メネデールの効果と使い方|植物の発芽・発根を促す成分とは?

メネデール

ホームセンターなどに行くと店頭に並べられていることの多い「メネデール」という商品がありますが、一般的な肥料とは違い「植物活力素」という扱いになっています。

巷では「植物のサプリメント」と表現されていることが多いのですが、実際にはどのような成分で、どれほどの効果があるのか実際に使ってみた感想をご紹介したいと思います。


芽と根が出るから「メネデール」だよ!

肥料成分が含まれていないのに何故植物が元気になるのかを解説していくぞい!

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メネデールは肥料ではない?

まず一番多くの人が勘違いしているのがメネデールは肥料ではないという点です。

草花に栄養を与えることを考える場合は、N(窒素)・P(リン酸)・K(カリ)の3大栄養素をベースに肥料を選び、その他の補助的な栄養補給としてメネデールを使うというのがベストです。

メネデールだけを与えれば草花が元気に育つというわけではありませんので誤解しないようにしましょう。


人間もサプリメントだけを摂取していてもダメなのと同じだね

あくまでも補助的に栄養補給をする商品という事を知っておくんじゃぞ!

メネデールの臭いは?

メネデールは無色無臭

かすかにレモン水のような、甘い臭いがしますがほぼ無臭です。

メネデールの成分は何で出来てる?

前述の通りメネデールは肥料ではないので、一切の肥料成分は含まれていませんが、その代り有効成分として「二価鉄イオン(Fe²⁺)」が含まれています。

何故この二価鉄イオンが含まれていると植物が元気になるのかというと、そもそも植物の成長にとって鉄イオンは必要不可欠であるという事から始まります。

日本植物生理学会のQ&Aコーナーでは専門家が下記のように回答しています。

鉄は植物が生育するために土から吸収しなければならない16種の元素の内の1つであり、これが吸収できなくなると植物は鉄欠乏の症状、葉の緑色が薄く黄色になり極端な時は白色になり、成長できなくなります。 - 日本植物生理学会みんなの広場 植物Q&A


鉄は植物にとって必要な元素なんだね!

植物がグルタミン酸から光合成をするのに必要な葉緑素(クロロフィル)を作る過程で、鉄イオンが必要な箇所があり、鉄イオンが不足すると葉緑素が十分に作られずクロロシス(白化現象)などの症状が出てしまいます

※以前こちらのブルーベリーの育て方の記事でも、土壌酸性度がアルカリ性に傾くと土壌内の重金属が溶解せず、植物が吸収しにくくなってしまうことでクロロシス(白化現象)という現象が起きて葉が白っぽくなってしまう例をご紹介しました。

クロロシス
※画像:wikimedia 葉緑素が不足したブルーベリーの苗木(クロロシス)

通常土の中にも鉄はあるのですが、土壌酸性度がアルカリ性に傾いていたり極度に乾燥していると、Fe³⁺(三価鉄イオン)からFe²⁺(二価鉄イオン)に変換されず、植物が吸収することができなくなってしまう場合があります。

ブルーベリーの場合は硫安などを撒いて土壌酸性度をブルーベリー栽培に適したpHに下げることでクロロシス対策をしますが、植物が不調になる一番の原因は「鉄イオン等の重金属の元素が不足している」ということです。

そんな問題を解消してくれるのが、植物が取り込みやすい二価鉄イオン(Fe²⁺)の形状のまま安定させている「メネデール」なんですね。


なるほど。なんで鉄イオンが大切なのかわかったよ!

光合成をするための葉緑素を作り出すのに必要なんじゃが、乾燥や土壌酸性度によっては本来土の中にある鉄イオンを上手く吸収できないことがあるので、メネデールなどで補給すると良いんじゃよ
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メネデールの使い方|100倍希釈水を使おう!

メネデールは基本的に50倍~200倍で希釈して使います(標準は100倍)

具体的な使い方を下記にご紹介しますが、いずれも100倍に希釈したメネデール希釈液を使います。

1.種をまく前にメネデールに浸ける

パキラの種

植物の種をまく前にメネデール希釈液に浸けることで発芽率が上がると言われています。

上の写真は私が輸入したパキラの種をメネデール希釈液に浸けている様子ですが、発芽率は100%でした。

また、アデニウムオベスムという植物の種で、普通の水に浸けた場合とメネデール希釈液に浸けた場合とで発芽率を比較したこともあるのですが、メネデールに浸けた種の方が発芽率が高かったです。(※試した種の数が5粒ずつと少数なので参考値です)

アデニウムオベスム
塊根植物の中でも人気のあるアデニウム属の中で、「砂漠のバラ」と呼ばれるアデニウム・オベスム(Adenium Obesum)を種から育てています。...

