こんにちは、田舎センセイです。
私は趣味で塊根植物やサボテン(多肉)を育てていますが、冬季の日照時間の短さや植物を置いている棚の日当たりの問題で、徒長した株が増えてきたのが最近の悩みでした。
太陽光が出ていないのであれば、照明を当てて太陽光の不足を補う方法があるのですが、一般的に言われる「植物育成ライト」には種類が数多くあるのでどれを選べばよいのかわかりにくいですよね。
私自身が実際に購入に至るまでに調べたことと、植物育成ライトを選ぶポイントについてまとめたいと思います。
Contents
植物によって必要な光の量は違う
まず植物育成ライトで難しいのが「植物によって必要な光の量や強さが違う」という点。
高い木々が生い茂る熱帯雨林のジャングルに自生するシダ植物であれば必要な光は弱いですが、日差しを遮る背の高い植物が無い乾燥地帯に自生するサボテンや塊根植物は当然強い光を必要とします。
今回は「多肉植物やコーデックス(塊根植物)」が育てたい植物なので、できるだけ光量の強い育成ライトが好ましいでしょう。
当然ですがその植物の本来自生している環境に近い状況を作ってあげるのが良いので、どの植物に対して育成ライトを使いたいのかによって最適な商品も異なるんですね。
そのため、記事の後半でおすすめの商品として植物育成ライトをご紹介しますが、万能といえる商品を一つご紹介するのが難しいので、最終的には私が購入した商品をご紹介します。ただし、それが正解というわけではないのでご了承ください。
効果の大きい植物育成ライトってどんなライト?
サボテンや多肉植物、コーデックスに光の強いライトが良いというのは、あまり想像に難くないと思います。しかし、植物の生育に適した光の強いライトとはどんなライトでしょうか?
光が強くて明るければ植物の生育にとって効果的と言えるのでしょうか?
消費電力W(ワット)だけで判断してはいけない
一般的に明るさの目安にされることが多いのが「消費電力=W(ワット)」ですが、ワットだけを指標にするとよくありません。
消費電力Wを基準にする場合は、同じ器具であることを条件に明るさを比較することができますが、消費電力が少ないLEDと一般的な電球では同じワット数でもLEDの方が明るいです。
ただし、単純には比べられないものの、消費電力の大きさに光量は影響されるので、消費電力Wが大きいという事は一つの指標であることには変わりありません。
光の強さの指標「ルーメン(lm)」は植物にはあまり関係がない
消費電力Wでは違う機器同士での比較ができないことから、明るさの比較をしやすくするために表示されるようになったのが「ルーメン(lm)」という単位です。
しかし、このルーメンという単位だけを基準に植物育成ライトを選んでしまうと、植物育成効果を考えるとまだ不十分なんですね。
このルーメンは人間にとっての明るさの単位ですので、ルーメンの値が大きければ植物の成長にとって効果的な光の量かといえばそうではないのです。
植物の光合成に必要な波長が強く出ているかどうかを見よう
高校の生物の授業で習うので覚えている人もいるかもしれませんが、植物の持つ葉緑体は光エネルギーを吸収する光合成色素を持っています。
・βカロチン
・フィコビリン
これらの光合成色素がどの波長の光を吸収しているのかを見ると、光合成色素の中でも重要な役割をするクロロフィルa、クロロフィルbは640~690nm(赤色波長)と400~470nm(青色波長)の光を吸収していることが分かります。
植物の成長に欠かせないのが660nm前後の赤色光と言われていますが、赤だけだと育たないこともわかっていて、ある程度の割合で青色光が必要であるようです。
私が購入した植物育成ライトは赤色と青色の割合が5:1位なのですが、私が読んだ論文にも赤と青のバランスもそのくらいが良いという結果が出ていました。
植物の生育に関していえば、明るければどの光でもいいというわけではなく、植物の成長に関与する波長をもった光を出しているかどうかがポイントになるわけです。
ライトを設置する距離や角度によっても光量は影響される
光というのはライトの種類によって光の広がり方も違いますので、1つだけ購入して設置すれば十分な光量を持つものもあれば、スポットライト的に複数個使用して様々な角度から植物に照射しなくては効果が得られないようなものもあります。
※画像:Amazon
上の画像は私が使っている植物育成ライトの、植物への照射距離と光の強さの関係を示したグラフですが、当然植物に近い方が光が強くなります。
単体では十分な光量が得られない場合は、設置場所や角度、個数を変えることで補うことができますが、強すぎる光や放射熱によって葉焼けを起こす可能性もあり、なかなか計算しにくい問題なので十分なテストが必要でしょう。
