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  • 行者にんにく(アイヌネギ)の栽培方法|育て方・時期・レシピと見分け方

    行者にんにく(アイヌネギ)の栽培方法|育て方・時期・レシピと見分け方

    春を告げる山菜の中で、特に年々希少価値が高まっているのが「行者にんにく(通称:アイヌネギ)」です。

    名前の通り強いニンニク臭がする山菜で、北海道の高山や水源地に自生していることが多いのですが、生長が特に遅く、乱獲によって年々数が少なくなってきています。

    この記事では、行者にんにくの特徴と採取の際の注意点、また、我が家では畑で行者にんにくを育てているので、自家栽培の方法とおすすめの食べ方などについても詳しく解説してきます。

    [chat face=”buta.jpg” name=”” align=”left” style=”type1″]確か先生は北海道出身でしたよね?やっぱりその辺に生えてるんですか?[/chat]

    [chat face=”mu.jpg” name=”” align=”right” style=”type2″]いやいや、とんでもない。最近ではめっきり数が減ってる上に、自生地は国立公園などの自然保護区なので簡単に取れる山菜じゃないんじゃよ。でも、栽培してる農家さんは結構知ってるぞい![/chat]

    行者にんにく(アイヌネギ)とはどんな山菜?

    行者ニンニク

    1. 和名:行者ニンニク 別名:アイヌネギ、エゾネギ、キトピロ
    2. 学名:Allium victorialis subsp. platyphyllum
    3. 階級:ヒガンバナ科(またはユリ科)ネギ属
    4. 分類:多年草
    5. 分布:北海道~近畿
    6. 形態:地下にラッキョウに似た鱗茎をもつ
    7. 特徴①:強いニンニク臭がする、根に近い部分に赤紫色の繊維がある
    8. 特徴②:生長がとにかく遅い

    行者にんにくの特徴は、何と言っても「生長が遅く、繁殖力が弱い」という点です。

    上の写真は我が家の畑で栽培している行者にんにくですが、2~3年物の苗を植えて6年目なので、通算8年経ってようやくこのサイズと葉の枚数になります。

    種から育てると5年は葉が1枚しか生えず、6~7年目になってようやく2枚葉になるほど成長が遅いため、栽培するにも最も根気がいる作物のひとつです。

    [chat face=”buta.jpg” name=”” align=”left” style=”type1″]うへぇ~、あの畑の行者にんにくは8年も経ってたんだ!なんかもったいなくて収穫できないね![/chat]

    [chat face=”mu.jpg” name=”” align=”right” style=”type2″]生長が遅いのであまり流通していないうえに、あったとしても3束ほどで600~700円することもザラなので、自分で栽培するか自生地に採りにでも行かない限り食べることもないかもしれんのう[/chat]

    行者にんにく(アイヌネギ)の名前の由来

    アイヌ

    行者にんにくは、その名の通り行者(修行者)が荒行に耐えるために滋養効果の高い行者にんにくを食べていたから付いたという説があります。その滋養効果の高さから行者は食べるのを禁じられていたとか。

    また、行者にんにくが多く自生する北海道でアイヌの人々が行者にんにくを多く利用していたことから「アイヌネギ」の名前でも呼ばれています。

    [chat face=”buta.jpg” name=”” align=”left” style=”type1″]「アイヌ」って言葉自体が差別用語って聞いたことあるけどどうなんだろう?[/chat]

    [chat face=”mu.jpg” name=”” align=”right” style=”type2″]アイヌネギを蔑称とするという考え方もあるんじゃが、一時期「ウタリ」と呼び方を変えようとする運動もあったのじゃが、アイヌの方々自身が蔑称であった「アイヌ」と呼ばれることを選んだこともあり、近年では普通に「アイヌ」と呼ぶことも増え、蔑称ではないとする考えもあるんじゃ。[/chat]

    [chat face=”buta.jpg” name=”” align=”left” style=”type1″]デリケートな問題だけど、言葉狩りだけして差別がなくなるわけじゃないよね。[/chat]

    [chat face=”mu.jpg” name=”” align=”right” style=”type2″]うむ。アイヌネギはそういう呼び方もあるという事で覚えておいて、基本的には「行者にんにく」か「キトピロ」と呼ぶと良いじゃろう[/chat]

    行者にんにくの旬の時期はいつ?

