こんにちは、田舎センセイです!
先日、畑を歩いているとモロヘイヤの苗が株元からポッキリと折れてしまっているのを見つけました。
もしやと思って土を掘り返してみると見つけた「ネキリムシ」
コイツがいると周囲の作物の若芽を片っ端から食べつくされてしまうので、しっかりと防除しなくてはなりません。
本記事では厄介なネキリムシの対策と効果的な農薬について解説いたします。
Contents
ネキリムシは「ヤガ」の幼虫
ネキリムシ(根切り虫)は、その名前から作物の根を食いちぎるかのように思われますが、実際は地表近くの株元を食害するので、作物の苗が急に倒されていたりすることから発見することが多いです。
上の写真はマルチをして育てていたモロヘイヤの苗ですが、茎の所をがっつりと食いちぎられていて、周囲の土を掘ったらネキリムシを一匹見つけました。
ネキリムシは日中は土の中に潜んでいて、夜間に地表にはい出てきて茎を食害するため、なかなか見つけるのが難しいのが厄介なポイント。
そして動きも結構早いです。(※動いてる動画があります↓)
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ネキリムシは「ヤガ(夜蛾)」という蛾の幼虫を総称して呼ぶので、実際は「ネキリムシ類」というのが正しいかもしれません。
幼虫がネキリムシ類と考えられている蛾は、
・タマナヤガ
・センモンヤガ
・オオカブラヤガ
などです。
ネキリムシの成虫(ヤガ/夜蛾)の画像
蛾の中でもヤガの種類は灰褐色のいかにも「蛾」という見た目で、あまりお世辞にもキレイとはいいがたい見た目をしています。
上の画像は、幼虫が作物の食害を起こすネキリムシ類にまとめられる「タマナヤガ」の成虫の物ですが、ネキリムシがいるエリアではこのような蛾をよく見かけると思います。
ネキリムシが食害することの多い野菜
キャベツ・ブロッコリー・大根・トマト・ジャガイモ 等
ネキリムシが食害しやすい野菜はありますが、基本的には雑食で雑草も作物も見境なく食害します。
周囲にネキリムシが好む雑草が沢山ある場合は作物がターゲットになる確率も減りますが食害を受けた時に見つけにくくなります。
一方で、雑草が無くきれいに整えられている圃場の場合は作物がターゲットになりやすいですが、ベイト剤などを使った防除が行いやすくなります。
ネキリムシの対策と効果的な農薬
掘り起こして手で捕まえる
ネキリムシは夜間に食害を起こし、日中はその作物のそばの土の中に浅く潜って隠れます。
そのため、被害があった場所が明確な場合はその周囲の土を掘ると高確率で潜んでいるので、つまんで駆除してしまいましょう。
ネキリムシ対策にコーヒーは効果的なのか?
ネキリムシ対策に農薬を使わずに駆除する方法としてコーヒーの出がらしを土と混ぜる方法を散見しますが、個人的には労力に対して見合った効果は得られないと思います。
コーヒーの出がらし自体の効果は多少なりともあるのかもしれませんが、どちらかというとマイナス面の影響も考慮に入れて利用する必要があります。
余程しっかりと乾燥させないとカビが生えてしまいますし、圃場の広さにもよりますが効果を発揮するほどのコーヒーの出がらしを用意するのは難しいと思います。
予防的に行うのであればいいかもしれませんが、既にネキリムシの被害がある場合は速効性は見込めないので効果は薄いでしょう。
ネキリムシに効果的な農薬
ベイト(食毒剤)
ネキリムシは誘引効果のある食毒剤が効果的なので、ネキリムシの仕業と思われる食痕があってネキリムシを見つけられなかった場合は、ベイト(食毒剤)を作物の株元にまいておくと、誘引効果のある臭いに引き寄せられて食いつきます。
我が家で使っているのは「ネキリエース」
どぎついピンク色の粒剤で、ネキリムシやコオロギなどに効果があります。
他にも「ネキリベイト」などもネキリムシに効果的な食毒剤です。
オルトラン
有効成分:アセフェート5.0%
オルトラン粒剤は、「苗を植える前に土の中に混ぜ込んで定植する」もしくは「株元に散布する」という方法が一般的です。
粒剤が水にぬれることによって根などから吸収され、植物体内に行き渡ることによって吸汁害虫などを駆除することができます。
予防的に散布しておくことで、作物をかじられた時にネキリムシに薬効を発揮して駆除してくれます。
オルトランについてはこちらの記事もご覧ください。
まとめ
ネキリムシは食害を受けて気が付き、日中は土の中で見つけにくいというのが厄介な害虫ですが、ベイト剤が良く効くので適応を見て使用すると良いでしょう。
コーヒーの出がらしやモミガラなど農薬に頼らない方法も見かけますが、個人的な意見としてはカビや別の虫が発生する原因にもなるので使っていませんし、あまりお勧めもしません。
確実な方法としては、手作業で見つけるというのもあるので是非自分の労力と効果に見合った方法を選んで駆除するようにしましょう!