こんにちは、田舎センセイです!
公園や大きな道路沿いに街路樹として植栽されている樹木の中に、トゲトゲとした面白い形の木の実をつけるものがあります。
秋になると紅葉がとても綺麗な木で、地面をみると沢山の変わった形の木の実が落ちていて幼い頃にドングリなどと一緒に拾い集めては「この木の実はなんていう名前だろう」と思ったものでした。
本記事では冒頭の画像の木の実の正体について詳しくまとめます。
Contents
街路樹の下に落ちてることが多いトゲトゲの木の実の正体は「モミジバフウ(紅葉葉楓)」
和名 | モミジバフウ(紅葉葉楓) |
別名 | アメリカフウ |
英名 | alligator-wood/satin-walnut/American-storax |
学名 | Liquidambar styraciflua |
原産地 | 北米~中南米 |
分類 | 落葉高木 |
階級 | マンサク科フウ属 |
開花時期 | 4月頃 |
樹高 | 約10~40m |
この木の実の正体は「モミジバフウ(紅葉葉楓)」と呼ばれる樹木の木の実(集合果)で、写真のように穴が開いて地面に落ちているものは種子を飛ばし終えたあとの実です。
画像:Wikipedia
上の緑色した果実がモミジバフウの種子が中に入った状態の実で、これを乾燥させると中から種が出てきます。
モミジとカエデと「楓(フウ)」の違い
モミジバフウの「フウ」とは、漢字で書くと「楓(フウ)」と書きます。楓(カエデ)とも読めるこの字は、実はマンサク科フウ属の「フウ」を指すんですね。
モミジ(紅葉)はその字の通り紅葉する落葉樹のことを広く指していました。
カエデは「カエルの手のような形」から、「カエルデ→カエデ」になったと言われているので、カエデの様な形の葉で紅葉するものは全て「カエデ」だったり「モミジ」と呼ばれていました。
その中に「フウ(楓)」も含まれており、元々は区別がついていなかったのですが、フウはモミジ(ムクロジ科カエデ属)とは違うマンサク科フウ属の別の植物だったため、特に5~7裂に裂けた葉を持つ楓を「モミジの葉っぱの様なフウ」として呼ばれるようになったのが「モミジバフウ(紅葉葉楓)」の名前の由来とされています。
モミジバフウ(アメリカフウ)とフウ(タイワンフウ)
因みに一般的によく見かけるフウ属の樹木には2種類あって、葉が3裂のものを「楓/フウ(タイワンフウ)」、葉が5~7裂のものを「紅葉葉楓/モミジバフウ(アメリカフウ)」として見分けることができます。
モミジバフウ(アメリカフウ) | フウ(タイワンフウ) |
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※画像:wikimedia commons | ※画像:wikimedia commons |
※画像:タイワンフウの木の実(Wikipedia)
こちらの写真はタイワンフウの木ですが、木の実の棘がモミジバフウのものに比べて細かく数が多いのがなんとなく見て取れると思います。
私の手元にはモミジバフウの木の実しかないので、フウ(タイワンフウ)の木の実との比較がWikipediaの借り物の画像のものとしかできませんが、それでも棘の違いはなんとなく分かりますよね?
モミジバフウの苗木と木の実はネットでも販売されているので購入が可能!
モミジバフウの苗木:庭木や街路樹に
モミジバフウは街路樹や公園樹に使われることが多いのには紅葉が美しい以外にも理由があって、特に脅威になる病害虫が少ないという特徴があるんですね。
庭木にしようと苗木を購入する場合は、栽培環境によって多少は育て方に違いが出てくるかもしれませんので、苗木の販売サイトで簡単な育て方をチェックしてください。
モミジバフウの木の実:リースなどの工作に
乾燥させたモミジバフウの実は、トゲトゲで丸いボールの様な見た目をしているのでリースなどの飾りの1つとしてよく使われます。
モミジバフウの木が周囲にない場合は、Amazonや楽天で取り扱いがあるので購入するという方法もあります。
まとめ
公園や歩道を歩いていて面白いトゲトゲしたボール状の木の実を見つけたら、それはフウやモミジバフウの木の実かもしれません。
よく見かけるこの木の実が「モミジバフウの実」であると即答できる人はあまり多くないと思うので、是非覚えて外を散歩する時に探してみてくださいね。