コリアンダー(パクチー)栽培|種からの育て方とコリアンダーシードの収穫方法

コリアンダー

こんにちは、田舎センセイです。

我が家は自給的農家なので畑で様々な作物を育てていますが、その中でも私と妻がメインで育てているのが「ハーブ&スパイス」です。

以前私が作ったハーブスパイラルガーデンには様々なハーブを植えましたが、その一つに「コリアンダー(パクチー)」があります。(※ハーブスパイラルガーデンについては下記記事をご覧ください。)

スパイラルガーデン
私が都会から田舎に移り住むときに、どうしてもやってみたかった事のひとつに「ハーブスパイラルガーデンを作る」という物がありました。 8年ほど...

コリアンダーではなじみがない方もいらっしゃると思うので、あえて「パクチー」と呼びますが、パクチーはご存知の通り好き嫌いの分かれる代表的な野菜で、カメムシのようなにおいとして敬遠する人もいれば、私のように毎日でも食べたいくらい好きな人もいます。

パクチーが好きな人にとって辛いのが「パクチーは少量でも値段が高い」という点です。

しかし、実は育てるのが比較的簡単で、生命力が強いので頻繁に収穫でき、種の採取も難しくないという「育てやすい野菜」なんですね。

そこで本記事では我が家でのコリアンダー栽培の様子を例に、ご自宅でも簡単にコリアンダー(パクチー)を育てる方法についてご紹介します。


コリアンダーとパクチーって同じなんだ!

コリアンダーは「英語」、パクチーは「タイ語」、シャンツァイ(香菜)は「中国語」で、いずれも同じ植物のことじゃ

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コリアンダー(パクチー・香菜)の基本情報

コリアンダー
  1. 和名:コエンドロ   別名:パクチー、シャンツァイ、カメムシソウ、中国パセリ
  2. 学名:Coriandrum sativum L.
  3. 英名:coriander
  4. 階級:セリ科コエンドロ属
  5. 分類:一年草
  6. 分布:地中海原産
  7. 花期:5~6月
  8. 特徴:好みの分かれるカメムシの様な臭いがする作物。東南アジアでよく食べられる
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コリアンダー(パクチー)の育て方のポイント

コリアンダー栽培を成功させるために押さえておきたい育て方のポイントがあります。

コリアンダー栽培のポイント

・種まきの適期が春と秋の2回ある
・種の発芽率が低い
・種の発芽温度は20℃前後
・根の形が植え替え(移植)に向かない
・花が咲くと葉が増えないので適宜摘み取る
・種の収穫は株ごと刈り取って乾燥させる


なるほど、この辺が特に注意すべきポイントなんだね!

大事なところは具体的に解説していくぞい!

コリアンダー(パクチー)の種の発芽率を高める方法

コリアンダーシード
コリアンダー(パクチー)の種である「コリアンダーシード」は、スパイスとしても使われる食材で、我が家ではパクチーの葉以上に使う事が多いかもしれません。

このコリアンダーシードを土に植えると発芽してパクチーになるのですが、発芽率が60%程度と一般的な植物に比べて低いのが特徴です。

その理由は種の形状にあって、1つのコリアンダーシードには2つの種が入っていて、半球状の堅い殻がクルミのように合わさって球体をなしています。

そのため、吸水までに時間がかかったり、発芽に至るまでに種子が乾燥してしまってそのまま芽が出ないという事が多いのです。


発芽率を上げるコツはあるの?

下の写真を見るんじゃ

コリアンダーシード
上の写真はコリアンダーシードを軽く指で押しつぶした時の物ですが、簡単に2つに割れます。そして、その中からは2つの種を取り出すことができました。

コリアンダーシード
発芽率を高めるコツは、

1.撒く前に軽く指で押しつぶして2つに割ってから撒く
2.種まきの前日に一晩種を水に浸しておく

という2つの方法があります。

両者の違いは、水にしばらく浸す方法だと一つの種から2本の芽が出てくるので、生長した時に密生しやすいですが、2つに割る方法だとそれぞれから芽が出るので間隔をあけやすいという事が挙げられますね。

我が家は毎年大量に収穫しているコリアンダーシードがあるので、余り面倒な作業をせずに殻付きのまま畑にまいてしまっていますが、手持ちの種が数少ない場合は少しでも発芽率を上げるために上記の方法を試すと良いと思います。

コリアンダーの栽培スケジュールと種まきの時期

栽培スケジュール
コリアンダー栽培で注目すべき点は、種まきの時期が「春(3~4月)」と「秋(9~10月)」と2回あることです。

両者の違いを簡単に書くと、

・春に撒くと、花が咲きやすく収穫期が短い
・秋に撒くと、収穫期が長くとれるが北日本など冬の気温が低い地域には向かない

という違いがあります。


花が咲くと収穫期が短くなっちゃうの?

