こんにちは、田舎センセイです!
光沢のある葉と鮮やかな花が人気の観葉植物「クンシラン」ですが、我が家でも毎年花を咲かせて、株も株分けによってどんどん増えています。
栽培難易度はさほど高くない初心者向けの植物ですが、花を咲かせたり株を傾かせないように育てるのにはちょっとしたコツが必要で、なんとなく育てているとクンシラン本来の綺麗な姿を楽しめないんですね。
たとえば、
・葉が焼けてしまって色が薄くなった
・年々花の色が薄くなってきている
・株が倒れてきて不格好になってしまった
・鉢から根が飛び出してきた
・種をつけたら株が弱ってしまった
・葉が黒く変色して腐ってきてしまった
等がよくあるクンシラン栽培における悩みのポイントです。
本記事では基本的な栽培方法に加えて、上記のような悩みやすいポイントについて対策をご紹介いたします。
Contents
君子蘭(クンシラン)とはどんな植物?
和名 | クンシラン |
漢字名 | 君子蘭 |
別名 | ウケザキクンシラン(受け咲き君子蘭) |
学名 | Clivia miniata |
分類 | ヒガンバナ科クンシラン(クリビア)属 |
原産地 | 南アフリカ・ナタール地方 |
形態 | 半耐寒性常緑多年草 |
特徴 | 強い光・多湿に弱い |
君子蘭は「蘭」と名前についていますが、ラン科ではなくヒガンバナ科の植物。
明治時代に日本に上陸し古くから愛されていますが、当時はClivia nobilis(クリビア・ノビリス)というトランペット型の下向きの花をつける品種の和名だったのですが、上向きに花を咲かせるウケザキクンシラン (Clivia miniata)が多く流通するようになってからこちらをクンシランと呼ぶようになったそうです。
Clivia nobilis | Clivia miniata |
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クリビア・ノビリス ※画像:wikimedia commons | クリビア・ミニアタ ※画像:wikimedia commons |
クンシランの花言葉
クンシランの開花時期はいつ?
君子蘭の開花時期は「3月~5月」が多く、管理方法をしっかりすれば長い期間花を楽しむことができます。
クンシランの寿命はどれくらい?
君子蘭は「宿根草/多年草」なので、基本的に寿命はありません。育て方次第ではずっと生き続けます。
クンシランの育て方のポイント
・葉焼けしやすいので直射日光は避ける!日当たりのいい半日陰がGOOD
・過湿に弱いので水の与え過ぎに注意!
・葉に水がたまり軟腐病になることがあるので水は用土にのみかける
・耐寒温度は5℃前後。花を咲かせたい場合は寒暖のメリハリが必要!
・日の方向に傾きやすいので定期的に鉢を回す
上記が特にクンシランの栽培で気をつけるべきポイントです。
葉焼けの対処法は「鉢の置き場所」
花以外にも艶のある葉の鑑賞価値も高いクンシランは、葉が日光によって焼けてしまうとせっかくの綺麗な深緑色の葉の魅力が半減してしまいます。
特に夏場の直射日光は葉焼けの原因になってしまうので注意が必要。
葉焼け対策としておすすめな鉢の置き場所は、
・春&秋は遮光率30%の屋外管理
での管理がおすすめです。
遮光率はあくまでも目安ですが、直射日光があたらない明るめの日陰で管理すると葉焼けをさせずに済むのでおすすめです。
クンシランの花が咲かない原因と対処法
クンシランの育て方の悩みとして多いのが「花が咲かない」という問題です。
クンシランが花芽をつける条件が二つあります。
1.夏場(7月)までに葉の枚数が約16枚以上ある(品種により誤差はある)
2.秋~冬の期間に10℃以下の気温に約2カ月間(60日間)さらされている
葉の枚数はあくまでも目安ですが、16枚前後で花芽をつけることが多いようです。
