野イチゴの種類と味|食べられる野生のイチゴ8種類まとめ

野イチゴ アイキャッチ

野山を歩いていて、美味しそうな赤い実をつけた野イチゴを見つけると、食べられるのかどうか気になってしまいますよね?

野イチゴとひと口に言っても、色んな種類があるんです。

今回は見つけた野生のイチゴがどの種類なのか、そして食べることができるのか、それぞれの野イチゴの特徴をご紹介します。


家の周りにも初夏になるとたくさんの野生のイチゴがなっているけど、何イチゴなんだろう?

イチゴがなる時期や茎や葉っぱの形などで見分けることができるぞい!

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画像で見る野イチゴの種類と特徴&花言葉

クサイチゴ

クサイチゴの花
  1. 和名:クサイチゴ(草苺) 別名:ワセイチゴ(早稲苺)
  2. 英名:Japanese raspberry
  3. 学名:Rubus hirsutus
  4. 階級:バラ科キイチゴ属
  5. 分類:落葉小低木
  6. 分布:本州、四国、九州
  7. 形態:茎には毛が多く、棘がある
  8. 果実熟期:5~6月
  9. 果実:生食可能。大型で酸味が少なくとても甘い
  10. 花の咲く時期:4~5月に直径4cmほどの白い花を咲かせる
  11. 葉の特徴:葉は卵形〜楕円形。細かいギザギザがある

クサイチゴは野イチゴの中でもポピュラーな種類で、日当たりのいい草地や登山道などで比較的よく見かけます。

背丈が20~50センチ程度と低く、枝葉も草木のような質感のためクサイチゴと呼ばれていますが、落葉小低木の分類です。

大きく丸く熟した果実は、とても甘く美味しいです。

美味しさ:

クサイチゴの花言葉

幸福な家庭・恋愛成就・誘惑・尊重と愛情・甘い香り

ニガイチゴ

ニガイチゴ
  1. 和名:ニガイチゴ(苦苺) 別名:ゴガツイチゴ
  2. 学名:Rubus microphyllus L.f.
  3. 階級:バラ科キイチゴ属
  4. 分類:落葉小低木
  5. 分布:本州、四国、九州
  6. 形態:茎や枝は粉白色になり、細い刺がたくさんある
  7. 果実熟期:5~6月
  8. 果実:生食でき甘いが、苦みがある場合もあるため苦苺と呼ばれる
  9. 花の咲く時期:4~5月に花径2㎝ほどの白い花を咲かせる。花は上向きで小さく、花弁が細いのが特徴
  10. 葉の特徴:葉は浅く三つに切れて裏が白い。三裂しないものもある

果肉は甘いのですが、種に苦みがあるためニガイチゴと呼ばれています。

林の縁などの日当たりの良い場所で群生していることがあるのがこの野イチゴで、茎を複数立てるので藪を形成することが多いのも特徴。

名前が誤解をあたえやすいですが、美味しく食べられる野イチゴのひとつです。

美味しさ:

モミジイチゴ

モミジイチゴ

※画像引用:wikipedia

  1. 和名:モミジイチゴ(紅葉苺) 別名:黄苺
  2. 学名:Rubus palmatus var. coptophyllus
  3. 階級:バラ科キイチゴ属
  4. 分類:落葉低木
  5. 分布:北海道、中部地方以北
  6. 形態:枝にとげが多く、高さは50㎝~2mほど
  7. 果実熟期:6月
  8. 果実:黄~オレンジ色に熟す。味は美味しい。
  9. 花の咲く時期:3~5月 白色の5弁の花を下向きにつける
  10. 葉の特徴:名前の由来となっている紅葉にしていて、3~5に割れて、縁はギザギザしている。

秋から冬にかけて、葉が紅葉し色づくとモミジに似ていることからこの名前がついたとされていますが、葉の形状はそこまでモミジには似ていません。

背丈が高いのが特徴で、枝がトゲだらけなので安易に近づくと肌が傷だらけになります。

野イチゴの中でも最も上品で美味しいのがこのモミジイチゴだと言われていますので、発見したらトゲに気を付けて食べてみてください。

美味しさ:

