肥料の中でも特にリン酸の成分量が多く、花や作物をキレイに大きく育てる助けをしてくれるものに「バットグアノ(Bat Guano)」があります。
聞きなれない名前ですが、ホームセンターや園芸用品店では比較的ポピュラーな肥料なので、ご覧になったことがあるかあも多いかもしれません。
この記事では、バットグアノの特徴や成分、効果的な使い方について解説していきます。
バットグアノとは?

※Flicker – コウモリのふん(バットグアノの原料)
グアノ(Guano)とは、もともとサンゴ礁に様々な有機物(海鳥の死骸・糞・魚・卵の殻など)が長期間堆積して化石化したものを言い、高品質な肥料として使われています。
英語で「guano」といえば、「糞の化石」や「海鳥の糞が堆積した物」を指す単語でもあります。
中でも、バットグアノは、その名の通り「コウモリ(Bat)」の「糞(guano)」ですので、洞窟内に堆積したコウモリの糞が長い年月を経て化石化し肥料として生成したものを言います。
バットグアノは別名「リンサングアノ」とも言い、現在では輸入物のバットグアノを、ホームセンターでも気軽に購入することができるようになっています。
バットグアノの成分
成分 | 比率 |
P(リン酸) | 30~35% |
ケイ酸 | 10% |
N(窒素) | 1~2% |
K(カリ) | 1%未満 |
マグネシウム | 1%未満 |
バットグアノは、主成分がリン酸塩で、コウモリの糞が堆積し、年月が経過する過程で窒素やカリは分解・減少していくために、リンの割合がとても高くなるそうです。(※参考:バットグアノとは)
窒素やカリが少なく、リン酸が高いというのは「骨粉」や「溶リン」と似ていて、同様の使い方をすると考えれば使いやすいでしょう。
溶リンのリン酸塩の含有比率が大体17~20%であることが多いのですが、それに比べてバットグアノのリン酸塩の比率がより高いことがわかります。
バットグアノの効果と使用方法
【バットグアノの特徴】
- リン酸が多いので、花を大きく・沢山つけたい場合に効果的
- 作物・果実の糖度が上昇する
- 作物の根張りが良くなる
- 土壌の酸性度に影響をあまり与えない
- 肥料焼けを起こさない
- フミン酸(腐植酸)が土壌中の微生物の活動を活発にする
- 無臭なので室内の鉢植えなどにも使用可能
バットグアノは、そのリン酸の含有率の高さだけでなく、腐植酸の豊富さも特徴で、土壌に施肥を行えば、微生物を活性化させてくれるので作物が元気に育ちます。
また、無臭なので室内やバルコニーなどで花を育てている方にも使いやすい肥料でもあります。
バットグアノ使用上の注意点は?
バットグアノの成分を見ると分かると思いますが、リン酸に比べ「カリ」と「窒素」がほとんど含まれてないに等しいほど微量であることが見て取れます。
バットグアノ単体での使用では不十分なので、土壌の栄養分のバランスを採るために、「草木灰:(カリが主成分)」と「油かす:(窒素が主成分)」を一緒に施肥して補給すると良いでしょう。
バットグアノのおすすめと価格は?
数百年かけて堆積したコウモリの糞からできたバットグアノは、その希少性からとても高いのではないかと考える人も多いかもしれませんが、意外と安いのが特徴です。
とても安くてコストパフォーマンスがいいと感じたのが、こちらの「オザックス」のバットグアノです。
Amazonなどでは缶ビールよりも安い値段で300gを購入することができるほど安価です。
場合によっては、溶リンや骨粉よりも安いことがあるので、是非じっくりと探してみてください。
まとめ
今回はコウモリの糞が堆積してできたバットグアノという肥料についてお伝えしました。
デメリットがとても少なく使用しやすいので、花や果実を大きく沢山実らせたい方にはお勧めの肥料のひとつです。
バットグアノだけでは足りない栄養素を他の肥料で補って、根張りの良い丈夫で大きな作物を育ててみましょう!