こんにちは、田舎センセイです!
我が家で栽培している柑橘系の植物に大量のアゲハチョウの幼虫がついていて、見つけ次第つまんで駆除していたのですが、そうしているうちに「1~2匹飼育してみたら息子の体験学習にいいのではないか?」と思うようになりました。
そして、キンカンの葉を食い荒らしていたアゲハの幼齢幼虫を捕獲し、成虫になるまで飼育してみたのでその経過とアゲハ蝶の幼虫の育て方についてまとめます。
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アゲハチョウ(クロアゲハ)の幼虫を捕獲するなら「かんきつ類」か「セリ科」の植物を探そう!
アゲハチョウの幼虫は我が家ではグレープフルーツや金柑、山椒などの柑橘系の樹木の若芽を食害することが多いので、かんきつ類を中心に探せば見つかりやすいです。
ちなみに柑橘ではなくセリ科の植物を食害するのは「キアゲハ」の幼虫なので、アゲハチョウの種類にこだわらないのであればセリ科の植物を探してもいいかもしれません。
実は、当初は家の周囲に大量にいるナミアゲハが金柑の木の周囲に群がっていたので、捕獲した幼虫はナミアゲハのものだと思い込んでいたのですが、飼育をしていく過程でSNSで子の幼虫はナミアゲハではなく「クロアゲハ」の幼虫であることを教えていただきました。
ひとまず捕獲した幼虫は2匹、虫かごに赤玉土(※)とかんきつ類の柔らかそうな葉を多めに入れておきました。
アゲハ蝶の幼虫の飼育に必要なものと注意点
飼育に必要な物
- プラケース or 水槽:穴の開いた虫かごではなく底のあるプラケースがベター
- かんきつ類の葉(大量):できれば柔らかい新芽が沢山あるとなお良し
- 割りばし、ティッシュなど
- プラケースの中の土や糞が濡れると高確率で雑菌が繁殖しカビが発生する
- 食用になるかんきつ類の葉は切らさないようにする
まずはケースですが、幼虫はかんきつ類の葉を沢山食べて大量にフンをします。サナギになる直前には体液を出し切るために下痢のようなフンをするので、網目状の虫かごではなくケースの底がしっかりとあるタイプを選んだ方が良いです。
また、ケース内に大量にたまった糞はカビの発生源になるのでできればある程度溜まったら掃除してあげた方が良いですね。
ケースの下にティッシュなどを敷いてあげると掃除が簡単になります。
私は育てた幼虫が2匹だったのでそこまで頻繁に掃除はしませんでしたが、それでも放っておいた糞からカビが発生したので注意しましょう。
上の写真のように葉だけちぎったものをケース内に入れるだけだと、一晩でくるっと丸まり水分が抜けてしまいます。
もし可能であれば葉を切るのではなく枝から切り取って、枝の切り口を湿らせた脱脂綿などでくるめば葉の水分も抜けず頻繁に新鮮な葉を摘み取る必要もなくなるのでおすすめです。
クロアゲハの幼虫の飼育方法・観察記録
クロアゲハの卵
我が家の金柑の葉の裏についていたアゲハ蝶(クロアゲハ)の卵です。
今回の飼育は幼虫を捕獲して育てましたが、これだけ卵をうえつけられると駆除しても駆除しても葉を食べられてしまうのは仕方がない気もしますね。
2齢幼虫~4齢幼虫(アゲハの幼虫は水を飲む!?)
私がクロアゲハの幼虫をお迎えしたのは2齢幼虫から3齢幼虫位の時で、1齢幼虫も沢山いましたが飼育期間を短縮するためにも比較的大きい個体を選びました。
たまたま雨上がりでグレープフルーツの葉にたまった水滴を飲んでいるところを発見!
そして一瞬のうちに飲み切ってしまった!!!
実際の飼育時には新鮮な葉から水分を得るので特別水をあげなくていい(※土や糞が濡れるとかえってカビの原因になる)ので、新鮮な葉を沢山いれてあげましょう!
