当サイトでご紹介した「殺虫剤」「防虫剤」「忌避剤」を薬剤ジャンルごとにまとめています。
スプレー剤
業務用 ファーストキルN
強力な業務用エアゾールスプレー「ファーストキル」は、食品害虫専用の殺虫スプレーで、強力な為に一般家庭向けではありませんが、メイガなどの幼虫に効く成分(IGR剤)が入っており、成虫が発生した周囲の幼虫や、卵の孵化予防にも効果絶大です。
幼虫駆除成分(IGR剤)は噴霧したところに残るため、その個所での繁殖を抑制します。
効果のある害虫は、
<良い点>
- 超強力
- 多種多様な食品害虫に効果がある
- IGR剤が幼虫の駆除に効果的
<悪い点>
- 強力で一般家庭では使い方に注意が必要
- 殺虫成分が残るので、食材にかからないように気を付ける必要がある
- 高価である
キルノック
有効成分はピレスロイド系の「シフェノトリン」と「イミプロトリン」
家屋内に発生する多くの不快害虫に効果のある、強力なスプレー(エアゾール)タイプの薬剤。
効果のある害虫は、
- クロアリ
- アリガタバチ
- シミ
- チャタテムシ
- シロアリ
- ヒラタキクイムシ
- シバンムシ
- ユスリカ
- チョウバエ
- ダンゴムシ
- ワラジムシ
- ヤスデ
- ゲジ
- クモ
キクイムシコロリ
この「キクイムシコロリ」は、キクイムシが開けた穴に直接噴射するタイプの駆除剤です。(木材自体にも噴射できます)
キクイムシの穴専用の交換ノズルがついているので、穴の中に噴射することで効果を発揮します。
駆除剤の臭いが少ないことと、防虫剤としてピレスロイド系の薬剤を使用しているため、人体への安全性が高いのがおすすめのポイントです。
キクイムシ以外にも、白アリやシバンムシにも効果があるので、自宅の家具や柱に穴を見つけたがどの虫の仕業かわからない場合は、このキクイムシコロリで対応ができるでしょう。
【効果のある害虫】
- 黒蟻
- 白アリ
- シバンムシ
- アリカタ蜂
- ヤスデ
- クモ
- キクイムシ
- ムカデ
- ゲジゲジ
エバーウッド
こちらの「エバーウッド」は、キクイムシコロリ同様に木材に空いた穴に直接噴射して駆除するスプレー剤です。
殺虫剤の残効性があるので、薬剤使用後にも長時間にわたって虫の繁殖を防いでくれるため、キクイムシを繁殖させたくない場所への予防効果もあります。
※注意点としては、薬剤がアルカリ成分や太陽光によって分解されると、スプレーした部分が黄色っぽくなってしまうことがあるので、白い色の家具には使用は注意が必要です。
【効果のある害虫】
- 黒蟻
- 白アリ(羽アリ)
- キクイムシ
エアゾール剤(全量噴霧型)
マイクロアトミック 200ml
室内充満型エアゾールスプレー「マイクロアトミック」です。
安全性の高いピレスロイド系殺虫剤で、室内に充満するように噴霧する全量使用型の商品です。
室内に残る害虫(成虫)を一斉に駆除することが出来ます。
効果のある害虫は、
- シバンムシ
- チャテムシ
- メイガ
- シミ
- アリ
- クモ
- カメムシ
- テントウムシ
<良い点>
- 全量噴霧型なので室内全域を殺虫処理できる
- 安全性の高いピレスロイド系殺虫剤である
- 約30畳分の広さに効果がある
<悪い点>
- 使用時は3~4時間入室できなくなる
