この記事では、畑や花壇、芝生をボコボコにしてしまう「モグラ」の効果的な退治方法についてご紹介します。
モグラの生態を理解することによって、どのような忌避剤や捕獲機を使うと良いのかが分かるので、簡単なモグラの説明も最初に行います。
簡単ですので、是非通してお読みくださいね。
Contents
まずはモグラの生態を知ろう!
モグラ(土竜)は、一生を土の中で過ごします。
見た目は可愛いですが、農作物や芝生に被害をもたらす害獣でもあります。
モグラを効果的に退治するために、まずはモグラの生態を知るところから始めましょう!
- 土中にトンネルを掘り、一生のほとんどを土中ですごす
- モグラの寿命は約5年
- モグラの掘るトンネルには「本道」と「支道」の2種類がある
- 目が退化してほとんど見えないが、光をわずかに感じることが出来る
- 嗅覚と聴覚に優れており、臭いと音にとても敏感
- 主食はミミズや昆虫(とその幼虫)で、野菜や植物は食べない
- 冬は冬眠せず、年中活動して餌を食べる
- 大食漢で、胃の中に12時間以上食物がないと餓死してしまう
- 体が常に何かに触れていないとパニックを起こしてしまう
- 意外と泳ぎが上手
- 可愛い見た目とは裏腹に、凶暴でかみついてくる
モグラによる被害にはどんなものがあるの?
モグラの主食は「ミミズ」や「昆虫」ですので、畑にモグラの穴があっても作物を食べることはありません。
しかし、「モグラが掘るトンネルによってもたらされる様々な被害」があります。
それは、
- 作物の下にトンネルを掘ることで、作物の根っこを傷つけて枯らせてしまう
- モグラが掘ったトンネルをネズミが通り、作物を食べてしまう
- 水田の畔(あぜ)や堤防に穴をあけて、水を抜いてしまう
- 益虫であるミミズを食べつくしてしまう
- 芝生がモグラ塚で荒らされてしまう
などです。
これらの被害を無くすためにも、モグラを退治しなくてはいけません。
では、どのような対策・退治方法があるのでしょうか?
効果的なモグラの対策・退治方法
これから言う2つの事をやっておくのじゃ!
モグラ退治の事前準備
②「本道」と「支道」を見分ける
モグラが通るトンネル付近には、地面が盛り上がった「モグラ塚」があります。
その周囲にモグラが掘るトンネルがあるのですが、穴を見つけたら一度穴を潰して地面を平らにします。
すると、そのトンネルが本道だった場合は、モグラは焦ってトンネルを修復するのですぐに穴が復活します。そこが本道です。
本道の入り口は石や柵の下など、雨を避けることが出来るところに作られていることが多いので、それも目印に探してみるといいでしょう。
モグラを退治するために必要な駆除剤・忌避剤・捕獲器
モグラを退治するための駆除剤や忌避剤は、モグラの敏感な「嗅覚」と「聴覚」に訴えるものが多くあります。
今回は、駆除剤・忌避剤の種類別にモグラ退治に効果的なものをご紹介します!
モグラの嗅覚を利用した忌避剤
まずは、モグラの鋭い嗅覚を利用した忌避剤をご紹介します。
モグラの敏感な嗅覚に訴えるとは言え、人間の鼻にも強烈な刺激があるものが多いので、使用の際には使い方に十分注意しましょう!
イカリ モグラクリン 300g
評価:
<良い点>
- 扱いが簡単な錠剤タイプ
- 自然に無くなるので除去不要
- 土中のミミズには無害
<悪い点>
- 効果は3か月間しか続かない
- 作物のそばには使えない
- 臭いが強烈でマスクと手袋が必須
まずは「イカリ モグラクリン 300g」です。
メリットとデメリットは上記の通りで、使い方が簡単で置くだけなのですが、作物や花のそばに置くと枯らしてしまう可能性があるので、モグラの巣の場所によっては使えない可能性があります。
使用する場合は、あらかじめ見つけた「本道」に設置するようにしましょう。
薬剤の主成分は、粗製ナフタリン です。
場所を選ぶという点で、星3つです。
モグラ侵入禁止!(モグラパニック)
評価:
<良い点>
- 土に埋めるだけで簡単
- 動植物に無害で作物のそばにも使える
- 効果が3年と長い
<悪い点>
- 効果がやや弱い?
