こんにちは、田舎センセイです。
趣味の塊根植物(コーデックス)を種から育て始め、徐々に大きくなってきたので植え替え用の鉢を探していたのですが、なかなかオシャレな鉢が見つからなかったので自分で作ることにしました。
セメント鉢はオシャレなのですが市販されているものを買おうとすると高価な物も多く、ホームセンターなどには置いていないことも多いんですよね。
材料費も安く比較的簡単に作ることができたので、この記事を見た人が失敗せずにセメント鉢を作れるようになるよう、セメント鉢のDIY方法をわかりやすく解説していきたいと思います。
記事を見た人が失敗せずにセメント鉢を作ることができるようになる!
Contents
セメント鉢の特徴:メリット&デメリット
植木鉢の素材はプラスチックやブリキ、ガラスにテラコッタ(素焼き)など様々あり、どの鉢がどのような特徴があるのかを知っておくと良いでしょう。
セメント鉢は、安定性の良さと風雨に強く野外でも使いやすいことなどがメリットとして挙げられる反面、意外と割れやすかったり水にぬれてアルカリ性の成分が出てしまうなどのデメリットがあります。
今回作成するセメント鉢も、作成後にアルカリ成分を中和する「あく抜き」の工程をご紹介しますが、この作業を怠ると植え付け後に枯れてしまうことがあるので注意しましょう。
私はプラスチックやブリキなどよりもセメントの鉢の方がインテリア性が高くお洒落だと思うので、利便性よりも見た目のインパクトの方が重要視してしまいます。
鉢の素材別の特徴やメリット・デメリットについては下記関連記事をご覧ください。
セメント鉢を作るのに必要な材料
まずはセメント鉢を作るのに必要な材料からご紹介していきいます。
私がセメント鉢を作るのに使った材料一覧はこちら
2.プラカップ
3.牛乳パック
4.バケツ(使用後に捨ててもいい物)
5.段ボール箱
6.竹串
7.ビニールテープ
8.振動ドリル
ただ、必ず購入しなくてはいけないものというのは2つか3つしかないので、ご家庭にあるものなどで代用が可能だったりしますので、その辺もあわせてご紹介します。
※振動ドリルに関しては底穴をあけるために使いましたが、型に細工を行う事で使わずに底穴をあける方法も後述いたします。
1.速乾インスタントセメント
セメント鉢を作るのに「インスタントセメント」という水に溶くだけでいい速乾性のセメントがホームセンターで売っています。
私が購入したのは上記の60分速乾インスタントセメントという商品ですが、このほかに30分速乾や24時間かかるものなど硬化速度の違う種類もあるので購入時には注意しましょう。
一度に数多くの鉢を作りたい場合は30分速乾だとちょっと硬化時間が短すぎる気がするので、60分速乾の商品を選ぶと良いと思います。
カラーバリエーションもいくつかありノーマルカラー(薄いグレー)、濃い灰色、白色などがあるので、好みの色を選んだり混ぜて色合いを調節してみても良いかもしれません。
上記の1.3Kgのもので、大きさにもよりますがプラコップを鉢型にする場合で4~5個のセメント鉢が作れます(サイズ感は後述します)
牛乳パックやそれ以上のサイズの鉢を作る場合は、1.3Kgの量では2~3個が限度ですので、4Kgや10Kgのものを購入するようにしましょう。
2.プラカップ(大きさ違い2種類) & 牛乳パック
今回のセメント鉢の型にするプラカップはDaisoで2種類購入しました。
この後でご紹介しますが、実はこのプラカップを使用する前に家にあった紙コップを使ってセメント鉢を作ってみたのですが見事に失敗してしまいました。
その経験から大きさの違う2種類のプラカップを購入しました。
Daisoに売っているプラカップ(545mlと215ml)は、小さいプラカップは大きい方にすっぽりと入ってしまうくらいのサイズの違いがありますが、これくらい大きさに差があった方が最終的に上手くいくような気がします。
2つのカップの大きさに差があるという事は、完成したセメント鉢のセメント部分が厚く出来上がるので、その分セメントの量もたくさん必要になるという事も留意しておいてくださいね。
また、牛乳パックを使うと四角いセメント鉢を簡単に作ることができますよ!
