高温多湿環境になる梅雨時期から夏にかけて急激に増加するダニ被害ですが、乾燥している秋~冬の時期になっても家の中でダニに刺されることがあります。
数万種類いると言われるダニの中で、日本の室内で刺すことがあるのは主に「ツメダニ」と「イエダニ」のどちらかです。
もしあなたが冬にダニ刺されの被害に遭ったのであれば、「イエダニ」の存在を疑った方が良いかもしれません。
そして、同じ刺すダニの中でも「ツメダニ」と「イエダニ」では、原因も駆除方法も全くと言っていいほど異なるので注意が必要です。
本記事では、刺咬被害の原因が「イエダニ」かもしれないと疑っている方に対して、イエダニの生態や特徴、駆除方法について詳しく解説していきます。
Contents
冬なのに家の中でダニに刺されたらイエダニかも?
基本的にダニは高温多湿の環境を好みます。
人を刺すダニの代表格ツメダニが最も多く発生するのは6~9月で、イエダニもこの時期に多く発生するのですが、冬季にツメダニ被害が激減するのに対してイエダニ被害は意外と少なくありません。
乾燥している秋冬の気候にも関わらず、室内で知らないうちに虫に刺されていたらイエダニの可能性が高いかもしれません。
虫刺され痕から原因を判断したい方は、下記の関連記事をご覧ください。
イエダニはどこからくる?
イエダニはその名前から「家の中にいるダニ」と言うイメージを持ちがちですが、家の外から入ってくる「屋外ダニ」の一種で、マダニなどと同じような家の外にいるダニに分類されます。
屋内侵入の一番の原因になるのが「ネズミ」です。
イエダニはネズミや一部の野鳥(ツバメやスズメ)に寄生していることが多く、屋根裏や軒下で死んだネズミに寄生していたイエダニが宿主を失って侵入してくるというのが主な経路です。
現代の気密性の高い家屋ではあまりネズミがいないのでイエダニ自体がいない家も少なくありませんが、未だに刺咬被害が多いダニの筆頭です。
イエダニは英語で「トロピカル・ラット・マイト」
イエダニは英語で「Tropical rat mite」(トロピカル・ラット・マイト)と言います。
この名前からもネズミが媒介者であることが容易に想像ができますね。
人を刺すダニ「ツメダニ」と「イエダニ」の違い
ツメダニは誤って刺すが、イエダニは吸血をする
室内に発生するダニの中でツメダニとイエダニが人を刺しますが、ツメダニは好んで人を刺すわけではなく、どちらかと言うと誤って刺してしまう場合が多いとされています。
一方で、イエダニはネズミに寄生していますが、宿主となるネズミがいなくなった時に、ネズミの代わりに人間を狙って「吸血」をします。
ツメダニが餌とするのは他の小型のダニやチャタテムシなのですが、イエダニは哺乳類の血液を餌にしている所がまず違うんですね。
刺しあとも、ツメダニは赤く腫れる程度なのに対して、イエダニは中央に水疱やしこりを伴う刺し痕になります。
ツメダニは肉眼では見えないが、イエダニは見えることがある
この2つのダニの大きな違いは「大きさ」です。
ツメダニは0.4~0.8mmで布団や畳を肉眼で探しても見つけることはほぼ不可能です。
一方で、イエダニは0.6~1.0mmで、特に吸血後のイエダニは少し大きく膨らんでいて赤くなるために目を凝らせば見ることも可能です。
稀に「ふとんや畳の上を飛び跳ねているダニを見た」と言う人がいますが、ダニはそもそも飛び跳ねないので、十中八九「ノミ」の仕業でしょう。
ツメダニはダニシートで捕獲できるが、イエダニには効果が薄い
当サイトでは、最もコスパが良い方法としてダニシートを勧めています。
しかし、後述しますが「イエダニにはダニシートはほとんど効きません」
当サイトで勧められたダニシートを設置したのに刺されるという方は、もしかしたらイエダニも生息しているかもしれません。
イエダニの駆除方法は「ネズミ対策」
ツメダニはダニシートで捕獲することができ、冬季の寒く乾燥した環境では増殖できないので対策はさほど難しくありません。
私自身でも体感していますが、基本的にちゃんとしたダニシートを選べばダニ刺され被害はなくなります。
しかし、イエダニに関しては「宿主の駆除」が根本的な解決策になります。
ダニシートでは捕獲できないからと言って、ダニ駆除用のスプレー剤などを散布して一時的に駆除できても、宿主となるネズミが敷地内にいる限りイエダニの被害を食い止めることはできません。
そのためにも屋根裏や床下にネズミがいる可能性がある場合は、ネズミの駆除から始める必要があります。
ツメダニなどに比べて、イエダニの駆除は少々厄介なのです。
イエダニ退治が目的のネズミ退治の場合は、駆除せずに追い払おう
ネズミの駆除方法には幾つかありますが、イエダニ退治を目的としたネズミ駆除であれば敷地内で殺してしまわない方がいいでしょう。
前述の通り、イエダニが人を狙うようになるのは「宿主となるネズミがいなくなったり、死んでしまった場合」なので、屋根裏などに毒餌をまいて敷地内で駆除してしまうと、そこから解き放たれたイエダニがあなたに襲い掛かってくることになるやもしれません。
一番おすすめなのが「超音波発生装置」や「ネズミ駆除業者」を活用して家からネズミが一匹残らず逃げ出してくれるように仕向ける方法です。
寄生しているイエダニごと一緒に外に出て行ってもらうのが最善策です。
過去にネズミ駆除をやった経験のある人間として結論だけを言うと下記がおすすめです。
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ネズミ駆除の方法については下記の関連記事をご覧ください。
冬の間でもダニ対策は必要!
近年は温暖化の影響や、暖房器具の充実・加湿器の普及などによって冬の時期でも室内で快適に過ごせるようになったため、ご家庭によってはダニも季節関係なく増殖することができるようになってきました。
外部から侵入してくるイエダニのみならず、普通にツメダニも越冬して刺咬被害を起こすことが無いとは言えなくなってきたんですね。
また、刺咬被害以外にもアレルギーの原因となることが分かっている「チリダニ科」のダニに関しては、条件が揃うと越冬する「休眠モード」に入る種類もいるので、冬の時期だろうとダニ対策は必要といえます。
特に小さなお子さんがいるご家庭では、年間を通したダニ対策が大事なんですね。
まとめ
イエダニは「ネズミ」が原因であることが多いダニなので、「冬でも刺されることがある」という点と「ネズミを駆除しないと解決できない」のがポイントです。
目視や刺し痕からの判別は難しいですが、ネズミの足跡がしたり糞などの痕跡を見つけた場合や、刺し痕に水疱やしこりがある場合は疑った方が良いかもしれません。