テントウムシのような見た目で、少し四角く角ばっていてこげ茶色の小さな虫に困っている方が多いのではないでしょうか?
その虫は、秋になると大量発生し、洗濯物や網戸にくっついて室内に侵入してくる不快害虫で「マルカメムシ」という虫です。
名前から想像できるようにその虫は「とても臭い」です。
今回はマルカメムシの生態・駆除方法・対策について解説します。
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小さくて茶色いカメムシ「マルカメムシ」の生態とは?
- 和名:マルカメムシ
- 学名:Megacopta punctatissimum
- 階級:カメムシ目カメムシ亜目マルカメムシ科
- 生息範囲:本州、四国、九州
- 家の中の生息場所:網戸、ベランダ、洗濯物干し場など
- 活動時期:4月~10月
- 体長:5.0mm~5.5mm
- 寿命:約1年
- 特徴:臭い
- 好物:クズ、大豆、小豆、アケビ、ミカン等。特にマメ科の植物が好物
- 弱点:動きは遅い、自分の臭いで死ぬ
- 厄介な点:臭い
万が一カメムシを触ってしまって、臭いが取れなくなってしまった場合は「カメムシの臭いを取る方法|手や服に付いた場合の洗い方」の記事をご覧下さい。
マルカメムシが室内に入ってくるのはなぜ?
マルカメムシは、成虫のまま越冬をします。そのため、10~11月になると冬を越すために暖かい場所を求めて離散します。
多くは、浅い地中や植物や石の下などに隠れて冬を越しますが、一部のマルカメムシは人家のベランダや網戸のサッシの下、給湯器のそばやコンセントの裏などに張り付いて冬を越すものもいます。
そのため、冬が近くなるとちょっとした隙間から室内に入り込む個体を見かけるようになります。
また、洗濯物の洗剤の匂いも好むようで、特に白い衣類やシーツなどに寄ってくるため、取り込むときに必ず優しくはたいて室内に侵入させないようにする必要があります。
マルカメムシの対策と駆除方法は?
マルカメムシは発生源の特定が難しく、発生する時期になるとどこからともなく出てきては越冬に向けて離散し始めるので、完全に家屋への侵入を防ぐことは不可能です。
しかし、効率的に駆除したり、極力家の中に侵入させないという方法をとるようにする事は可能です。
1.餌となるクズなどの植物を刈り取る
クズなどの植物は都会などでも生えていることが多く、もし敷地内にクズが生えている場合は刈り取ることでマルカメムシの大発生を予防することが出来ます。
大元を断つ方法が一番効果的で確実で、それ以外は自ら捕獲をしたり薬剤などで撃退する方法になるので、マルカメムシに悩んでいる方は一度近隣を調べてクズなどのマルカメムシの好物がないか探してみると良いでしょう。
雑草対策についてはこちらの関連記事を併せてご覧ください。
2.ガムテープで捕獲する
我が家で実践している一番確実でお金のかからない方法が「ガムテープ」です。
この方法はマルカメムシに限らず他のカメムシや害虫にも使えるのでお勧めなのですが、ある程度の長さでガムテープを切ってペタっと貼り付けるだけです。カメムシをくっつけた後は粘着部分同士をくっつけて閉じ込めてしまいましょう。
これで手を汚さずに捕獲することが出来ます。
3.殺虫スプレー・忌避剤を使用する
【カメムシ殺虫・忌避剤:スプレータイプ】カメムシ退治プラス
カメムシ退治プラスは、カメムシへの直接噴射による駆除と窓枠や壁面などへの噴射による忌避の2つの使い方が可能です。
この商品1本で8~10㎡の範囲に使用が可能なので、一般家庭での使用であればこちらの商品がおすすめです。
- 効果の持続時間は約1~2週間です。
- 殺虫主成分は人体に影響の少ないピレスロイド系を使用
- 屋外・窓枠専用
【カメムシ忌避剤:スプレータイプ(窓ガラス用)】PGガード
PGガードは、窓ガラスに吹きかけることで効果を発揮する忌避剤です。
お風呂場や洗面所、トイレなど入り込まれたくない場所の窓ガラスに吹きかけると、約1か月ほど効果が持続し、マルカメムシを寄せ付けません。
【マルカメムシ以外にも効果のある虫(の幼虫)】
- ユスリカ
- 羽アリ
- カメムシ
- チョウバエ
- ショウジョウバエ
- カゲロウ
- コバエ
- ヨコバイ
- ガ
- ガガンボ
【注意点】
- 大雨が降ると再度吹きかける必要がある
- 塗布量を誤ると、窓ガラスが少し曇ってしまう恐れがある
【カメムシ忌避剤:吊り下げタイプ】カメムシいやよ
カメムシいやよは、洗濯物干しやベランダ、玄関先などマルカメムシが集まってきやすい場所に吊り下げるタイプの忌避剤です。
効果に関しては、完全に寄り付かなくなるとまではいきませんが、ある程度の個体数を減らす効果はあるので、少しでも侵入を防ぎたい方は、マルカメムシが良く集まるところに吊り下げておくと良いでしょう。
- 効果は3~4週間持続する
- 主成分は天然植物油やトウガラシなどの自然食品由来で安全
- 商品のハーブ臭がうつることがあるので直接触らない
4.凍結スプレーを使用する
凍殺ジェットは、瞬間冷却によって害虫を駆除するスプレーです。
メリットは何と言っても「殺虫成分不使用」なので、室内で噴射が可能であることと使用後の嫌な臭いやベタつきが一切ない事。
値段が若干高めですが、小さなお子さんがいる家庭やペットを飼っている家庭、室内で殺虫剤を噴射する可能性がある方におすすめです。
5.広範囲に希釈型の噴霧器散布タイプ
金鳥カメムシ用キンチョール乳剤は、20倍に希釈して噴霧器で散布するタイプのカメムシ専用殺虫剤です。
水溶性なので引火などの心配はありませんし、殺虫成分もフェノトリンなどのピレスロイド系なので安全性も高いです。
カメムシの発生源を確認し、除草することが難しい場合は、噴霧器でこちらの乳剤を噴霧することで広範囲に発生したマルカメムシを駆除することが出来るでしょう。
ただし、水生生物に対する毒性は高めなので、近くに池や水路がある場合は使用しないでください。
こちらの商品(上記リンク)は噴霧器とのセット販売タイプです。
まとめ
今回はテントウムシに似ている小さなマルカメムシについて解説いたしました。
駆除方法や防除方法は、その他のカメムシとほぼ同様で、好みの植物を刈り取って、忌避剤や殺虫剤で駆除するという方法が主流になります。
我が家のように、クズだけでなくアズキやダイズ、アケビなどがあちこちにある農家では、マルカメムシの大発生は防ぎようがなく、ガムテープで見つけるたびに捕獲・駆除しています。
家庭で殺虫駆除する場合は凍結スプレーが最も安全かつ安心に使える駆除方法になりますので、現在マルカメムシに悩んでいる方は是非試してみてください。
また、その他カメムシに関するお悩み解決Q&Aについては、下記の記事で様々な疑問にお答えしていますので併せてご参照ください。