- 多剤に比べてやや高価
2つ目は「モグラ進入禁止!(モグラパニック)」です。
主成分がヨード(ヨウ素)なので、環境には安心なのがメリットの商品です。モグラの巣が畑のそばにあっても作物に害がないため使いやすいのが特徴です。
3年効果が続くとありますが、雨などによってある程度効果が減弱することは想定しておいた方が良いでしょう。
こちらも、必ずモグラのトンネルの本道に設置しましょう。
作物のそばに使えて安心な薬剤という点で、星4つです。
モグラの聴覚を利用した忌避剤
次は音波振動などを利用して、モグラの聴覚に訴えて撃退する商品です。
Orphan 動物撃退器 ソーラー式 モグラ撃退器
評価:
<良い点>
- 地面に差し込むだけで良い
- 動植物に無害で作物のそばにも使える
- ソーラー電池なので電気代がかからない
- 一台で625㎡の範囲に超音波が届く
- モグラ以外にもネズミにも効果がある
<悪い点>
- 雨が続くと電池が切れる可能性がある
こちらは「Orphan モグラ撃退器」です。
モグラの嫌がる音を30秒に1度の頻度で発生させることによって、モグラを撃退する機器です。
1台で625㎡の範囲に届くので、約半径150mの範囲にこれ一台で効果があります。
また、上部がソーラーパネルになっており、晴れの日に自動で充電するので電池交換の心配も電気代の心配もありません。
守りたい作物の中心や、お庭の中心に差し込むことでモグラの侵入を防ぐことが出来ますし、使う場所を選ばず一度購入すればずっと効果が持続するという点で星4つです。
モグラン
評価:
- 返金保証が付いているので、ノーリスクで試すことができる
- 全額キャッシュバック制度あり
- 電池式だが半年に1回の交換で良く、ソーラー式でないので天候に左右されない
- 地面に差し込むだけで良いので簡単
- 使用者レビューにより7割以上がモグラ被害の減少を実感している
<悪い点>
- 値段が高い
- 電池は別売(単1電池4本)
現在私が使っていて最も効果を実感しているのが「モグラン」です。
我が家では設置から1週間程度でモグラが畑の土の上で絶命しているのを見つけ、モグラ被害事態もどんどん減少していきました。
我が家の畑はかなり広く、あちこちにモグラの巣穴を見つけるのでどれが本道かわからず、捕獲器や薬剤のタイプは効果が見込めなかったのですが、市販の音波振動機では効果の範囲が狭いので結果高額になってしまっていました。
返金保証制度があるので、効果に懐疑的な方はノーリスクで試すことができますし、万が一効果が感じられなかったら返金してもらえるので安心ですよね。
前述のモグラ撃退器に比べて、電池交換の必要がありますが半年に一度の交換で良いので、さほど電池代も手間もかかりませんし、かえって天候を気にしなくて良いので電池式の方がいいと私は思っています。
畑の面積が広い方、本道と支道の区別がつかない方、自分で捕獲したモグラの駆除をしたくない方などは、このモグランが最もおすすめです。
難点は「とにかく値段が高いこと」
ただ、前述の通りノーリスクで試せる点や一度購入すれば電池交換のみで広範囲のモグラ駆除が行えることを考えると、そこまで高くないかもしれません。
公式サイトでしか購入できないので、興味がある方は下記ボタンより商品をご確認ください。
モグラ捕獲器
続いては、追い払うのではなく「捕まえる」ための商品を紹介します。
薬剤の忌避剤や超音波の機器では、場所を変えられるだけで被害が収まらなかった方や、畑や庭が広大で根本的に捕獲して駆除したい方にお勧めなのが「捕獲」することです。
※モグラの捕獲には注意が必要なので後述しております。
Trapest モグラトラップ
評価:
<良い点>
- 確実に捕獲し駆除ができる
- 繰り返し使う事ができる
<悪い点>
- モグラを殺してしまう
- 死んだモグラを処理する必要がある
- 本道に設置しないとなかなか取れない
- 子供が間違って触ってケガをする可能性がある
捕獲器の1つ目は「Trapest モグラトラップ」です。
しっかりとモグラトンネルの本道に設置をすればかなりの確率で捕獲することが出来ます。
忌避剤で効果が無かった人にとっては、確実に駆除ができる点で一番悩みが解決できる方法ではないでしょうか。
デメリットとしては「モグラを殺してしまう事」です。
記事の最後にご紹介しますが、モグラの中には「絶滅危惧種・準絶滅危惧種」がおり、捕獲の際には自治体や環境省の許可が必要など、法律上の注意点があります。
捕獲の機能性と悩みの根本的な解決ができるという点では満点なのですが、日本固有種であり絶滅の危機に瀕しているモグラを殺してしまう可能性があるという点で、星4つです。
尾上製作所(萬年) 日本製トタン もぐら取り器
評価:
<良い点>
- 確実に捕獲し駆除ができる
- 上手くいけばモグラを殺さずに捕獲できる
- 何度も使うことが出来る
<悪い点>
- 殺さずに捕獲するためには、毎日確認する必要がある
- 死んでいたら処理する必要がある
- 本道に設置しないとなかなか取れない
- 生きたモグラに噛まれる可能性がある
捕獲器の2つ目は「尾上製作所 日本製トタン もぐら取り器」です。
こちらも捕獲することで根本的な解決をすることが出来る捕獲器で、上手くいけばモグラを殺さずに捕獲できるという点が前述した捕獲器とは違います。
ただし、モグラの特徴で触れましたが、モグラは12時間以上胃の中に食物がないと餓死してしまうので、生け捕りする場合は設置後に罠を毎日確認する必要があります。
また、モグラは噛みついてくることもあるので、生け捕りに成功した後の取り扱いには要注意です。
生け捕りで捕獲することができ、なおかつモグラ被害の根本的な悩み解決につながるという点で、星4.5です。
※モグラの捕獲について
モグラには絶滅危惧種・純絶滅危惧種がおり、捕獲には原則として自治体や環境省の許可が必要になります。もし、許可なく捕獲をした場合、懲役(1年以下)もしくは罰金の刑が科せられる可能性がありますので、捕獲の前に一度詳細を各自治体に問い合わせてください。
モグラを含む鳥獣の捕獲に関しては「害獣駆除を無許可で行った場合の罰則とは?」の記事を併せてご覧ください。
もしもモグラを捕まえた場合の対応はどうしたらいい?