中を洗って乾かしたら、潰さずにとっておきましょう!
3.焼きミョウバン
焼きミョウバンは食品添加物としてナスの色止めなどに使うことがあるので、スーパーに売っています。
セメント鉢は完成した直後は強アルカリ性の性質を持っているので、そのまま使うと植物が枯れてしまいます。
そこで焼きミョウバンを溶かした水に浸けて中和させる必要があるので、セメント鉢を作る最初の工程では必要ありませんが、完成後に使うので用意しておくようにしましょう。
4.その他の材料(テープ・竹串・バケツなど)
セメント鉢を作るそのほかの材料として必ず必要なのが「セメントと水を混ぜるための容器(大きめのいらないバケツなど)」です。
基本的にセメント・プラカップ(または牛乳パック)・バケツがあればセメント鉢は作ることができるのですが、セメントの性質上あった方が良いのが下記5点
・ビニールテープ(or ガムテープ)
・マスク
・段ボール
・穴をあけるためのキリ
・竹串
です。
私は、特に「キリ」と「竹串」をつかうことによってセメント鉢を作る工程の最難関(といっても大して難しくない)を乗り越えることができました。
上記5点については、代用も可能ですし他にもっといい道具があるかもしれないので、参考程度に覚えておいてください。
セメント鉢の作り方と手順
1.牛乳パック&プラカップに細工をする
セメントを水に溶かす前にひと作業することで、セメント鉢を失敗せずに作る確率を上げることができます。
セメント鉢を作るには外側と内側の容器の2つを用意するのですが、セメントは水以上に反発力が強いので、内側の容器を沈める方法を用意しておかないとセメントを水に溶いた時点で手詰まりになってしまいます。
予め外側の容器に竹串を通す穴をあけておきます。
外側の容器と中側の容器の高さがあまり変わらないようなら貫通するように穴をあけ、中側の容器が外側の容器にすっぽり隠れるようなら外側の容器のみに穴をあけてもOKです。(※私は後者の方で作ったので、後ほど写真をご覧いただけます)
そうすればセメントを注いだ後に竹串を通すだけで中側の容器が浮かんでこないので、思い通りの場所に固定することができます。
2.セメントを水と混ぜる
セメントを流し込むカップの細工が終わったら、いよいよセメントを水に溶きます。
注意点は「一気にすべてのセメントを入れないこと!」
小麦粉を水で溶くようにはいかないので、少しずつセメントと水を混ぜないと尋常じゃなく重いので混ぜるときに苦労します。
水の分量は袋に記載されている通りで大丈夫です。
使用後の容器は使えなくなるので廃棄してもいいような容器を使いましょう。
3.大きい方のカップにセメントを注いで竹串で固定する
最初に細工をしておいたので、セメントを注いだら外側のカップを貫通するように竹串を刺すことでつっかえ棒のように中のカップが浮かび上がってくるのを防ぐことができます。
ちなみに、下の画像のように割りばしでつっかえ棒をすることもできますが、外に押し広げてしまうので鉢の形が変わってしまうのが難点です。
また、中側の容器が外側の容器よりも高く出てくるときは、ビニールテープで抑えることもできます。
ただし、この方法は片手で浮き上がってくるカップを押さえながらビニールテープを切って貼るという作業が必要になることや、溢れたセメントでテープがくっつかなくなることもあるのであまりお勧めしません。
また、ご覧いただいて分かる通り、段ボール箱の中で作業をするとこぼれたセメントなどで地面を汚さずに済むのでおすすめです。
いくつかの方法を試しましたが、事前の作業が必要になりますが竹串で固定するのが最も簡単にできました。
4.半日~丸1日乾燥させて、乾いたら型から外す
半日ほど経てば中のセメントが固まってきますが、型をはずす途中で壊れるのが怖かったので私は念のため丸1日ほど乾燥させました。
上の画像は中が紙コップ・外が牛乳パックで作ったセメント鉢ですが実は失敗作。
上の写真をよく見ると分かるのですが、紙コップの底面がちぎれて鉢の中に残ってしまいました。
型に使った紙コップなどは力ずくで剥がすのですが、中に使った紙コップはセメントが乾燥する過程で出る水分を吸ってふにゃふにゃになってしまう事と、紙コップの底面には下記画像のように出っ張った部分があり、そこがセメント鉢にめり込んでしまうので取り出しにくいのです。
私が紙コップではなくプラカップを材料として使っているのはそのためです。プラカップであれば水分を吸って取り出せなくなることはないですよね!
