日本に居ながらにして珍しい多肉植物や塊根植物(コーデックス)を育てたい場合に、種を購入して実生株を育てるという方法があります。
特にコーデックスは、3~4センチのサイズのものでも既に数年かかっている場合も多く、サイズに似合わず高額であることも少なくありません。
また、海外で育った通称「現地球」と呼ばれる株を購入する場合は、根が切られてしまっていることがほとんどで、発根させるのはプロでも難しいとされています。
それならば種を購入して実生株を育ててみよう!と考える方も多いのではないでしょうか。
私もそんな一人で、ネットで自分が欲しかったコーデックスの種を探して購入してみたので、その体験談と失敗談、おすすめの種の購入方法についてご紹介したいと思います。
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ネットで植物の種を購入する時の注意点
洋服や靴をネットで購入するときにサイズに気を付けるのと同様に、ネットで植物の種を購入する際には「植物の種」特有の注意点がいくつかあります。
それぞれ意外と盲点だったりするので、具体的に例を紹介していきましょう。
1.種の採取後一定期間で発芽率が変化する種類の購入に注意
植物の種の中には、種を採取してから長期間保存しておくことが可能なものと、採取後一定期間内に植えないと発芽しなくなってしまうものがあります。
例えば上の写真の種は、観葉植物で人気のあるパキラの種ですが、パキラは採取から1か月以上経過すると発芽率が急激に落ちるという特徴があります。
日本では沖縄など一部の温暖な地域で種の採取がされることがありますが、種の収穫時期は年2回(2月と9月)が一般的で、その月の前後1か月でしか購入するチャンスがありません。(たとえそれ以外の期間で購入できても発芽しない可能性が高い)
ネットで植物の種を購入する時には、どのような状態で保管されていていつ採取されたものなのかが書かれているものとそうでないものがあるので、特に保存期間が発芽率に影響するような種子の場合は採取日の記載があるかどうかを注意してみるようにしましょう。
ちなみに、私はインドネシアからパキラの種を3月に購入し、2週間以上配送に時間がかかり4月に届きました。
10粒購入し、発根したのはそのうちの半分(50%)の確率でした。
海外では種の採取日が日本のスケジュールと違う場合もあるので一概に言えませんが、採取日の記載の有無は購入先を選ぶ判断基準のひとつといえるでしょう。
2.発芽率はレビューを見て確認
種の場合は購入して終わりではなく、種を植えて芽が出てからがようやくスタートです。
つまりは芽が出なくては始まりですらなく、届いた種がどの程度発芽してくれるのかという「発芽率」が重要になってきます。
ネットでの購入の良い点として、多くの方が購入後に発芽率についてレビューを残していますので、それを確認してから購入するというのは大切なポイントでしょう。
まれに、
「購入したけど10粒入りのはずが8粒しか入ってなかった」
「10粒のうち2粒しか発芽せず、購入直後の段階から半分は中身がスカスカだった」
などのレビューが残されていることがありますので、そのような販売元で購入するのは避けた方が賢明と言えるでしょう。
3.種は払い戻し期間中に返品できないことが多い
洋服や靴の場合は、到着後にすぐ自分が購入したものと相違ないかが一目瞭然ですが、種の場合はそうはいきません。
よほど植物に精通した人でない限り、種の段階でどの植物のものかを見分けることは難しいでしょう。
多くの場合、購入から7日~30日を返品・払い戻し期限に設定している場合が多く、運よく発芽したとしても本当に購入した植物のものかどうかを見分けるには時間がなさすぎます。
日本の業者ではその恐れはあまりありませんが、海外から輸入をしようとすると全く違う種類の植物の種を送ってくる業者も稀にいるので注意しましょう。
私が海外から種を購入した時の失敗談
私が依然体験した失敗談を一つご紹介します。
eBayという海外オークションサイトにて、アデニウム・アラビカムという塊根植物の種を購入した際に、全く違う植物の種が送られてきました。
購入したのは、上の画像の業者(業者名は伏せていますが調べたら画像から判別可能です)で、「120Pcs/Bag Adenium Arabicum Dessert Rose Seeds Mixed 9 Types Seeds Garden」とあり、価格も約3ドルと安く送料無料とあったので購入しました。
120粒と書かれている時点で怪しむべきでしたが、その当時はコーデックスに興味を持ち始めたばかりでしたので、その数があまりにも多いことに気づけませんでした。
そして届いたのが、下の種です。