- 食材やペット、観葉植物などは他室に移動させる必要がある
- 幼虫や卵に対しては効果が薄い
燻煙剤
バルサン いや~な虫 不快害虫用 6~10畳用 20g
次は、燻煙型の殺虫剤「バルサン」です。
蓋を取ってこするだけの使用が簡単なタイプのバルサンです。
効果のある害虫は、
- ムカデ
- ゲジ
- カメムシ
- チャタテムシ
- シバンムシ
- イエヒメアリ
- (メイガ) ※商品に記載はないが効果あり
<良い点>
- 使用方法が簡単
- 煙なので後処理が楽で部屋が汚れない
- 比較的安価
<悪い点>
- 公式には適応害虫にメイガの記載がない
- 成虫にしか効果がない
- 使用中は(2~3時間)室内入室できない
フェロモントラップ
富士トラップ ガチョン メイガ用
フェロモントラップ シンライン メイガ用
メイガ系の雄の成虫に関してはフェロモントラップが有効です。
メイガの性フェロモンを利用した商品で、キッチンなど食材がある空間に置いておくことで、ノシメマダラメイガの発生を早期に発見し、対応をすることが出来ます。
注意しなくてはいけないのが下記の2点。
- 捕獲できるのは雄の個体のみで、雌は捕獲できない
- このフェロモントラップを使っての、全個体の駆除をすることはできない
ポイントは既に食材に湧いてしまったノシメマダラメイガなどの成虫の駆除をするための商品ではないということに注意しなくてはなりません。
また、商品もやや高価な物なので、もし過去にノシメマダラメイガの発生に悩まされた方で、今後ノシメマダラメイガの再発生を極力防ぎたい方、繁殖をしてしまう前にすぐに対応したい方にお勧めです。
ノシメマダラメイガについては、「ノシメマダラメイガの駆除方法と生態について」の記事で、詳しくご紹介しています。
フェロモントラップ シンライン(タバコシバンムシ用)
ノシメマダラメイガ専用のフェロモントラップと同じシンラインの商品。1箱5枚セットなので、値段はやや高め。
シバンムシの生態と駆除方法については「家の中に茶色い小さい虫はシバンムシかも?」の記事で詳しくご紹介しています。
タバコシバンムシ誘引捕獲セット ニューセリコ
1枚入りなので、他の商品に比べると比較的安価に購入できます。
設置位置を床から1.5mの高さにするという指定があり、発生源の周囲で設置に適切な場所があることが必要。
ドームトラップ タバコシバンムシ調査用トラップ
こちらのドームトラップは、床面へ設置するタイプのフェロモントラップです。
粘着テープの商品とは異なり、ドーム内にフェロモンをしみこませて、一度ドーム内に入ったら出られなくなるように設計されているトラップです。
通常のフェロモントラップはオスしか誘引できませんが、この商品はメスのシバンムシも誘引できるように食物性のカイロモンオイルを使用しており、間違って入ったメスのシバンムシも捕獲します。
捕獲後は、ドーム内でカイロモンオイルが付着してシバンムシは死にます。
フジトラップ ハイレシス
前述のニューセリコと同様に、1枚入りで比較的安価な商品。
粘着タイプで床から1.5mの高さに設置が必要。
光トラップ
ムシポンポケット
ヒラタキクイムシなど、走光性のある昆虫に対してはライトトラップも有効です。
