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米びつに湧く「コクゾウムシ」とはいったいどんな虫?
- 和名:コクゾウムシ(穀象虫)※別名:米食い虫
- 学名:Sitophilus zeamais
- 生息範囲:日本全国(世界中にいる害虫)
- 活動時期:3月~11月
- 体長:2.0mm~3.5mm
- 特徴:細長い形、赤褐色、背中に細かい点が多数、飛ぶ
- 好物:米、麦、トウモロコシ、乾麺(パスタ、マカロニなど)
- 弱点:寒さに弱い(18度以下)、光に反応する
- 厄介な点①:温かくなると(23度以上)活動が活発になる
- 厄介な点②:1匹のメスが年に3~4回産卵し、200~400個の卵を産み付ける。
コクゾウムシはどこから湧いてくる?
コクゾウムシはいったいどこから湧いてくるのでしょうか?
虫の侵入経路としては、下記の2つが考えられます。
- 最初からお米についている
- 購入後に米びつに侵入してくる
自分でお米を作っているコメ農家さんや、周囲に水田がある地域は例外ですが、基本的にコクゾウムシは、①の「最初からお米についている虫」です。
コクゾウムシは、稲の段階でお米に卵を産み付けます。
その為、しっかりと農薬を使っているお米(スーパーで販売されているような)の場合は混入の心配はありませんが、無農薬のお米には収穫段階で卵が付着している可能性があります。
また、収穫後の管理状態が悪いお米には、あとからコクゾウムシが付着する可能性もあります。
コクゾウムシの卵はお米の中央部分に産み付けられるため、精米をしても卵を取り除くことが難しく、気づいた時には米びつの中で湧いてしまっているという事が起きるのです。
昔は「コクゾウムシが付いているお米は安全な良いお米」とまで言われていたようです。
とはいえ、お米は食べ物。米びつで虫が湧いている姿は見たくありませんよね?
では、コクゾウムシの対策と駆除方法を見てみましょう。
米びつの中のコクゾウムシを除去する方法
お米を研いでいる最中や、米びつの中にコクゾウムシを見つけてしまった場合はどうすればよいのでしょうか?
コクゾウムシの成虫は、黒褐色か赤褐色なのですぐ見つけることが出来るのですが、幼虫は白っぽいためにすべてを発見するのは難しいでしょう。
しかし、米びつの中のお米を捨ててしまうのはちょっと待ってください。
コクゾウムシの特徴から、お米の中のコクゾウムシをできる限り除去することは可能です!
コクゾウムシの特徴①:水に浮く
成虫も幼虫も水に浮くので、ゆっくり丁寧にお米を研ぐことで、その日食べる分のお米への混入は避けられるでしょう。
米びつの中にコクゾウムシを発見した場合は、お米を研いだ時にとぎ汁の中に浮いていないかどうか慎重に見てください。
コクゾウムシの特徴②:光に反応する
コクゾウムシの成虫をすべて取り除くにはこの方法が1番です。
コクゾウムシは光に反応する性質があるので、米びつの中にコクゾウムシを見つけたら、晴れた日に外に新聞紙やブルーシートなどの上にお米を広げてください。
数時間もすれば、コクゾウムシは日光に反応して全て逃げていきます。
ただし、真夏の直射日光の下にお米を長時間さらすとお米の味が落ちてしまうので、明るい日中であれば直射日光は必要ありません。
コクゾウムシの特徴③:寒さに弱い
冷蔵庫に保存するというのも一つの方法です。
コクゾウムシは寒さに弱く15度以下では活動を停止し、卵も孵化しません。
孵化予防という点において、冷蔵庫でのお米の保管は効果的でしょう。
※冷凍庫に保存することで成虫や幼虫を死滅させることが出来ると書いているサイトもありますが、家庭用冷凍庫程度の冷却機能では一晩程度ですべてを死滅させるのは難しく、仮にすべて死滅したとしても、コクゾウムシの死がいを一つ一つ取り除かなくてはならなくなりますので、冷凍庫で保存する場合は①や②を行って成虫をすべて取り除いた後の方が良いでしょう。
コクゾウムシを繁殖させないための対策
1.米びつに唐辛子を入れる
唐辛子のもつ「カプサイシン」が防虫効果を発揮します。
お米10Kgに対する唐辛子の量は5本程度でいいでしょう。
