ムカデの駆除方法と対策|家の中への侵入防止策と噛まれた時の対処法について

トビズムカデ

あたたかい時期になると室内に侵入してくることがある「ムカデ」ですが、スズメバチと同程度の強い毒を持った虫です。

万が一、刺されてしまうとどのような対応をしたらいいのか、病院に行くべきなのか迷いますよね?

この記事ではムカデの駆除方法や室内に侵入された時の対処法、そして万が一噛まれてしまった時のための応急処置の方法などについて解説しています。

もし現在ムカデに噛まれてしまっているという方は、下記の目次から「ムカデに噛まれた時の症状と対処法」の項目まで急いでとんでご覧ください。

ムカデの生態と特徴【画像あり】

トビズムカデ

画像はトビズムカデ ※引用:wikimedia

  1. 和名:ムカデ 漢字:百足、蝍蛆
  2. 学名:Chilopoda
  3. 階級:多足亜門ムカデ網
  4. 生息範囲:本州・四国・九州
  5. 活動時期:6月~10月
  6. 体長:110mm~130mm
  7. 寿命:約5~6年
  8. 特徴①:毒を持っていて、種によっては能動的に人間に襲い掛かってくる
  9. 特徴②:夜行性のため日中は物陰に隠れているが、夜に餌を求めて移動する

【豆知識①】ムカデを英語で言うと?

centipede

ムカデは英語で言うと「centipede(センチピード)」と言います。

「centi-」は「100の/1/100の」という意味で、「-pede」は「足」です。

centi-は、century(世紀/百個)やcentimeter(1/100メートル)でもわかる通り、100に関連する語に使われている接頭辞で、ラテン語で100を意味する「centum」から来ています。

ムカデは漢字で書くと「百足」ですが、英語でも全く同じなんですね!


なるほど~!ところでムカデの足って本当に100本あるの?

うむ、ではムカデの足の本数についても解説しよう

【豆知識②】ムカデの足の本数は?

オオムカデ目で約42~46本、ジムカデ目はやや多く約54~94本

百足の足の本数は種類によって異なりますが、40本から100本未満であることが多いです。

中には、100~173対の足を持つ種類もいるようですが、日本で見かけるムカデの多くは100本未満の足の数であるようです。


でも僕がみたムカデはもっと足の数が多かったような気がするよ

それはきっとムカデではなく、ヤスデかもしれんのう。ヤスデとムカデの違いについて解説しよう!

【豆知識③】ムカデはつがいで行動する?

ムカデの修正についてよく言われることが多いのが「ムカデはつがいで行動するので、室内で1匹見つけて殺すと、すぐにもう一匹出てくる」というもの。

しかし、ムカデにはそのような習性や行動の特徴は無く、いわゆる迷信のようなもので根拠は全くありません。


そっかぁ~、夫婦仲が良い虫なんだと思ってたけど根拠は無いんだね!

単純にムカデが良く出てくる時期で、ムカデにとって快適な環境が整ってしまっているために複数匹続けて出てきてしまったという所じゃろう

根拠は無いにしても、1匹出たという事はその他にもムカデがいる可能性は大きいので、注意するに越したことはありませんね。

【似ている虫】ムカデ・ヤスデの違い

ヤスデの足

ムカデと間違われやすい虫に「ヤスデ」「ゲジゲジ」がいます。

特に見た目が細長くて似ているために間違いやすいのが「ヤスデ」ですが、最も明確な見た目の違いは「1つの節に対して生えている足の本数」です。

ヤスデは頭から三節目以降の節に2対ずつ計4本の足が生えていますが、ムカデは1つの節に1対2本しか生えていません。

足が多くて動きが鈍いのがヤスデ、足が少なくて動きが早いのがムカデです。


その他の違いについては下記の表をみて下され!
項目ヤスデムカデ
動きの速さ遅い速い
行動群れで行動単独行動
1節の足の数2対4本1対2本
刺咬被害人を刺さない人を刺す
毒性※ほぼ無毒有毒
食性腐植食性肉食
歩き方まっすぐ歩くくねくね歩く
尻尾の有無無しあり

ムカデと似ている虫「ヤスデ」と「ゲジゲジ」のより詳しい解説は下記関連記事をご覧ください。

ムカデの種類と生息地域

ムカデの生息範囲・分布

主なムカデの生息範囲は北海道南部以南

日本にはおよそ120~130種類のムカデが生息していると言われていますが、いずれも温暖な地域に生息しています。

近年では温暖化の影響で北海道の南部にも生息しているのが確認されていますが、札幌出身の私自身は今までに一度も北海道でムカデを見たことがありません。

餌となるゴキブリ自体が北海道にいないことも大きな理由の一つと思われますが、本州以南には間違いなくムカデは生息しています。

日本に生息しているムカデの種類

  1. トビズムカデ:北海道南部~沖縄
  2. アカズムカデ:本州・四国・九州
  3. アオズムカデ:本州・四国・九州
  4. イッスンムカデ:北海道南部~沖縄
  5. セスジアカムカデ:北海道南部~沖縄
  6. タイワンオオムカデ:沖縄・南大東島・北大東島・八重山諸島

日本に生息するムカデの中でもよく見かけるのが上記の6種類のムカデです。

最も大きいのが⑥タイワンオオムカデで200~250mm、次いで①トビズムカデが100~200mmと続きます。

日本で室内に侵入することで問題になりやすいのが「トビズムカデ」「アオズムカデ」で、室内のゴキブリを捕食しようと侵入してきます。

亜種なども多数いるので正確に画像でどのムカデかどうかを見極めるのは難しいのですが、いずれのムカデも毒を持っているので、北海道南部以北に住んでいる方以外はムカデに対する注意は必要でしょう。

ムカデが出る時期は?

