おお、こいつは「ノシメマダラメイガ」じゃの!
今日はノシメマダラメイガについて詳しく説明しよう!
Contents
米につく小さな蛾「ノシメマダラメイガ」とはいったいどんな虫?
- 和名:ノシメマダラメイガ(別名:ノシメコクガ)
- 学名:Plodia interpunctella
- 生息範囲:日本全国(世界中にいる害虫)
- 活動時期:4月~10月(成虫)、冬季は幼虫で越年し、春に羽化する
- 体長:13mm~15mm(成虫)、10mm(幼虫)
- 特徴:頭部は赤紫、翅は灰白色と赤褐色の2色。腹部は灰白色。高温多湿を好む
- 好物:米、小麦粉、米ぬか、チョコレートやクッキーなど油分の多い加工食品、インスタントラーメン、ペットフード、ドライフラワーなどにも害を及ぼす
- 弱点:フェロモントラップが有効 (※雄の成虫のみ)
- 厄介な点①:成虫は1週間の生息期間のうちに200個の卵を産む
- 厄介な点②:幼虫は噛む力が強く、パッケージを食い破って中に入り込むため異物混入例として多い
- 厄介な点③:細かい糸を吐き、食品の表面を覆ってしまうことがある
ノシメマダラメイガはどこから湧いてくる?
ノシメマダラメイガはいったいどこから湧いてくるのでしょうか?
ノシメマダラメイガなどメイガ科の幼虫は、シンクイムシ(芯食い虫)と呼ばれ穿孔能力に優れており、パッケージを食い破って侵入します。
成虫は、噛む力はなくなってしまっているので食害を及ぼしませんが、食材の場所をかぎ分ける能力に優れており、ちょっとした隙間から侵入し卵を産み付けます。
お米に発生することが多い虫ですが、幼虫は植物油脂成分の多い種子を好むことで知られており、玄米の胚芽部分や糠を食べたり、クッキーやチョコレートなどのお菓子にも加害する虫です。
その為、発生源は様々な場所が考えられるため、ノシメマダラメイガを見かけた周囲の食材をよく観察し、
- 白い糸がかかっていないか
- 黄色っぽい顆粒がパッケージに付着していないか
などを確認してください。
もし上記の2点のどちらかが見つかっていたら、既に食害を受けている発生源の可能性が高いでしょう。
発生したノシメマダラメイガを駆除する方法
では、効果的なノシメマダラメイガ駆除方法を教えるとしよう。
ノシメマダラメイガは、とても厄介なことに食材を見つける嗅覚に優れているのと、幼虫の穿孔能力により食物への被害が広がりやすい虫です。
一度発見したら、しっかり発生源を駆除しないと、子供の食べるお菓子やペットフードにも繁殖する可能性がある為、万全を期して発生源を断ちたいところです。
では、発生源を特定したらどのように駆除をするのが良いのでしょうか?
ノシメマダラメイガ発生源特定後の処置のまとめ
- 発生源となった食品を廃棄
- 発生源となった食品の周囲の床などに落ちている食品クズの清掃を徹底
- 発生源になった容器(米びつなど)を綺麗に清掃し、エアゾール等の殺虫剤を使う
- 室内に大量発生している場合は、燻煙剤や室内充満型のエアゾールを使用して成虫をせん滅する
ノシメマダラメイガ退治におすすめの殺虫剤はこれだ!
エアゾール系
業務用 ファーストキルN 評価:
まずは、強力な業務用エアゾールスプレー「ファーストキル」です。
食品害虫専用の殺虫スプレーで、強力な為に一般家庭向けではありませんが、メイガの幼虫に効く成分(IGR剤)が入っており、成虫が発生した周囲の幼虫や、卵の孵化予防にも効果絶大です。
幼虫駆除成分(IGR剤)は噴霧したところに残るため、その個所での繁殖を抑制します。
効果のある害虫は、
- シバンムシ
- コクヌストモドキ
- ノコギリヒラタムシ
- チャタテムシ
- メイガ
<良い点>
- 超強力
- 多種多様な食品害虫に効果がある
- IGR剤が幼虫の駆除に効果的
<悪い点>
- 強力で一般家庭では使い方に注意が必要
- 殺虫成分が残るので、食材にかからないように気を付ける必要がある
- 高価である
室内充満型エアゾール
マイクロアトミック 200ml 評価:
次は、室内充満型エアゾールスプレー「マイクロアトミック」です。
安全性の高いピレスロイド系殺虫剤で、室内に充満するように噴霧する全量使用型の商品です。
室内に残る害虫(成虫)を一斉に駆除することが出来ます。
効果のある害虫は、
- シバンムシ
- チャテムシ
- メイガ
- シミ
- アリ
- クモ
- カメムシ
- テントウムシ
<良い点>
- 全量噴霧型なので室内全域を殺虫処理できる
- 安全性の高いピレスロイド系殺虫剤である
- 約30畳分の広さに効果がある
<悪い点>
- 使用時は3~4時間入室できなくなる
- 食材やペット、観葉植物などは他室に移動させる必要がある
- 幼虫や卵に対しては効果が薄い
燻煙剤
バルサン いや~な虫 不快害虫用 6~10畳用 20g
評価:
次は、燻煙型の殺虫剤「バルサン」です。
蓋を取ってこするだけの使用が簡単なタイプのバルサンです。