モミジイチゴの花言葉

嫉妬・妬み・後悔・愛情・いつも愉快

クマイチゴ

クマイチゴ

※画像引用:wikipedia

  1. 和名:クマイチゴ(熊苺)
  2. 学名:Rubus crataegifolius Bunge
  3. 階級:バラ科キイチゴ属
  4. 分類:落葉低木
  5. 分布:北海道、本州、四国、九州
  6. 形態:1~2mになる。茎は赤紫色でとげが多い
  7. 果実熟期:6~8月
  8. 果実:赤く熟し甘い
  9. 花の咲く時期:4~6月に白い径1、5cmほどの白い花弁の細い花が、短い枝の先に数個集まって咲く
  10. 葉の特徴:広卵形をして3~5に割れ、縁は不揃いにギザギザしている

クマイチゴは野イチゴの中でも果実が大型の種類で食用になります。

またトゲが特に多い種類なので、大きく赤い果実に魅せられて藪に入り込むと後悔することになるでしょう。

爽やかな酸味と甘みが特徴で、生食以外にもジャム等にするとおいしい品種です。

簡単に育てることができますが、繁殖力が強すぎるのでご自宅の庭や畑に植える場合は、他の作物の生育を邪魔してしまわないように注意しましょう。

美味しさ:

ナワシロイチゴ

ナワシロイチゴナワシロイチゴ 花
  1. 和名:ナワシロイチゴ 別名:アシクダシ、ウシイチゴ、サツキイチゴ
  2. 英名:Japanese raspberry
  3. 学名:Rubus parvifolius
  4. 階級:バラ科キイチゴ属
  5. 分類:落葉小低木
  6. 分布:日本中に分布し、道路わきなどに見かける
  7. 形態:茎には棘がある、茎はつる状に延びてつるはいまわる。
  8. 果実熟期:6~7月
  9. 果実:甘酸っぱい
  10. 花の咲く時期:5~6月 花は赤紫だが花弁が開かないため目立たない
  11. 葉の特徴:葉の裏に白い綿毛がたくさん生えている。葉は3枚あるいは5枚の小葉からなる複葉

ナワシロイチゴは、苗代(なわしろ:稲の種まき)の頃に赤い実が熟すのが名前の由来と言われていますが、実際に実が熟して食べ頃になるのは夏頃になります。

茎がツル上で地面をはい回ることと、花が赤紫で開かないことが特徴。

道端や日当たりのいい斜面に生えていることが多いので、最も見かけることの多い種類の野イチゴです。

果実は甘酸っぱく、生食では酸味が強く感じるので美味しさという点ではやや物足りないかもしれません。

美味しさ:

ナワシロイチゴの花言葉

恩恵

バライチゴ

バライチゴ
  1. 和名:バライチゴ 別名:ミヤマイチゴ(深山苺)
  2. 英名:strawberry‐raspberry
  3. 学名:Rubus illecebrosus Focke
  4. 階級:バラ科キイチゴ属
  5. 分類:落葉小低木
  6. 分布:日本中に分布し、道路わきなどに見かける
  7. 形態:地下茎は長く、茎は高さ10~60㎝ほどになる
  8. 果実熟期:8~10月
  9. 果実:甘酸っぱい
  10. 花の咲く時期:6~8月 直径4cmほどの白い花
  11. 葉の特徴:葉の形は細長く他のキイチゴ属と異なる。

薔薇のような大きな花をつけるためバライチゴと言われており、花はとてもキレイなため北アメリカやヨーロッパでは観賞用として育てられているそうです。

葉の形も他のキイチゴ属と違い、細長い形が特徴です。

千葉県では重要保護生物、京都府では絶滅危惧種に指定されていて採取が禁止されているので、見つけた際には採らずに眺めるだけに留めましょう。

果実はやや酸味が強いですが、完熟すると酸味も減りとても美味しく食べられます。

美味しさ:

バライチゴの花言葉

可憐な乙女

フユイチゴ

フユイチゴ
  1. 和名:フユイチゴ(冬苺) 別名:カンイチゴ(寒苺)
  2. 学名:Rubus buergeri Miq.
  3. 階級:バラ科キイチゴ属
  4. 分類:落葉小低木
  5. 分布:九州・四国・関東以西の本州
  6. 形態:枝別れして約2メートル枝を伸ばして株を作る。背丈は20センチ程度
  7. 果実熟期:11~1月
  8. 果実:美味しい
  9. 花の咲く時期:9~10月 白色で約1㎝の5弁花
  10. 葉の特徴:5~10㎝ほどの丸形で浅く3〜5裂する

