紫外線でダニは死ぬのか!?ウイルスや細菌にも効果がある「UV-C」とはどんな紫外線?

UV-C

こんにちは、田舎センセイです!

当サイトは、わが子が重度のダニアレルギーであることから様々なダニ対策を実践しています。

先日「ROCKUBOT」という紫外線と超音波でダニのみならず細菌やウイルスまでも除菌できるという全自動の除菌ロボットを入手し使用しているのですが、以前の私は「紫外線ではダニは死なない」という認識だったので、論文や専門家の意見を調べてみました。

本記事では、紫外線による除菌(特にダニ駆除効果)について、

  1. どのような紫外線であれば除菌効果があるのか
  2. どの程度紫外線を照射すれば細菌・ウイルス・ダニ退治に効果があるのか
  3. UVふとんクリーナーや除菌ロボットによるダニ駆除効果について(感想)
  4. 紫外線の人体への危険性について

上記の4点についてまとめたいと思います。


本記事は除菌ロボット「ROCKUBOT」の除菌効果の補足説明も兼ねているから、記事内に「ROCKUBOT」と何度も出てくるけど、基本的にはUV-Cライトの効果に関してまとめているよ

UV-Cライトを使った除菌に関して興味がある場合は、ROCKUBOTはとてもおすすめなので是非下の記事もあわせてご覧くだされ♪
ROCKUBOT
こんにちは、田舎センセイです! 当サイトではダニの駆除に関する情報に力を入れているのですが、その一番の理由は我が家の長男が重度のダニアレル...

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殺菌効果が強い「UV-C」という紫外線について

紫外線の種類|UV-A/UV-B/UV-C

UVの種類

UV(紫外線)には波長の長さによって主に3つに分類されます。単位はnm(ナノメートル)

主な特徴は以下の通りです。

UV-A(長波長)315-400nm。肌の奥に浸透するUV。地上で最も多いのがこれ
UV-B(中波長)280-315nm。肌を赤くしたり、水ぶくれなど火傷日焼けの原因
UV-C(短波長)100-280nm。オゾン層で吸収されるので地上にはほとんどない

普段、日焼けやシミ・ソバカスの原因になるなど問題になるのは主にUV-AとUV-Bの2つです。その理由はUV-Cは(基本的に)オゾン層で吸収されてしまい地上には届かないから

主に殺菌目的で使われるのはUV-Cで、260nm前後が特に殺菌効果が高いと言われています。


紫外線とひとくくりにして効果の有無は言えないんだね!

UV-Cの殺菌効果については以下のような様々な検証結果が出てるぞい!

UV-C(254nm)の殺菌効果についての各調査結果

①ROCKUBOTを1㎝離した距離で肺炎の原因となる細菌など3種類に4秒間UV-Cライト(254nm)を照射

検査機関名:GUANGDONG DETECTION CENTER OF MICROBIOLOGY
結果   :いずれの細菌も99.44%以上死滅させた
情報ソース:ROCKUBOT JAPAN公式HP 検証結果

②ROCKUBOTを2㎝離した距離で食中毒の原因となる細菌など3種類の細菌に60秒間UV-Cライト(254nm)を照射

検査機関名:GUANGDONG DETECTION CENTER OF MICROBIOLOGY
結果   :いずれの細菌も99.91%以上死滅させた
情報ソース:ROCKUBOT JAPAN公式HP 検証結果

③ROCKUBOTを1㎝の距離で6秒間使用。世界中で感染拡大し問題となったウイルスについての効果を検証

新型コロナウイルスに対する結果

検査機関名:GUANGDONG DETECTION CENTER OF MICROBIOLOGY
結果   :98.75%以上死滅させた
情報ソース:ROCKUBOT JAPAN公式HP

④ROCKUBOTをヤケヒョウヒダニに3週間使用。(UV-C照射頻度:週5日、1日2回、30秒/60秒(回)、照射距離:17-20mm)

検査機関名:(株)愛研
結果   :30秒使用の場合で92.2%ダニ増殖抑制、60秒の使用の場合で97.6%ダニ増殖抑制。ただし、10秒の照射だと増殖抑制率64.6%となり、増えもしないが減りもしない
情報ソース:ROCKUBOT JAPAN公式HP 検証結果

