鶏糞はどんな肥料?効果・成分・使い方・発酵鶏糞と乾燥鶏糞の違いとは?

鶏糞

農業の欠かせない有機肥料のひとつに「鶏糞(鶏ふん)」があります。

鶏糞は、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)の肥料の3大要素がバランスよく豊富に含まれているのが特徴で、農業や家庭菜園でよく使われているとてもポピュラーな肥料です。

しかし、使い勝手の良さから利用者が多い鶏糞ですが、実はいくつか注意点がありますので、効果や成分などとあわせて解説していきます。


実は以前畑に鶏糞を撒いたら、野菜が枯れちゃったことがあったんだ。あれの原因もわかるかなぁ

鶏糞は使い方を違えると作物にダメージを与えてしまうことがあるので注意が必要なんじゃ!注意点はあとでしっかり解説するぞい

鶏糞とは?

炭化鶏糞

鶏糞は、文字通りニワトリの糞を元に作った肥料で、肥料を作る工程によって「乾燥鶏糞(鶏糞ペレット)」「発酵鶏糞(鶏糞堆肥)」「炭化鶏糞」などに種類がわかれます。

一般的によく使われている「乾燥鶏糞」や「発酵鶏糞」の場合は、未熟な堆肥として考えた方が良い場合が多く、あまり追肥には向かないことが多いです。

効果の即効性や緩効性などについても専門家で意見が分かれており、特殊肥料に分類されているため商品によって成分にバラつきがあるのも原因の一つと言われています。

鶏糞の種類【乾燥鶏糞(鶏糞ペレット)・発酵鶏糞(鶏糞堆肥)・炭化鶏糞】

乾燥鶏糞(鶏糞ペレット)

発酵鶏糞(鶏糞堆肥)

炭化鶏糞

鶏糞の成分と特徴

成分・特徴 乾燥 発酵 炭化
N(窒素) 3 4 2
P(リン酸) 6 7 8
K(カリ) 4 3 6
臭い 強い 普通 ほぼ無
基肥
追肥 ×
肥料焼け
石灰

※NPKの成分比は、いずれもかなり幅があるのであくまで参考値

鶏糞は、乾燥鶏糞・発酵鶏糞・炭化鶏糞などでそれぞれ微妙に成分と特徴が違います。

鶏糞は特殊肥料に定められていますので、商品ごとに成分のばらつきがあり、上記の表の数値もあくまで参考値として捉えてください。(※参考:肥料取締法 – 農林水産省)

鶏糞の特徴と使用上の注意点【追肥と元肥のどちらに向いてる?】

チキン

乾燥鶏糞は発酵が未熟(ほとんど発行していない)なため、臭いが強く追肥には向きません

発酵鶏糞も、完熟発酵であれば臭いは抑えられていますが、それでも追肥よりは基肥に使われることが一般的です。

もし追肥を行うとすると、作物の株元から少し離した場所に撒くのが一般的ですが、表面に撒いただけでは雨が降った後に地面がカチカチに固まってしまうので土にしっかりと混ぜ込むといった手入れが必要になります。

一方で、炭化鶏糞は、800℃以上の高温で完全に炭化させているため、追肥にも使いやすいうえ、鶏糞特有の臭いが無いので一般家庭の菜園などでも使用しやすいのが特徴です。

鶏糞は尿酸の含有量が多く、(特に乾燥鶏糞や発酵鶏糞では)分解が進むにつれて尿酸がアンモニアに変化していくため肥料焼けも起きやすく、基肥に使う場合では最低でも1ヶ月以上前に施肥するなどの注意が必要です。

鶏糞を使用する場合は、葉物野菜などの茎葉に触れないように離した場所に撒くようにし、根菜なども根が直接触れないように注意しましょう。


僕の野菜が枯れてしまったのはもしかしたら肥料焼けかも?

尿酸が多く肥料焼けしやすいこと以外にも、もう一つ「石灰分(炭酸カルシウムとリン酸カルシウム)が大量に含まれている」という点にも注意が必要じゃ!

鶏糞を使う場合にはカルシウム過多に注意!

鶏糞を使う場合の一番重要なポイントは、安価な有機肥料という認識のみで大量に利用すると、土壌がカルシウム過多になってしまうという点です。

実は産卵鶏由来の鶏糞の場合、卵殻の形成を助けるために餌に石灰を多く与えることが多く、鶏舎の消毒にも石灰を使うため、自然と糞の中に石灰分(炭酸・リン酸カルシウム)が多量に含まれてしまっています。

つまり、鶏糞はアルカリ性が強いために土壌のpHを変化させてしまうので、鶏糞を元肥に使いつつ土壌の中和を行うための改良資材を投入すると、知らないうちにアルカリ性に傾きすぎてしまって作物を枯らしてしまうことがあります。

鶏糞に石灰が多量に含まれていることは決して悪い事ではなく、このことを知っていれば土壌改良資材を利用せずとも土壌の中和ができるので、鶏ふんを使う場合は石灰の量を減らすなどして調節しましょう。


僕が枯らしてしまったのはブルーベリーの苗木だったんだ。酸性土壌を好むブルーベリーの土に鶏糞を使ったのはあまり良くなかったんだね

うむ。植物によって好みの土壌酸性度が違うから注意が必要じゃ。土壌酸性度のコントロール方法については下の関連記事をあわせて読んでおくと良いぞい!

【鶏糞を使うときの注意点まとめ】

・発酵が未熟な鶏糞は追肥には向かず、元肥にする場合でも播種は施肥から1か月以上空ける
・肥料焼けを起こしやすいので、作物から十分離した場所に施肥をする
・鶏糞には石灰(炭酸・リン酸カルシウム)が大量に含まれてるので、カルシウム過多に注意する

鶏糞と牛糞の違いはある?混ぜて使うのはあり?

牛糞堆肥

鶏糞も牛糞も家畜の糞という事で同じもののように考えている方も多くいらっしゃいますが、土に撒くときの両者の役割はかなり違います。

鶏糞はこれまで説明してきた通り、窒素・リン酸・カリをバランスよく含む有機肥料としての役割が大きいです。

一方で、牛糞は栄養素は微量しか含まれておらず、豊富に含まれている有機質が土壌の通気性や保水性、保肥性を高めてくれるため、肥料よりも土壌改良資材の役割が強いです。

そのため、「牛糞を施肥したから肥料はいらない」と思っていると、作物に栄養が不足してしまうことがあるので注意が必要です。

肥料成分がほとんど含まれていない反面、牛糞堆肥は鶏糞のように肥料焼けを起こす心配がないことと、腐熟度にもよりますが鶏糞よりも悪臭が少ないのも牛糞の特徴です。

鶏糞と牛糞の特徴として両者を混ぜて使う事がよく言われていますが、役割が違うので混ぜてそれぞれの良い所をかけ合わせるという点では、理にかなっている使い方といえるでしょう。

まとめ

鶏糞は、3大栄養素のバランスが良い有機肥料である反面、肥料焼けをしやすかったり、カルシウム過剰になる注意点などがあることがわかりました。

各肥料や土壌改良資材の特徴をしっかりと把握して使う事で、作物を枯らせてしまう可能性を極力少なくすることが可能です。

土壌改良資材については、下記の関連記事にてまとめていますのであわせてご覧いただいて、より良い土づくりの参考にしていただければ幸いです。

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