紙魚(シミ)を家から消し去ろう!効果的な駆除方法と対策まとめ

広げた本

家の中に発生する虫の中で、最も得体が知れない虫と言われているのが「紙魚」という害虫です。

読み方が難しいのですが、「紙魚」と書いて「シミ」と読みます。

体長約1センチの銀色の姿をしてたフナ虫のような不気味な見た目から、ゴキブリよりも嫌だという人がいるほどです。

今回はそんな不気味な紙魚(シミ)という害虫について、生態・駆除方法をご紹介いたします。


写真を見るのが怖いんですけど・・・

写真載せないと判別できないじゃろ!比較的かわいいのを選んだから安心せい!

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紙魚(シミ)とはどんな虫?

紙魚

参考:flicker – Jean-Raphaël Guillaumin

  1. 和名:シミ (紙魚・衣魚)
  2. 学名:Thysanura
  3. 英名:Silverfish
  4. 階級:シミ目シミ亜目シミ科
  5. 生息範囲:日本全国(世界中にいる害虫)
  6. 家の中の生息場所:本棚、クローゼット、壁の隙間や割れ目、水道管のそば
  7. 活動時期:1年中
  8. 体長:8.0mm~10.0mm
  9. 寿命:7-8年(何も食べなくても10か月~1年生きる)
  10. 特徴①:昆虫の中ではかなり寿命が長い
  11. 特徴②:動きが早い
  12. 特徴③:夜行性で負の走光性があり、暗い場所に潜む
  13. 好物:本の装丁、掛け軸、障子などの糊(のり)、砂糖、ホコリ、髪の毛、フケ、虫の死骸
  14. 弱点:通常の殺虫剤が有効、アロマ(ラベンダー)の香り、寒い所、乾燥
  15. 厄介な点:寿命が長く、暗がりにいるので駆除が難しい

全然かわいい写真じゃないんですけど!

これでもマシな方だと思ってくれい
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紙魚の生態と特徴

古い洋書

紙魚は、銀色(種類によっては黒っぽい)うろこ状の皮膚と、体をくねらせて動くことから「魚」の字があてられており、本の装丁などの糊部分を好んで食べることから「紙」の字も付いています。英語ではその見た目から「Silverfish」と呼びます。

【本にトンネル状の穴が開いていた場合は別の虫の可能性!】

紙魚は紙の表面を削り取るように食べるので、本にトンネル状の穴が開くことはまずありません。紙魚以外にも、本を加害して穴をあける害虫に「シバンムシ」という虫がいます。本に穴が開いている場合は、シバンムシを疑いましょう!

この紙魚は、見た目が気持ち悪い以外は人畜無害なのが特徴です。

夜行性で、暗い所に向かう「負の走光性」という性質があるため、夜暗くなってから活動を始めます。タンスや押し入れ開けたとたんに発見することも多いのはそのためです。

紙魚の寿命は昆虫にしては長い7-8年と言われ、飢餓にも強く、餌を与えなくても10か月~1年生き延びたという例もあります。

湿度70%以上、気温21度以上を特に好むとされています。

幼虫~サナギの見た目の変化を行わない「完全無変態」のため、卵から孵化した幼虫の見た目は成虫と同じで、脱皮を繰り返しながら成虫に近づいていきます。


この情報見ると「ゴキブリ」に似てるって感じるんだけど・・・

飛ばない分、紙魚の方がましかもしれんが、確かに似ているのう。

紙魚の駆除方法と対策

紙魚の駆除方法

1.ホウ酸団子を作る

ホウ酸団子を自作するという方法は、ペットや小さいお子さんがいない環境であればおすすめです。ホウ酸は少量口にするだけでも有毒なので、注意して扱える環境であることが条件ですが、紙魚の駆除には効果的です。

【ホウ酸団子の作り方】

<用意するもの>

  • ジャガイモ 1/2
  • ホウ酸 100g
  • 小麦粉 20~30g
  • 砂糖 15g
  • 食用油 少々

<手順>

  1. ジャガイモをすりおろす
  2. ジップロックに全ての材料を入れてよくこねる
  3. 硬さが耳たぶくらいになるように小麦粉の量を調節する
  4. ダンゴ状に成形して、バットの上にラップを敷いて並べる
  5. 天日に干す(1日~2日)
  6. 乾燥したら完成!

