離農や買い替えをきっかけに、それまで使っていたトラクターなどの農機具を売る場合、大事に使っていても長年の利用による経年劣化や使用中の操作ミス、石の跳ね返りなどによる傷があることが多いですよね。
できるだけ高値で買い取ってもらいたい場合に、その傷や故障個所を修理してから買取専門業者に査定してもらった方が良いのか、修理せずに査定してもらった方が良いのか迷うと思います。
この場合は、実は「修理せずに査定をした方が損をしない」ことが多いのですが、その理由を以下でご説明いたします。
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農機具の買取査定前に修理をおすすめしない理由とは?
先ほどもすでに述べましたが、結論から言うと、農機具の買取査定前に買取価格を上げる目的で修理をするのはやめた方が良いでしょう。
傷や故障の程度にもよりますが、多くの場合で修理をしないで査定してもらった方が結果的にプラスに働くことが多いのです。
その理由としては下記のものがあります。
1.修理代の方が高額になる可能性が高い
買取査定を行う前に修理を行うのと行わないのでは、大きく「修理代」がかかることが違います。
傷や故障の度合いにもよりますが、農機が作動しないレベルの故障の場合は、動くレベルまで修理するのにかなりの費用がかかり、それに見合った査定額の変動が得られることはまずありません。
こちらの「故障した農機具も高値買取の可能性大!中古農機具が人気の理由」の記事でもご紹介した通り、業者によっては海外に販路を持ち、故障して動かない農機具でも値をつけて買い取ってくれる業者が多くあります。
せっかく動くように修理しても、買取価格の方が下回ってしまうのでは、時間もお金も余分にかけて損をしてしまう事になりかねません。時間がかかることや修理回数が加算されることは、査定においてマイナスに働くことも多いので、故障して動かない場合でもそのまま査定してもらった方がお得なのです。
また、作動には問題ないレベルの故障や傷の場合でも、修理業者に依頼することで「出張料」「技術料」「手数料」「部品代」がかかり、思った以上に高額になることがありますので同様に依頼しない方がお得であることが多いでしょう。
2.中古農機具買取専門業者にも技術者がいる
故障した農機具でも買い取ってくれる業者は自社内に修理専門技術者がいることが多く、外部業者が間に入ることによる価格の高騰を抑え、高値で買い取ってくれるという仕組みになっています。
あいだに業者が一つ入ることによって、手数料や技術料が余計に取られることを考えると、わざわざ自分で修理業者に依頼するよりも、買取業者に直接故障したまま渡した方が結果的にプラスになります。
3.修理業者が入ることで時間が余計にかかる
自ら修理業者に依頼することでかかるのはお金だけでなく「時間」もかかります。
「中古トラクターを高く売るのに一番いい時期はいつ!?」の記事で、高値で買い取ってもら為に一番良いタイミングを解説しましたが、売り時を逃さないでできるだけ早く売るというのは大事なポイントのひとつでした。
直接買取査定をするよりも時間をかけてしまうと、いざ売ろうと思った時に買取価格の相場が下がってしまっているという可能性もあり、時間をかけてしまうのは修理業者に依頼するデメリットのひとつです。
4.海外に販路を持っている買取業者は、故障している農機をバラバラにして輸出する
日本では製造されてから15年以上経過した農機具は再販ができないという法律があるため、製造年月日が15年以上前の農機は必然的に海外に輸出されます。
また、古くて故障の度合いが激しい農機の場合は、バラバラに分解して海外に輸出し、現地の作業員が組み立てるときに修理を同時に行います。
日本の修理業者と海外(多くは東南アジア)の技術スタッフでは、どっちが人件費が安く上がるかは言うまでもないですよね?
故障の度合いが大きい場合や、製造年数が経ってしまっている農機は、買取を前提にしている場合に限って言えば、高額な日本の修理業者にわざわざ依頼する必要はないのです。
5.中古農機具を最初から買い求めている人は自分で修理する
もし故障の度合いがさほど大きくない場合であれば、最低限のメンテナンスだけを施してわざわざ修理をしないで再販することもあります。
長年農家をやっていて最初から中古農機具を目当てにしている人は、自分で修理をして使う事を前提に「安さ」を重視して購入する人が大半だからです。
何かのきっかけで中高農機具の買い替えが必要になり、「少々の傷や故障であれば自分で修理しながらあと数年使えればいい」「あえて高価な新品はいらない」という方もとても多いのです。
※出典:農業機械をめぐる現状と対策 – 農林水産省 (H25)
以前、別の記事でも上の表をご紹介したことがありますが、多くの農家さんが農業用機械費の低減のための方法として回答したのが、「農機具を長く持たせること」と「中古品を購入すること」が回答のTOP2でした。
新品よりも中古品を欲しがる方がとても多いので、この中古農買取業界が多少の傷や故障があっても高値で買取をしてくれるという理由になっているのです。
以上のことなどから、多少の傷や故障は焦って修理をする必要はないのです。
農機具の故障個所による買取価格への影響
当サイトがおすすめしている中古農機具買取専門サイト「農機具高く売れるドットコム」では、動かなくなった農機具や製造年数が15年以上経過した農機具も買い取っており、公式サイトでは故障個所による買取価格の影響は下記のように記載しています。
エンジンまわりの故障が査定額に与える影響
故障で多いケースがエンジンまわりだと思います。
始動しないといっても、故障の要因は様々ですが、焼き付いて固まっているケースでも売却できる可能性は高いです。
人気メーカーや馬力が高いトラクターの場合は、エンジンの焼き付きの可能性が低ければ、高額買取の可能性があります。
また、エンジンの調子が悪く異音や黒煙がでても、大きく査定に影響することは少ないでしょう。
エンジンが始動しなくても、バッテリーやプラグ、ガソリン交換などの簡単な修理で直る場合も多いです。
タイヤのパンクが査定額に与える影響
パンクしている場合、どこのタイヤがパンクしているかが重要となります。
前輪より後輪の修理費用の方が高いのですが、タイヤのパンク程度であれば買取減額は軽微です。
クラッチの故障が査定額に与える影響
クラッチが効かない場合、考えられるのは固着か滑りとなります。
どちらかが原因の場合、部品の交換が必要となりますが、大幅に減額されることはあまりないでしょう。
トラクターの場合、部品売りとしての価値があるので、古くて故障していても売却することが可能です。
まとめ
農機具の買取を考えた時に、査定額を上げるために修理をするのはやめた方がいい理由を解説しました。
簡単にまとめますと、
- 買取業者内にも修理専門作業員がいるので、わざわざ間にはいる業者を増やすメリットはない
- 買取までに時間がかかり相場が下がる恐れがある
- 古かったり故障の度合いが激しい農機は、バラバラにして海外で修理するので人件費が安くなる
- 中古農機を買い求める人は、多少の傷や故障は織り込み済みであるので市場価値がそこまで下がらない
というのが主な理由でした。
当然故障や傷が無い方が高く売れることは間違いありません。
しかし、修理費用と時間をかけてまでコンディションを整えてから査定に出すのは、あまり得策とは言えないことが分かると思います。
農機具を高く売るために大事なことは、メンテナンスを定期的に行い大きく損傷させないこと、そして故障した農機具でも高く買い取ってくれるだけの販路と技術者を抱えた農機具買取専門業者に査定を依頼することです。
こちらの「中古の農機具を売りたい!おすすめの農機具買取専門サイトTOP5」で、当サイトのおすすめ業者をランキング形式でご紹介していますので、先ほど紹介した農機具高く売れるドットコム以外にも何社か相見積もりをして、査定額の高いところに依頼すると間違いないでしょう。
是非あわせてご覧ください。