ただ、水を飲む姿は可愛いです。
4齢幼虫になってからプラケースに張り付いてじっとしてるなーと思っていたら、翌朝に一気に脱皮して5齢幼虫になっていました。
5齢幼虫(緑色の幼虫)
4齢幼虫までは白と茶色の鳥の糞に擬態した見た目ですが、5齢幼虫になると一気に見た目が変化します。
このサイズになるといよいよアゲハチョウの幼虫って感じがしますよね!
私は実はこの時点でもナミアゲハ(アゲハ蝶)の幼虫だと思い込んでいたんですが、Instagramでクロアゲハの幼虫だとご指摘いただきました。
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確かに「アゲハチョウの幼虫ってこんなにデカかったっけ??」と少し予想してたよりも大きくなっていて不思議に思っていたんです。
ナミアゲハに比べてクロアゲハの幼虫は一回り大きいんですね。
この時期になると5齢幼虫は今までの2~3倍くらい柑橘の葉を食べるので、1日で大きめの葉っぱ3~4枚は食べ尽くされていました。
ナミアゲハの幼虫とクロアゲハの幼虫の違い
- 怒ると出す臭い角の色が違う(クロアゲハは赤、ナミアゲハは黄)
- クロアゲハの体には背喫食の帯がある
- 後ろ足(腹脚)の雲形模様がナミアゲハにはあるが、クロアゲハにはない
- クロアゲハの方が一回り大きい
Instagramで教えていただいたナミアゲハとクロアゲハの幼虫の大きさの違いは上記の通りです。
教えていただいた後に画像検索でナミアゲハの幼虫とクロアゲハの幼虫を見比べましたが、全て教えていただいた通り。うちの子はクロアゲハだったんだ!と想像以上だった大きさにも納得でした。
アゲハチョウの幼虫が蛹(さなぎ)になる「蛹化」
5齢幼虫になってからサナギになるまでは約5~7日で、以下の兆候がみられたらサナギになる準備を始めているときです。
- 休に餌を食べなくなり、動きも鈍くなる
- 下痢のようなフンをする
- ②のフンをした後に、落ち着く場所を求めてせわしなく動き回る
一番わかりやすいのが「下痢のようなフン」で、これを見かけたら幼虫は1日以内に蛹化(ようか)の準備に取り掛かるはずです。
細く白い糸で体を支えています。すごく起用ですよね?どうやって自分の体の周囲を糸で巻き付けたんだろう?
蛹化の段階に入ると、幼虫の時よりも3~4割サイズが縮小してキュッと縮まったサイズになります。
私の場合は、この縮んだ状態の幼虫を見た翌朝、既にサナギの状態になっていました。
サナギの状態になってから羽化するまでは10日から2週間ほどかかります。じっくり待ちましょう!
クロアゲハが羽化した!
サナギになってから11日目の朝に羽化していました。
朝起きたらこの状態で、まだ羽がしわくちゃで羽化してから1~2時間くらい経過したくらいだと思います。
このままでは羽を広げたときにケース内で傷つけてしまって飛べなくなることもあるので、指につかまらせてそっとケースから出してあげました。
指は長男のもの。幼虫の時から餌となる葉をちぎってケース内に入れてくれたりしていたので、実際に羽化した姿を見て感動していました。
飛び立つ30分前の状態。
あの鳥のフンのような見た目だった幼虫から、グリーンの芋虫になり、サナギを経て真っ黒のかっこいい蝶になりました。
まとめ
トータルの飼育期間は、2齢幼虫~4齢幼虫までで2週間、5齢幼虫で10日、サナギ~羽化で2週間。約1か月強で蝶になった成虫を見ることができました。
これまでは大事な金柑の木を食害する厄介な虫だったんですが、こうやって一生懸命葉を食べて大きくなる姿を見ると愛着も湧きますし、他の害虫に比べて少しばかり見逃してあげようかなという気にもなりました。
虫好きな息子にも喜んでもらえたので、幼虫の飼育はお子さんのいるご家庭におすすめです。
飼育自体は簡単なので、是非幼虫を見つけたら飼育してみてくださいね!