日々暮らしているとどこからともなく室内に侵入してきている「蜘蛛(クモ)」は、その見た目から気味悪がられている生物の代表です。
しかし、日本に生息する蜘蛛のほとんどは「無害」どころか、ハエやゴキブリなどの衛生害虫を駆除してくれるハンターなので「益虫」と考える人も少なくありません。
実は室内に侵入してくるほとんどの蜘蛛は「駆除不要」なんですが、そうは言っても目の前にいる蜘蛛が本当に無害な蜘蛛なのか知りたいですよね!
本記事では、家の中に出ることがある蜘蛛の種類と有害性についてまとめてご紹介します。
Contents
家の中に出る蜘蛛の種類一覧【画像あり】
1.アシダカグモ
※画像:wikipedia
・時期 :1年中
・毒 :なし
・タイプ :徘徊型
・動くスピード:速い
・餌 :ゴキブリ・ハエ・ネズミ
・見た目 :日本で室内に出る蜘蛛の中で最大級。大きいので見たらすぐわかる。
・大きさ :体長10~30mm程度、足まで入れた全長は100~130mm(CD1枚分)
余りの大きさに家の中に出没した時に驚くことが多いのが、この「アシダカグモ」です。
基本的に毒は無く、性格は臆病なので、無理やり捕まえようとでもしない限り噛みついてきたりはしません。
アシダカグモの主食は「ゴキブリ」で、アシダカグモが2匹いれば半年ほどでその家のゴキブリを全滅させるといわれ、ゴキブリがいなくなると別の家へとゴキブリを狩りに移動する姿から、別名「軍曹」の名で益虫として放置する人も多いです。
ただし、その見た目のグロテスクさと動きの速さから不快害虫と考える人も少なくありません。
アシダカグモを家から追い出したい場合は、家に住むゴキブリを駆除するのが重要で、アシダカグモをその場その場で駆除しても、ゴキブリがいる限り何度でも侵入してきます。
寿命は約5年ほどで、雪のふる地域では見ないと言われていますが、私が住む家(宮城県北部)にも普通にいるので、北海道以外でなら積雪のある地域でも見かける可能性は高そうです。
2.アダンソンハエトリ
※画像:opencage
・時期 :3月~11月
・毒 :なし
・タイプ :徘徊型
・動くスピード:速い
・餌 :ダニ・チャタテムシ・コバエ・ゴキブリ(の子供)等
・見た目 :雄と雌で大きさと色が違う。雌は茶褐色で雄はより黒っぽい
・大きさ :体長5~9mm程度、足を入れた全長は約10~13mm
最も室内で見かけることの多い小さなクモと言えば「アダンソンハエトリ」というハエトリグモの一種です。家の壁や床をぴょんぴょんと跳ね回っていたら大体コイツです。
一般的に「家グモ」といえば、このアダンソンハエトリを指すことが多いですね。
家の中を徘徊しながらコバエを見つけてはとびかかって捕食するアダンソンハエトリは、毒もなく人間には害がない小さな蜘蛛です。
見た目も恐怖感は無いので、放置しておけば家の中のコバエをキレイにしてくれます。
3.チャスジハエトリ
※画像:opencage
・時期 :4月~10月
・毒 :なし
・タイプ :徘徊型
・動くスピード:速い
・餌 :ダニ・チャタテムシ・コバエ等
・見た目 :腹部から頭胸部に渡る体の中央に白っぽい筋が通っている
・大きさ :体長10mm程度で、足を入れた全長は15mm~20mm程度
ハエトリグモ類の中でも、アダンソンハエトリに比べてやや大きいのが「チャスジハエトリ」です。別名「Jumping Spider(ジャンピング スパイダー)」とも呼ばれています。
徘徊型のクモで、頻繁に跳ねてるのをよく見かけます。
日本の家の中で最もよく見られる蜘蛛のうちの1つ。
4.イエユウレイグモ
・時期 :1年中
・毒 :なし
・タイプ :造網型
・動くスピード:遅い
・餌 :ダニ・チャタテムシ・コバエ等
・見た目 :全体的に灰白色、華奢、体に比べ足が長い
・大きさ :体長7~10mm程度、足まで入れた全長は50~60mm
イエユウレイグモは、クモの巣を張る「造網型」のクモで、体に比べて足が極端に長いのが特徴のクモです。
