こんにちは、田舎センセイです。
私が趣味で育てている塊根植物(コーデックス)の中でも、特に気に入っているのが「ユーフォルビア・オベサ」。
最初はネット通販で種子を購入して育て始めたのがきっかけなのですが、なんとか大きく育てようと試行錯誤しているうちに、どんどん丸くなっていくフォルムに目を奪われて虜になっていきました。
その中で、オベサの育て方のコツや、他のユーフォルビアと掛け合わせた「亜種」が多く存在する事を知り、少しずつ集めるようになったんですね。
そこで本記事ではユーフォルビア・オベサの育て方と種類、そして私が種から育て始めた記録とオベサ(と種子)の購入方法についてご紹介します。
Contents
ユーフォルビア オベサとはどんな植物?
- 和名:ユーフォルビア・オベサ 別名:バスケットボールプランツ
- 英名:Euphorbia obesa
- 階級:トウダイグサ科ユーフォルビア属
- 原産:南アフリカ
- 形態:別名の通りバスケットボールのように丸い
- 特徴:古くなると木質化しやすい、雌雄異株、比較的寒さに強い
トウダイグサ科のユーフォルビアは、世界に2000種以上あると言われていて、その中でも丸い形が特徴的で特に人気があるのが、この「ユーフォルビア・オベサ」です。
原産は南アフリカですが、冬はかなり寒くなる地域でもあるのでオベサは0℃位までなら屋外で越冬することも可能です。
雌雄異株のため、どちらか一方のみでは種をつけることができません。
その代り、同じユーフォルビアの他種間での交配が盛んに行われ、様々な特徴を持った品種が多くあるのも魅力のひとつ。
つぎに、ユーフォルビア・オベサの中でも、広く流通している代表的な種類をご紹介します。
オベサの品種【種類別の特徴】
オベサ ブロウ
オベサブロウは、ユーフォルビア・オベサと瑠璃晃(スザンナエ)を交配させた種です。
※スザンナエの画像:wikimedia commons
オベサブロウの見た目はオベサ寄りですが、少しトゲトゲとしている所や仔吹きが多い所はスザンナエの特徴を引き継いでいるようです。
あくまで交配種ですので子吹きオベサとは別品種ですが、育て方はオベサと同じでOK。
子吹き具合によって値段が変わることが多いですが、通常のオベサよりも安価で取引されていることが多いように思います。
オベサ シンメトリカ
ユーフォルビア・オベサと最もよく似ている品種で見分けがつきにくいのが「ユーフォルビア・オベサ・シンメトリカ」です。
シンメトリカはオベサと全く別の植物というわけではなく「亜種」と考えられていて、幼苗の時は専門家でも見分けるのが難しいとさえれるほどです。
生長するとオベサが立てに伸びやすいのに対して、シンメトリカは扁平なままといわれていますが、それでも正直あまり見分けがつきません。
我が家で育てているシンメトリカ(写真上)は、販売者さんが付けたラベルを信じて判断していますが、実際のところはよくわかりません。
オベサ 梵天
オベサ梵天は、ユーフォルビア・オベサのハイブリット種で、筒状に高く伸びやすいのが特徴です。
幼苗の頃はオベサとよく似ているので間違いやすいのですが、生長してくると表面の切れ込みがオベサに比べると深めで、少しゴツゴツした印象になります。
私の手元にオベサ梵天が無く、画像が無くてスミマセン。いつか手に入れたい!!
ユーフォルビア・オベサの基本的な育て方
・冬以外は土が乾いたら鉢底から出るくらい水をあげる。でもあげすぎ注意
・冬は、完全断水しないように月1~2回、わずかな水やりだけにする
・寒さには比較的強く0℃くらいまでは耐えられる
オベサを育てるうえでは、水切れで枯らしてしまうことはそこまで多くありませんが、根が細いので真冬の完全断水などで根の細部が枯れてしまうこともあり、微妙な水やりの加減は必要です。
それ以外では水のあげ過ぎや蒸れ、温度管理を間違えないようにする必要はありますが、それはどの植物でも同じですよね。
オベサを育てる悩みは、枯らさないこと以上に「育てる過程で起こる変化」への対応方法にかかわるものが多いような気がします。
主なポイントは下記の2点でしょう。
日光を与えないと徒長しやすい
丸くどっぷりとして、均整の取れた形が可愛らしいオベサですが、肥料のあげ過ぎや日光不足などによって「徒長」してしまうことが多いです。
日光が足りていないと、植物は光を求めて縦に伸びようとします。そのため、オベサの丸く可愛らしい姿が見る影もなくなってしまいます。
徒長するのは見た目がひょろっとしてしまう以外にも、病気にかかりやすくなったり害虫の被害を受けやすくなったりする原因にもなるので注意したいところです。
オベサを含むサボテンや多肉植物は木質化しやすい
オベサを育てていくうえで避けて通れないのが「木質化」です。