1.同じ機器同士なら消費電力が大きい方が光が強いが、Wだけで単純な比較はできない
2.ルーメン(lm)よりも、光の波長が植物(光合成色素)にとってピンポイントかが大切
3.赤色光(660nm前後)と青色光(450nm前後)の割合が、5:1程度だと好ましい
4.商品や植物の生育段階によっては設置個数や距離、照射角度も考えるべき
市販されている植物育成ライトの種類と特徴
現在植物育成用のライトとして販売されている灯具には「植物育成用蛍光灯」「LED」「HIDランプ(高圧ナトリウムランプ・メタルハライドランプ)」等があります。
それぞれの特徴は下記の通りです。
長所 | |
蛍光灯 | ・比較的安価 ・取り扱いが簡単 |
LED | ・省エネ&長寿命 ・発熱しにくい ・特定の波長の光を選んで出しやすい |
HID | ・とにかく高照度 |
短所 | |
蛍光灯 | ・灯具(スターターやインバーター)が必要 ・光量は少なめ ・発熱しやすい |
LED | ・省エネな分、光量は少ない ・本体価格が高くなりやすい |
HID | ・最も効果で一般利用は難しい ・発熱しやすい ・波長は植物の生育にあまり向かない |
まず、光の強さで言えば絶対的にHIDの「メタルハライドランプ」ですが、余りにも高価なうえに発熱しやすく一般家庭での利用が難しいので選択肢から外れると思います。
そこで比較すべきは「蛍光灯」と「LED」ですが、個人的には前述のライトを選ぶ基準で書いた通り、植物育成に効果的な波長をピンポイントで出すことができるLEDに軍配が上がります。
LED自体の光量は少ないので、複数個用意して照射角度や距離を調節するか、LEDの中でも高出力(そして高価)なものを購入して十分な光量を確保するかを考えると、どうしても結構な出費になってしまうのが難点ですね。
赤色LEDも青色LEDも一般的に使う波長の光ではないために、ほぼ植物育成用の灯具にしか使われず、価格もどうしても高くなってしまう傾向にあります。
実際に植物育成用LEDライトを探して思ったこと
ここまでに解説した内容を踏まえて、実際に自分が植物育成用のLEDライトを探して感じたことがいくつかあります。
日本製の植物育成用LEDライトが少ない
まずは、Amazonなどを見てもほとんどが中国製品であるためにメーカー別に商品を判断するのが難しく、レビューがサクラではないかどうかや、基本性能(LEDの波長や寿命)等を見て選びました。
正直、商品解説の日本語が怪しいものばかりで、購入するのに二の足を踏みましたが、同じことを日本人が英語で商品を売ろうとしたら起こりえることだろうとあまり気にせず、スペックと商品の保証の有無を確認するにとどめました。
特定の商品をおすすめしにくい理由がここにもあるのですよね。
育てたい植物によって最適な商品が異なる
私が育てているのが、南アフリカやマダガスカルなどの乾燥地帯で光の強い地域で育つ塊根植物やサボテンですので、もし室内水耕栽培でレタスなどの葉物野菜を育てたい人にとっては私が購入したライトは適さない可能性もあります。
また、全ての植物の光合成に必要な波長が必ずしも今回ご紹介したものと同じと判明しているわけではないので、当然例外もあり得ます。
人工的に光を照射することは、メリットだけではなく葉焼けなどが起きる可能性もあるため、最終的には各自が個別に調節しながら使用せざるを得ません。
LEDライトの寿命なども室温や湿度に大きく影響されるので、使用環境によっても差が生まれることも考えられます。結局のところ、試行錯誤をしてみるしかなさそうです。
植物育成用LEDライトを購入しての個人的見解
最後になりますが、私が購入した植物育成用LEDライトはこちらです。
Amazonなどのネット通販で購入できる植物育成用LEDライトは、よほどお金をかけて高価で高照度のものを購入するか、複数個購入して光量を確保するなどでない限り、幼苗期や発芽期のサポート的な使用、もしくは冬季の日照不足を補うレベルにとどまるという印象です。
私が購入した植物育成用LEDライトの寿命は50000時間とのことで、1日8時間照射で計算すると大体17年ほどもつことになりますが、基本的には冬季の日照不足を補う使い方に終始すると思うので、寿命としては十分で7000円の出費は妥当かなとも思います。
ものすごく安価な商品もありますが、おそらくそれでは気休め程度にしかならず、どうせ投資するならしっかりと効果のあるものをと考えて選びました。
個人的には満足していますし、使用後の植物の生育状態も悪くありません。
もし植物育成用ライトをお探しの方で、どれを選べばいいか迷っている方は是非参考にしてみてください。
私が購入した植物育成ライトのレビューはこちら