ただし、唐辛子を米びつに入れる際には、注意点が2つあります。
- 生ではなく、乾燥唐辛子を使う
- カビやダニの温床になりやすいヘタは取る
この2点です。
完全乾燥した唐辛子でも、ヘタの部分にはカビの胞子やダニが付きやすいため、ヘタは必ず取るようにしてください。
2.お米に害のない防虫剤を使う
乾燥唐辛子などの食材で防虫ができればよいのですが、効果の持続期間が分かりにくいという点と、前述した通りカビやダニの温床になる可能性もあります。
そういう点では、お米の保存専用に作られた防虫剤を使うのも一つの方法です。
私が紹介するお米専用の防虫剤はこちらです。
米唐番 評価:
- 天然唐辛子から抽出した成分でできており安心。
- ゼリー状の防虫剤が減っていくので交換のタイミングがわかりやすい
- カビたりダニの温床になる危険性がない
- お米に匂いが付かない
- お米に直接投入したり、米びつに引っ掛けたりと用途を選べる
- 防虫効果は4~8か月と時期によって幅がある。
- 安い
KINCHO お米に虫コナーズ におわない米びつ用防虫剤
評価:
- 米びつの蓋に貼れるので薬剤がお米に触れる心配がない
- ユーカリと緑茶由来成分で匂いがない&お米に匂いが付かない
- 無洗米にも使える
アラミック 米びつ先生 評価:
- ニンニクと唐辛子成分の防虫剤で安心
- 効き目が1年と長いので買い換える手間が少ない
- 交換の時期もわかりやすい
- やや匂い(ニンニク成分)があるが、お米には匂いが付かない
- 多剤よりもやや高価
貯穀害虫防除剤 虫どろぼう 評価:
- 穀物屋さん向けの薬剤のため効果は強力
- 置いておくだけなので使い方が簡単
- 食材に害がない天然成分でできているので、食材のそばにおいても安心
- 消臭・防カビ・抗菌効果がある
- かなり高価
※いずれも虫を追い出す効果というよりは、寄せ付けない効果に定評があるようです。一度孵化してしまったコクゾウムシは、やはりお米を日光の下にさらして退治する方がよいでしょう。
3.冷暗所に保存する
お金のかからない方法では、冷暗所での保存がお勧めです。
コクゾウムシは23度以上になると活発に活動を始めることから、それよりも涼しい温度になる場所に保管をすると繁殖を防ぐことが出来るでしょう。
しかし、真夏の日本はどこも30度を超えるため、冷蔵庫が保管場所の候補に挙がるかもしれませんが、キロ単位で購入するお米の保管場所としては場所を取り過ぎてしまうかもしれません。
夏場はお米は2キロ単位などすぐに食べきれる量を購入して、冷蔵庫で保存するというのはコクゾウムシ対策としてはとても効果的でしょう。
また、「高温多湿の場所に米びつを置かない」というのも大切です!
例えば、冷蔵庫の隣や、コンロのそば、日が差し込む窓の近くなどは避けましょう。米びつを置く場所を気を付けるだけでも虫の繁殖はおさえられます。
4.保冷効果ある米びつを使う
ある程度お金がかかってもいいから絶対にコクゾウムシを発生させたくないという人には、保冷効果のある米びつを購入するという選択肢もあります。
少々値段は張りますが、米びつ内の温度を、コクゾウムシの活動を停止させ、卵を孵化させない15度以下に保冷することが出来るものがあります。
私のおすすめはこちら
静岡製機製 保冷米びつ 愛妻庫
評価:
- 外気が30度の時、米びつ内を約15度に保冷
- 電気代は1日約8円と安い
コクゾウムシが付いたお米は食べられるのか?
コクゾウムシには毒性はないので、ひどいアレルギー体質の方などでなければ特に体調に変化をきたすようなことはないと言われています。
コクゾウムシ予防/駆除の最善策はこれだ!
- 米びつにコクゾウムシを見つけたら、お米を日光の下で広げて成虫を退治
- 成虫を退治した後に残ったお米は冷所保存
- お米を研ぐ時に多めの水を使い、浮いてきたお米や幼虫を捨てる
- 保冷機能のある米びつを購入するなどし15度以下で保存、米唐番などのお米用の防虫剤も併せて使う
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