ツバメは天敵から卵を守るために人家に営巣することが多い鳥として知られていますが、我が家にも毎年ツバメが巣を作りにやってきます。
巣を作るのは良いとしても、洗濯物を干すベランダや頻繁に通る玄関先に巣を作られると、糞害・泥の落下・虫や病原菌などの問題があり好ましくありませんよね?
かといってせっかくツバメが頑張って作った巣を壊すのも忍びないし、産卵済みだったりヒナが孵化している巣を壊すと鳥獣保護法違反になってしまうこともあるので、できるだけ穏便に済ませたいところ。
今回は、特別な道具を使うことなく安価&簡単にできるツバメの巣を作らせない方法を検証してみたいと思います。
Contents
ツバメが巣を作る時期と我が家の現状
※玄関先に巣を作り始めたツバメ
我が家では玄関とベランダの2か所に、ツバメが巣作りを始めていました。
ツバメは日本全国に生息していて、一般的には4~7月が巣作りの時期と言われていますが、地域によって営巣を始める時期が微妙に違います。
・東北以南の本州 :4月中旬~7月中旬
・九州・四国・沖縄:3月下旬~6月中旬
宮城県北部に位置する我が家は、毎年5月下旬ころにツバメが巣作りを始めます。
ツバメの巣があることによる問題は「糞害」だけじゃない
私は動物や虫が好きという事もあって自然のある田舎に住んでいますので、ツバメが家に営巣するのは歓迎しています。
しかし、ツバメが巣作りをする場所によっては様々な問題が生じるので、私たちの生活に影響をきたす場所に巣作りを始めた場合は、申し訳なく思いながらも巣作りができないように対策をしています。
ツバメが棲み付くことによって生じる問題には下記があります。
・巣ができた後には糞が落ちてくる
・野鳥の巣が原因で虫が発生することがある
・ツバメのヒナを襲いにヘビやカラスが来る
泥や枯れ草が落ちる
ツバメは泥と草を自身の唾液と混ぜて壁につけていきます。
特に巣のでき初めはあまり壁に泥が固定せず、巣作りしている周囲の床に泥や草が散乱してしまいます。
我が家の場合は、冒頭の写真のように玄関のど真ん中に巣作りを始められたので、一旦撤去して場所を移動してもらうようにしました。
「なーんだ、泥や草なら別にいいじゃん」
と考える方は、この場所に巣が出来上がったあと、次の落下物が待っています。
糞が落ちる
巣が出来上がると泥や草が落ちてくることは減りますが、その代わりに親鳥の糞が落ちることになります。
上の画像は我が家のベランダの物干しざおを立てるためのブロックですが、見事にツバメの糞だらけになっていますね。
この時期は清掃してもすぐにまた糞だらけになってしまうので、まとめて清掃した方が良さそうです。
糞は見た目が汚いだけでなく、病原菌や寄生虫がいることもあるので、やはり巣の真下を通るような玄関や洗濯物を干すバルコニーの巣作りは遠慮してもらいたいものです。
ツバメの巣が原因で虫が湧く
※画像は去年我が家のベランダに営巣したツバメの雛
ツバメの巣に限った事ではなく野鳥全般に言えることですが、衣類を食べる害虫(イガ・コイガ・ヒメマルカツオブシムシ)や、ネズミが媒介することが多い吸血ダニ(ワクモ・トリサシダニ・スズメサシダニ等)は、野鳥の巣が発生源になることが知られています。
※上記の衣類害虫やダニなどについては下の関連記事をご覧ください
・衣類の虫食いは「カツオブシムシ」の仕業?対策と駆除方法まとめ
・ダニの種類と特徴を徹底解説|家に出る注意すべきダニ
ツバメが可愛いから、また来年も同じ巣を使うかもしれないからと言って、巣立った後のツバメの巣を放置しておくと害虫の発生装置になってしまう可能性があります。
特に玄関内部や倉庫内部など室内に直接連結しているような空間に巣を作られてしまった場合は、害虫の発生被害が大きくなりやすいので注意しましょう。
ヒナを襲いにヘビやカラスが来る
我が家のような田舎に住んでいると、家の周囲に大きなアオダイショウが棲み付いていて、ツバメのヒナを狙って壁をよじ登っているのを家族が見かけたことがあります。
我が家には幼い子供がいつも庭先で遊んでいるので、ヘビが来た時のことを考えるとツバメには申し訳ないが、どこかもう少し目立たない場所に移動してもらうしかありません。
元々ツバメは人間は自分たちを襲う事がないことを理解していて、カラスやヘビ等の天敵から身を守るために人間の家に営巣すると言われています。
とはいえ、人間にとってもヘビは脅威なので、ツバメの巣がある場所にヘビが近づいてくる可能性を考えておく必要があります。
ツバメの巣を作らせない方法は、どれが効果的?