⑤UV-C(254nm)を、様々な照射時間(5分、10分、15分、20分、30分、60分)・距離(10㎝、25㎝、35㎝、45㎝、55㎝)で照射し、成ダニにおける照射直後及び24時間後の死亡率を調査した

論文   :Lah EF, et al. Effect of germicidal UV-C light(254nm) on eggs and adult of house dustmites, Dermatophagoides pteronyssinus and Dermatophagoides farinae (Astigmata: Pyroglyhidae). Asian Pac J Trop Biomed 2012; 2:679-83.
結果   :ヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニに対する最も高い即時死亡率(100%)は10cmの距離で60分間照射時5分+10㎝ではほとんど殺ダニ効果は無し。距離よりも照射時間が殺ダニ効果に与える影響が大きい。またダニの卵の孵化率を低減させることも分かった
引用   :小児アレルギー科医の備忘録 紫外線照射は、ダニをどれくらい死滅させるのか?

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UV-Cの調査結果などから読み取れること

UV-Cライトの効果に関するまとめ

・UV-C(254nm)は、細菌やウイルスに関しては数秒~1分程度で照射でほぼ死滅させる
・外部検査機関によって新型コロナウイルスに対しても6秒の照射でほぼ不活化できたという結果
・UV-Cはダニの核酸(DNAやRNA)を破壊するなど、生体にダメージを与えることができる
・チリダニ類が即時死亡するには10cmの距離で60分間の照射が必要
・短時間の照射ではダニ駆除効果はあまり期待できない

以上を簡単にまとめると、

細菌やウイルスにはUV-Cライトでかなりの除菌効果が期待できる新型コロナウイルスも不活化できているという結果が外部検査機関で出ている。ダニに関してもUV-Cの照射で死滅させることができるが、100%死滅させるには近い距離で長時間の照射が必要で、ダニ増殖抑制効果を期待するならば最低でも週5日、1日2回、30秒以上の照射をする必要がある。さらに薄いカーペットなら調査結果同様のダニ増殖抑制率が期待できるが、厚みのあるマットレスなどでは奥に潜むダニには効果が不透明。以上のことから、ドアノブや電子機器、マスクや衣類などの殺菌&ウイルス除去には効果が期待できるが、寝具のダニ退治に用いる場合は頻回&長時間の利用でも調査で得られたほどのダニ抑制効果は期待できないのではないか

UV照射をするふとんクリーナーやROCKUBOTのような機器によるダニ退治について

ふとんクリーナー

ここからは個人的な感想がメインになります。

レイコップに代表されるようなふとんクリーナーや、私が実際に使ってレビューをしているROCKUBOTのような機器を使ったダニ退治の場合、一定の効果はありつつも「死滅させるレベル」の効果は期待できそうにないなというのが私の印象です。

UV-Cライト自体の効果は調査で証明されていますが、私は調査環境と実際に使う家庭での環境が等しくない限り調査結果として出されている数値をそのまま鵜呑みにできない(厄介な)性格をしていて、細かい所を見るとすごく気になってしまうわけです。

例えば、ROCKUBOTが除菌中に移動するスピードはゆっくりですが、それでも一つの場所を数十秒照射しつづけるわけではなく移動しながら除菌します。


④の調査結果によると、ダニの増殖抑制効果が顕著に出るのは最低でも30秒照射した場合で、10秒照射ではダニは増えもしないが減りもしないという結果になっています。

実際に私が使っている動画を見ても、同じ場所を30秒以上照射しているようには思いません。

UV-Cの照射ダメージがダニに累積する」という考え方であれば、何度も機器が寝具を往復して重ねがけすることでトータル30秒以上照射していると言われても納得できるのですが、そのような調査結果は無いので実際のところはわかりません。

全自動でできるROCKUBOTであれば放置しておけばいいので長時間照射する手間はあまりありませんが、ふとんクリーナーなどであれば自分の手でゆっくり動かし続けなくてはいけないので大変です。

ダイソン(掃除機メーカー)の微生物学者は「UVランプでのダニの死滅には1スポット60秒の照射が必要」「UVランプ製品ではマットレスの奥に潜んだダニには全く効果が無い」とも言っています。(※UVランプでダニを死滅させるためには1スポット60秒の照射が必要―ダイソン微生物学者)