雨の日
5月下旬~10月上旬

ムカデは温暖でジメジメした気候を好み、特に梅雨の時期に入ると出現することが増えます。

春先に産卵を行い、その卵が孵化するのが初夏頃で、産卵を終えた親ムカデが餌を求めて室内に侵入してきます。

ムカデによく似たヤスデも同時期に発生しやすく、ヤスデは水を苦手とすることから長雨の跡に地上に出てくるのですが、ムカデはヤスデほど水を苦手にしないので水に追いやられて出現するというよりは、湿度が上がって快適になったために増えるのだと思われます。

ムカデに噛まれた時の症状と対処法

ムカデ 刺され

ムカデに噛まれる(咬傷)は夜間に噛まれることが多く、病院が開いていない時間帯に被害にあうと焦ってしまいます。

ここでは自宅でできる応急処置の方法について、公益財団法人「日本中毒情報センター」の情報を元にご紹介していきます。(※参照:ムカデ咬傷「日本中毒情報センター」)

ムカデに噛まれた時の症状の特徴

局所症状:痺れ、発赤、腫脹、灼熱感、激しい疼痛、重症例では潰瘍化する
全身症状:発熱、頭痛、嘔吐、めまい、心悸亢進

ムカデはいずれの種類も毒を持っており、日本でよく見かけるトビズムカデやアカズムカデの毒が特に強力とされています。

上記にムカデに噛まれたことによる症状を記載していますが、全身症状が出ることはまれで、多くが噛まれた場所周辺の痺れや激しい痛みとなります。

一般的には予後は良好

治療をすれば数日中に治りますが、全身症状が出ている場合や激しい痛みが続くなど噛まれた場所の症状が重い場合は医療機関を受診する必要があります。

特に全身症状が出てしまっている場合は、ハチの毒と同様にアナフィラキシーショックが起きる可能性もあるので、「手足のしびれ」「冷や汗」「蕁麻疹」「息苦しさ(呼吸困難)」が出た場合は直ちに救急車を呼びましょう。

病院での治療に関しては、ムカデの毒に対する解毒剤や拮抗剤は無いので、基本的には対症療法で症状の緩和を目指すことになります。


なるほど、症状をしっかり観察していれば、慌てて病院に駆け込む必要は無さそうだね

ただし、自分で症状を把握することができない子供や赤ん坊や、体力のあまりないお年寄りが噛まれた場合はすぐに医療機関を受診した方が良いぞ!

ムカデに噛まれた時に家庭でできる処置

救急箱
1.患部にムカデの牙が残っていたら取り除く
2.ポイズンリムーバーで毒の吸引
3.噛まれた直後であればアンモニア水の塗布が有効
4.抗ヒスタミン剤含有ステロイド軟こうの塗布
5.毒がまわらないように横になって安静にする

ムカデの毒は酸性のため、ハチ毒とは違ってアンモニア水の塗布が有効です。


じゃあ、おしっこかければいいのかな!?

確かに尿にはアンモニア成分があるが、酸性度は体調によってアルカリ性になったり弱酸性になったりする上に、雑菌が傷口に入ることもあるのでやめた方が良いぞい

私自身、医療国家資格保持者であり前職が医薬マーケターでしたので、傷病に関する情報には細心の注意を払っております。

ネット上に色々な情報が溢れている中で、私自身が不確定な情報を流すことはできないので日本中毒情報センターの情報をもとに対処法をご紹介していますが、家庭内でできる応急処置は上記の4項目になります。

ただし、一般家庭でポイズンリムーバーアンモニア水を常備している家庭は多くないと思われますし、現実的にはムヒなどの虫刺され薬(ムヒEXなどのステロイドが含まれた軟膏だとなお良し)を塗って安静にするというのが確実な処置と言えるでしょう。

ムカデに噛まれたら温めるのか冷やすのかという見解について

ムカデに噛まれた時の対処法としてよく見かけるのが「43℃以上のお湯で流す」という方法ですが、知り合いの医療従事者に確認したところ以下の返答が返ってきました。

1.ムカデの毒は熱で変性するのは確かだが、化学的な実験での結果なので人体にその温度の熱湯をかけることで必ずしも効果があるとは言い切れない

2.高温で肌をあたためすぎると火傷の恐れもあり、逆に中途半端にぬるい温度だと血管が膨張し、毒が回る可能性もあるので難しい

3.医者の間でも冷やすのが良いのか温めるのが良いのかの意見が分かれている

上記のような回答に加え、現在ではムカデに噛まれた患部を冷やすと激痛が走り、とてもではないけど耐えられないとの経験談が多いのですが、中途半端に温めるというのも症状を悪化させる危険があるとのことでした。

