあまり知られていない弊害があるのです。
アシナガバチの巣を放置する場合はヒメスズメバチに注意!
アシナガバチの巣があることで危惧されるのは、アシナガバチの幼虫を捕食する「ヒメスズメバチ」の存在です。
ヒメスズメバチはアシナガバチの天敵として知られていて、アシナガバチの巣を見つけると1匹、また1匹と集まっては幼虫を捕食しはじめ、アシナガバチの巣の大きさによっては大量のヒメスズメバチが押し寄せてくることもあります。
当然ヒメスズメバチはアシナガバチよりも大型で攻撃的なので、アシナガバチの巣を放置すると更なる危険を呼び込んでしまうことになるので、心配な方はアシナガバチの巣を早めに除去してしまう方が良いでしょう。
アシナガバチの巣は自分で駆除できる?
ハチの巣の駆除には当然危険が伴いますが、条件次第では素人でも自分で駆除することは可能です。※素人のハチの巣の駆除を勧めるわけではありませんので、あくまで自己責任で判断してください。
その条件というのは下記の通りです。
・殺虫剤を噴霧しやすい場所に巣があること
・駆除するための適切な装備を身に着けていること
・夕方以降の暗い時間に行うこと
まずは私自身が駆除した巣(冒頭の画像)のように、春先であればまだ幼虫が羽化していないので女王バチが単体で巣作りをしている段階です。
このタイミングであれば女王バチが巣にいないタイミングを見計らって簡単に駆除することができます。
また、巣が大きくなってしまっていて働きバチが沢山周囲にいる場合だと駆除の難易度が上がります。
適切な防護服を着ていることはもちろん、巣の場所が屋根など高所にある場合は素人では対応しない方が良いことが多いです。
ハチの巣が高所にある場合は、下記のような高所専用のスプレー噴射器を使うか、完全防備でハチが襲い掛かってきても長時間スプレーを噴射できるだけのスキルが必要です。
高所スプレー噴射用器具は価格も高価なので、これを購入するよりも業者に依頼した方が安価に済ませることができるかもしれません。
また、日中活動するアシナガバチは、夕方以降巣に戻り活動を停止します。
駆除をするのであれば暗くなってからが好ましいのですが、懐中電灯などの光に集まってくる可能性があるので、赤いセロファンを貼って使うと効果的です。
重ねて言いますが、8~9月の繁殖期などはアシナガバチの活動も活発になっているので、巣の駆除を自ら行う場合は、自己責任で安全に配慮して行うようにしましょう。
アシナガバチの駆除に効果的なおすすめの殺虫剤
ハチ駆除効果のあるスプレー剤は数多くありますが、私がおすすめする殺虫剤は「ハチノック」です。
これ以外のハチ駆除スプレー剤は大きな差が無いと感じているので割愛します。
このハチノックはかなり高価なのですが、その他のスプレー剤と違いエアゾールではなく「水噴射」のように液剤が発射されるのが特徴です。
通常のエアゾールのスプレー剤だと、風上から数十秒~1分程度噴射し続けなくてはいけないのですが、このハチノックは液体で噴射されるのでハチの巣の入り口付近に発射すると巣の内部まで液剤が行き渡り、ハチを短時間で一網打尽にしてくれるのが凄いところ。
アシナガバチやスズメバチのように危険度の高いハチの巣の駆除には、即効性のあるハチノックがあれば安心です。
ハチノックの残念な点は、値段が高価なところと連続噴射だと1分も持たずに液剤が切れてしまう点です。
アシナガバチの駆除業者の価格相場
発見したアシナガバチの巣が大きすぎる場合や駆除が難しい場所にある場合は、ハチ専門の駆除業者に依頼するか、お住まいの自治体に相談すると良いでしょう。
巣の大きさや場所によって価格に差はありますが、一般的には8,000円~30,000円位の範囲がハチの巣の駆除相場とされているようです。
当サイトおすすめのハチ駆除業者は「ハチ110番」
ハチの巣を発見したり誰かが既に刺されてしまった場合など、ハチの巣の駆除は緊急を要することが多いですよね。
当サイトがおすすめする【ハチ110番】は、(場所によりますが)最短10~15分で現地調査に来てくれるうえ、見積もり段階までは電話相談・現地調査費なども無料ですので、アシナガバチの被害に遭ったらひとまずハチ110番に相談してみると良いでしょう。
東証上場企業であるシェアリングテクノロジーが運営していて安心感もありますし、見積もり後の追加費用なども発生しないので特におすすめの専門業者ですよ。
アシナガバチに刺された時の対処法
アシナガバチに刺されてしまった場合は、応急処置として下記の手順で対処しましょう。
2.流水で患部を洗い流す
3.ステロイド含有抗ヒスタミン剤を塗る
4.呼吸症状など、刺された痛みやかゆみ以外の全身症状が出たらすぐ医療機関を受診
万が一アシナガバチに刺されてしまった場合は、その場を離れて安全な場所に移動してから、毒を(口以外で)吸い出して、患部を洗い流してムヒアルファEXのようなステロイド剤が入った抗ヒスタミン剤を塗って様子をみましょう。
ポイズンリムーバーはそうそうどこの家庭にもある物ではないのですが、毎年のようにアシナガバチやスズメバチが近くに巣を作るような場合は、念のため持っておくと安心ですよ!
まとめ
アシナガバチについて最後にもう一度まとめます!
・巣は外殻で覆われておらず、ハスの実のような形で六角形の小部屋が外から見える
・女王バチだけが越冬し、5~6月から単独で巣作りを始める
・8~9月に活動が活発になり被害が増える
・お勧めの殺虫剤は「ハチノック」
・高所にある巣は専門家に依頼した方が良い
・駆除費用の相場は8,000~30,000円程度
・刺された場合の応急処置は「毒を除去して洗い流し、ステロイド含有抗ヒスタミン剤を塗布」
・アシナガバチの巣は、場所によっては放置してもいいがヒメスズメバチに注意
今回は我が家の敷地内でアシナガバチの巣を発見・駆除したことから、一般的なアシナガバチの対策や駆除方法についてまとめました。
我が家は毎年アシナガバチがどこかしらに巣を作りますが、必ず違う場所に作ります(過去の巣の再利用はしない)。
益虫としても活躍してほしいので場所によっては巣を除去せずにおくこともありますが、今年に関しては早々に除去することとなりました。
もしお近くでアシナガバチの巣を発見したら、今回の記事を参考に対処してみてください。
【追記:2019/3/5 越冬したキアシナガバチが大量発生しました!】