私が晩春の山菜と言われて思い浮かべるのが「うど(独活)/山うど(山独活)」です。
栽培物は年中流通していてスーパーなどでも見かけることが多い山菜なのですが、その見た目から「食べ方が良くわからない」「下処理の仕方が分からない」などと少々とっつきにくい印象があるのも事実!
そこで本記事では、うど(山うど)の基本情報とあく抜きなどの下ごしらえの方法等について詳しく解説していきます!
Contents
山うど(山独活)とはどんな山菜?【写真と特徴】
- 和名:ウド/ヤマウド
- 学名:Aralia cordata
- 英名:udo
- 階級:ウコギ科タラノキ属
- 分類:多年草
- 分布:北海道・本州・四国・九州
- 花期:8~9月
- 形態:草丈は1.5mから大きいもので2ⅿほどにまで生長する。葉は互生し茎には毛が生えている。
- 特徴:人によっては食物アレルギーが出ることがある
うどの種類|「やまうど(山独活)」と「うど(独活)」の違いとは?
うど(独活)について調べると、「うど」以外にも「山うど(やまうど)」という呼び方をしているのを見ることがありますが、これらはいずれも同じものを指しています。
一般にスーパーで見かけるうどは全体的に白い「軟白うど」と呼ばれる、日光に当てないように土をかぶせて育てた栽培もの。もしくは、その軟白栽培されたうどに日光を当てて緑化させ「山うど」として販売されているものがほとんどです。
軟白うどはほとんどクセも苦みもないのでとても食べやすいのに対して、緑化させた山うどや天然ものは独特の香りや苦みがあるのが特徴です。
スーパーで「山うど」と書かれていても、それは天然物を意味するわけではないという事を覚えておきましょう!
ウドの花と花言葉・慣用句
※画像:wikipedia
山うどの旬の時期【天然もの&栽培もの】
前述のようにスーパーで見かける市販のウドのほとんどが栽培もので、一般的には12月頃から5月くらいまで出回ります。中でも春にとれる「春うど」の旬の時期は3月~5月です。
一方で、野山に自生している天然物のウドの旬の時期は晩春(4~6月)と言われていて、私が住む東北地方では6月まで食べ頃のうどが採取できます。
新鮮なうどの見分け方のポイントは?
・節がしっかりしている
・穂先がしっかりと伸びている
山うどの栄養は?
山うどの根は「土当帰(どとうき)」とよばれ、古くから生薬として服用されてきました。
・食物繊維
・アスパラギン酸
・クロロゲン酸
山うどのアクに含まれるクロロゲン酸というポリフェノールの一種が強い抗酸化作用を持つので、疲労回復などに効果があると言われています。
うど自体はほとんどが水分で出来ていて、カロリーは100gあたり14kcalとても低いのも特徴です。
しかし、あまり大量に食べる野菜ではないので、ウドを摂取することによる健康増進効果などはさほど認められないかもしれません。
山うどのおすすめの食べ方と下ごしらえの方法【あく抜き・皮のむき方・保存方法】
【山うどの下処理】山うどを食べる前の下ごしらえの方法
うどは捨てる部分がほとんどなく、そぎ落とした皮まで美味しく食べられるのですが、特に山うどはアクが強いのであく抜きなどの下処理の方法を知らないと食べにくいです。
うどを調理する前に押さえておきたい下ごしらえ&保存のポイントは以下の通りです。
2.切った直後に変色が始まる
3.変色防止とあく抜きには酢水にさらすか茹でればOK
4.鮮度が命!新聞紙などで包んで冷暗所で保存しよう
ポイントは「あく抜き」と「変色」と「保存方法」ですが、基本は茹でるか酢水にさらせばあく抜きと変色の対応ができます。
酢水は400~500mlの水に小さじ1の酢を加えるくらいで大丈夫。
注意点は、ウドは食感が命なので「茹で過ぎ」と「長時間酢水にさらす」ことの無いようにしましょう。茹でる場合はさっとで済ませ、酢水にさらすのは長くても10分までにすると良いですよ。
また、ウドは日光に当たるとすぐに固くなってしまうので、冷暗所に保存するのがポイントです。
しかし、冷気に当てても変色してしまうので、できるだけ早く消費するかあく抜きしたものを冷凍保存するかの2択です。
収穫直後から鮮度が落ちやすい食材なので、保存期間は冷暗所で2日、冷凍保存で1か月程度が目安です。
山うどのおすすめの食べ方
1.山うどの皮のきんぴら
※画像:wikipedia
アクの強い山うどの皮は「きんぴら」に向いています。
厚めに剥いて酢水にさらした皮を、ショウガ、醤油、味醂などで炒めると、うど本来の苦みと香り、食感が味わえるのでおすすめです。
2.山うどの天ぷら
うどの中でも天ぷらに向いているのが「穂先」の部分。
タラの芽のような香り・苦みが味わえて、病みつきになります。
シンプルに山うどの香りを楽しみたい場合は天ぷらがおすすめ!
3.山うどの酢味噌和え
苦みの少ない茎の部分は、酢水に浸けた茎をさっと湯がいてつくる「酢味噌和え」がピッタリです。
シャキシャキとした食感が楽しめるように、茹ですぎないようにするのがポイントで、さっぱりとした味が楽しめます。
まとめ
栽培物はほぼ1年中食べることができる「うど」ですが、意外と調理方法や下処理の方法を知らない方も多いので、スーパーなどに置いてあっても手を出しにくい食材かもしれません。
各部位ごとに特徴があるので適した料理方法も違い、それぞれの部位ごとの良さを発揮できるととても病みつきになる料理ばかりなので是非試してみてください。