木質化というのは、それまでは緑色でみずみずしかった株が樹木のように茶色く固くなってしまう現象です。
木質化するオベサを見て「枯れてきてしまった」「病気かも?」と勘違いしてしまう人もいますが、木質化自体がすぐにオベサを枯らしてしまうことはありませんので安心してください。
そもそもなんでオベサが木質化していくかというと、「緑色の面積が大きいと水分が蒸発しやすく、その分生き残るために沢山の水分を必要とするから」です。
つまりオベサやサボテンが水の少ない乾燥地帯で生き抜くための生存戦略なんですね。
木質化をオベサの趣(おもむき)と捉える人も多く、木質化の進んだ古株を好むコレクターも少なくありませんが、あまり木質化が進むと成長が止まってしまう恐れもあります。
木質化・徒長したときの対処法「胴切り」
オベサやサボテンが木質化したり徒長しすぎたりしたときに取られる対処法として一般的なのは「胴切り」です。
その名の通り株を真っ二つに切り、切断面から発根を促して再度植え付ける方法。
庭木などでは「剪定」や「切り戻し」という言葉を使いますが、サボテン系では「胴切り」って言うんですね。
切断面は雑菌の繁殖と腐敗を防ぐために水で洗い流した後にふき取り乾燥させます。すると、しばらくして発根してくるので新たな鉢に植えつけることができます。
「サボテン 胴切り」などで検索すると実際に行っている人の記事が見つかりますので、是非探してみてください。
ユーフォルビア・オベサの増やし方
1.掻き仔を植える
「掻き仔」というのは、子吹きオベサなどの親株にポコポコとついている小さい仔を外したもののことです。
ある程度大きくなった仔を親株から外して、切断面を乾燥させると発根しやすくなります。
ただし、乾燥させるのは発根を促すためではなく雑菌の繁殖や壊死を防ぐためなので、植え付ける土自体は少し湿っている方が根が出やすいように思います。
すぐに植え付けても良いくらいのサイズであれば、親株から外して切り口をキレイにしたらそのまま植え付けても大丈夫です。ただし、あまり小さい掻き仔は発根するエネルギーが不十分なことも多いので注意しましょう。
また、掻き仔で増える株は(基本)全て親株と同じ性になります。(※途中で性別が変わる可能性はゼロではありませんが、基本的に同じと言われています)
2.種を取って育てる
オベサによっては仔を吹かない種類もあり、掻き仔で増やしにくいこともあります。
その場合は、通常通り雄株と雌株を受粉させて種を取るというのが基本的な増やし方になりますが、前述の通りオベサは雌雄異株なので、雄株と雌株を用意しなくては受粉ができません。
しかし、花が咲くまで性別が判別できないので、まず初めに「ご自身が育てているオベサの性別を知っていること」そして「対になる性別の株を探すこと」が必要になります。
一度開花して性別がわかっている株をネットや園芸店で探すか、オベサが開花しやすい春~初夏の時期に多肉園芸店をまわって開花中のオベサを自分の目で見て購入するかのどちらかが確実でしょう。
こちらがオベサの雌株↓
次がオベサの雄株↓
※画像:wikipedia
受粉の方法はいたって簡単で、雄花の花粉を雌花につけるだけ。
受粉が成功すれば種ができますので、しっかりと株の上で種が乾燥するまで待ちましょう。(※放っておき過ぎると種がはじけ飛んでしまうので、そろそろかなと思ったら飛散防止のカバーをかけておくといいですよ)
ユーフォルビア・オベサの種を通販で入手!実生株を育てる!
ユーフォルビアオベサは、多肉植物や塊根植物を多く扱う園芸店が近くにあれば入手するのはそれほど難しくありませんが、種は通販サイトで購入することができます。
私が購入したのは「多肉植物ワールド」です。
5粒購入して、発芽したのは3粒だったので、私が播種した環境や経験不足な面もあったと思うので、まぁまぁこんなもんでしょうと納得しています。
他にもアデニウムなどの種では発芽率100%だったりしたものもあったので、種が欲しい方は多肉植物ワールドはお勧めできます。
梱包はかなり厳重で、しっかりと種を保護して送られてきました。
ユーフォルビア・オベサの種をまいてから1年目の様子
無事発芽した3つのうち、1年間枯れずに育ってくれたのはわずか1株でした。
初めは普通に双葉の芽が出てきてそこからどうやってあの丸いフォルムになるのか興味津々でしたが、徐々に中央部分が膨らんで上の写真の形になりました。
2月に種を植えて丸1年、寒さの厳しい東北の地でもなんとか育てることは可能なようです。(自作の温室を使って温度調節はしています)
まとめ
ユーフォルビア・オベサは、ハマればハマるほどその良さが忘れられなくなり、コレクターも多い品種です。
当記事でも継続して実生株の成長の様子や、新たなな品種を迎え入れた時には更新していきます。