葉の枚数が十分あるのに花が咲かない方は、秋の早い段階から室内に鉢を取り込んで暖房が効いた暖かい部屋で管理している場合がほとんどです。
クンシランの耐寒温度は5℃前後ですが、秋は霜が降りる直前まで屋外で管理して寒さにあてる必要があり、室内に取り込んでもできるだけ暖房には当てずに玄関など涼しい場所で管理する方が花を咲かせやすいです。
クンシランの株元や根に白いカビが生えている
クンシランの特徴のひとつに「過湿に弱い」というものがあります。
上の写真は我が家のクンシランの鉢の1つですが、用土から根が飛び出して一部が白いカビに覆われていますね。クンシランの成長に影響するような病原菌ではないですが、過湿による白カビが発生している状態です。
場合によっては「白絹病」と呼ばれる白いカビによって株が腐ってしまうこともあるので、この写真状態は明らかに良くありません。
根が用土から飛び出していることからも、根詰まりの可能性もあり植え替えをすべきタイミングだと思います。
クンシランのカビの対策
植物体内にカビ菌が浸透してしまうと高確率でダメにしてしまうので、できるだけカビの生える環境にさらさないことが重要。水やりの回数や風通しの良さに気をつけましょう。
もしそれでもカビが発生してしまった場合は、カビが発生した部分を水で洗いベンレートやトップジン水和剤などの殺菌剤を塗布して養生させます。
クンシランの用土は「水はけ重視」でつくろう
過湿に弱いクンシランの用土はできるだけ「水はけの良い土」が合っています。
直射日光に弱く、葉が茂るので株元の用土は隠れやすい、寒い環境でも管理が必要となると用土が乾きにくい条件が満載なので、できるだけ水持ちの悪い「園芸軽石(中粒)」や「硬めの赤玉土」をメインに用土を作ると良いでしょう。
園芸軽石は上記の日向土がおすすめ。赤玉土はホームセンターにあるもので十分で、他には腐葉土を混ぜ込むと良いと思います。
用土の準備が難しい場合は、クンシラン用の土が売られているのでそれを購入するのでもOKです。ただなかなかホームセンターに売っていないのでネットで購入すると良いでしょう。
クンシランの葉がばらつく/株が倒れる
クンシランは株が締まって葉がまとまっていると綺麗ですが、鉢を置きっぱなしにして一方向からのみ光が当たっていると株が倒れたり葉が開いてしまいやすいです。
「鉢は定期的に回転させる」ことで、バランスよく葉を開かせることができます。
鉢の回転は180°ずつ行えば葉の開きを均等にしやすいです。
クンシランの株分けの方法とタイミング
クンシランはある程度成長すると株元から「仔株」が吹きます。
※親株(左)から出た仔株(右)
仔株が吹き始めて間もないころは根が成長していないので親株につけたままにした方が良いですが、ある程度の大きさになれば株を鉢から抜いて根を傷つけないようにナイフやハサミで親株から切り離します。
切断面に病原菌が入りこむと腐ってしまうことがあるので、殺菌剤を塗布することで予防できます。
個人的に使い慣れている殺菌剤は「トップジンMペースト」というドロっとしたペースト状の殺菌剤で、薬剤が乾くと木工用ボンドのように切断面を保護してくれます。
薬剤が乾いたら新たな鉢に植えつけて、日陰でしばらく管理します。
クンシランの害虫は「ナメクジ」に注意!
おそらく好きな人はいないと思われる「ナメクジ」は、5月~10月頃までの期間にクンシランを屋外管理にしている時につきやすい害虫の筆頭です。
新芽や葉、根を食害するので枯れる原因になってしまいます。
見つけ次第、捕殺するかナメトールなどのナメクジ駆除剤を使って退治しましょう。
まとめ
本記事ではクンシランの特徴と育て方のポイントについてまとめました。
花だけでなく青々とした葉も年中楽しめるクンシランは、大切に育てればほぼ永遠に楽しむことができるので観葉植物としても人気です。
ぜひ育て方のポイントを抑えて、美しい姿をキープしながら育てていきましょう!