一般的にはあまり知られていないけど、実はすごく美味しい山菜「ボウナ(ヨブスマソウ)」は、知る人ぞ知る存在です。
地方によって様々な呼び名があり、近縁や亜種も食べられることが多いので、同じ呼び名でも地域によっては違う種類を指していることもあります。
今回は、そんな知る人ぞ知る美味しい山菜「ヨブスマソウ」について解説をしていきます!
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ボウナ(イヌドウナ/ヨブソマソウ)の特徴
- 和名:ヨブスマソウ(夜衾草)
- 学名:Cacalia hastata var.orientalis
- 階級:キク科コウモリソウ属
- 分類:多年草
- 分布:北海道・本州・四国
- 形態:茎は直立して1~2ⅿ位になる。葉は大きく互生している。
- 特徴①:葉の形は三角形で大きい
- 特徴②:茎は中空で、輪切りにすると綺麗なドーナツ状になる
ヨブスマソウは地域によっていろいろな名前がある
ヨブスマソウは、その変種であるイヌドウナと共に地域によってさまざまな名前で呼ばれています。
ヨブスマソウの主な呼び名とされているものをまとめると下記の通りになります。
ホンナ、ボウナ、ドウホ、ドウナ、イヌドウ、ドンボ、ドンパ、ポンナ、ウドフキ、ホナコ、ドッホナ、ウドブキ
ヨブスマソウの茎が中空で、ポキッと折った時に「ホンナ」とか「ボンナ」と聞こえたことから名前が付けられたと言われていますが、いずれも似ているようで地域によって微妙な違いがあります。
イヌドウナとヨブスマソウの違いは?
※上の画像は「コウモリソウ」特徴的な葉の形をしていますね
イヌドウナはヨブスマソウの亜種で、地域によってはヨブスマソウではなくイヌドウナを「ホンナ」と呼んで好んで食べている場所もあるようで、どちらも美味しい山菜であることは違いありません。
ヨブスマソウは漢字で書くと「夜衾草」となり、ムササビの事を指します。
一方で、イヌドウナは「犬ドウナ」でイヌを指し、近縁に「蝙蝠草(こうもりそう)」という山菜もあります。
いずれもキク科のヨブスマソウの仲間で美味しく食べられますが、見た目はやや異なります。
ヨブスマソウ | イヌドウナ |
北関東以北(北海道に多い) | 中部地方以北~東北 |
比較的標高が高い場所にある | ヨブスマソウよりは標高が低い場所にある |
背丈が1~2ⅿと高い | 1m程度でヨブスマソウより背丈は低い |
葉が大きく翼のように広がり葉脈が明瞭 | 葉はギザギザが多く広がった形 |
葉柄の付け根が広がって茎を抱いている | 葉柄が茎を抱くが、小さく丸く目立たない |
ヨブスマソウの旬の時期
ヨブスマソウやイヌドウナの採取時期は、新芽が地上に出てやや赤みを帯びて葉がまだ開いていない頃が一番食べ頃です。
芽は伸びすぎても先端部分は柔らかいので食べることができます。
時期としては4~6月頃が一番収穫に適した時期と言えるでしょう。
ヨブスマソウが生えている場所
雑木林の中や、谷沿いの斜面、高山の雪解けあと等に群生することが多いです。
日の光が差し込むような谷間や木の下に生えていることが多く、湿り気がある場所を好みます。
ヨブスマソウのおすすめの食べ方
ヨブスマソウは、あまり知られてはいませんが山菜らしい独特の香りと苦みが特徴的で、人によっては一番美味しい山菜として名前を挙げる人もいるほど美味しい山菜です。
元々は東北の一部でしか食べられていなかったのですが、その美味しさと栄養価の高さから栽培が盛んになり、首都圏の市場にも出荷されるようになったそうです。
おすすめの食べ方としては、生のまま大きく切って天ぷらにするとボリュームがあって食べごたえがありますし、アクが少ないのでお浸しや和え物、汁物などにも合います。
味はさっぱりしているので、セロリやアスパラのような感じもしますし、ウドブキの通称からもわかる通り「ウド」や「フキ」をあわせたような味とも言われています。
様々な調理法に合うのでとても扱いやすい山菜です。
まとめ
一般的にはあまり知られていないけど、とてもおいしい山菜「ボウナ(イヌドウナ/ヨブスマソウ)」について解説いたしました。
北海道などでは、少し郊外に車を走らせるだけで比較的容易に見つけることができるヨブスマソウですが、その美味しさを知る人はあまりいないためか敢えて採取する人も少ないようです。
名前の知られているメジャーな山菜も良いですが、このボウナのような知る人ぞ知る山菜を味わうというのも是非試していただきたいですね。
<ボウナは苗も売っているので、是非栽培してみるのもいいかもしれません>
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