ほとんどの野イチゴは夏に熟しますが、このイチゴは冬に熟すことから名前が付いたと言われています。

背丈は20~30センチ程度ですが、這うようにして枝を長く伸ばします。

11月頃から熟した実をつけるので、比較的温暖な地域にしか生息しません。

美味しさ:

フユイチゴの花言葉

真心の愛、未来の予感、尊敬と愛情

ヘビイチゴ

ヘビイチゴ
  1. 和名:ヘビイチゴ(蛇苺) 別名:毒イチゴ
  2. 英名: False strawberry
  3. 学名:Potentilla hebiichigo
  4. 階級:バラ科キジムシロ属
  5. 分類:多年草
  6. 分布:日本全土
  7. 形態:花の柄は4~7㎝で茎は地面を張って大きな株になる
  8. 果実熟期:6~8月
  9. 果実:生食可能だが、甘みはない
  10. 花の咲く時期:4~5月に黄色い花を咲かせる
  11. 葉の特徴:葉は三葉で楕円形をしていて、縁はギザギザしている

湿った草地や畦道などヘビのいそうなところに生えているからとか、ヘビイチゴを食べにくる小動物をヘビが狙うからなどが名前の由来となっているようです。

ヘビイチゴの花言葉

小悪魔のような魅力・可憐

ヘビイチゴは食べられる?毒はあるの?

ヘビイチゴという名前や別名の「毒イチゴ」から毒があると思われていることも多いですが、実際には毒はなく食べることが出来ます。

しかし、甘みがなく生で食べても美味しくはありませんが、ジャムに加工することはできます。

美味しさ:
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美味しくないヘビイチゴと他の野イチゴとの見分け方

ヘビイチゴ属は花のがくが内外で2列になっている

ヘビイチゴがく

ヘビイチゴ属には「ヘビイチゴ」と「ヤブヘビイチゴ」の2種類がありますが、そのいずれも「花のガクが内外と2列になっている」という特徴があります。

その他の食べられるキイチゴ属の野イチゴにはこの特徴は無いので、ヘビイチゴか他の野イチゴかどうか見分け方に困ったらガクの部分をよく観察するようにしましょう。

ヘビイチゴの花は黄色い

ヘビイチゴの花

ヘビイチゴとその他の野イチゴとの大きな違いの一つとして「花の色」があります。

ナワシロイチゴは赤く開かない花で、その他の野イチゴは白い花を持つ物がほとんどですが、ヘビイチゴ属のイチゴはいずれも黄色い花を咲かせるのが特徴です。


花の色の違いはとても分かりやすいね!

ヘビイチゴを食べないようにするには「花の色」と「がく」をしっかり観察することがポイントじゃよ!

野イチゴの特徴一覧表

 果実花 味 
クサイチゴ 5~6月
 ニガイチゴ 5~6月
 モミジイチゴ 6月
 クマイチゴ 6~8月
 ナワシロイチゴ 6~7月
 バライチゴ 8~10月
 フユイチゴ 11~1月
ヘビイチゴ6~8月×

 

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野イチゴ採取時の注意点とまとめ

野イチゴと言ってもこれだけたくさんの種類があって、その多くが生食可能な種類であることがわかりました。

毒はありませんがヘビイチゴだけは食べてもあまり美味しくないので、ガクと花の色をしっかり見てその他の野イチゴと見分けることができるようになっておくと良いでしょう。

最後に野イチゴを採る時の注意点をまとめておきましょう!

・野イチゴはトゲを持つ品種がほとんどなので、採取の際には刺さらないように注意する
・野イチゴの周囲にハチ毛虫等が潜んでいることも多いので、刺されないように注意する
・ヘビイチゴは毒は無いがあまりおいしくない。見分けるポイントは花の色ガク
・道路沿いや畦道は、イヌや野生動物の通り道になっていることもあるので採取は自己責任で!

自然の恵みである野イチゴを採取して、美味しいジャムを作ったりするのは初夏の楽しみでもありますよね。

今回ご紹介した点に注意しながら、野イチゴ摘みを是非楽しんでみてください。

また、野イチゴ以外にも食べることのできる赤い実のなる木や、一見食べられそうでも有毒で絶対に食べない方が良い赤い実をつける植物を下記の記事でまとめていますので、是非あわせてご覧ください。

野イチゴ摘みを楽しみたい方にはこちらのハンドブックがおススメです!