アザミウマ類を無農薬で駆除する効果的な7つの方法とは?

ネギ畑

様々な花や作物に食害を与える農業害虫「アザミウマ」は、世界中で駆除を求める人がいる厄介な害虫です。

アザミウマは、口吻を使った吸汁によって花や果実を食害することで問題になっていましたが、ウリ科が感染しやすい「黄化えそ病」「退緑黄化病」などのウイルス病の媒介者になる点でも問題視されています。

近年では、殺虫剤に偏った害虫管理などによって、殺虫剤耐性の高まった種が増加し、防除が難しくなってきています。

アザミウマの厄介な生態は、以前「アザミウマの生態を知って防除に活かそう!」の記事でご紹介しましたが、殺虫剤耐性の問題もあり、農薬の散布のみではすべてのアザミウマを駆逐するのは難しいと言われています。

しかし、様々な方法を複合的に行う事で、少しでもアザミウマの食害を減らせるかもしれません。

そんな厄介なアザミウマ類の駆除に効果的な方法をご紹介したいと思います。


薬剤抵抗性のある種もいて、さらに薬剤がかかりにくい場所に移動するんだよね?駆除するのは難しそうだね

アザミウマにも弱点があるから、少しでも食害を減らすために色々試してみよう!

アザミウマ類を駆除するための効果的な7つの方法

1.キラキラ光るもので防除する

アルミホイル

アザミウマは、キラキラとした光の乱反射を嫌うという性質があります。

現在食害を受けて困っている作物や、今後食害を起こしたくない作物の株元に光を反射する素材を置くことで、アザミウマの忌避効果があります。

光の乱反射を異様する方法には、シルバーマルチを敷く方法や、アルミホイルガスコンロのアルミマットを使用する方法などがあります。

予算や防除を行う規模によって、適した素材を選びましょう。

シルバーマルチ

ガスマット

アルミホイル

2.黄色&青色でおびき寄せて捕獲する

アザミウマの特徴として「黄色(または青色)に寄ってくる」という性質があります。

黄色の粘着テープを圃場や花壇の植物の周囲に設置することで、色におびき寄せられたアザミウマがくっついて捕殺できるという単純な仕組みです。

アザミウマは土中で蛹になり、成虫になったら下から茎をつたって登るので、作物に登らせないように粘着テープは株元に近いところに設置すると良いでしょう。

3.巻き葉・花がらを丁寧に取り除く

巻き葉

農薬や殺虫剤を使わずに、人の手で地道に取ることのできる一番シンプルな駆除方法が「巻き葉や花がらを丁寧に取り除く」という物です。

上の画像のように、新葉に寄生したアザミウマは葉を食害し変形させてしまいます。

これらの巻き葉は、既にアザミウマに食害されてしまっているので、二次被害を防ぐためにもできるだけすぐに取り除くようにしましょう!

また、アザミウマは枯れた花がらを発生源とすることが多いので、見つけた際にはこちらもすぐに取り除くようにしましょう。

アザミウマが食害を起こした花弁やつぼみは、シミのような変色を起こし、進行すると花全体が褐色になって枯れてしまいます。

花の中に潜り込んで吸汁する性質があるので、花弁の色の変化なども見逃さないようにしましょう。

4.赤色防虫ネットを使用する

防虫ネット 赤色

近年、アザミウマの防除方法として脚光を浴びているのが、赤色の防虫ネットを使用するという防除法です。

当サイトで一番おすすめしたいアザミウマ防除方法はこの方法です。

アザミウマをはじめ、昆虫の多くは赤色を認識することが出来ません

そのため、赤色のネットで作物が覆われていると、真っ黒なカーテンでおおわれているようにしか見えないため、アザミウマが寄ってこなくなるのです。

アザミウマの防除における「赤色防虫ネット」の有効性については、「防虫ネットは赤色でアザミウマを徹底的に防除しよう」の記事でより詳しくまとめてあります。


赤い防虫ネットだと、遮光率が高くて作物の生育に影響があるんじゃないの?

それは既に検証されておって、確かに白色防虫ネットに比べてやや遮光率が高いのじゃが、作物の生育への影響は無いという結果が出ておるので安心せい!