いずれも「頻回の使用で長時間照射という条件をクリアする」という事であれば、そういう記載があった方が研究所での調査と実際の使用シーンとの条件の乖離が無くていいのではないかなと思います。

⑤の情報ソースとして引用させていただいた小児アレルギー科医のほむほむ先生(@ped_allergy)はツイッターでもフォローさせていただいていますが、現実的なUV照射でダニの死滅はかなり難しいというご意見でした。(※小児アレルギー科医の備忘録より)

UV-Cの安全性について

UV-Cの安全性については、波長の違いによって差があるので一括りにはできないようです。

一般社団法人日本照明工業会による「殺菌用UV-C照射に関するポジションステートメント UV-C安全ガイドライン」によると以下のような懸念を表明しています。

UV-Cと安全ガイドラインの緊急必要性

UV-C照射は、水中、大気中、固体表面のバクテリアとウィルスを不活性化するための殺菌方法として効果が証明されている。効果的な消毒目的の観点において、UV-C装置のUV-Cエネルギーは、通常の太陽光よりはるかに高い。適切な安全対策が守られない場合、これらの高いUV-Cエネルギーは、ばく(曝)露した人体や物質に対し危険である。
このようなことから、COVID-19の世界的エピデミックの真っただ中、GLAは、特にインターネット上で販売されている安全機能が不十分で安全指示が不適切なUV-C殺菌装置が流通拡大することを懸念している。

これ以外にも、殺菌で使われることの多い254nmという波長のUV-Cは、高い殺菌力を持つ反面、皮膚がんや白内障を生じさせるなど人体に対して有害性が強いことが知られています。

しかし、UV-Cの中でも254nmよりも波長の短い222nmというUV-Cランプを使った調査では、人体の皮膚に直接照射しても全く問題が無いという事も明らかになっています。

222nm殺菌ランプ照射群マウスでは皮膚がんが全く出来ず,眼については島根大学の協力のもと検証を行なったが,顕微鏡での観察レベルでも全く異常が出なかった。

また,222nmが無害であった理由は,その深達度にあることが分かった。皮膚においては,従来の紫外線が皮膚の表皮の基底層という一番下層にまで到達し,細胞のDNAを損傷させてしまうのに対し,222nmは角質細胞層という極めて表層の(垢になる)部分までしか到達しないため,表皮細胞のDNAを損傷させないことが明らかになった。

この研究成果によって,222nmは強力な殺菌力を有しながらも人体の皮膚に直接照射できることが明らかになった。今後,医療現場での手指消毒を始め,学校や介護施設,食品工場,トイレやキッチンなどヒトが立ち入る場所において,殺菌やウイルスの不活化を目的とした幅広い用途拡大が期待できるとしている。

OPTRONICS ONLINE – 神戸大ら、UV-C照射の安全性を実証

UV-Cの機器による除菌をしている施設なども増えていますが、UV-Cと言っても波長の違いによって安全性が全く異なるという事を知っておいた方が良いでしょう。

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まとめ

結論

・UV-Cは細菌、ウイルス、ダニに対して除菌/駆除効果がある
・UV-Cのダニ駆除効果は長時間の照射が必要で、死滅させるレベルの長時間の照射は家庭で実現するのはやや難しい。継続使用でダメージを蓄積させることは出来そう。
・ダニの卵の孵化率も低減させる効果が認められているので、ダニ増殖抑制効果は期待できる
・UV-Cの中でも254nmは人体に悪影響を及ぼすが、222nmの危険性は低い

本記事ではUV-Cによる除菌効果や安全性について、実際に研究機関で行われた調査結果をもとにまとめました。

感想としては、細菌やウイルス対策としては手軽で強力な殺菌方法だと思いますが、ダニ対策としては実生活での効果的な方法としては今一歩なのかなと思いました。

完全に全自動でUV-Cを照射し続けてくれるROCKUBOTなら長時間照射の手間は全くありませんが、ふとんクリーナーでそれを行うとなれば結構大変だなと。

除菌効果が高いUV-Cライトを発生させる機器はそんなに多くないので、私が実際に使っているROCKUBOTは除菌に興味がある方にはおすすめです。

インフルエンザやその他のウイルス対策に!と思っている方であれば、ハンディータイプのUV-C発生装置もあるのでこちらも見てみると良いかもしれません。

以上、UV-Cの効果と安全性に関するまとめでした。