プラカップの場合は、ぐしゃっとひしゃげさせて力ずくで引っ張ると取れます。
注意点としては、プラカップで手を切らないようにするという一点です。
鉢の中のプラカップは力ずくで剥がせますが、外枠に使用したカップはハサミやカッターを使った方が剥がしやすいです。
5.ミョウバン液につけて中和させる
セメントが乾いて型から外したら、焼ミョウバンを水に溶かして鉢をつけます。
ミョウバンを加える量は、水1リットルに対して1グラム(濃度0.1%)になるようにします(大体の目分量で大丈夫)
水に浸けたとたんにセメント鉢の中に閉じ込められた空気がでてきました。
水に浸けた翌日と3日後にミョウバンを溶かした水を入れ替えて、7日後からは真水に変えてそこから2週間ほど放置します。
これで鉢の中和は完了となりますが、本当に植物を植えて大丈夫か心配な方は中和後のpHを測定してみると良いでしょう。
6a.底穴をあける
セメントを固めただけでは底穴が空いていないので、鉢としては使いにくくなってしまうため穴をあける必要があります。
予め穴をあけるようにセメントを固める方法(6b)もありますが、私は振動ドリルを購入しました。
【購入したのはこちら】
セメント鉢の底穴開けにわざわざドリルを購入するというのも悩みましたが、SHINKOの振動ドリルSVV-130はかなりコスパがいいので、価格相応のパワーですがセメント鉢に穴をあけるには十分です。
注意点としてはドリル刃が付属していないので別途購入する必要があります。
10㎜までのサイズに対応しているので、上記のセットを購入するか、あける予定の穴の大きさに応じてホームセンターなどで購入すると良いでしょう。
※余談ですが、コンクリート鉢は横回転のみの通常の電気ドリルでは穴が空きません。
コンクリートやモルタルに穴をあけたい場合は、前後に振動を加えて砕きながら穴をあける「振動ドリル」を選ぶようにしてくださいね!
6b.ドリルを使わずに底穴をあける方法
材料費や工具費をあまりかけずに作れるのがセメント鉢の良い所ですが、ドリルを購入してしまうと一気にお金がかかってしまいますよね。
もともと振動ドリルがあるお宅はいいですが、セメント鉢のためにわざわざドリルを購入する必要はありません。
ドリルを使わずに底穴をあける方法のひとつが、ペットボトルキャップなどの突起物を使うという方法です。
上の写真のように中側に来るカップの底にキャップを取り付ければ、外側のカップとの間にセメントが入り込まない空間ができるので底穴を作ることができます。
2つ重ねると上の写真のようになります。
このままだとセメントが乾いた時に剥がしにくいのですが、ペットボトルキャップの周囲にマスキングテープなどを巻くと剥がしやすくなります。
私がこの方法を使わなかった理由は下記の2つ。
1.今後振動ドリルを使う事もあると考えたので購入したかったから
2.作る鉢の数だけペットボトルのキャップが用意できなかったから
後からドリルで穴をあける労力を考えるとこっちの方が楽ですが、10個ほど鉢を作ったので、その分のペットボトルの蓋が用意できなかったというのが一番大きな理由です。
必ずしもペットボトルのキャップでなくてもいいので、ストロー等他の素材でも穴あけが上手くできるか是非試してみてください。
まとめ
今回セメント鉢を作るのにかかった費用(材料費)と時間は下記の通りです。
・プラカップ2セット:200円
・焼きミョウバン:150円
・セメントを流し込む:1時間
・乾燥:1日
・ミョウバン水に浸けて中和:2~3週間
当然工具や牛乳パックの値段まで入れると価格は上がりますが、比較的安価に作ることができました。
インテリアとしてもカッコいいセメントの鉢を是非DIYしてみてはいかがでしょうか。