室内に入ってくることのある昆虫で、大きな蚊のような形をしていれば、それは「ガガンボ」(別名:カトンボ)かもしれません。
見た目も大きく迫力があるので、虫が嫌いな人にとっては恐怖の虫です。
農業をやっている人にとってはガガンボは害虫にもなりうるので注意が必要です。
今回は、そんな大きな蚊に似た昆虫「ガガンボ」についてご紹介します。
ガガンボ(別名:カトンボ)とは?
- 和名:ガガンボ ※別名:カトンボ
- 学名:Tipulidae
- 階級:双翅目長角亜群ガガンボ科 の総称
- 生息範囲:日本全域(世界中)
- 活動時期:3~11月(越冬は幼虫かサナギ)
- 体長:成虫20~25mm
- 特徴:蚊に似ているが吸血行動はしない、走光性がある
- 好物:成虫は花の蜜、幼虫は植物の根など
- 弱点:基本的に強い昆虫ではない
- 厄介な点①:幼虫は植物や作物の根を食害する
ガガンボは刺すの?
ガガンボは人を刺したり、吸血行動をすることはありません!
ガガンボの生態(成虫・幼虫)
ガガンボの成虫は足が長く大きいため怖い印象がありますが、家の中に入ってきて飛び回る以外は特に害のない昆虫です。
走光性があるため、夜になると光におびき寄せられちょっとした隙間から入り込んでくるので、結構頻繁に家の中で見かけるのが困りどころですよね。
動きもさほど早くないので、網で捕まえるかピレスロイド系の殺虫スプレーで駆除することが出来ます。
実はガガンボ類の昆虫は世界中に沢山の種類がいることで知られていて、世界15,000種以上、日本でも700種以上が確認されています。
ガガンボ類には、ガガンボ科、ガガンボダマシ科、コシボソガガンボ科、ニセヒメガガンボ科などが含まれています。
その中でも、ガガンボ科のキリウジガガンボの幼虫は、イネや麦の若葉や根を食べることから農業害虫とされています。
ボウフラのように完全に水で幼虫期を過ごす蚊とは違い、このキリウジガガンボの幼虫は土の中で成長します。また、ガガンボ類の幼虫には、完全水生や半水生の種類もあり様々です。
調査によると、ガガンボの幼虫には、イネの根だけでなくキャベツやホウレン草、プラタナスの葉なども摂食するものがいることが分かっており、畑の周囲でガガンボを目撃した場合は注意が必要です。
※参考:ヤブカ調査用オビトラップに産卵するガガンボ科の1種 中野 2009
ガガンボの駆除・防除方法
1.光トラップを使う
ガガンボなど、走光性のある昆虫に対してはライトトラップも有効です。
光に集まる習性を利用して、自動的に虫を捕獲してくれますので、網や殺虫剤をもって追いかける必要はありません。
デメリットは、比較的高価であることと、幼虫の駆除まではできないので、室内に侵入してくる直前で捕殺する(完全にすべての個体を捕まえられるわけではない)という点でしょう。
2.ガラスや網戸に忌避剤を使用する
PGガードは、窓ガラスに吹きかけることで効果を発揮する忌避剤です。
ガガンボの場合は、夜間に電気をつけやすいリビングなどの窓ガラスに吹きかけると、約1か月ほど効果が持続します。
注意点としては、塗布直後に大雨が降ると再塗布する必要がある点と、ガラスに吹きかける量を間違えると窓ガラスが曇ってしまう恐れがあることです。
【効果のある虫(の幼虫)】
- ユスリカ
- 羽アリ
- カメムシ
- チョウバエ
- ショウジョウバエ
- カゲロウ
- コバエ
- ヨコバイ
- ガ
- ガガンボ
3.虫網を使う
やたらと室内に侵入してくる場合は、網目の小さいコンパクトな虫網を常備しておくと良いでしょう。
ガガンボは室内を飛び回りますが、速度もさほど早くないので簡単に捕獲することが出来ますし、その他の室内害虫の捕獲に役立ちます。
小さなお子さんがいたりペットを飼っているご家庭は、室内での殺虫剤散布に抵抗がある方も多いと思いますので、捕獲したうえで外に放すか、外で殺虫剤を散布するなどして駆除しましょう。
まとめ
今回は、大きな蚊のような昆虫「ガガンボ」について、生態と駆除方法をご紹介しました。
室内に入り込んで恐怖心を与える以外は、実は弱くて吸血行動などはしない害のほとんどない虫です。移動速度もさほど早くないですし、慣れてしまえば素手でも捕獲できるので、むやみに殺虫剤を室内に撒くほどの虫ではないでしょう。
ただ、農家の場合は幼虫がイネや麦の根、または葉物野菜を食害することがあるので注意が必要です。
今回ご紹介したPGガードやライトトラップなどの害虫駆除剤(機器)については、「おすすめの殺虫剤・防虫剤・忌避剤」のページでもご紹介していますので、併せてご覧くださいね。
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