キャベツで作ったスープ&味噌汁が臭い!薬品やカビのような異臭は農薬のせいではない!?

キャベツ

こんにちは田舎センセイです。

先日キャベツを使ってスープを作った時に、何とも言えない臭いがして食べることができず泣く泣く廃棄するといったことが起きました。

この時使ったキャベツはスーパーで購入したものではなく、ご近所の知人からいただいたものだったため、一時は「もしかしたら適用外の農薬の使用などがあったのではないか」と疑いました。

しかし、キャベツを含むアブラナ科の作物では同じような「異臭の報告例」が数多くあり、必ずしも農薬が原因ではないことが分かりました。

本記事では、キャベツから異臭が発せられる原因と対策などについて解説いたします。


あの臭いは農薬の使いすぎなんじゃないの?

いやいや、そうとも言えないんじゃ。今回はキャベツの臭いについて詳しく解説するぞい!

キャベツから発せられる異臭はどんな匂い?

我が家での異臭の原因は「キャベツのみそ汁」で、キャベツ以外には豆腐や味噌など主だった具材は無いのにもかかわらず、私は「カニ汁のような磯臭い臭い」と感じました。

他にも一緒に食事をした家族からは、

薬臭い

農薬のニオイだ!」

シンナーみたいな匂いがする」

と感想は様々ですが、私はちょっと臭くて食べることができない位の臭いでした。

キャベツのスープや千切りからする異臭の原因2つ

キャベツ
キャベツの異臭の原因物質

・ジメチルスルフィド
・2-メチルイソボルネオール

この後詳しく説明しますが、キャベツが臭いと感じるのには上記の2つの物質が関係しています。

もちろん個別の農家さんが自給目的で栽培している場合に、基準値を超える農薬の使用などの可能性は否定できませんが、あくまで一般的に「キャベツが臭い」という相談が挙げられた場合の多くが、本来のキャベツに備わっている2つの物質のせいであると言われています。

キャベツなどのアブラナ科の作物特有の臭い「ジメチルスルフィド」

キャベツや大根、ブロッコリーに代表されるアブラナ科の作物は、害虫から身を守るために作物自体が「アリルイソチオシアネート」という虫が嫌う辛み成分を自衛手段として分泌します。


確かに大根やキャベツで辛いものにあたるとカラシのようなニオイがすることがあるよね!

これらは作物自身が作り出す防衛手段で、イソチオシアネートは様々なアブラナ科の植物に含まれているんじゃ!最近の研究では、イソチオシアネートは癌のリスク低下に関与しているという研究結果も報告されているんじゃよ

アリルイソチオシアネートは、そのイソチオシアネートのひとつなんだね!

このアリルイソチオシアネートという辛み成分はそのままでは異臭の原因にはならないのですが、時間が経過して分解が進むと「ジメチルスルフィド(硫化ジメチル)」という揮発不溶性の物質に変化します。

これが1つ目の異臭の原因です。

ジメチルスルフィドは海苔の香り成分でもあり、海藻やプランクトンが作り出す物質なので海に行った時に感じる「磯臭さ」はこのジメチルスルフィドによるものです。

水に溶けにくいジメチルスルフィドは海上を漂い、濃度が薄ければ潮の香りとして感じますが、濃度が高いとキャベツが腐ったようなにおい、または石油のようなにおいと形容されることが多いとされています。

キャベツの鮮度が落ちていたりした場合で、特に千切りキャベツのように切断面が空気に触れた時に沢山発せられるために強く感じて、生のままスープの具材に使うと臭いが移ってしまうようです。

私が今回キャベツのお味噌汁で感じた「カニ汁のような磯臭さ」はまさにこのジメチルスルフィドが原因でした。

このジメチルスルフィドは人間の口臭の原因成分のひとつであり、ガス漏れに気づきやすいように都市ガスの着臭にも利用されています。

人間にとっては「異臭成分」と感じやすい臭いなんですね。

ジメチルスルフィドは超高濃度になると有毒性のある危険物質でますが、キャベツから臭う程度であれば全く問題ないので気にする必要はありません。

カビ臭や薬臭さの原因は土壌由来の「メチルイソボルネオール」

キャベツからするもう一つの異臭成分が「2-メチルイソボルネオール」で、

この成分は、土壌由来の藍色細菌(らんしょくさいきん)によって生成される化学物質で、水道水のカビ臭のクレームに上がることの多い物質です。

この臭いは「薬臭さ」や「墨汁のようなにおい」「雑巾を絞ったようなにおい」と形容されることが多く、この臭いに対して人は特に優れた関知能力を持っていて、水にほんの僅か(5ppt:pptとは1%の100億分の1の濃度)しか含まれていなくても感じ取ってしまいます。


機械でも感知できないくらいの濃度でも人間は嗅ぎ取ることができると言われているそうじゃ

なぜ臭いキャベツとそうでないキャベツがあるのか?