うむ、それもコリアンダーの特徴のひとつなんじゃ

コリアンダー(パクチー)を長く収穫するコツは「花を咲かせない事」

パクチー

コリアンダーは、花が咲くと種の成長に養分を使うため株全体の生長がとまります

そのため、長い間パクチーを収穫するためには、種をまく時期を花が咲くまで時間のかかる秋にするか、定期的に花芽を摘み取る必要があります。

上の写真は既にコリアンダーシードができてしまっていますが、よく見ると分かる通り葉の形がパクチーとして食べられる葉と形状が違いますよね。この形の葉を見つけたらそれが花芽なので摘み取ってしまいましょう。

もしコリアンダーシードを収穫したい場合は、すべて摘み取ってしまうと結実しませんので注意しましょうね。

コリアンダー(パクチー)の根は「直根性」で植え替えに向かない

コリアンダーは植え替えをしない方がいい」とよく言いますが、コリアンダーの根はゴボウや大根のように太くまっすぐ伸びる「直根性」の根であるため、植え替えの際に根を傷めてしまうと株が弱ってしまうためです。

そのため、植え替えをしなくていいように種を直播(じかまき)してしまった方がいいです。

もしどうしてもポットで育ててから移植したい場合は、本葉が5枚程度になる前に移植を済ませてしまうようにしましょう。

コリアンダーシードの収穫は、株ごと刈り取って陰干しする

コリアンダーシード
葉の収穫時期が過ぎたら、翌年にまくための種やコリアンダーシードとして利用する分を収穫するために、花を摘まずにとう立ちさせて種をつけさせます。

コリアンダーシードは種をつけた株をある程度放置して、乾燥してきたら株ごと刈り取って日陰に吊るして干します。

コリアンダーシード
私は納屋の入り口付近にこうやって逆さに吊るして干しています。

全体が茶色くなるくらいまで完全に乾燥したら種子を採取します。素手で一つ一つ摘み取っては大変なので、私はゴザを広げてその上で叩いて種を落としました。

ゴザコリアンダーシード
それでも残った種は手で取り外し、ゴミを取り除けば収穫完了です。

コリアンダーシードコリアンダーシード コリアンダーシード
そこまで大量の株から採取したわけではありませんが、スパイスとして消費したり翌年以降の種まき分としては十分な量が採取できました。

栽培自体は容易なので、ひとまずワンシーズン育ててみたらいくらか種は採取できると思いますし、翌年以降はご自身が採取した種でどんどん株を増やせるのでコスパがいい作物でもあると思います。

水やり・肥料のあげ方などの基本的な栽培方法について

プランターで栽培するなら水切れに注意!

水やりや肥料のあげ方などについては「プランターで育てる」のか「畑や家庭菜園で地植えする」のかで違います。

一番簡単なのは「地植え」で、肥料は土づくりの時に元肥として堆肥や化成肥料などを巻けば基本的に追肥はほとんどいりませんし、水やりもよほど雨が降らない日が続かない限りはあまり気にしなくて大丈夫で、数日に1回程度の水やりでOKです。

しかし、プランターで育てる場合は土が乾燥しやすいので、夏場は毎日1回以上土が乾いたらたっぷり鉢底から水が出るくらいあげるようにして、水切れに注意します。

頻回に水をあげる場合は肥料分も流れ出しやすいので、マグァンプKなどの化成肥料をスケジュール通りに追肥してあげると良いでしょう。

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プランター栽培を行うときの用土

ハーブの土
私は庭にスパイラルガーデンを作ってコリアンダーを栽培していますが、土の質が粘土質で水はけがものすごく悪かったため、赤玉土と腐葉土、1割程度のバーミキュライトと完熟牛糞堆肥を混ぜて土を作り変えました。

水切れを嫌うコリアンダーですが、水はけが悪い土も根腐れを起こしてしまうので良くありません。

基本的には水はけのよい用土を作って、乾燥しないように水やりをすることが大切です。

プランター栽培を行う場合は、赤玉土と腐葉土(6:4~7:3)少々の化成肥料を混ぜて用土を作れば大丈夫だと思います。

普段あまり作物の栽培をしたことが無い方は、プランターで栽培する時の土の作り方や注意点について下記の関連記事で解説していますのであわせてご覧ください。

ご家庭で植物を育てたいと考えた時に、ホームセンターの園芸コーナーで様々な土を目の前にして、どれを購入したらいいのか分からなくなったことはありませ...
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まとめ

スーパーでは高値で売られているコリアンダー(パクチー)ですが、実は栽培してみるとさほど難しくなく収穫までこぎつけることができます。

パクチーが好きで大量に食べたい方は、是非ご自身で栽培してみてはいかがでしょう。