近年人気が出てきた塊根植物「コーデックス」の中でも、ひと際人気があるのがパキポディウム属です。
どしっとした塊根のフォルムにトゲトゲの樹皮が、一般的な観葉植物にはない雰囲気を持つので虜になってしまう人も多いようです。
中でも「パキポディウム・グラキリス(pachypodium gracilius)」は大人気の品種で、私も実際に育ててみたいと思うようになりました。
本記事では、塊根植物の中でも人気の高いパキポディウム・グラキリスの基本情報と育て方、私が実際に種を購入して育成している経過をご紹介いたします。
Contents
パキポディウム・グラキリス(pachypodium gracilius)の特徴
- 和名:パキポディウム・グラキリス 別名:象牙宮
- 英名:pachypodium rosulatum var. gracilius
- 階級:キョウチクトウ科パキポディウム属
- 原産:マダガスカル南西部イサロ地方
- 形態:大きいもので高さ1mほどにまで生長するものもある
- 特徴:塊根植物の中でも寒さにやや強め
パキポディウム・グラキリスの育て方
育成に適した環境とは?
※画像:イサロ国立公園
パキポディウムグラキリスは、年間平均最高気温が30度を超えるマダガスカルのイサロ地方が原産のため、基本的には暑さ・乾燥に強く、寒さに弱い植物です。
しかし、日本で種から育った実生株はその地の気候に適応していくため、必ずしもこの気温でなくては育てることができないというわけではありません。
パキポディウム属の中でも、標高の高い位置に生息しているグラキリスは、比較的寒さには強い方なので、冬の最低気温が10℃を下回るようなら屋内で育てると良いでしょう。
地域にもよりますが、日本で育った実生株であれば夏は雨ざらしでも元気に育つこともあるので、日本で強く育ってもらうために敢えてスパルタで育てるというのも一つの方法です。
ただし、輸入した株は日本の環境になれていないので、慎重に扱わないとすぐに枯れてしまうので注意しましょう。
パキポディウムグラキリスに合った土は?
パキポディウムグラキリスに限らず、多くの塊根植物は栄養化よりも水はけと通気性の良い用土を好みます。
塊根植物はいずれも根腐れが大敵なので、極力保水性のない土を使う用にしましょう。
調べてみると、赤玉土などをベースに数種類の土を混ぜる方法を紹介しているところが多いですが、土も余るので保管場所も必要になりますし、あまり初心者向けではありません。
簡単なのは、底石をしっかり使って「サボテン・多肉植物の土」を使うという方法です。
私は、サボテン・多肉植物の土に「日向土(ひゅうがつち)」を混ぜてさらに通気性と排水性を高めた用土を使っていますが、多肉植物用の土だけでも十分だと思います。
パキポディウム・グラキリスの種子を購入する方法
パキポディウム・グラキリスを種から実生株を育てる場合は、当然のことながら種を購入する必要があります。
私がコーデックスの種子を購入する場合は以下の4つの方法で探しています。
- Yahoo!ショッピングの「多肉植物ワールド」
- 通販サイト「WORLD PLANTS MARKET」
- 海外オークションサイト「eBay」
- ドイツの種子販売業者「Koehres」
私が探した限りだと上記サイト全てでパキポディウムグラキリスの種が販売されているのを確認しました。
品数の多さや購入のしやすさはダントツで①の多肉植物ワールドさんがおすすめです。
私は①で希望の種子がなかった場合は②、それでもない場合は最終手段として③のeBayを利用します。
英語での通販に抵抗がない方であれば、③のeBayや④のKoehres(ケーレス)を使って海外から直接購入するのも楽しいかもしれません。
個人的に最もおすすめなのは④のKoehresですが、検疫手数料がかかることや到着までに3週間ほどかかることを考えると、大量買いで本格的に実生を行いたい方にお勧めです。
物によっては①&②から購入するよりも安い場合もありますよ。
eBay等の通販サイトでコーデックスの種を購入する方法と注意点については、下記関連記事で詳しく書いていますのであわせてご覧ください。
パキポディウム・グラキリスを種から育ててみる【育成記録】
グラキリスの播種~発芽【2018/3/20】
パキポディウム・グラキリスは、大きい株を見慣れているせいか届いた種の小ささを見て驚きました。
上の写真は種をまいてから2ヶ月以上経過したものですがものすごく小さいですよね。
種をまいたのが3月と私の住む宮城県ではまだまだ寒い時期だったため、自作の100均温室で発芽させたのも原因のひとつでしょう。
日照時間も確保できず、寒い中で幼苗期を迎えたため生育状況が思わしくありません。
実生1年経過【2018/2/27】
播種から約11ヵ月、、ほぼ1年が経過しまして、生き残っているのがわずかにこの1株のみ。(正確には残り2株ありますが、成長がほぼ止まってしまっていて望み薄)
東北の冬越しはなかなか厳しく、まだ大人の男性の人差し指の第1関節位のサイズしかありませんが、何とか冬を越してくれました。
ほとんどの葉が落葉し、徐々に暖かくなってきて短い葉が生えてきました。
春に向けて成長を期待したいところです。
まとめ
パキポディウム属の人気種「パキポディウム・グラキリス」は、海外から輸入された現地球株を育成するのは素人では難しく、高額なものも多いので手が出しにくいのが現状です。
しかし、時間をかけて種から実生株をその土地の気候で育てることができれば、安価に始めることができ生育のコツもつかむことができます。
今回はグラキリスの種の入手方法や私が実際に育てている様子をご紹介しましたが、まだ手探りな部分も多いため、実際に失敗した経験経験も交えながら本記事で経過をご紹介していければと思います。
【追記】その後グラキリス以外にも各種パキポディウムの実生株を育てはじめました。
育ててみてわかったのが「パキポディウムの種は特にカビやすい」という事で、種からパキポディウムを育て始めるときに注意すべきことを下の記事でまとめました。