キャベツ

キャベツの異臭が本来アブラナ科の植物にあるものであったり、土にいる細菌が原因という事が分かりましたが、全てのキャベツに臭みを感じるわけではありませんよね?

特に臭みが強く出るキャベツがあるかなど調べてみました。

運悪く手に取ったものが臭いの強いものだった可能性

すごく雑な要因ですが排除できないのがこの「たまたま臭いの強いものだった」という可能性があります。

アリルイソチオシアネートは害虫からの食害に対抗する作物自身の自己防衛手段であることを書きましたが、特に有機農法や無農薬農法で作られた作物は害虫からの食害を受けやすいのでこの自己防衛手段が強く出ると言われています。

話がちょっとそれます。

奇跡のリンゴで有名な木村さんの作るリンゴは腐らない等といいますが、これ自体は奇跡なのではなく無農薬で作り続けた故にリンゴが持った自己防衛機能が通常の品種よりも強いためで、人によっては果物アレルギーが強く出やすいので食べられないと言います。

ここまで極端ではなくても、作物によっては個々に味や虫による食害被害の程度差があり、アリルイソチオシアネートなどの含有濃度にも個体差があります。

単純に手に取ったキャベツが何かしらの理由で臭いが強かった可能性もあるでしょう。

市販のカットキャベツなどの場合は製造工程での温度管理などの要因

キャベツの保管温度の適温は0~5℃、最低でも10℃以下での保存が好ましいと言われています。

ある企業ではキャベツの異臭に関する問い合わせがあり、工場出荷時の商品温度が15度と高温だったことが原因と判断し、キャベツの加工速度と温度管理を下げる(10℃以下)ことで対策を取っていました。

比較的冬に異臭の問い合わせが少ないことなどから、キャベツの保管状況や温度管理などの問題でにおい物質が強く出てしまった可能性もあるかもしれません。

キャベツの品種の要因

季節によって市場に出回るキャベツの品種が異なることも、においが目立ちやすくなる原因であると下記のように農物流専門企業が回答しています。

また毎年4~6月は、キャベツのにおいについてお問い合わせが多い時期になっています。この時期はちょうど「寒玉種」から「中早生種・中性種」への切り替え時期となり、それぞれの特性によりキャベツ独特のにおいが目立ちやすくなる傾向があります。

・「寒玉」・・・貯蔵期間が長いため熟成したキャベツのにおいが発生
・「中早生種・中性種」・・・呼吸量が多いためキャベツ独特のにおいが強い

株式会社まつの


いずれも「可能性」ということだけど、まぁ納得はいくかな。でも、これじゃ「消費者が臭わないキャベツを買うためにはどうしたらいいか」はわからないね

購入時に臭わないキャベツを選ぶの残念ながら難しいのう

異臭のするキャベツは食べても健康に害はない?

キャベツの異臭の原因物質「ジメチルスルフィド」と「2-メチルイソボルネオール」はいずれも食べても健康に害はありません。

あまりにも臭いがきつい場合は調理方法を工夫することで食べることができますよ。

臭いの強いキャベツを美味しく食べる方法

回鍋肉

私が実際に体験した中では「スープ(味噌汁の具)」は臭くて食べられませんでしたが、キャベツグラタンは全く気にならずに食べられたので「味が濃いものに料理加工する」というのは一つの方法でしょう。

「加熱すればOK」と書いてあるところもありますが、スープはダメだったので生のまま茹でたりするとスープ全体に臭いが移ります。

他にも、「お好み焼き」「餃子」なども臭くて食べられなかったという意見を見つけることができたので、「キャベツ自体をしっかりと油で炒める」ような調理法じゃないと臭いが気になってしまうかもしれません。

私は試していませんが、千切りキャベツなど生で食べる場合は、切った後にしばらく水にさらすか、酢を入れておくと臭いが消えやすいそうです。

まとめ

知人からいただいたキャベツから強い異臭がしたことから調査してみましたが、キャベツの臭いに悩まされている方は意外と多く、長年農家をやっている家族も「これまでは農薬のせいだと思っていた」と言っていたので、意外とご存知ない方が多いのかもしれませんね。

こうやって調べることで異臭のするキャベツは食べても健康には害がないことが分かって安心しました。

もし購入したキャベツにカビや薬のようなにおいがしても、はずれを引いてしまったと諦めて調理方法を工夫して消費するようにしてくださいね。

参考:CHROMATO vol.47