    行者にんにくの旬は、4月下旬~5月上旬と言われています。

    雪解けの遅い北海道の高地などに自生するものは5月中旬になってようやく旬を迎える場合もありますが、宮城県北部の我が家で栽培している行者にんにくは3月下旬にはもう収穫適期になるため、場所によって旬の時期は大きく変わると言えるでしょう。

    行者にんにくが採れる場所は?

    自生地は北海道から関西・近畿地方辺りまでと言われており、山の奥深くよりも雑木林や風通しの良い海岸線などに生えていることが多い山菜です。

    比較的平地でも見かけますが東北以南では高山で見られることが多く、本州の高山では採取が禁止されていることも多いので注意しましょう。

    北海道でも国立公園などの自然保護区に群生していることが多いので、自生している行者にんにくを採取するのは極めて難しくなってきていると言えるでしょう。

    行者にんにくを採取する時の注意点は?

    アイヌネギ

    採取時の注意点は「毒草との取違い」「若い株を残す」という2点です。

    見た目がシンプルな行者にんにくには、よく似た毒草がいくつかあり誤食による中毒の報告例が少なくありません。

    特に「コバイケイソウ」「イヌサフラン」「スズラン」などが取違の起きやすい毒草として知られているので、注意が必要です。

    [chat face=”mu.jpg” name=”” align=”right” style=”type2″]毒草との見極め方は後述するぞい![/chat]

    また、前述の通り生長が極めて遅い山菜なので、5年目未満の1つ葉の若い株は採らずに残すなどのマナーを守ることが大切です。

    群生地を見つけたとしても採りすぎず、他の人へおすそ分けするなどは考えず、自分が食べる分だけ採取するように心がけましょう。

    また、根元から掘り起こすと2度と生えてこないので、根元に近い部分をナイフなどで刈り取るようにして採取しましょう。

    行者にんにくに似た毒草「イヌサフラン・コバイケイソウ・スズラン」

    イヌサフラン

    ※上の画像はイヌサフランの花

    行者にんにくと間違えやすい有毒植物には「イヌサフラン」「コバイケイソウ」「スズラン」などがあります。

    まずは、それぞれがどの程度行者にんにくと似ているのかを見てみましょう。

    イヌサフラン

    イヌサフランの葉

    コバイケイソウ

    コバイケイソウの葉

    スズラン

    スズラン

    行者にんにく(本物)

    行者にんにく

    この行者にんにくは、天然物を我が家の畑で栽培しているもので、8年物なので比較的葉の数も多く大きく育った株です。

    先に紹介した3つの有毒植物とよく似ていますよね?

    中でもイヌサフランは、過去10年間(H19~28)で誤食による死亡者数が最も多い(6名死亡)有毒植物として厚生労働省のHPにて報告されています(有毒植物による食中毒に注意しましょう-厚生労働省)。

    あの有名なトリカブトを上回る死亡例(トリカブトは3名死亡)なので、どれだけ致死率が高いのかがお分かりになるかと思います。

    自生する行者にんにくを採取しようと考えている方は、誤食しやすい有毒植物を下記にまとめていますので、是非ご一読ください。

    行者にんにくと毒草との見分け方のポイント

    行者にんにく

    毒草と見分けるために覚えておきたい行者にんにくの特徴は以下の2点です。

    「ニンニク臭」「根元部分の赤紫色の薄皮」

    行者にんにくは、不用心に思い込みで収穫してしまわなければ比較的簡単に見分けることができます。

    一番のポイントは「におい」です。

    葉や茎の部分を嗅ぐとニンニク臭がするのですぐに行者にんにくだと分かります。

    また、上の画像のように根元に近い部分が赤紫色をしているのも見分けるポイントの一つですので、注意深く観察しましょう。

    【栽培】行者にんにくを自宅の畑で育てる方法

    行者にんにくの栽培

    行者にんにくを植えるときの土壌・場所はどこがいい?

