尺取り虫の駆除方法|幼虫&成虫の画像・大量発生時におすすめの殺虫剤

尺取り虫

見た目や動きが可愛くても庭木や果樹の葉を食害する「尺取り虫(シャクトリムシ)」は立派な害虫です。

我が家では息子の誕生記念樹であるキンカンの木に尺取り虫がついていたので駆除をしたかったのですが、思いのほか息子が食いついたので観察ついでに捕獲しました。

本記事では、シャクトリムシの生態と特徴、駆除方法などについて解説していきます。

尺取り虫ってどんな虫?【幼虫の画像】

尺取り虫
  1. 和名:尺取り虫
  2. 別名:尺蠖(しゃっかく)、蚇蠖(おぎむし)
  3. 階級:チョウ目シャクガ科
  4. 生息範囲:北海道・本州・四国・九州(※種類による)
  5. 活動時期:4~10月
  6. 体長:幼虫は25mm~35mm

我が家に発生した上記写真の尺取り虫は、ヨモギエダシャクの幼虫だと思います。

子の種類は特に雑食性で、庭木を食害することの多い害虫として知られています。

尺取り虫の名前の由来と言い伝え

尺取り虫の名前は、移動する時の姿が「尺を取っている(長さを測っている)」ように見えることに由来しています。

(しゃく)は、長さの単位で「33分の10メートル(約30.3cm)」を指し、または物差し自体も尺と言うことがあります。

尺取り虫の名前は、指で尺を取る「指尺」の動きがとても似ているので想像しやすいですよね。

また、「尺取り虫に全身の長さを測られると死ぬ」という言い伝えもあります。

尺取り虫は英語で「Inchworm」や「measuring worm」

尺取り虫は英語でも長さに関係した名称がついていて、「Inchworm(インチワーム)」や「measuring worm(メジャーリングワーム)」と言います。

Inch(インチ)は長さの単位ですし、measuring(長さを測る)worm(イモムシ)という名も、日本語名と同じような考え方でつけられていますね。

尺取り虫の成虫は「シャクガ」【成虫の画像】

シロトゲエダシャク
※画像:wikimedia

尺取り虫はいずれも「シャクガ」と呼ばれる蛾の幼虫で、上の画像は「シロトゲエダシャク」と言うシャクガの一種です。

シャクガの種類は800種とも900種とも言われており、成虫も色、大きさ、模様などが様々で種類の同定は素人には難しそうです。

特に雑食で庭木の食害報告例が多いのが、我が家に発生したヨモギエダシャクと言う種類のシャクガで、大量派生すると被害が甚大になる恐れがあります。


尺取り虫は可愛いのに、成虫(シャクガ)になると急に気持ち悪い見た目になるね

尺取り虫は可愛いという事で飼育している人も少なくないぞい

意外と「かわいい」尺取り虫に毒はある?

尺取り虫

尺取り虫を発見したあと、息子がシャクトリムシを飼いたいと言い出したので虫かごに入れて観察・飼育することにしました。

確かに手をつたって歩くときの感触や動きは見ていて可愛く感じることもあります。

尺取り虫

日本に住むシャクガの幼虫(尺取り虫)に毒を持つ種類はいません

海外(ハワイ)で肉食の尺取り虫が数種類発見されているそうですが、毒を持つ種類はいま現在では発見されていないようです。

尺取り虫は毛虫と違い毒針毛などもないので、上の写真のように手の上を這わせることもできますし、素手でつまんで駆除することもできます。

何度もこのように手の上に乗せたりもしていますが、噛まれたりしたこともありません

お尻の方にある疣足(いぼあし)でグッとつかんでくる力が強く、口から糸を吐いてぶら下がってきたりと、手の上に乗せてるだけで結構面白いので、息子はしばらく嬉しそうに観察していました。

尺取り虫に食害された我が家のキンカンの葉

キンカンの葉

今回私が発見した尺取り虫は、我が家の玄関先に置いてあった「キンカンの葉」を食べているところを捕獲しました。

食べられているのは全て柔らかい新芽の部分だけ

尺取り虫が食害するのは主に庭木などの「葉」であることが多いのですが、まれに種類によっては花芽や蕾まで食べてしまうことがあります。

このまま葉を食害されるのを放っておくと、枝だけになってしまい植物の成長が阻害されてやがて枯れてしまうので注意が必要。

今回は1匹だけだったので手でつまんで捕獲しましたが、大量発生してしまった場合は薬剤による駆除が効果的でしょう。

しかも何故か柑橘系の植物を加害する種が多いようで、我が家もアプリコットやブルーべリー、スモモ、カキ、ブドウなど様々な果樹がある中でシャクトリムシの被害を受けたのはキンカンだけでした。

もしかしたらこの木が発生源かもしれませんね。

尺取り虫が大量発生した時の駆除方法と効果的な殺虫剤

即効性なら「スミチオン乳剤」

スミチオン乳剤は野菜や果樹につく害虫に幅広く効き、安全性の高さから昔から使われている薬剤です。(※毒性:普通物)

即効性を求める場合は、スミチオン乳剤を希釈して噴霧器で散布する方がすぐに効果が出て経済的です。

特に樹高が1m以上になる高木の場合は、この後ご紹介するオルトランDXなどの粒剤は効果が薄いので、乳剤をしっかり散布するというのが一番でしょう。

年3~4回と発生回数が多いシャクガの幼虫は、春先(4月)から秋(10月)にかけて増え、特に6月以降になると果樹の被害も増えだすので、このタイミングでの防除が大切です。

一方で、スミチオン乳剤はアブラナ科の植物には薬害を生じさせてしまうので使用は厳禁なので覚えておくようにしましょう。

スミチオンの適用を確認する

低木への予防的利用なら「オルトランDX」

有効成分:アセフェート2.5%、クロチアニジン0.25%

オルトランDX粒剤は、殺虫成分がアセフェートとクロチアニジンの2種類が配合されており、アセフェートに抵抗性を持ってしまっている害虫に対しても効果が期待できる薬剤です。

粒剤なので株元の土の上に撒いて使うことで、植物が根から薬剤を吸い上げ、植物体内を薬剤が浸透移行することで葉をかじる尺取り虫を駆除していきます

この作用機序によって、液剤やスプレーなどのかけもらしによって駆除しそこなう個体がなくなるので、シャクガの幼虫をきれいさっぱり駆除できます。

欠点は、薬剤を吸い上げる効果が樹高50~100㎝程度しかないので、高木に使用する場合は効果が薄くなります。

また、スミチオンのように薬剤がシャクガの幼虫に付着して駆除するタイプの薬ではないので即効性には乏しいです。

オルトランDXのような粒剤は、シャクトリムシの発生時期に合わせて予防的に使用するのが効果的です。

オルトランについては下記の関連記事でより詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

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まとめ

尺取り虫は数匹程度の害であれば手でつまんで駆除することも可能ですし可愛くも感じるかもしれませんが、大量に発生するとやはり農家にとっては害虫以外の何物でもありません。

今回は鉢植えのキンカンの木に1匹だけいたことで、観察・飼育することができましたが実害が大きかったら有無を言わさずにオルトランを株元にまいていたでしょう。

毒を持たない分まだかわいいレベルの害虫ですが、大量発生には気を付けておきましょう。