ビックリグミ(大王グミ)の育て方|剪定の方法・ジベレリン処理・実の食べ方について

大王グミの木

こんにちは、田舎センセイです。

あまり市場に出回らない果実のひとつに「グミの実」があります。

グミ科の植物にはいくつかの品種がありますが、その中でも赤く大きな実をつける人気の品種が「ビックリグミ(大王グミ)」でしょう。

庭木としても育てやすく人気なので、名前は知らなくてもつまんで食べた経験がある人もいるかもしれません。

我が家にも3本のグミの木があり、毎年沢山の実をつけてくれています。

本記事では、ビックリグミ(通称:大王グミ)の基本情報や育て方、おすすめの食べ方などについてご紹介します。


我が家のビックリグミの木は毎年沢山実をつけるよね!

市場にはなかなか出回らない貴重な果実の1つじゃよ♪

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ビックリグミ(大王グミ)とは

ビックリグミ
ビックリグミ(大王グミ)は、日本に自生するグミの中でもトウグミを品種改良して食用・観賞用に育てたものを言います。(※トウグミやナツグミの実のサイズが3cmほどになる大きいものを指してビックリグミと呼ぶこともあります。)

落葉性で春に花を咲かせて、夏に赤い実をつけて完熟すると食用になります。

栽培は容易で、暑さや寒さに強く、どんな土でも比較的よく育つので庭木や生け垣に使われることが多いのも特徴です。

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ビックリグミ(大王グミ)の育て方

グミの木
写真は我が家のビックリグミの木ですが、宮城県北部で冬に氷点下5~10度近くなることもある場所でも地植えで全く問題なく育ちます。

栽培は本当に簡単なのですが、どんだけ剪定してもぐんぐん伸びるので手入れをしないと手が付けられなくなります。

ビックリグミの育て方のポイント

水やり:極度に乾燥した時以外は特に必要なし
肥料 :冬(2~3月頃)に緩効性肥料を追肥として
病害虫:特になし
耐寒性:強い
耐暑性:強い
日光 :日光を好むので日当たりが良い所に植える
用土 :特に選ばない

我が家のビックリグミが植えられている場所は、日当たりはすごく良いのですが粘土質の土壌で水はけは良くありません。それでも根が活着さえすればぐんぐん成長するので、これほど丈夫な果樹は中々ありませんね。

寒さ、暑さ、過湿、乾燥のいずれにも耐えうる強靭な植物なので、細かいことはあまり気にせず育てられるのは初心者向けと言えるかもしれません。

ビックリグミの剪定の時期と方法

大王グミ
ビックリグミの剪定は「主幹形仕立て」が一般的です。

枝を切るのは厳寒期を除いた、葉の落ちる冬の時期に行います。

主幹形仕立てというのは、一本の主幹を太く育てて側枝を増やしていく方法で、長く伸びた枝先などを切り戻して実付きのよい枝を増やしていきます。

グミの剪定
1年目(植え付け直後)は、地上から60㎝ほど残して切り戻します。

2年目は、伸びた枝先10㎝分くらい切り戻す感じで剪定をして、3年目以降は伸びすぎた枝、重なった枝、内側に入りこむ枝などを剪定することで主幹を太くしつつ、内部の風通しを良くします。

ある程度樹形が整ったら花芽を残すようにして、込み入った枝を剪定することに注力すればいいと思います。

結構バッサリ切ってしまっても成長力が凄いので枯れてしまう事はよほどのことが無い限りないと思いますが、一気に剪定を行うと成長速度が鈍ってしばらく実をつけなくなってしまう事もあるので注意しましょう。

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ビックリグミのジベレリン処理について

ビックリグミは「自家不結実性」といって、自分だけの花粉もしくは2本以上あっても同種間では実をつけにくいという性質があります。

沢山花が咲いてもほんの少ししか実をつけなかったり、場合によっては全く結実しないこともあります。

そこで実をつけやすくするために「ジベレリン」という薬品を散布することによって結実性をよくするという方法がネット上に散見されるのですが、ビックリグミをはじめとするグミ類はジベレリンの適用外なので(たとえ家庭菜園でも)使用すると農薬取締法違反になります。

当然その方法を推奨することは出来ないので、結実させる方法を他に用意させる必要があります。

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受粉樹となる別の品種のグミをそばに植えて交配させる

自家不結実性というのは異種間では起きないことから、育てたいビックリグミの近くに別種のグミを植えることで対策が可能です。

落葉性(春に開花して夏に実をつける)品種のビックリグミのそばに植えるには、同じサイクルで開花~結実する品種を植えなくてはいけません。

常緑性(秋に花が咲く)落葉性(春に花が咲く)
ナワシログミ
ツルグミ
ビックリグミ
ナツグミ
アキグミ
セイヨウグミ

ビックリグミの受粉樹によく使われるのは「ナツグミですが、開花期がビックリグミに比べて少し遅いので、受粉させるためにはナツグミを前もって暖かい場所で育てて開花を早める必要があります。

我が家の場合は畑に地植えしているので基本的に受粉は虫任せですが、虫が少ない場所で育てている場合は人工授粉した方が確実に結実させることができるでしょう。

ビックリグミの食べ方

グミの実
※我が家で収穫したグミの実

グミの実は皮が薄いので市場に出ることはまずなく、保存が効かない果実です。

正直一番美味しいのは完熟した実を生でいただく「生食」ですが、グミ酒などを造っても美味しいです。

ジャムも作ったのですが作り方のせいかあまり美味しく感じなかったこともあり、なんだかんだで生食が一番美味しいという意見で我が家は一致しました。

グミの実を生食する時は、完熟した物でないとタンニンによる渋みが強烈でとてもではないけど食べられません。

「完熟したものを収穫してすぐ食べる」というのが一番美味しい食べ方だと思います。

まとめ

・ビックリグミは「自家不結実性」なので受粉樹をそばに植えるといい
・ジベレリン処理は効果があるが、農薬取締法違反になる行為
・とても育てやすい植物なので初心者向け
・樹形を整えるための剪定は必須
・食べるときは完熟の果実を収穫後すぐに生食が一番!

ビックリグミは育てやすいのですが、自家不結実性という性質を知らないと「開花したのに結実しない」という事に後から気付き、焦ってジベレリン処理をしようとしても使えない!という状況になります。

あらかじめ受粉樹(ナツグミ)を用意しておいて、実をつける準備をしておくようにしましょう!