万が一、生きたまま捕獲することが出来た場合、どのように対応すべきでしょうか?
前述したように、モグラの捕獲には許可が必要です。
日本固有種で絶滅の危機に瀕しているモグラも数種類おり、捕獲した場合は自然に返してあげて欲しいのですが、その「返す場所」には注意が必要です。
その注意点とは、下記の3つです。
- 穴をあけて水漏れをさせる危険性のある、堤防や河川敷などには放さない
- 他の人の家に被害が及ぶ場所には放さない
- 捕獲現場からあまりにも遠すぎる場所には離さない(約20~30km以内に放す)
他の人が被害に遭う範囲には放さないという事と、放した場所の生態系が変わらないように、発見した場所からあまり遠くない場所に放すようにしましょう。
モグラを飼育することは可能か?
結論から言いますと、モグラを家で飼うことはお勧めしません。
十中八九、モグラを死なせてしまう事になるからです。
冒頭で簡単に説明しましたが、
- モグラは12時間以上胃の中に食べ物が入っていないと餓死する
- モグラの一日の食事量は、自身の体重の半分ほどであり、かなりの大食漢である
- 音や臭い、環境の変化に敏感ですぐに弱ってしまう
- 絶滅危惧種や準絶滅危惧種に指定されている種もおり、飼育許可が下りるか不明
などの条件から、モグラをしっかり管理して飼育するのはとても難しいのです。
モグラについて知ってみると対応や対策も変わるかも?
やっぱり一番いいのは生きたまま捕まえて逃がすことかもね
ちょっと下の表を見てくれ
アズマモグラ | 日本固有種 絶滅危惧I類(大阪府) 絶滅危惧II類(愛知県) 準絶滅危惧(京都府・鳥取県・広島県・香川県) |
---|---|
センカクモグラ | 日本固有種 絶滅危惧IA類(CR) |
サドモグラ | 日本固有種 準絶滅危惧(NT) |
ミズラモグラ | 日本固有種 準絶滅危惧(NT) |
コウベモグラ | アジア大陸にも分布している |
ヒミズ | 日本固有種 |
ヒメヒミズ | 日本固有種 |
えっ!?半分以上が(準)絶滅危惧種指定されてるじゃないか!
これを見るとやっぱり生け捕りにして逃がしたくなるのう
なんかもっとモグラの事を知りたくなっちゃったよ
「モグラ博士のモグラの話」という本じゃ。
(さて、ワシの畑のモグラも生け捕りにして逃がすとするかのう)
まとめ
最後にまとめますと、
2.本道の見極めが不要で広範囲に効果的な「音波振動式」が最も手軽だが、値段が高いのが欠点
3.臭いのする「薬剤」は安価だが、雨などで効果が減弱する可能性や、農作物やペットへの影響が懸念される
モグラ対策は様々な方法がありますが、いずれも予算や使用用途によって適した方法が違うので、各人の状況に合わせた商品を選ぶ必要があります。
捕獲器は死骸の処理をしたくはないですし、役所への届け出も正直めんどくさいので私は選びません。
私は畑の面積が広くモグラのトンネルの把握ができていないので、荒らされたくない作物周囲に「モグラン」を使っていますが、使い始めてピタリとモグラ被害がなくなりました。
初期投資として他の商品に比べて費用はかかりますが、この効果が電池交換だけでずっと続くとなれば作物も守れますし安いものですね。
おすすめですので検討してみてはいかがでしょうか?