こんにちは、田舎センセイです。
私は自宅の作業場や子供部屋をDIYすることが多いのですが、「壁に棚を取り付けたいけど下地に使われている柱の場所が分からない」なんてことがありませんか?
コンコンと叩いてみるも本当にそこに柱があるのかイマイチ確証が持てず、なんとなくネジ止めしてみるもそこに柱は無く壁に大きな穴を開けただけになってしまったら最悪ですよね。
重さのあるものを壁に取り付ける場合は、壁紙と石膏ボードの後ろに隠れる柱を見つけなくてはいけません。
そこで本記事では、DIYをするときにあると役立つ「壁の下地の柱や鉄骨を探す機器:スタッドセンサー」について、おすすめや商品ごとの特徴を解説いたします。
Contents
壁の下地の柱を探す機器の種類と特徴
壁の下地を探す機器にはいくつかの種類があり、「下地センサー」や「下地探知機」など様々な名前で呼ばれていますが、大きく分けると「針」「磁石」「センサー」の3種類に分類できます。
1.針タイプ
針タイプは、針を壁に刺して後ろにある下地を探すという最も単純な仕組みの下地探しです。
下地が無い所なら手ごたえなく針が奥まで刺さるのに対して、下地があれば針がとまるので下地の場所を確認することができます。
針の刺さり具合によって壁から下地までの距離も測れるので、どの程度の長さの釘やネジが必要なのかもわかります。
一方で、どうしても壁に穴を開けなくてはいけない点と、石膏ボードの後ろにベニヤの様な木材がある壁の場合は使えないのが欠点です。
・正確に壁の裏の下地の有無が分かる
・壁から下地までの距離を測ることができる
・壁に穴が空いてしまう
・下地にあたって針が折れることがあり、付け替え用の針が必要になることがある
・下地までの深さによって針の長さを使い分ける必要がある
・石膏ボードの裏にベニヤの様な木材がある壁には使えない
2.磁石タイプ
磁石タイプは、石膏ボードを固定するネジや釘などの金属を磁石で見つけることで柱の位置を特定するという仕組みです。
金属(ネジ or 釘)がある場所ではマグネットが反応して立ち上がるので、そこが柱だと分かります。
メリットは「壁に穴を開けなくてもいい」という点。
一方で、マグネットが反応した場所の周囲どれくらいの幅に柱があるのかわからないという点と、マグネットが強力なので磁気で影響を受ける機器には近づけられないというのが欠点でしょう。
・磁石が強力なのでかなりはっきり金属の場所が分かる
・下地の幅まではわからない
3.センサータイプ
センサータイプの商品は、一般的に静電気量の変化によって下地を見つける機器です。
電源を入れて壁に押し当てて動かすと、下地の場所でセンサーが反応して知らせてくれます。
商品のスペックは様々で、安価でシンプルな機能のみの商品もあれば、金属探知や電線などのケーブルの有無も探知してくれたり、下地の中心を一発で見極めてくれる商品もあります。
下地を探す本数や範囲が大きい時に最も効率がいいというメリットの反面、壁材の湿度が高い場合は探知制度が低下するというデメリットがあります。また、壁材が「ACL板」「コンクリート」「モルタル」「金属」等の場合は探知ができない(※できる商品もあり)ので注意しましょう。
また、壁材が強化石膏ボードのように厚みのある場合には、探知深度の深浅を変更できる商品を選ぶ必要があります。
・壁に穴を開ける必要が無い
・(商品によっては)探知深度の幅を変えることができる
・(商品によっては)電線や金属の位置を警告してくれるものがある
・(商品によっては)下材の中心を教えてくれるものもある
・環境や壁材によって探知制度が下がったり探知できないことがある
・各種タイプの中で探知制度は一番低い
【混合】4.針&磁石タイプ