効果のある害虫は、
- ムカデ
- ゲジ
- カメムシ
- チャタテムシ
- シバンムシ
- イエヒメアリ
- (メイガ) ※商品に記載はないが効果あり
<良い点>
- 使用方法が簡単
- 煙なので後処理が楽で部屋が汚れない
- 比較的安価
<悪い点>
- 公式には適応害虫にメイガの記載がない
- 成虫にしか効果がない
- 使用中は(2~3時間)室内入室できない
設置型 防除剤
貯穀害虫防除剤 虫どろぼう 評価:
最後に、穀物屋さん向けの貯穀害虫専用の防除剤「虫どろぼう」です。
この防除剤は、穀物につく虫全般に効果があり、穀物を専門に扱うお店用に作られた防除剤です。
効果のある害虫は、
- コクヌストモドキ
- コクゾウムシ
- ノシメマダラメイガ
- ノコギリヒラタムシ
- ヒラタチャタテムシ
- アズキゾウムシ
- ジンサンシバムシ
- ゴミムシダマシ
<良い点>
- 置いておくだけなので使い方が簡単
- 成虫と幼虫だけでなく、さなぎの脱皮抑制効果、卵の孵化抑制効果がある
- 食材に害がない天然成分でできているので、食材のそばにおいても安心
- 消臭・防カビ・抗菌効果がある
<悪い点>
- 値段が高い
ノシメマダラメイガの対策を取るときに厄介なのが「卵」の存在です。
どんなに殺虫剤で成虫や幼虫を駆除しても卵を制御することが出来ないので、結局は「成虫を発見」⇔「殺虫剤の噴霧」の繰り返しでイタチごっこになってしまいます。
この「虫どろぼう」のすごい点は、さなぎの脱皮や卵の孵化を抑制できる点で、これは他の殺虫剤や忌避剤にはない効果です。
唯一、値段が高いのが欠点ですが、小さなお子さんがいるご家庭や、ペットを飼っているご家庭など、食材や室内環境に安全性を第一に求める方には、この虫どろぼうをお勧めします。
ノシメマダラメイガを繁殖させないための対策
じゃ、予防策を紹介するぞい。
1.食品を長期保存しない
ノシメマダラメイガの発生予防策としては、他の食害を及ぼす害虫と同様、食材の消費サイクルを短くすることが大切です。
ノシメマダラメイガが発生し羽化するという事は、長期間食材が保存されている場合がとても多いのです。
成虫が発生し、活動が活発になる高温多湿な時期は、特に注意が必要です。
夏場は、普段よりも早く食材を消費するように管理をしましょう。
2.密閉した容器に保存をする
ノシメマダラメイガの成虫は、少しの隙間から中に入り込むため、タッパーや瓶のような密閉容器で食材を保管することで繁殖を防ぐことが出来ます。
大量の食材を詰め替えるのはなかなか大変なので、やはり「食材を少量で管理する」ということも併せて行いたいですね。
3.清掃を徹底する
ノシメマダラメイガは、食品そのものだけではなく、幼虫の餌となる食品の周囲にも卵を植え付けます。
その為、食品の周囲が食材のカスなどで汚れていると、成虫を呼び寄せることになってしまうため、食品の周囲を清潔に保つという事はとても大事なのです。
せっかく食材をタッパーなどの密閉容器に入れて保管しても、その周囲で虫が発生してしまっては完全に駆除することは難しくなってしまいますね。
普段から、食材周囲の清掃を心掛けるようにしましょう。
4.フェロモントラップを使用する
メイガ系の雄の成虫に関してはフェロモントラップが有効です。
メイガの性フェロモンを利用した商品で、キッチンなど食材がある空間に置いておくことで、ノシメマダラメイガの発生を早期に発見し、対応をすることが出来ます。
このフェロモントラップは、食品加工工場など食材を扱う会社が使うもので、効果は間違いないのですが、注意しなくてはいけないのが下記の2点。
- 捕獲できるのは雄の個体のみで、雌は捕獲できない
- このフェロモントラップを使っての、全個体の駆除をすることはできない
つまり、空間を清潔にするなど、既にある程度対策をしていて、尚且つ予防策として「ノシメマダラメイガの早期発見をするための対策」として効果的な商品であって、
既に食材に湧いてしまったノシメマダラメイガの駆除をするための商品ではないということに注意しなくてはなりません。
また、商品もやや高価な物なので、もし過去にノシメマダラメイガの発生に悩まされた方で、今後ノシメマダラメイガの再発生を極力防ぎたい方、繁殖をしてしまう前にすぐに対応したい方にお勧めです。
<商品紹介 富士トラップ ガチョン>
<フェロモントラップ シンライン メイガ用>
ノシメマダラメイガ予防/駆除の最善策はこれだ!
- ノシメマダラメイガを見つけたら、加害食材を廃棄し、発生源を断つ
- 発生源と周囲の清掃を徹底し、エアゾール剤などで卵や幼虫の駆除も行う
- 室内に成虫が発生している場合は、燻煙剤などを使用して成虫を駆除する
- 食材管理はタッパーなどの密閉容器に保存し、高温多湿の環境は避ける
- 普段から食材の周囲を清潔に保つ
- ノシメマダラメイガの繁殖を未然に防ぎたければ、フェロモントラップを設置する
<その他の室内に発生する害虫情報>