ユウレイグモ科のクモは数多く知られていますが、日本の家の中に出る蜘蛛はこのイエユウレイグモがよく見られます。
性格は臆病で薄暗い所に潜んでいることが多く、人を咬むことはほぼ無く、動きも遅いのですぐに駆除できます。
特に放っておいても害はないのですが、クモの巣を張るタイプなので部屋の中に蜘蛛の巣ができるのが嫌な方は外に逃がしてあげましょう。
5.ヒラタグモ
※画像:wikipedia
・時期 :5月~11月
・毒 :なし
・タイプ :造網型(テントの様な巣)
・動くスピード:遅い
・餌 :ハエなどの昆虫
・見た目 :その名の通りからだが扁平。腹部に黒い斑紋があり見分けやすい。
・大きさ :体長8~10mm程度、足を入れた全長は12~14mm程度
ヒラタグモは、小柄な蜘蛛ですが腹部の模様が特徴的なので、日本の家の中で見かけたらすぐに見分けがつきます。
家の外壁などの角張って凹んだ場所に、テント様の巣を作って棲み付きます。そのため、あまりそこから離れて出歩くことは珍しく、本体よりも巣を見つけてヒラタグモの存在に気づくことの方が多いです。
6.ハンゲツオスナキグモ
・時期 :5月~9月
・毒 :なし
・動くスピード:そこそこ速い
・餌 :小型昆虫
・見た目 :メスは腹部前方に黄色い半月模様がある。セアカゴケグモに間違われやすい
・大きさ :体長5~10mm
ハンゲツオスナキグモは、同じヒメグモ科で毒グモのセアカゴケグモに似ているとして間違われやすいのですが、毒は無く、人に害をなす存在ではありません。
詳しい解説については下の記事でもご紹介していますので、是非あわせてご覧ください。
日本の家の中に出るクモの毒の有無について
最も家の中でよく見かける蜘蛛の種類をいくつかご紹介しましたが、ここではいずれも「毒は無し」と紹介しました。
しかし、実際はいずれも微弱な毒を持っているのですが、人間には全く影響のないレベルの毒だったり、牙が小さく人間の皮膚を通さないなどの理由から「毒はなし」と表現しています。
人間に影響する毒を持つ、いわゆる「毒グモ」は日本には数えるほどしかいませんし、家の中に出没する毒グモは今のところいません。
蜘蛛はどこからくる?家に蜘蛛が出る原因と侵入経路
蜘蛛が室内に侵入してくる一番の理由は「餌となる虫がいるから」です。
一般的に蜘蛛と聞くと、クモの巣を張って野外で飛んでる虫を捕虫する「造網型」の蜘蛛をイメージしますが、全ての蜘蛛が巣を張るわけではありません。
室内に出る蜘蛛の半分くらいは「徘徊型」と呼ばれる、巣を張らずに動き回って餌となる虫を捕獲するタイプなんです。
餌となる虫を追いかけてきたら室内に入ってしまったという蜘蛛がほとんどなので、侵入経路は餌となるゴキブリやコバエと同じ、
・床下の隙間
・窓サッシの隙間
・排水溝
・換気口
などです。
家の中に蜘蛛がいるという事は、餌となるコバエやゴキブリがいるという事でもあるので、まずは室内を清潔にして蜘蛛の餌となる虫を発生させないようにするのが大切です。
家に出る蜘蛛を駆除したい時
いくら益虫と言われても室内にクモがいるのが耐えられない方もいますよね。
今回ご紹介したクモの中には動きの速い種類もいますので、下記の殺虫剤「クモの巣消滅ジェット」か、殺虫剤不使用の凍らせて駆除する殺虫スプレー「凍殺ジェット」の利用が便利です。
餌となる虫が存在する以上、よほど侵入口となる隙間を埋めないと繰り返し侵入を許してしまうと思うので、クモが苦手な方は一つ用意しておくと安心でしょう。
まとめ
今回は家の中に出ることの多い蜘蛛についてご説明いたしましたが、見たことがある蜘蛛はいましたでしょうか。
現段階では、素手でつかもうとするなどしなければ、今回ご紹介したクモは自ら噛みついてくることはありませんし、人間に影響を及ぼすような毒は持っていません。
それどころか見た目さえ気にしなければ、ゴキブリやコバエなどを掃除してくれる家の中のハンターとさえいえる生き物なので、共存を選ぶというのも一つの方法ですよ!
日本に住む毒蜘蛛については、下の記事で画像とともに解説してます!ぜひ合わせてご覧ください。