その後、販売元のページにアクセスしてレビューを見てみると、Positive(高評価)に比べてNegative(低評価)のほうが多く、その中に「この種はアデニウム・アラビカムのものじゃありません!購入しないでください!」というレビューがありました。
購入前にレビューは確認したのですが、高評価のレビューしかチェックしておらず、低評価のレビューがみれることに気づかなかったのが失敗でした。
レビューを見てみると、この種はアデニウムアラビカムではなく「ムラサキバレンギク(echinacea)」という花の種だというコメントがありました。
Echinaceaで調べてみると、
まさに私に届いた種と同じですね。
この失敗からの教訓は、ebay等海外のオークションサイトなどから購入する場合は、レビュー(特に低評価のもの)にしっかりと目を通すのが大切という事を学びました。
多肉植物や塊根植物(コーデックス)の種が購入できるサイト
1.多肉植物ワールド(Yahoo!ショッピング)
まずはYahoo!ショッピングで通販サイトを運営している「多肉植物ワールド」です。
ここは本当に様々な植物の種を置いていて、珍しいコーデックスの種やコウモリランなどの胞子(種)まで売っています。
私は4種類ほど種を購入しましたが、いずれもとても厳重な梱包で購入から3日で届きました。
種の状態も良く、とても満足しています。
サイト内でのレビューを見てもほとんどの方が高評価ですので、違う種類の植物の種が入っていたなどの問題はまずなさそうです。
サイトを見ているだけでも楽しいので、是非一度覗いてみるのはいかがでしょう。
・多肉・シダ・コーデックスなどあらゆる種類の種が豊富
・価格が比較的安価
・品種ごとにカテゴライズされているので探しやすい
・種の梱包が厳重
・購入から配送までが早い
・細かい育て方は記載されていないので、自ら調べて発芽を目指す必要がある
2.eBay
eBayは世界最大のインターネットオークションサイトで、利用者数は世界中で1.6億人にも上ります。
様々なものが販売されていますが、その中には塊根植物や多肉植物の種も含まれており、私も何度も利用しています(偽物をつかんだ失敗もしてますけど)
英語に抵抗がない場合は、日本では手に入らないようなコーデックスの種が売られていたりするので見ていて飽きません。
また、日本国内でお目当ての植物の種が見つからない場合でも、eBayで英語名で検索すれば見つかるかもしれません。
デメリットとしては、英語での購入とPayPalのアカウントが必要であるという点でしょう。
・日本では手に入らない珍しい種類の植物の種が見つかる
・業者から直接輸入ができるので、日本で購入するよりも安価
・英語ができない人にはハードルが高い
・購入するにはPayPalアカウントを作る必要がある
・表題と違う種類の種を入れてくる業者もいる
・購入から配送・到着まで時間がかかる
3.Koehres(ケーレス)
ドイツの種子販売通販サイト「ケーレス(Koehres)」は、多くの多肉・コーデック愛好者が種子購入に利用するサイトです。
その品ぞろえもさることながら、輸入した種子の発芽率も良いことが人気がある理由のひとつで、サイト自体はすべて英語での利用になるので少々英語が苦手な人にはハードルが高いかもしれません。
英語が苦手な人でも買いたい種子を購入できるように、当サイトでは画像付きで購入方法を詳しく解説しているので、日本では手に入りにくい珍しい種子をお探しの方は、下記関連記事を参考に探してみてください。
検疫手数料や販売手数料、海外からの送料等がかかりますが、既に輸入済みの種子を購入するのに比べて単価は安いので、100粒~10000粒単位での購入が可能な品種もあり、大量に購入したい人には特におすすめです。
逆に少量を購入したい人にとっては各種手数料で高額になってしまうのでお勧めできません。
4.メルカリ
言わずと知れた「メルカリ」でも、最近では観葉植物やコーデックスの種子などを販売している人も多くいて、私も何度かメルカリでコーデックスの種子を購入しました。
メルカリで購入する一番のメリットは、コーデックス栽培をしている人が自家採取した新鮮な種子を手に入れることができる点です。(販売者の中には海外から輸入して販売している人もいるので、その辺は各自で確認しましょう)
当然ながら新鮮な種子は発芽率がいいので、定期的にメルカリで検索することでいい販売者さんに出合えるかもしれませんよ!
まとめ
今回はネットで植物の種を購入する時の注意点とおすすめのショップをご紹介しました。
植物の種ならではの注意点があるので、種から実生株を育ててみようとお考えの方は是非今回ご紹介したポイントに注意をしてみてくださいね。