ムカデに噛まれた時にやってはいけないこと

・患部の毒を口で直接吸い出す
・噛まれてしばらくしてから患部を中途半端に温める
・噛まれてすぐに動き回る

ムカデに噛まれた毒を吸い出そうと、リムーバーを使わず口で吸い出すと体内に毒が入るので絶対にやめましょう。状況がさらに悪化する危険性がります。

また、前述の通り患部を中途半端に温めたり、すぐに動き回ると毒が余計体内をめぐる可能性があるので、安静にすることも大切です。

家庭用ポイズンリムーバーと抗ヒスタミン剤含有ステロイド軟こう


ムカデが出る時期にこの2つがあれば少し安心だね!

ポイズンリムーバーは、100均などで売ってる注射器のシリンジを改良してリムーバー代わりにすることもできるぞい!

ムカデが家の中に入らないようにするための対策:シャットアウトSE

シャットアウトSE

ムカデが室内に侵入してくるのを防ぐ方法として、最もおすすめなのが「シャットアウトSE」を家の外壁に沿って帯状に散布するという方法です。

シャットアウトSEとはどんな殺虫剤?

シャットアウトSEは、散布しても舞い散りにくい特性を持った「重質粉剤」と呼ばれる比重の重い粉でできた殺虫剤です。

殺虫成分は「エトフェンプロックス」「カルバリル」で、人畜への安全性の高い薬剤とされています(※ただし、使用には手袋やマスクは必須で吸い込まないように注意が必要)

ムカデ以外にも、ダンゴムシヤスデゲジゲジフナムシダンゴムシアリなどへの駆除効果があり、這って室内へ侵入してくる虫に広い効果を持ちます。

効果の持続時間は晴れの日が続けば約2か月ほど、雨が続くと効果が減弱してしまうので、長雨が上がったらすぐご自宅の周囲に散布すると良いでしょう。

3kg入りで150mの距離に散布できます。


この薬をムカデが食べると駆除できちゃうってこと?

いや、ムカデの皮膚に付着すれば体内に浸透して効果を発揮するので、通り道を塞ぐようにまいておけばよいんじゃ!だから家の周囲にぐるっとまくんじゃな!

※使用時には必ず注意書きをよく読んでからご利用ください。

ムカデの駆除におすすめの駆除剤・殺虫剤

スプレー剤

どれだけ対策をしてもどうしてもムカデが室内に侵入してきてしまう場合は、「侵入した個体を室内で駆除する方法」「元を断つ方法」の2つが必要になります。

室内でムカデを見つけた時に、すぐそばに生きたムカデを捕獲できるものがあればいいのですがそうはいきませんよね。

また、家の外でムカデを見つけた際にも、侵入される前に駆除しておきたいところですが、どのような殺虫剤を使えばいいのかわからない方も多いと思います。

そこで「侵入した個体用」と「家の外で発見した時用」の2つの方法についておすすめの薬剤をご紹介いたします。

室内に侵入したムカデを駆除する方法:瞬間凍殺ジェット

室内に這って侵入してくるタイプの害虫駆除に効果的なのが、「凍らせて駆除するタイプ」の薬剤です。

殺虫成分が入っていないので室内で噴射しても健康被害の不安も少なく、常備しておけばヤスデ以外の害虫にも効果的なので一本あると良いでしょう。

ペットを飼っていたり小さなお子さんがいる家庭には特におすすめの殺虫剤です。

敷地内に発生しているヤスデを駆除する方法:サイベーレ0.5SC

サイベーレ0.5SCは白色の液体殺虫剤で、ピレスロイド系の殺虫成分が主成分の薬剤です。

特徴は「においが少ないこと」「水で薄めて使う薬剤であること」「1ヶ月以上の残効性が期待できること」「魚毒性が強いこと」などが挙げられます。

散布には蓄圧式などの噴霧器があるととても便利なので、上記のようにセットで販売されているものを購入するとお得です。

噴霧器などで希釈したサイベーレを壁面やムカデが発生している石の下、ブロック塀と土の隙間などに散布すると強力な殺虫効果を発揮して駆除してくれます。

ピレスロイド系の殺虫剤は人畜毒性は低く安全なのですが、魚毒性が強いので周囲の河川や池に殺虫剤が流れ込まないように注意する必要があります。

まとめ

今回は梅雨の時期から増え始めるムカデの駆除方法と噛まれた時の対処法などについて解説いたしました。

スズメバチと同程度の毒を持つムカデの存在は、いくらゴキブリを捕食してくれる益虫とは言え室内への侵入は絶対に避けたいものです。

今回ご紹介した方法を参考にムカデ対策を万全にして夏を乗り切りましょう!