こんにちは、田舎センセイです。
私が子供の頃、公園で遊んでいると頭の上で小さな蚊のような虫が大群で飛び回っていた記憶があります。
私の故郷では「頭虫(あたまむし)」と呼んでうざったがっていましたが、その虫の大群が刺したりしないことを知っていたので大して気にはしていませんでした。
大人になってその存在を「蚊柱(かばしら)」と呼ぶことを知りましたが、田舎に来てから蚊柱が大発生しているのをみかけ、その蚊柱の正体と頭の上で飛び回る行動の意味について調べてみました。
蚊柱(かばしら)/頭虫(あたまむし)の正体は「ユスリカ」
※画像:wikipedia
蚊柱/頭虫の正体は「ユスリカ」という昆虫で、見た目は蚊にそっくりで名前にも「カ」と入っていますが、昆虫綱ハエ目ユスリカ科なのでハエの仲間です。
蚊とは違って吸血することはなく、口や消火器は全て退化しているので人を刺すどころか食事すらせずに、成虫になってわずか2~3日の寿命で死んでいきます。
口吻を人に刺したり吸血することもなく、直接的な危害はほぼ無いに等しいのですが、光に集まる習性(走光性)があるので室内に侵入して異物混入の原因になったり、アレルギー性鼻炎や気管支喘息の原因(アレルゲン)になることもわかっているので全くの無害ではないんですね。
そんなユスリカが大群になって人の頭の上など少し高い所に群がっている状態を、頭の上に集まるから「頭虫」と言ったり「蚊柱」と呼ぶんですね。
ユスリカが蚊柱をつくる理由は「生殖行動」
ユスリカが蚊柱となって人の頭上に集まるのはなぜなのか?
それは蚊柱を構成する個体のほとんどがオスのユスリカで、大群で飛び回ってメスにアピールしている生殖行動なんです。蚊柱の中にメスはいても1匹から数匹程度で逆ハーレム状態で交尾の相手を探しています。(※稀に雌のみで構成される蚊柱もあるようで、必ずすべてがオスの個体というわけではないようです)
ユスリカの成虫は僅か1日~数日の寿命の中で何をするのかというと、子孫繁栄のための生殖行動に全力を注ぎます。
それが何で人の頭上に集まるのかというと、ユスリカは「近くにある少しでも高い所に集まる」という習性があるから。
私自身の記憶にもありますが、夏場の夕暮れ時に人のいない公園の中にある小さな山の上にものすごい大きな蚊柱があって、近づいてみた時に自分の身長が山のてっぺんよりも高くなった時に自分の頭上に蚊柱が移動してきました。
だから「人の頭」に理由があるのではなく、たまたまそこにある一番高い場所が人の頭だからなんですね。
基本的には不快害虫というくくりのユスリカですが、アレルギーの原因になることもあると冒頭で少し触れました。
ただ、飛来しているユスリカが口や鼻に入ることによるアレルギーの発症は多くは無いと言われています。こちらも詳しくはユスリカに関する別記事をご覧ください。
まとめ
暖かい時期に大発生することがある「蚊柱」や「頭虫」と呼ばれる虫の大群は、ユスリカという蚊に似た昆虫のオスが生殖行動をとるために群がっているのが理由であると分かりました。
子供の頃は「頭が臭いのかな」とか「虫を引き寄せるフェロモンみたいのがあるのかな」とか思っていたんですが、全然違ったんですね。残念。
ユスリカが大発生して駆除方法などに頭を悩ませている場合は、IGR剤が効果的です。
IGR剤の特性や安全性に関しては以下の記事もあわせてご覧ください。