オンシツコナジラミの生態・特徴・駆除方法|白くて小さいコバエの様な害虫【画像あり】

オンシツコナジラミ

こんにちは、田舎センセイです!

私は畑での作物以外にも趣味で園芸をしていて、冬の時期は室内の温室で数多くの植物を育てています。

室内の温室は基本的にはガラス戸を閉めているので外から害虫が侵入する恐れはないと踏んでいたのですが、私の認識の甘さ故に温室内で「オンシツコナジラミ」という害虫を大量発生させてしまいました。

本記事ではコナジラミ(※特にオンシツコナジラミ)の生態や特徴、駆除方法などに付いて詳しくまとめたいと思います。


温室内の植物を触ったら一斉に白くて小さい虫が飛んで行ったよ

それは良くない兆候じゃ!色くて小さい羽の生えた虫を見かけたらすぐに駆除する必要があるぞい!

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

コナジラミ/オンシツコナジラミの画像(成虫・幼虫・卵)と生態

オンシツコナジラミオンシツコナジラミの卵
名前オンシツコナジラミ
学名Trialeurodes vaporariorum
分類カメムシ目コナジラミ科
白・黄白色
大きさ(成虫)2mm程度
食害植物の葉や果実を吸汁し枯らす
ウイルス病排泄物による甘露がすす病の原因になる

上の画像は我が家の温室で栽培しているユーフォルビアを吸汁している「オンシツコナジラミ」です。

コナジラミ類には、オンシツコナジラミの他に「タバココナジラミ」「シルバーリーフコナジラミ」「ミカントゲコナジラミ」「ツツジコナジラミ」などの種類があります。

コナジラミは日本の侵略的外来生物ワースト100にも選ばれているほど厄介な害虫で、薬剤抵抗性が強く同じ薬剤ばかり使っていると耐性がついて駆除しにくくなってしまいます。


このオンシツコナジラミがついているユーフォルビアになんだかベトベトする水滴がついてるよ!

これはコナジラミの排泄物で、アブラムシが出す甘露と似た性質があってすす病などの原因になるんじゃ!
すす病
庭木、観葉植物、野菜や果樹など、様々な植物に発症することがある「すす病」は、その名の通りすすをかぶったように枝葉が真っ黒になってしまう病気です。...

すす病に関しては以前上の記事でまとめていますが、すす病とはすすを被ったように真黒くなってしまい光合成ができなくなり次第に枯れてしまうという病気で、害虫が原因で起きる腐生性のすす病は害虫の駆除が根本的な解決策になります。

すす病は果実に発生した場合はふき取れば問題なく食べることができますが、私の育ててる園芸品種などの場合は美観を損ねるので、被害を受けた葉を摘み取ったり剪定してしまうか、範囲が狭い場合はふき取ったり洗い流すことで対処することが可能です。

ただし、すす病の範囲が広範囲に広がってしまった場合は、ベンレート水和剤などの殺菌剤の散布などが選択肢に入ってくるので被害状況に合わせて対策を変える必要があるでしょう。


まずは害虫を駆除・防除しなきゃ話にならないよね!

うむ、次は発生原因と防除法じゃ!
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室内温室で発生している場合は十中八九苗による持ち込みが原因

ガラス温室
オンシツコナジラミなどの発生は露地栽培では少なく、基本的に暖かい温室や施設内で増殖し越冬します。

基本的にコナジラミが温室・施設内で発生する原因は「苗による持ち込み」か「外部からの成虫の飛来」のどちらかです。

我が家のように室内のガラス温室などの密閉空間に発生した場合は、ほぼ100%苗による持ち込みで、私の場合は海外から輸入したタコモノユーフォルビアに付着していたものが爆発的に増殖してしまったのが原因でした。

新規で購入した植物は、自分の管理エリアに入れる前にしっかり確認、異変があれば殺菌剤・殺虫剤などで対処しておくことが重要です。


まずは持ち込まないことが大事じゃな!

オンシツコナジラミの致死温度は30℃が境目

寒さに弱いと言われているコナジラミ類ですが、タバココナジラミなどは野外越冬は不可能で施設内で発生が増えますが、オンシツコナジラミは野外越冬も温暖な地域(関東以南)では可能と言われていて、逆に温度が30℃以上になると死亡する個体が増えると言われています。

かといって30℃以上に温室内を加温し続ければいいというものではないですし、その温室内にある植物自体が高温障害を受けてしまうといけないので、コナジラミ類の耐寒・耐暑温度はあくまで参考程度に留めておくのが良いと思います。

直接的な駆除の方法にするには向かないと思います。

コナジラミ類が発生してしまった場合の対策・駆除方法

ベニカXファインスプレー
施設内などでコナジラミが既に発生してしまっている場合は、いくつか方法があります。

コナジラミの駆除方法
  1. 殺虫剤の散布
  2. 黄色い粘着シートを使う
  3. 天敵を用いた生物学的防除を行う

基本的には上記の3つがメインの対策方法になりますが、どうしても殺虫成分を使いたくない場合などはアブラムシへの対策などと同様に、牛乳を薄めたものを散布するなどいくつかの方法があります。

ただし、効果も限定的だったりするので注意が必要です。

殺虫剤の散布

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殺虫剤を使用する場合は、浸透移行性の殺虫剤を使用するのが効果的です。

アクテリック乳剤(※現在はメーカーで販売中止)などもコナジラミ類に効果的なのですが、成虫や幼虫には効果があってもサナギや卵には効果が無いので繰り返し散布する必要がありとても手間です。

特に私のように小さな温室で育てている場合に散布しにくいので、上で紹介しているような「ベニカXファインスプレー」などが浸透移行性で長く効果が発揮されるので防除しやすくお勧めです。

私の場合も、発生密度は高かったですがガラス温室内という限定的なスペースでの発生だったので、発生源となった植物の剪定と葉の摘み取りに加え、この薬剤を散布することで根絶できました。

黄色い粘着シート

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コナジラミ類は黄色い色に集まるという習性があり、それを利用した捕虫剤(粘着シート)が売られています。

ただし、当然のことながら効果は羽の生えた成虫に限定されるので、完全にコナジラミを根絶させたい場合にはこの粘着シートのみでは不十分です。

狭い範囲での成虫の捕獲や、コナジラミの発生を知らせる目安などに使うと効果的なので、薬剤の散布と併用すると良いでしょう。

天敵を用いた生物学的防除

Harmonia_Axyridis
※画像:wikipedia

ナミテントウツヤコバチなどのコナジラミの天敵を利用する方法もあります。

これは野外のハウスなどが適用になりますが、私の様な室内の小型温室では実施が不可能なので場面を選びます。

天敵となる生体を購入するのも難しいので、手段としてはありますが一般的な方法ではないでしょうね。

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まとめ

本記事では私の確認不足と認識の甘さで大量発生させてしまった「オンシツコナジラミ」について、生態の特徴と防除法をまとめました。

小さくて大したことのない虫かと思えば、実は薬剤耐性が出やすくて駆除しにくく、植物を吸汁して枯らすだけではなくウイルスを媒介してすす病などの原因にもなるというとても厄介な虫でした。

個人の園芸家さんなどの場合は、まずは「持ち込ませない」ことが肝心で、万が一発生してしまったら早めの対策をとるようにすることが大切ですよ。