5.赤色LEDを使用する

赤 LED

赤色防虫ネットと同様に、赤色のLEDを圃場やハウス内に設置して照射するという方法もアザミウマ防除に効果的だという研究結果が出ています。

参考:温室メロン栽培における赤色LED光照射によるミナミキイロアザミウマの密度抑制

方法は簡単で、赤色LEDをハウス内にぶら下げるだけ!

デメリットとしては、電気代とLED購入費がかかる点が挙げられます。

この方法は、作物への影響を少なくハウス内全体のアザミウマ数の減少が期待できる方法と言えるでしょう。

※作物への赤色光の照射における影響は、使用するライトの光強度・作物によっても様々ですので、ハウス内での作物への赤色光の使用は十分ご注意ください。

6.天敵で防除する

アザミウマを捕食するタイリクヒメハナカメムシ

※画像:flicker(Photo by Gary Chang)

アザミウマは天敵による生物学的防除を行う事も有効です。

特に「ヒメハナカメムシ」「クロヒョウタンカスミカメムシ」などは特にアザミウマの捕食が多い天敵として知られています。

天敵を用いた害虫の生物学的防除法は、ただ単純に作物に購入した生物農薬を放すだけでは効果は不十分なので注意が必要です。

近年注目されている天敵を使った効果的な防除法に「バンカー法」があります。

天敵を「Banker(銀行)」のように待機させておいて、害虫が増えだした時に自動的に防除させるという方法なのですが、バンカー法についての詳細はアブラムシについての「ソルゴーの種類とバンカー法の防除効果について」の記事で詳しく書いてありますので是非参考にご覧いただければと思います。

アザミウマの天敵である「タイリクヒメハナカメムシ」の場合は、マリーゴールド、バジル、ブルーサルビアなどを好んで寄ってくることが知られており、それらをバンカープランツとして用いることでバンカー法を行うことが出来るでしょう。

ただし、アザミウマは土中で蛹になり、土から茎をつたって這い上がってきて、葉の裏に留まることが多く「天敵であるヒメハナカメムシに遭遇しにくい」という特徴があります。

土着天敵を用いた防除法は、無農薬でのアザミウマ駆除方法として効果的である反面、天敵の特性を理解していないとうまく扱えないという難しさがあります。


タイリクヒメハナカメムシなどの天敵が、効率良くアザミウマを捕食できるような仕組みを作らないといけないんだね

アザミウマだけでなく、天敵の生態も学ぶ必要があるのじゃよ

 

アザミウマの天敵である「タイリクヒメハナカメムシ」は、生物農薬として下記リンクから購入が可能です。

7.高温によるヒートショックで撃退する

温度計と温度上昇

ハウス内のアザミウマを一網打尽にしたい場合は「高温でのヒートショック法」が効果的です。

推奨されている温度は42℃~45℃で5~15分間。

この方法は、ハウス内のアザミウマを一気に駆除することが出来るというメリットがある反面、作物も厳しい高温環境にさらされるため、下手をすると作物まで枯れてしまう恐れがあります。

ヒートショックを行うときの注意点は下記の通り。

  1. 予め前日に十分な水やりをしておく
  2. 当日もハウス内にしっかりと水をまく
  3. ハウス内に温度計を設置する(地上部と作物がなっている上部の2か所)
  4. ハウスを閉め、加温器を利用しながら42~45℃を5~10分保持する
  5. 天窓やカーテンなどを徐々に開けて、温度・湿度共にゆっくりと時間をかけて下げる

※参考:現代農業2017年6月 p212

ヒートショックを1週間おきに2,3回行う事で、ハウス内のアブラムシやアザミウマを一網打尽にすることが出来ます。

この方法は、作物の高温に対する耐性の有無によって、実施できるかどうかも決まるので、ヒートショックを行うかどうかは育てている作物が45℃程度まで耐えることが出来るかどうかを確認する必要があるでしょう。

まとめ

今回は、アザミウマを無農薬で駆除するおすすめの方法を7つご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

私のおすすめは、作物を危険にさらすリスクが無く、安全にアザミウマから作物を守ることが出来る「赤色ネットを用いた防除法」です。

アブラムシに比べて、農薬や天敵による防除の効果が見込みにくいアザミウマに対しては、「駆除<忌避」の防除法が行いやすいでしょう。

現在アザミウマの食害に悩まされている方は、是非今回ご紹介した方法の中から、ご自分に合った方法をお試しいただければと思います。

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