洗濯物にくっついたり小さな隙間から室内に侵入してくる臭い虫「カメムシ」は、迂闊に触ってしまうと臭い分泌液を出し、手や衣服に付くとちょっとやそっとでは取れません。
それもそのはず、カメムシの臭いは水では落とせないんです!
今回は手や衣服に付いたカメムシの臭いを落とす方法をご紹介します。
カメムシの臭いの正体は?
まずカメムシのこのクサイ臭いの正体ですが、
トランス-2-ヘキサノール(trans-2-Hexenal)【別名:青葉アルデヒド】
といいます。
このトランス2ヘキサノールは、別名の通り草花などの青くさい臭いのもとで、天然ではキュウリやトマト、茶葉なんかにも含まれています。
カメムシは、この臭いを驚いた時や危険を感じた時、また求愛の時などにお腹にある臭腺から放ちます。
カメムシの臭いが水で落ちない理由
カメムシの放つ臭いのもとになっているトランス-2-ヘキサノールは、親油性・揮発性の物質です。
親油性とは、化合物が油や非極性溶媒に溶けやすい性質のこと – Wikipedia
つまりは、油に溶けやすく水に溶けにくい、頑固な油汚れと同じと考えてください。
そのため、石鹸で洗っても臭いはなかなか取れてくれないのです。
カメムシの臭いが手に付いた時の落とし方
カメムシの臭いは「親油性」の物質であることが分かりましたので、手に付いた時に匂いを落とす方法としては2つあります。
1.油で落とす
親油性という事は「油に溶ける」ので、油をつけてこするとカメムシの臭いが取れます。
サラダ油やオリーブオイルなどを、カメムシの臭いがついてしまった個所に付けてこすり洗いをし、石鹸で油を洗い流せばカメムシの臭いは取れます。
ただ油で洗うのは少々めんどくさいというのが難点ですが、確実に臭いを取りたければ一番確実な方法です。
2.食器用洗剤で落とす
食器用洗剤には通常の石鹸には入っていない「界面活性剤」が入っています。
※追記【2018/8/21】固形石鹸も界面活性剤であると教えていただきました。ありがとうございました。食器用洗剤は固形石鹸よりも界面活性剤の割合が高いものが多く、カメムシのニオイが落ちやすいという事だったようです。固形石鹸には界面活性剤がないというのは誤りでした。訂正いたします。
界面活性剤は「親油性」「親水性」をもつので、普通のせっけんを使うよりはるかにカメムシの臭いを取り去ってくれます。
ただ手の油分も取り去ってしまうので、手荒れには十分注意しましょう。
カメムシの臭いが服に付いた時の落とし方
衣服にカメムシの臭いがついてしまった場合は、素肌に付いた時のように油で落とす方法は、油じみになる可能性があるのでなかなか取りにくい手段です。
しかし、前述したように「界面活性剤」で落ちるので、すぐに洗濯ができる場合は界面活性剤入りの洗濯洗剤で洗ってしまえば臭いは落ちますし、あやまってカメムシを踏みつぶしてしまったなどの場合は、ぬるま湯につけ置きをして界面活性剤入りの食器用洗剤などでもみ洗いをするなどしましょう。
また、前述したようにトランス-2-ヘキサノールは揮発性の物質でもあるので、天気がいい場合は日干しするか、急いでいる場合はドライヤーを当てて熱を加えることで臭いにおいのもとは消えていきます。
まとめ
最後にもう一度簡単にまとめます。
カメムシの臭いのもとは、親油性・揮発性の物質「トランス-2-ヘキサノール」
このトランス-2-ヘキサノールを落とすには、
- 油(サラダ油やオリーブオイル)でこすってから、石鹸で流す
- 界面活性剤入りの食器用洗剤・洗濯洗剤で洗う
- 日光やドライヤーの熱などで揮発させる
という3つの方法がある。
という事でした。
カメムシの仲間には、よく見かける野球のホームベースのような形をしたもの以外にも、小さくて丸でテントウムシのようなカメムシもいます。
都会でも大発生することが多いこのマルカメムシを、テントウムシと勘違いして素手でつかんでしまって悲劇に見舞われる人が多いので、生態と特徴を頭に入れて室内に侵入させないようにしましょう。
その他のカメムシに関するお悩み解決Q&Aについては、下記の記事を参照ください。