長年使いこんだ農機具を手放す時、その理由の一つに「故障して動かなくなってしまったから」という物があります。
エンジンがかからなくなってしまったり、オイルが漏れたり、黒煙が上がってしまったり、タイヤがパンクしてしまったりと、様々な理由から使えなくなった農機具が倉庫に眠っていませんか?
修理をするにもかなりの費用が掛かるし、スクラップ同然の農機を引き取ってもらうにも費用が掛かり、放置している人も多いのです。
しかし、故障して動かなくなった農機具も高値で買い取ってもらえる可能性があります!
実は、中古農機市場では20年落ちのトラクターなど中古の小型~中型農機が人気なのです。
今回は、故障した農機具でも高値で買い取ってもらえる理由についてご紹介したいと思います。
Contents
壊れた農機具でも買い取ってもらえる理由とは?
冒頭でも述べましたが、壊れて動かなくなってしまった農機具は買取の可能性が高いです!
もちろん買い取ってくれる業者はどこでもいいわけではありませんよ。
当然、壊れていても買い取ってくれるのには理由(ワケ)があるのです!
その理由を順にみていきましょう!
1.比較的軽微なメンテナンスで修理が可能な場合が多い
トラクターやコンバインなどの農機具は、車と違って「速度」や「快適性」などを重視しておらず、むしろ「耐久性」や「頑丈な作り(パワー)」を重視しているので、根本的な作りが違います。
車のように速度を出す場合は、エンジンの回転数によって劣化が進んで動作不良などの不具合が出てしまう事も多いのですが、トラクターなど農機具の場合は、長期使用によるエンジン部分の不具合が出ることはさほど多くありません。
特に国産メーカーの農機具は丈夫に作られており、万が一故障しても、比較的軽微な修理で再利用が可能になるケースが少なくありません。
エンジン部分の異音や黒煙などは簡単に修理できることが多く、万が一エンジン部分が動かなくなってもバッテリーやガソリン交換、プラグ部分の修理などで動き出すこともあります。
故障しているから安値買取、もしくは無料引き取り程度という訳ではないのです。
車と違い車検がなく、自分の畑での使用が主になるトラクターなどの農機具は、高価な新車よりも「多少の故障があっても安い事」の方を好む農家さんも多いのです。
不動の原因がエンジンの焼き付きなどでなければ、買い取ってもらえる可能性は高いでしょう。
2.海外(特にアジア)での中古農機具の需要の高まり
以前、「中古トラクターを高く売るのに一番いい時期はいつ?」の記事でご紹介しましたが、日本では製造から15年を境に値段を見定められることが多く、国内再販のみを行っている業者では良い買取価格をつけてもらいにくくなります。
しかし、近年ではインド・タイ・ベトナムなどのアジアの新興国で、日本の中古農機具の需要が高まっており、新車よりも日本産の製造から20~30年経過した中古農機などが人気です。
特に、クボタなどの日本の人気メーカーの農機であれば、海外での流通量も多いため部品や修理方法なども確立しており、スクラップ同然でも買い取ってもらえる可能性があります。
ただし、これは海外に中古農機具の販路を持っている業者だからこそできるため、もし故障している農機具の買取査定を行う場合は、海外への販路がある業者を選ぶようにしましょう。
こちらの「中古の農機具を売りたい!おすすめの農機具買取専門サイトTOP5」で紹介している5社はいずれも海外への販路を持ち、故障している農機具も査定してくれますので、併せてご覧ください。
3.日本の農業機械の需要動向
高齢化から離農者も増え、新規就農者は中古農機を求める
※出典:農業機械をめぐる現状と対策 – 農林水産省 (H25)
中古農機の買取が盛んに行われている理由の一つに、日本の農業機械の需要が「新型<中古」に変化していることが挙げられます。
上のグラフは、平成25年度の農林水産省のデータですが、トラクター、田植え機、コンバインの主要農機具の販売台数と販売農家戸数の推移です。
いずれの農機も年々販売台数が減っていることが分かります。
こちらの宮城県での農機具の買取情報をまとめた記事でもご紹介しましたが、農家の高齢化が進み、離農する農家さんが年々増加しています。
そのため、農家の数自体も減り、わずかに増える新規就農者も1台数百万円を超える農機を購入することが出来ないため、新車の販売台数自体も減少しているのです。
農家の農機具の経費削減対策が「買い替え期間を長くする」「中古品の購入」
※出典:農業機械をめぐる現状と対策 – 農林水産省 (H25)
こちらのグラフは、「農家さんが農業用機械にかかる経費を軽減させるために取っている対策」を多い順に上から並べたものです。
最も多い農機の経費削減方法は、買い替えまでの期間を長くするという物でした。
10年ではなく、15年、20年と長く使う事でトータルコストは下がるという考え方です。そのため、ポンポンと新機種を購入するのではなく、多くの農家さんがみんな今ある農機を大事に長く使うため、当然新型の農機の販売台数は落ちますよね。
そして、2番目に大きな対策が中古品を購入するという物でした。
現役で働いている農家さんも、農機にかかるコスト削減として、最初から中古農機具を購入するという方法を検討しているという流れになってきています。
このグラフからもわかるように、新型の農機よりも、多少経年劣化があっても中古の安い農機の方が需要が高まっているのです。
4.人気メーカーの場合はパーツや消耗品にも価値がある
中古農機具買取業者によっては、農機本体だけでなく消耗品やパーツ単位での買取を行っている業者があります。
パーツ単位での購入は、国産人気メーカーであれば高値で取引されることもあるので、農機本体が故障して動かなくなっても、「どうせ売れない」なんて決めつけずに、査定の依頼をしてみることをおすすめします。
まとめ
今回は故障した農機がなぜ買い取ってもらえるのかという、中古農機特有の市場についてご紹介しました。
お売りになりたい農機具が故障していたり傷があると、買取額が気になってしまい事前修理を行おうと考えてしまう方もいらっしゃいましたら、こちらの「農機具は査定前に修理をした方が良い?傷や故障が査定額に与える影響」を是非ご一読ください。
中古農機具の市場がこのままである保証はありませんが、現段階では需要が高いため、故障していたり古くても買い取ってくれる業者が多くいる状態です。
農機具の買取価格の相場を見ても、比較的高値で取引されているので、もし今現在壊れて使わなくなった農機具がある場合は、一度査定に出してみることをおすすめします。
もしかしたら思ってもいなかった値が付くかもしれませんよ!?