完成すれば3か月~半年持つので、設置した場所をしっかり記憶してある程度日にちが経ったら捨てるようにしましょう。

何度も言いますが、ホウ酸団子は有毒です。

乳幼児の致死量は5グラムと言われているので、ホウ酸団子1つ食べても死ぬ危険性があります。お子さんやペットがいる家庭ではおすすめできないです。

このホウ酸団子に玉ねぎなどゴキブリの好む匂いのするものを入れると、ゴキブリ駆除にも使うことが出来ますよ!

ホウ酸はネットやドラッグストアでも購入することが出来ます。

<最初から団子状になっているタイプ>

2.市販のゴキブリ用のトラップを使う

市販のゴキブリホイホイなどを、紙魚を見かけた場所に設置することで捕獲することも可能です。

ただし、ゴキブリ誘引剤のようなものは紙魚には効果がなく、通路となる場所に設置するというシンプルな使い方になるため、成功率はあまり高くないかもしれません。

3.スプレー式殺虫剤を使う

紙魚はドラッグストアに売っている一般的なスプレー式の殺虫剤でも効果があると言われていますが、不快害虫用でおすすめなのが「キルノック」です。

 

有効成分はピレスロイド系の「シフェノトリン」「イミプロトリン」

家屋内に発生する多くの不快害虫に効果のある、強力なスプレー(エアゾール)タイプの薬剤で、効果のある虫の記載の中にしっかり「紙魚」も含まれていますので安心です。

4.室内充満型のエアゾール剤を使う

バルサンなどの燻煙タイプの殺虫剤もありますが、紙魚に有効成分を発揮する殺虫剤として、火を使わない「エアゾール系」の殺虫剤が使われることが多いです。

その中でもおすすめなのが「マイクロアトミック」です。

安全性の高いピレスロイド系殺虫剤で、室内に充満するように噴霧する全量使用型の商品です。

使用上の注意点としては、全量噴霧型のエアゾール剤は床面に多く薬剤が残りやすいので、使用後に換気をしても付着薬剤の量はあまり減りません。そのため、気になる場所はふき取りをすることで殺虫成分の残留濃度を下げることが出来ます。

ここでご紹介した殺虫剤の数々は、こちらの「おすすめの殺虫剤・忌避剤・防虫剤」のページでご覧いただけます。

5.ふかしたじゃがいもを置いておく

じゃがいも

一番簡単な方法が「ふかしたジャガイモを紙魚が出た場所の近くに一晩おいておく」という方法です。

紙魚の好物の「でんぷん質」に引き寄せられて、ジャガイモの下に潜り込んできます。

方法は簡単で、

  1. ふかしたじゃがいも1~2個を潰してホウ酸を小さじ1杯ほど混ぜる
  2. 紙皿に大きめに広げます(※注:紙魚がイモの下に潜り込みやすいようにイモは紙皿に押し付けない)
  3. 紙魚が出てきた場所のそばに丸2日以上放置
  4. 紙皿ごとジャガイモを捨てて終了

 

