コーヒーの出がらし(コーヒーかす)の成分とガーデニング・園芸肥料への再利用について

コーヒーの出がらし

こんにちは、田舎センセイです!

私は大のコーヒー好きで、1日5杯は必ず飲んでいます。

少々飲み過ぎなのは自覚しているますが、自宅で仕事をしているとどうしても無くてはならず、どうせなら美味しいコーヒーを飲みたいのでそこそこ良いエスプレッソマシーンを使って仕事のお供にしています。

エスプレッソマシーン
豆を挽いて飲むタイプのエスプレッソマシーンを使うとどうしても出てしまうのが「コーヒーの出がらし(コーヒーかす)」、試したがりの私はこのコーヒーの出がらしをそのまま捨てるのはもったいないと思って何かに再利用できないか考えていました。

特に本業の農業・園芸方面で肥料にできないかと思って調べてみると、「肥料・防虫・消臭効果がある」と書かれているものと「園芸での利用はしにくい」と書かれている情報が混在していました。

そこでコーヒーの出がらしにはどのような成分が含まれていて、園芸やガーデニング、農業に利用する場合の注意点にはどのようなものがあるのかを調べてみることにしました。


ネットで調べると「土に混ぜると良い」って書いてるけどどうなんだろう?

正直、土や肥料の事を知っている人が書いたとは思えない記事もたくさんあるので、ここではしっかりとデメリットもお伝えするからよく読んでくだされ!

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コーヒーの出がらし(コーヒーかすの成分)とは?

エスプレッソマシーン
そもそもコーヒーかすって何かというと、インスタントではないコーヒーを淹れた後の残ったものを指します。

成分比率
水分(含水率)65%以上
炭素18%
窒素(N)2%
リン酸(P)0.2%
カリ(K)0.3%

成分としては粉砕した時のサイズによって多少変わるとは思いますが、基本的に水分量が高くほとんどが有機物で出来ているのが特徴です。


3大栄養素のNPKもしっかり含んでるね!

さて、実際のコーヒーの出がらしの成分が分かった所で、園芸やガーデニング、農業に利用できるかどうかというのを考えていこう
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コーヒーの出がらしに期待できる肥料としての効果と懸念点

実はコーヒーの出がらしは肥料としては使いにくい

コーヒーかす
当サイトの園芸・農業系の記事をご覧になったことがある方なら、有機物を肥料として使うときにただ土に混ぜ込めばいいというものではないことをご存知だと思います。

作物や植物を育てるために土に撒く肥料には、大きく分けて「有機肥料」と「化成肥料」があります。 これから畑で何か育ててみたいと考えている方の...

水分含量の多いコーヒーかすをそのまま用土に混ぜ込んだり、鉢植えの土にパラパラと巻いたりすると

ほぼ確実にカビが生えます!

またコーヒーかすに含まれる窒素分は微生物によって分解されにくい構造になっていて、そのまま土壌に混ぜ込むと発酵する過程で窒素を消費するので、逆に「窒素飢餓」と呼ばれる窒素が不足する状態を引き起こすので逆効果になります。

さらに加えて言うと、コーヒーかすに含まれる窒素成分の多くが難溶性で植物に利用されにくいというのも欠点のひとつです。

さらにさらに、コーヒーかすには植物の生育を阻害する成分が含まれているので、そのまま使うと良いことなしですね。

コーヒーかすを使うメリットとしては、乾燥させたコーヒーかすであれば多孔質で酸性を示すので、アンモニアなどの臭いを吸着したり水分を保持してくれるため、堆肥として使ったり他の堆肥に混ぜ込むことでその構造上のメリットを生かせると思います。


なんだかそのままでは使いにくいってことはわかったよ!

コーヒーかすを肥料として再利用するには工夫が必要なんじゃ!

コーヒーの出がらしを肥料として使うためには堆肥にする必要がある

コーヒーの出がらし
コーヒーの出がらしを肥料として再利用にするには、まず完全に乾燥させてから堆肥化するという作業が必要になります。

神奈川県農業総合研究所によると、堆肥化することによってコーヒーかすが持つ発芽阻害の効果を微生物が軽減してくれるそうなので、肥料として使う事は可能でしょう。

コーヒーの出がらしを堆肥にする方法

  1. コーヒーの出がらしを完全に乾燥させる
  2. 箱や木枠、コンポストなどに乾燥させたコーヒーかすと米ぬかを1:1で加える(※腐葉土などを一緒に加えても良い)
  3. 風通しが良く雨が入らない場所に置き、定期的(2~3日に1回)に空気を入れるためにかき混ぜる
  4. 3~6ヵ月かけて発酵させれば完成

コーヒーの出がらしを使った堆肥は、制作時期によって発酵にかかる期間は前後しますがおおよそ3~4か月で完成します。

コーヒーを飲むたびにでるコーヒーかすを追加することは可能ですが、必ず完全に乾燥させたものを追加するようにしましょう。

まとめ

本記事ではコーヒーを淹れた後に出る「出がらし」の園芸への再利用方法についてまとめました。

コーヒーかすはそのままでは肥料としては使えないどころか、カビや虫の温床になったり土壌中の窒素を奪ったり植物の生育を抑制したりと悪いことの方が多いことが分かっていただけたかと思います。

堆肥化することで悪臭の除去や保水力の向上に役立てることができるので、ただ捨てるだけではなくひと手間加えて再利用したいと考える人は、コーヒーかすは堆肥化して利用するのがおすすめですよ!