元々は野山に住むハクビシンですが、近年では都会にも棲み付いて害を及ぼす害獣として知られるようになりました。
私も、東京に住んでいるときに、2階の窓から外を見た時に隣家の屋根をさっそうと歩くハクビシンを何度か見たことがあります。
もしも自宅の屋根裏からネズミよりも大きな足音が聞こえたり、お庭の菜園やゴミ置き場が荒らされていたら、それはハクビシンの仕業かもしれません。
今回は、ハクビシンが及ぼす害と生態や特徴について詳しくご説明いたします。
ハクビシンの生態や特徴
- 和名:ハクビシン(白鼻芯)
- 学名:Paguma larvata
- 英名:Masked musang
- 階級:食肉目ジャコウネコ科ハクビシン属
- 生息範囲:日本では沖縄以外に生息
- 家の中の生息場所:屋根裏、軒下、倉庫など
- 体長:50~75cm
- 寿命:10年以上(飼育下では最長24年の記録がある)
- 特徴①:基本雑食で、昆虫、動物、植物、何でも食べる
- 特徴②:足の指が5本
- 好物:甘い果樹を食害することが多い
- 弱点:臭いの強いもの(石油、木酢液、ウルフピーなどの肉食獣の尿)、青色ストロボ
- 厄介な点①:ため糞(同じ個所に糞)をする
- 厄介な点②:繁殖力がすごい
ハクビシンは、沖縄以外の日本全土(特に関東と東北)に生息しています。
日本固有の在来種か外来種なのかは確定されておらず、在来種としての保護も外来種としての駆除もしにくいとても中途半端な位置づけをされています。そのため、アライグマのように特定外来生物指定は受けていません。
グレーの細長い体に、長い尾をもっていて、鼻筋に白い線があるのが特徴です。
一度ねぐらと決めると、ずっと住み続ける習性があるので棲み付かせない事が重要になってきます。
厄介な習性が「ため糞(ふん)」と言って、糞をする場所を1か所決めて同じところに排泄し続けるという物があります。
しばしばこの習性から、ハクビシンのふんが一か所に集まり、屋根裏が腐食し天井が抜けてしまったり、悪臭や病原菌、感染症、寄生虫やダニ・ノミなど2次的な被害を及ぼす恐れがあります。
ハクビシンの身体能力
ハクビシンは木登りが得意で、樹上生活者と言われており、大きな体に似合わず細い電線などもバランスを取りながら起用に渡ります。
頭がはいる所(大人の握りこぶし大の穴)であればどんな隙間でも入ってしまうので、しばしば民家の屋根裏などに住み着いてしまうことがあります。
身体能力が高く、垂直跳びは1m10cmにもなると言われていますが、リスや猿のように木から木へ飛び移ることはせず、一度地面に降りてから再度登りなおすことが多いようです。
一方で穴を掘るのは苦手なので、柵やフェンスの下を掘って農作物を荒らした形跡があれば、ハクビシンの可能性は低いでしょう。
ハクビシンの生息地域は?
出典:「日本の動物分布図集(2010)」(環境省生物多様性センター)を使用し、ハクビシンの地図のみ切り取ったもの
ハクビシンの生息地域は、沖縄を除きほぼ日本全域に広がっているのが分かります。特に東北地方南部、関東地方、四国全域で多く見られます。
駆除・捕獲頭数を地域別で見てみると、
狩猟と有害鳥獣捕獲を合わせてハクビシンの捕獲数が最も多いのは四国地方で、特に狩猟での捕獲が多いのが特徴です。一方で、有害鳥獣捕獲で最も多いのは関東地方で、11年間の平均で260頭が有害鳥獣として捕獲されています。
害獣の捕獲についての許可や資格については「害獣駆除を無許可で行った場合の罰則とは?」の記事で詳しくご説明していますので、併せてお読みください。
それにしても、関東地方では毎年平均で約260匹も捕獲されているというのは、かなり多いと思われるのではないでしょうか。
実はハクビシンは繁殖力が強く、被害が大きくなりやすいのが特徴なのです。
では、次にハクビシンの繁殖についてみてみましょう。
ハクビシンの繁殖の特徴
ハクビシンは、冬眠をせず一年中繁殖することが可能です。
出産は1年に1回だけで、1回に2~3頭の赤ちゃんを産みます。
これだけ聞くとそこまで繁殖力が強いように思えないかもしれませんが、ハクビシンは生後10か月以降から出産が可能になり、妊娠期間はわずか2か月間。寿命も長く10年以上生きるので、気が付くとものすごい数になっているのです。
まとめ
今回はハクビシンの生態や特徴についてご紹介しました。
実は東京などの都会での捕獲例が多いハクビシンは、可愛い見た目ですが一度棲み付かれるととても厄介であることが分かります。
万が一、見かけた場合は、噛みつかれると感染症を引き起こす恐れがありますので、専門家に駆除を依頼するようにしましょう。
見積もり後のキャンセルも作業完了後の追加料金も発生しないのでおすすめです。
※ハクビシンの専門駆除業者への依頼の前に「ハクビシン駆除の料金相場とおすすめの駆除業者ランキング」の記事をお読みいただくと便利です。