    行者にんにくは、北海道や本州の高地に生えていることが多いことから「寒さに強く、暑さに弱い」という特徴があることがわかると思います。

    我が家の栽培方法を参考例としてご紹介します。

    行者にんにくを植える場所

    植えている場所は午前中のわずかな時間だけ日光が当たるような柿の木の下に植えています。基本的に半日陰で西日が当たらない場所を選びました。

    土壌酸性度は弱酸性です。

    土壌に撒く肥料は「堆肥のみ」

    柿の木の下に植えているので腐葉土などである程度はふかふかな土でしたが、そこに完熟発酵の牛糞堆肥を撒いている以外は特に化成肥料などは施していません。

    [chat face=”mu.jpg” name=”” align=”right” style=”type2″]実は我が家で育てている行者にんにくの苗は知人からいただいたものなんじゃが、苗をくれた知人は同じ地域に住んでいるにもかかわらず栽培には失敗してしまったようなんじゃ[/chat]

    [chat face=”buta.jpg” name=”” align=”left” style=”type1″]寒さとか気候条件は一緒なのに枯れてしまったってことは、日当たりとか土壌が影響している可能性が高いね[/chat]

    [chat face=”mu.jpg” name=”” align=”right” style=”type2″]ジメジメしすぎていない風通しの良い場所で、木陰のような場所に植えると良いぞい![/chat]

    行者にんにくの増やし方は「種」と「株分け」の2種類!

    上の写真は我が家の行者にんにく畑の様子ですが、最初は4本の苗からスタートし、6年かけて写真のような本数まで育ちました。

    種から育てる場合は、最初の4年間はプランターで育て、ある程度の大きさになったら地植えして2,3年育てます。

    苗から育てる場合も、ある程度の大きさのものであれば地植えを行い葉が2枚になる6年目のサイズになるまで育てます。

    最も簡単に増やせるのは「株分け」です。

    春か秋になったら行者にんにくを一度掘り起こし、根元から株を分けて植えなおすことで、倍・倍と増えていきます。

    植えてから6~7年ほど経つと花を咲かせるので種が採取できるようになりますが、播種から採取できるようになるまで6~7年必要になるので、株分けが最も効率の良い増やし方といえるでしょう。

    種をまく場合の適期は8月です。

    行者にんにくのおすすめの食べ方|味・栄養はどうなの?

    行者にんにく

    行者にんにくは、ニラやにんにくと同じように調理に使うことが多いのですが、味噌や醤油に漬け込んで保存食にすることも多く、ご飯のおかずとして大活躍してくれます。

    採れたての行者にんにくは天ぷらにしても美味しいですよ!

    以下、行者にんにくのおすすめの食べ方の一覧です。

    ・行者にんにく味噌
    ・行者にんにくの醤油漬け
    ・天ぷら
    ・卵とじ
    ・餃子
    ・おひたし
    ・豚バラ巻き
    ・生食(マヨネーズ味噌でいただくと美味)
    ・酢味噌和え
    ・野菜炒め

    [chat face=”buta.jpg” name=”” align=”left” style=”type1″]先生の一番のおすすめはどの食べ方ですか?[/chat]

    [chat face=”mu.jpg” name=”” align=”right” style=”type2″]色々食べた中では「豚バラ巻き」「行者にんにく味噌」じゃな!
    記事の後半でゴハンのお供に最適な行者にんにく味噌の作り方を紹介するぞい![/chat]

    行者にんにくにはどんな栄養があるの?

