こんにちは、田舎センセイです!
子供のころから触れることの多い植物のひとつに「朝顔」があります。
小学校の低学年で観察日記を書いた記憶がある方も多いと思いますし、栽培も容易なので比較的よく見かける植物ですよね。
我が家の敷地内にある沼を囲むフェンスに巻き付くように朝顔が咲いているので、3歳の息子も朝顔の花を知っていますし種を採って遊んだりしています。
ただ、朝顔には注意しなくてはいけないポイントとして「種子に有毒成分が含まれている」ことがあまり知られていません。
本記事では、もし万が一朝顔の種を誤飲してしまった場合にどのような症状が出てしまうのかなど、種子に含まれる毒性と危険性についてご紹介します。
Contents
我が家の敷地内に自生するアサガオ
私がアサガオの種の危険性について最初に知ったのは中学生くらいの時に読んだ漫画(タイトルは忘れましたが)で、強力な下剤として仕込まれたのがアサガオの種だったんですね。
それで「朝顔の種を食べるとお腹が痛くなって下痢になる」というのを知りました。
我が家の敷地内にはアサガオが自生していて、毎年決まった時期になったら同じ場所に花を咲かせ種もつけます。
そして息子が楽しそうに種を採取して遊んでいるのですが、長男3歳、次男1歳とまだまだそこらじゅうのものを口に運ぶことが多いのでアサガオの種に関してはかなり注意深く目を光らせています。
園芸品種としても人気があるアサガオは見かけることも多いと思うので、種子の毒性や危険性については認識しておいた方が良いですよね。
アサガオの種子の危険性については、実際に我が家で子供が口にする可能性もゼロではないので、少し詳しく調べてみました。
朝顔の種を飲み込んで起きた事例
アメリカでは西洋アサガオの品種である「オオバアサガオ(ギンヨウアサガオ)」「ソライロアサガオ(アメリカソライロアサガオ)」などの種子を、幻覚症状を味わうために手軽に手に入るドラッグの代用品として飲み込んだ学生がアメリカで意識を失ったという事例があります。
これら2品種は幻覚症状があることから中毒事例がよく知られていますが、朝顔に関しては特定の品種のみが危険というわけではありません。
西洋アサガオと和アサガオとチョウセンアサガオの種子はいずれも毒
朝顔と言っても様々な品種があって、最も危険なのは「チョウセンアサガオ」という品種。これは下剤とか幻覚云々ではなく、種子以外にも植物本体全てが有毒なので今回の話とは少しポイントがずれます。
また、名前には「アサガオ」と付いていますが、実際はナス科の植物で花がアサガオに似ているためにそう名付けられているので、ここで取り上げる西洋アサガオや和アサガオとは別種です。
前述の西洋アサガオの種子のケースでは、下剤成分と幻覚を引き起こすと紹介しましたが、日本でもよく見かけるアサガオ(和アサガオ)に関しても種子は有毒です。
チョウセンアサガオ以外の朝顔に関しては種子以外は無毒ですが、いずれの品種も種子は有毒なので口にしないようにしましょう。
品種・種類 | 有毒部位 |
西洋アサガオ | 種子 |
アサガオ(和アサガオ) | 種子 |
チョウセンアサガオ | 植物すべて |
朝顔の種に含まれる有毒成分とは?
種類 | 主な有毒成分 |
オオバアサガオ(西洋アサガオ) | リゼルグ酸アミド(LSA) |
ソライロアサガオ(西洋アサガオ) | リゼルグ酸アミド(LSA) |
アサガオ(和アサガオ) | ファルビチン、コンボルブリン |
チョウセンアサガオ | スコポラミン、ヒヨスチアミン、アトロピン |
オオバアサガオやソライロアサガオに含まれる「リゼルグ酸アミド」は、向精神作用を持つ幻覚剤の1つで、海外ではこれを利用しようとして中毒症状をきたす例がよく報告されているようです。
西洋アサガオの種子は普通に購入可能ですが、故意にリゼルグ酸アミド(LSA)を抽出しようとすると違法になります。
アサガオに含まれる「ファルビチン」は、体内に入ることで加水分解されアルカリ塩となり大腸を収縮させることで下痢になるとされています。
チョウセンアサガオは薬としても使われる薬用植物でもあるのですが、数多くの有毒成分を含んでいて中毒症例の報告も多いので現在はほぼ毒草として認識されていることの方が多い気がします。
まとめ:素人が安易に手を出すと危険!
元々は生薬として使われることもあるアサガオの種子ですが、峻下剤として効果以外にも腹痛や血圧低下、嘔吐などを引き起こすこともあるので下剤がわりに素人が手を出すことは危険です。
また幼児が口にしてしまわないように、周囲の大人はアサガオの種子の危険性をしっかりと認識して、食品などと混ざってしまわないように注意しましょう。