先に紹介した針タイプと磁石タイプを合わせた商品もあります。
値段もさほど変わらず2つの機能が合わさっているので、針タイプと磁石タイプのどちらを購入するか迷っている人におすすめです。
メリットデメリットは両タイプに準じます。
下地探し商品のタイプ別の特徴一覧
針 | 磁石 | センサー | |
値段 | 〇 | 〇 | 〇~▲ |
簡便さ | 〇 | 〇 | ▲ |
探知精度 | 〇 | 〇 | 〇~▲ |
探知深度 | 〇~▲ | ▲ | 〇~▲ |
壁に穴 | ✖ | 〇 | 〇 |
電線探知 | ✖ | ✖ | 〇~✖ |
金属探知 | ✖ | 〇 | 〇~✖ |
木材探知 | 〇 | ✖ | 〇 |
消耗度 | ▲ | 〇 | ▲ |
上の表に各種タイプ別の特徴をまとめましたが、いずれの商品も一長一短で値段が高ければいいというわけではなく、使う環境や用途に合わせて使い分ける必要があります。
センサータイプだと評価に幅があるのは、商品によってスペックが違うからで、高価なものだと電話線探知、金属探知、探知深度変更(19mm~35mm)、モルタル・ALC板・コンクリート内部の金属探知までできる商品があります。
下地探知機を選ぶ時のポイント
1.壁面の素材や厚さ
針 | 磁石 | センサー | |
石膏ボード | 〇 | 〇 | 〇 |
ベニヤ | ✖ | 〇 | 〇 |
金属 | ✖ | ✖ | ✖ |
モルタル | ✖ | ✖ | 〇~✖ |
コンクリート | ✖ | ✖ | 〇~✖ |
ALC板 | ✖ | ✖ | 〇~✖ |
一番ポイントになりやすい(選ぶ時に失敗しやすい)のが「壁面の素材や厚さ」です。
石膏ボードに限ったとしても、各下地探知機の探知可能深度は商品によって差はありますが、大まかには下記の通りです。
・磁石タイプ :15mm
・センサータイプ:19mm~45mm
探知深度以外にも壁の材質によって使えないタイプがあるのにも注意が必要で、壁材がベニヤなどの場合は針タイプは使えないので気をつけましょう。
2.電気配線探知機能の有無
意外と盲点なのが、壁の裏に隠れる「電気配線」などのコード類です。
下地を探す際に柱周囲に電気配線が通っている可能性がある場合は注意が必要で、特に針タイプの商品を使って誤って電気配線を刺してしまうと感電する恐れがあります。
電気配線の有無まで見分けられる下地探知機は、一部のセンサータイプの商品に備わっている機能ですので、万が一、配線が沢山通っている周囲の壁の下地を探す場合は、電気配線探知機能が付いた商品を購入する方が安心でしょう。
上でご紹介した、シンワ測定の下地センサー「HG 78577」は、電気配線探知機能の付いた商品で比較的安価なのでおすすめです。
スタッドセンサー(下地探知機)の選び方まとめ
・大まかな柱の位置の目星がついている
・多少壁に穴が空いてもかまわない
・探す柱の本数は少ない
・電気配線の周囲には使わない
・複雑な仕組みの機器は使いたくない
・大まかな下地の位置が分かればいい
・壁に穴を開けずに簡単に調べたい
・消耗しない物がいい(針や電池の交換が要らない)
・数多くの下地の場所を探る必要がある
・下地の柱の位置の目星が全くついていない
・電気配線の周囲の下地を調べる必要がある
・壁材の素材に左右されずに調べたい
まとめ
DIYの必需品「下地探しセンサー(スタッドセンサー)」には、いくつかの種類があり、それぞれに特徴があるので用途によって使い分けるのが効果的であることが分かりました。
いずれの機器もそこまで高価ではないので、頻繁に壁の工事をする専門業者さんは場面によって使いわけたり併用している人も多いです。
是非ご自身の状況に合わせて適切な機器を選んで、壁の裏に隠れた柱を探してみてください。