    行者にんにくは栄養価がとても高いことで知られている山菜で、下記の栄養素が含まれています。

    β-カロテン、ビタミンB6、C、K、葉酸、アリシン、チオエーテル類

    薬効としては、「血行促進」「冷え性改善」「抗酸化作用」など、血液に関する効能が高いとされています。

    [chat face=”buta.jpg” name=”” align=”left” style=”type1″]臭いからして、いかにも効果がありそうだよね!滋養効果が高すぎて修行者が食べるのを禁止されたっていうのもわかるなぁ[/chat]

    行者にんにくを食べ過ぎると臭い?

    口臭

    行者にんにくは、にんにくの臭いの元である「アリシン」にんにくよりも豊富に含むことが知られているため、食べ過ぎると口臭に強く現れます。

    特に根元に近い部分の方が匂いが強く、熱を加えることで多少は臭いが落ち着きますが、生で食べるとかなり強烈な臭いなので注意しましょう。

    行者にんにく味噌の作り方

    行者にんにく味噌

    私のおすすめの食べ方「行者にんにく味噌」の作り方をご紹介します。

    1.行者にんにくの根元付近の余分な皮を剥いて洗う

    行者にんにくの下ごしらえ

    行者にんにくは根元付近に硬い皮があるので、それを一つ一つ手作業で取り除く作業が必要です。

    その部分に泥がついてることも多いので、しっかりと取り除いて水洗いします。

    2.行者にんにくをさっと茹でる

    茹でたギョウジャニンニク

    下ごしらえした行者にんにくを、大きめの鍋に入れてさっと茹でます。

    火を通し過ぎるとくたっとなりすぎてしまうので、ごくわずかな時間で済ませるようにしましょう。

    3.茹でた行者にんにくを刻む

    茹でたギョウジャニンニク

    茹でた行者にんにくを、お好みのサイズに刻みます。

    細かく刻んでしまっても良いですし、食感を残すために少し大きめにしても良いでしょう。

    4.油で炒めて、味噌と砂糖を加え、最後に白ゴマをふる

    行者にんにく味噌

    刻んだ行者にんにくをフライパンで炒めます。

    弱火で味噌と砂糖を加えて炒め、白ごまを最後に振りかければ完成です。

    お好みに合わせて最後にゴマ油を人たらししても美味しいですよ。

    まとめ

    行者にんにくはとてもおいしく栄養価も高いので、旬の時期に沢山食べたいところですが、生長が遅く希少価値も高いのでなかなか手に入れることができません。

    高価ですがAmazonなどで購入することもできます。

    また、比較的寒冷地に住んでいて畑をお持ちの方は、苗も販売しているので購入が可能です。

    苗も、最初から8年ものを購入すればその年に立派な行者にんにくを収穫することができますが、やはりそこそこのお値段がします。

    土壌や植える場所によってはうまく根付かないこともありますので、初めはもう少し幼年物の苗を植えて様子を見るなどしても良いかもしれません。

    とても美味しいので是非チャレンジしてみてはいかがでしょう?

  • 【全34種類】山菜の種類一覧|春・夏・秋・冬の美味しい山菜まとめ

    【全34種類】山菜の種類一覧|春・夏・秋・冬の美味しい山菜まとめ

    日本で食用として採ることができる「山菜」には様々な種類があり、それぞれ採れる時期や生える場所、気を付けるべき毒草との見分け方が違います。

    この記事では、「日本にはどのような山菜があるのか」という事について知ってもらえるよう、できるだけ多くの種類の山菜を取り上げ、簡単に特徴を解説します。

    ※掲載している種類が多いので、特定の山菜を調べる場合には目次よりご覧いただくと便利です。

    [chat face=”buta.jpg” name=”” align=”left” style=”type1″]どこよりも多く山菜の種類を載せてるので探してる山菜がきっと見つかるはず![/chat]

    [chat face=”mu.jpg” name=”” align=”right” style=”type2″]各山菜の詳細や、間違いやすい毒草、山菜採りに行くときの持ち物などについては、詳細記事を用意しているのでそちらもあわせてご覧ください[/chat]