ツバメの巣対策をネットで調べると様々な方法が紹介されていますが、本当に効果があるのがどの方法なのかわからなくありませんか?
10も20も対策法を紹介されても、効果がある方法が一つあれば十分ですし、紹介されている方法の中からいくつか私も試しましたが、効果がない物もありました。
ちなみに、ネット上でツバメの巣対策としてよく紹介されているのが下記の6パターンです。
- キラキラした物(アルミホイル・CD・プリズムテープ)をぶら下げる
- 天敵(猛禽類・ヘビ)の置物を置く
- ノイズを出す
- 紐を天井からつるす
- 巣作りを始めたらすぐに壊す
- ガムテープを貼る
ツバメの巣対策として試した方法3つ
上記の各種対策の中から我が家で試したのは以下の3種類です。
2.巣ができ次第すぐに壊す
3.ガムテープを壁に貼る
他にも検討した方法はありますが、紐を天井からつるすというのはかなり大変な作業で、特に玄関の外側に巣を作られた場合は、見た目上宜しくないので却下としました。
また、ノイズを発生する装置も、そこに暮らす人間もその音が気になってしまうので却下。
天敵の置物を置くというのも、他の方法に比べてコストがかかるという点から却下しました。
ウインドスピナーを使う
ウインドスピナー(風車)は、紹介されていた「キラキラしたものをぶら下げる」という方法から少しずれますが、光を反射させる羽がクルクル風で回る物です。
アウトドアなどで目印として使われることもありますが、元々は鳥よけの商品です。
しかし、残念ながらツバメには効果は無く、このウインドスピナーを設置しているポールの上にツバメが藁を咥えてとまっていました。
巣ができ次第すぐに壊す
次に、巣ができ次第すぐに壊すという方法です。
上の写真は、1つでき初めては壊すというのを繰り返していたのですが、すぐ横に新たな巣を作ろうと泥を運んでくるのでほとんど効果はありませんでした。
壊されてもちょっと横にスライドさせて新たに巣を作り始めるので、根競べを行うようでしたが非効率的であると言わざるを得ませんでした。
また、巣を壊す行為は中にヒナや卵があると鳥獣保護法で罰せられる危険性があるので、気を付けるようにしましょう。
ガムテープを貼る
今回、実は一番効果が高かったのがこの「ガムテープ」を貼るという方法です。
材料費も安く済むのでありがたい限りなのですが、どのように使えばよいのか解説いたします。
最も効果があった「ガムテープ」の使い方
上の写真は我が家のベランダの上隅ですが、まだまだ形になっていない作られて1~2日目の巣があります。
前述の通り、この巣を壊してもまた少しずらして作られてしまうので、今回はこの作り始めの巣の周囲をガムテープで囲むことにしました。
ツバメは岩肌に似た凹凸がある壁面を好んで巣作りを始めると言われていますが、ガムテープを張ることによってつるつるとした壁になります。
こうすればツバメが足をかける場所も少なく、泥をつけるために壁にとまることができなくなりました。
この処置を施した後のツバメの反応を見てみると、泥をくわえて飛んできてもテープが貼られてるのを見るや否や、すぐにUターンしていきました。
泥を口にくわえながら、ポールの上にとまって作り途中の巣を眺めているツバメ。
どうやっても近寄れないと感じるほどの効果が、あのガムテープにあるようですね。
経過を観察しましたが、丸3日経ってもガムテを貼った所の巣は全く進展がなく、ツバメに巣を作らせないという目的を達成することができました。
ツバメの巣作り対策のポイントまとめ
・安価で効果的に巣を作らせない方法は「ガムテープ」
・卵やヒナがいる期間の巣の撤去は鳥獣保護法違反になる可能性がある
今のところ私が実際に試した方法で一番効果的だったのが「ガムテープ」でした。
場所によっては壁にガムテープを貼る行為が美観を損ねる場合があるので、必ずしもとることができる方法とは言えないかもしれませんが、それはアルミホイルや紐を天井から吊るしたりノイズが出る置物を置くというのも同様です。
もし安価且つ効果的にツバメの巣対策をしたい場合は、壁面がツルツルになるようにガムテープを貼ってみてはいかがでしょう。
他にも効果的な方法があれば追記してご紹介いたします。