走光性のある昆虫には、翅があって飛べるものや地面を歩くだけの虫もいるので、加害されている害虫の生態に適した位置に設置するようにしましょう。
使用方法としては、全量駆除が目的ではなく、室内に害虫が発生した目安として設置することも多いです。
光によるトラップは、成虫のみに効果があるので、木材内部の幼虫や卵には効果が見込めず、この装置だけでの害虫の駆除は難しいでしょう。
防除剤
貯穀害虫防除剤 虫どろぼう
- 穀物屋さん向けの薬剤のため効果は強力
- 置いておくだけなので使い方が簡単
- 食材に害がない天然成分でできているので、食材のそばにおいても安心
- 消臭・防カビ・抗菌効果がある
- かなり高価
食品用防虫剤
米唐番
- 天然唐辛子から抽出した成分でできており安心。
- ゼリー状の防虫剤が減っていくので交換のタイミングがわかりやすい
- カビたりダニの温床になる危険性がない
- お米に匂いが付かない
- お米に直接投入したり、米びつに引っ掛けたりと用途を選べる
- 防虫効果は4~8か月と時期によって幅がある。
- 安い
KINCHO お米に虫コナーズ におわない米びつ用防虫剤
- 米びつの蓋に貼れるので薬剤がお米に触れる心配がない
- ユーカリと緑茶由来成分で匂いがない&お米に匂いが付かない
- 無洗米にも使える
アラミック 米びつ先生
- ニンニクと唐辛子成分の防虫剤で安心
- 効き目が1年と長いので買い換える手間が少ない
- 交換の時期もわかりやすい
- やや匂い(ニンニク成分)があるが、お米には匂いが付かない
- 多剤よりもやや高価
衣類用防虫剤
衣類用防虫剤の詳細については「防虫剤のおすすめと選び方|服の虫食いに効果的な防虫剤はどれ?」の記事で詳しくご紹介しています。
エンペントリン(ピレスロイド系)の防虫剤
かおりムシューダ 1年間有効タイプ
定番の「ムシューダ」の香りがあるタイプの防虫剤「かおりムシューダ」です。
ピレスロイド系の中では最も効果の長い「1年間有効」のタイプで、効果が長く続きます。
香りには下記の4種類があります
ムシューダ 1年間有効 無香タイプ
ムシューダの臭いのしない「無香」タイプです。
防虫剤に香り成分は不要!という方におすすめです。
ムシューダは、使用場所によって下記のタイプがあります。
パラジクロロベンゼン製剤の防虫剤
ネオパラエース
ネオパラエースは、特殊加工の包装によって薬剤が直接衣類につかないのが安心の商品です。
洋タンス用の商品はこちら
しょうのう(樟脳)の防虫剤
藤沢樟脳
天然樟脳
樟脳には、マツの精油からとれるα-ピネンから合成されるものもありますが、天然由来の樟脳をご希望の方は、上記の「藤沢樟脳」もしくは「天然樟脳」がおすすめです。
ナフタレンの防虫剤
ネオパース
防虫用線香
防虫用線香については「最強の蚊よけ対策!農家の味方パワー森林香で畑作業も安心」の記事で詳しくご紹介しています。
パワー森林香(専用携帯防虫器)
パワー森林香&専用携帯防虫器セットはこちら
生物農薬
生物農薬については、下記の害虫別の関連記事もあわせてご参照ください。
〇アブラムシの天敵の種類と生物学的防除方法について
〇ソルゴーの種類とバンカー法のアブラムシ防除効果について
〇アザミウマ類を無農薬で駆除する効果的な7つの方法とは?