メネデール液に浸水しなくても、種まき後にメネデール100倍希釈液を水やりと同様の容量で与えるのでも良いでしょう。

2.植え替えで新たな鉢に植える前に株をメネデールに浸ける

株が成長したタイミングでの鉢の植え替えなどの時は、根が傷みやすいタイミングでもあります。

古い鉢から株を取り出して次の鉢に植えつけるまでの間にメネデール100倍希釈液に30分程浸すと良いでしょう。

3.切り花・挿し木・挿し芽を浸ける

切り花や挿し木、挿し芽をメネデール希釈液に浸けると効果的です。

浸水時間は、草本性は30分以上、木本性は2〜3時間浸けると良いでしょう。

4.庭木の元気がない時に周囲に散布する

庭木の葉が白くなってくるなど元気がない場合は、庭木の根回りを軽く掘り、メネデール100倍液をかん注するという使い方もあります。

週1回程度を1か月間継続すると効果的だそうです。

メネデールの効果はどのくらいある?

スプラウト

私が実際に使ってみて感じたメネデールの効果は、種まき前の浸水で発芽率が上がったことに加えて、植え替え後の成長がスムーズだなと感じています。

効果の程度を数値化するのは難しいですが、明らかに種まき前のメネデール液浸水の有無で発芽率が違ったことは私の中では効果があるという感触があります。

既に土壌に十分な鉄イオンがあって生育が順調な株には不要かもしれませんが、植え替え時などの根が傷みやすいタイミングや、葉が白っぽくなってしまって元気がない株などに与えると効果がより分かりやすいかもしれません。

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メネデールの種類&特徴

メネデール100ml

一般的なメネデール。ホームセンターなどでも取り扱いが多いのがこのタイプです。

弱った樹木に「メネデール樹幹注入液」

メネデール メネデール樹幹注入液1本入り

メネデール樹幹注入液は、衰弱した樹木に対してドリル(直径9mm推奨)をつかって45度の角度で木の幹に穴を開け、ボトルごと木の幹に差し込んで使います。

胸の高さ辺りの直径が10cm以上の太さのある木にしか使えないのが注意点です。

水槽の水草を元気に「メネデール水槽の活力素」

メネデールには水草専用の「水草の活力素」があり、植え付ける前の水草の値を100倍希釈液に浸したり、1週間~10日に一度水槽に規定量を加えるなどして使います。(※成分は通常のメネデールと同じです)

肥料成分は含まれていないので水槽内を汚すことなく使えるので、水槽内の水草の元気がないように感じたらおすすめです。

メネデール関連商品:液体肥料製品

液肥タイプ「メネデール活力液肥原液」

通常のメネデールに肥料成分は入っていませんが、この商品は「液肥」ですので肥料成分が入っています。(※関連商品ではありますが植物活力素メネデールとは別商品です)

肥料の三要素であるN(窒素):P(リン酸):K(カリ)が「5:12:6」で入っているのに加え、鉄が添加されており、花や果実のつきが良くなります。

芝生やグラウンドカバーに「メネデール芝肥料原液」

メネデール芝肥料は、液肥シリーズの1つで芝やグランドカバー、苔など専用の液肥です。(※関連商品ではありますが植物活力素メネデールとは別商品です)

肥料の三要素であるN(窒素):P(リン酸):K(カリ)が「7:5:5」で入っているのに加え、鉄が添加されており、芝のグリーンが鮮やかになりハリが出ます。

まとめ

肥料ではないのに植物が元気になるという植物活力素「メネデール」は、二価鉄イオンが有効成分として含まれた液体であることがわかりました。

鉄イオンが不足すると、植物は葉緑素を作り出せなくなり、葉が白っぽくなってきて光合成が上手くいかず枯れていきます。

それを植物が吸収しやすい形にしているのがメネデールなんですね!

ご自宅で育てている植物の植え替え時や元気がないなと感じた時に使ってみてください。

メネデールと比較されることの多い「HB-101」については、下記の別記事で使用感と効果について考察していますのであわせてご覧ください。

hb101
こんにちは、田舎センセイです。 以前、当サイトでは植物の発芽・発根を促す植物活力素として「メネデール」という商品を紹介しました。 h...