夜中のうちにシミがジャガイモとお皿の間に頭を突っ込んで入り込むので、翌朝にそのジャガイモごと捨ててしまえば、ある程度の紙魚は駆除することが出来ます。

場所は、より暗い物陰や紙魚が好みそうな壁と壁の隙間の近くに置いておくと良いでしょう。

この場合は、ホウ酸団子よりも短期決戦となります。ジャガイモが腐りやすいので、必ず2,3日で捨てるようにしましょう。

ホウ酸を混ぜなくてもある程度は捕獲できますが、ジャガイモに潜り込んでいるときに捨てないと、ただ餌付けをしていることになってしまうので注意しましょう。

紙魚の忌避方法

1.ラベンダーのアロマを使う

ラベンダー畑

紙魚はハーブの臭いが苦手で、特に「ラベンダー」が苦手で寄り付きません。

大切な本や衣類のそばに、ラベンダーのアロマオイルをしみこませた紙を潜ませておくと、紙魚が寄り付かなくなります。

しおりにラベンダーオイルを垂らして使う事で、自然と本を紙魚から守ることにつながるのでお勧めです。

2.市販の防虫剤を使う

ドラッグストアで市販されている衣類用防虫剤も紙魚の忌避に効果的です。

紙魚に最も効果があると言われているのは「パラジクロロベンゼン系」の防虫剤です。

ネオパラエース

 

臭いが最も強いのがこのパラジクロロベンゼン系の防虫剤の特徴で、害虫に対して即効性があるのですが効果が長続きしないという欠点があります

また、融点が53℃と低いので、夏場の保管場所によっては溶けてしまう危険性があること、塩ビやプラスチック容器に入れると変色させてしまう危険性があります。

詳しくは、以前書いた「おすすめの防虫剤と選び方」の記事で、防虫剤の成分ごとの特徴と注意点をご紹介しているので併せてご覧ください。

安全性重視で行くのであれば、ムシューダなどのピレスロイド系の防虫剤でも十分効果があると思いますよ。

かおりムシューダ 1年間有効タイプ

紙魚の発生防止方法

1.室内を清潔にする

掃除道具

ホコリや髪の毛、フケなどをしっかりと掃除をすることで、紙魚の食料を減らし住めない環境に近づけることが大切です。

しかし、前述した通り紙魚は飢餓状態でも1年ほど生きると言われているので、毎日掃除したくらいではすぐにはいなくなってはくれません。

しかし、自分自身で繁殖しやすい環境を提供してしまっているのでは、万が一今いる紙魚を上手く駆除が出来ても、またどこからかやってきて棲み付いてしまう可能性が高いです。

ホコリを溜めないように定期的に掃除をするようにしましょう。

2.部屋の湿度を下げる

湿度計

紙魚は水は飲まず、空気中の水分をお尻から取り込むことで生きています。

乾燥に弱いシミは、湿度が43%を下回ると吸収する水分よりも出ていく水分が多くなると言われており、活動が鈍くなることが分かっています。
参考:佐々治寛之.1987.マダラシミの福井県からの記録.福井虫報、(1)、51

湿度が40%を下回ると生活する人間の方も体調を崩しやすくなってしまうので注意が必要ですが、乾燥した部屋は紙魚にとって居心地が悪いのは間違いないようです。

エアコンや除湿器を上手く活用して、部屋から紙魚を追い出しましょう。

3.発生場所(隙間)を埋めて居場所を無くする

壁のひび割れ

私が最も効果的だと考えているのが、この「隙間を埋める」という方法です。

過去の事例でも、紙魚が発生した場所には必ずと言っていいほど壁と壁の間の隙間などがあり、そのスペースに紙魚が潜んでいることが多かったのです。

そして、この隙間を埋めることで居場所を無くした紙魚が他所に移っていったという例もあるので、清掃や湿度管理などを行ったうえで、紙魚を見かけた場所にもし隙間があれば、壁紙補修テープやパテなどで埋めてしまうと良いでしょう。

紙魚にとっては隠れる場所がないというのは重要な事なので、紙魚を家から追い出すにはこういった隙間を埋めることも効果的なのです。

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まとめ

今回は得体のしれない不気味な銀色の害虫「紙魚(シミ)」についてご紹介しました。

これまで当サイトでご紹介してきたように、害虫の駆除・発生予防の基本になるのは清潔な環境を保つという事です。

害虫にとって居心地の良い、常に餌があるような状況はもってのほかで、根本的な状況(常に餌になるような汚れがある)を改善しなくては、どんなに高価な業務用殺虫剤で駆除をしても、またすぐに発生してしまうでしょう。

大切な書物や衣類が加害されてしまう前に、しっかりと防除対策を取るようにしましょう。

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