テントップ(ナミテントウ)
テントップは、アブラムシの天敵の「ナミテントウ」を品種改良を重ねて飛翔能力を無くした生物農薬です。
コレトップ(コレマンアブラバチ)
コレトップは、アブラムシの天敵の「コレマンアブラバチ」を使った生物農薬です。
リクトップ(タイリクヒメハナカメムシ)
リクトップは、アブラムシやアザミウマの天敵である「タイリクヒメハナカメムシ」を使った生物農薬です。
発泡錠
浄化槽・側溝・排水溝におすすめのIGR剤:デミリン発泡錠
チョウバエの発生源が、流れの少ない「浄化槽」「側溝」「排水溝」などの場合は、デミリン発泡錠がおすすめです。
チョウバエの幼虫が脱皮するのを防ぎ、脱皮できなくなったチョウバエの幼虫は死に至ります。
※チョウバエについてのより詳しい駆除方法については「チョウバエ専用の殺虫剤でお風呂のコバエを駆除しよう!」の記事も併せてご覧ください。
発泡成分が水に溶けながら広がっていくので、水が多く溜まっている場所に効果的です。
また、水が少ない場所に使用する場合は、バケツなどに適当量を溶かして使用することも可能ですが、基本的には水が溜まっている場所の使用に向いています。
※チョウバエの発生源(幼虫の生息場所)が分かっていない場合は効果が出せないので注意が必要です。まずは、使用前に発生源を特定しましょう。
※使用場所が一般家庭よりもどちらかと言えば工場や家の外にある場合に有効なので、家庭のお風呂場でのチョウバエ対策としては強力過ぎる、または使用シーンが限られるという事から星4つにしていますが、効果は絶大です。
【効果のある虫(の幼虫)】
- チョウバエ
- ショウジョウバエ
- ノミバエ
- ユスリカ
- ニセケバエ
【効果が出にくい場所】
- 水の流れが速い場所
- 水が無く、汚泥だけの場所
- 幼虫の発生個所が壁面の場合
- 薬剤が届きにくい場所
ムーススプレー/泡スプレー
台所・洗面所・ゴミ置き場などにおすすめのIGR剤:コバエ用ムース BIG
薬剤の散布しにくい「台所」「トイレの排水溝」「洗面所」「厨房の排水溝」「ゴミ置き場」「下水溝」「汚泥の付いた浴槽下のスペース」などへは、コバエ用ムースBIGがおすすめです。
コバエ用ムースBIGは、その名の通りムース上の薬剤で薬剤の届きにくいところに立体的に進んでいき渡ります。
成分は「ピレスロイド系殺虫剤」と「IGR剤」の混合で、壁に留まっている成虫に対しては薬剤で窒息させ、配管などの空間にはムース上の悪剤を充満させることで、奥まで薬剤が浸透して駆除していきます。
IGR剤については「IGR剤がチョウバエ・ボウフラ・ユスリカの駆除におすすめの理由」の記事も併せてご覧いただけると、効果や安全性をご理解いただきやすいと思います。
専用のチューブでムース上の薬剤を配管の奥に充満させ、3時間ほど置いておけば中にいる幼虫や卵はきれいさっぱり駆除されます。
注意点は、可燃性のガスを使用しているので、使用後しばらくは換気を良くしておく必要があることです。
前述のデミリンのような発泡性の薬剤を投下しにくい水の少ない場所には、このコバエ用ムースBIGで全て駆除できます。業務用なので比較的高価ですが、一般家庭でのチョウバエの幼虫対策としては、このコバエ用ムースBIGがあれば駆逐することが可能でしょう。
【効果のある虫(の幼虫)】
- チョウバエ
- ショウジョウバエ
- ニセケバエ
- ハヤトビバエ
- クロコバエ
- トビムシ
- ハネカクシ
【注意点】
- 可燃性のガスを使用しているので火気厳禁・換気が必要
- 処理後3時間ほど放置が必要
チョウバエコナーズ
安価でそれなりに効果があるのですが、構成成分が「抗菌剤」「界面活性剤」「香料」とあり、IGR剤のような幼虫の孵化抑制成分などは期待できないでしょう。
目に見える範囲のチョウバエの駆除や、狭い範囲での短期間の駆除効果はあるかもしれませんが、チョウバエ用のIGR剤の2薬剤(デミリン/コバエムース)のような効果は見込めません。
窓ガラス用忌避剤
PGガード
PGガードは、窓ガラスに吹きかけることで効果を発揮する忌避剤です。
お風呂場や洗面所、トイレなど入り込まれたくない場所の窓ガラスに吹きかけると、約1か月ほど効果が持続し、チョウバエなどを寄せ付けません。
【効果のある虫(の幼虫)】
- ユスリカ
- 羽アリ
- カメムシ
- チョウバエ
- ショウジョウバエ
- カゲロウ
- コバエ
- ヨコバイ
- ガ
- ガガンボ
【注意点】
- 大雨が降ると再度吹きかける必要がある
- 塗布量を誤ると、窓ガラスが少し曇ってしまう恐れがある