    タラの芽

    タラの芽

    呼び名タラの芽、タランボ、オニノカナボウ、タラッポ
    分類ウコギ科タラノキ属
    収穫時期3月~4月初旬 (山間部なら6月頃まである)
    採れる地域日本全国
    生えている場所林道・道路脇など(人が人工的に木を伐採して日当たりが良くなっている場所)
    おすすめの食べ方天ぷら、和え物、炒め物など
    似ている植物(※赤は有毒)ハリギリ、ヤマウルシ

    言わずと知れた「山菜の王様」タラの芽は、山菜シーズンになるとみんながこぞって狙う人気の山菜です。

    養殖物のタラの芽のシーズンは天然ものよりも少し早い2~3月なので、その時期になるとスーパーにも並ぶようになってくるでしょう。

    成長がものすごく早く、日当たりのいい場所を好むタラノキは、ぐんぐんとまっすぐ上に伸びていくので樹形で見分けやすく、特に道路脇や林道など人の手が入ってひらけた日当たりのいい場所でよく見かけます。

    収穫の際の注意点は「トゲだらけのタラノキの枝」「ヤマウルシとの間違い」です。

    特にヤマウルシの若芽とタラの芽は似ているため、誤食やかぶれ被害に遭う人も多く注意が必要です。

    タラノキとヤマウルシの見分け方については、こちらの関連記事で詳しくご紹介していますので是非あわせてお読み下さい。

    コシアブラ

    コシアブラ葉筆

    呼び名コシアブラ(漉油)、ゴンゼツノキ、ゴンゼツ(金漆)、アブラギ
    分類ウコギ科ウコギ属
    収穫時期4月~5月
    採れる地域北海道~九州
    生えている場所ブナの木が生い茂る場所に生えていることが多い
    おすすめの食べ方天ぷら、和え物、おひたしなど
    似ている植物(※赤は有毒)ヤマウルシ

    コシアブラは「山菜の女王」とも呼ばれ、天ぷらで食べると絶品の山菜です。

    特に葉筆と呼ばれる若芽が開ききらず筆のようにまとまった状態のものは、香り高く独特のコクと爽やかな苦みが癖になります。

    しかし、たらの芽ほどの知名度は無く、私の住んでいる宮城県ではつい最近まであまり食べる人がいなかったと言われるほどです。

    人工的に栽培されている数もまだまだ少ないため、スーパーなどで見かけることがあまりないので、山菜採りに行く場合は是非とも見つけたい山菜のひとつです。

    たらの芽同様に若芽の時期にヤマウルシと間違えてしまう人がいるので、かぶれてしまわないように注意しましょう。

    ふきのとう

    ふきのとう

    呼び名ふきのとう、蕗の薹、ばっけ
    分類キク科フキ属
    収穫時期2月~5月(雪解けの頃)
    採れる地域日本全国
    生えている場所周囲に水がある湿った場所。直射日光が当たらないところ
    おすすめの食べ方天ぷら、みそ汁、ばっけみそ
    似ている植物(※赤は有毒)ハシリドコロ

    春の訪れを告げる山菜の代表格が「ふきのとう」です。

    雪解け後の地面から、残雪の合間をぬってひょっこり顔を出す新芽は、ほろ苦く独特の風味を持った山菜として人気があります。

    道路沿いや河川敷などいたるところで見つけることができるので、多くの人が一度は目にしたことがあるでしょう。

    しかし、ふきのとうについて意外と知られていないのが「(根に)毒を持っている」という点です。

    ペタシテニンと呼ばれる毒は、肝毒性があるためしっかり灰汁抜きをしないで食べたり、根の部分を誤って食すると肝臓の病気を引き起こす可能性があると言われています。

    また、雌雄異株のふきのとうは、人によっては雄花の花粉がアレルギーを引き起こすことが知られているので、ふきのとうを採取する場合は雄花か雌花かをしっかりと見極めるというのもポイントになるでしょう。

    最後に、似ている植物に「ハシリドコロ」という有毒植物があります。誤って食して死亡したケースもあるので、ふきのとうとの見分け方を覚えておくようにしましょう。

    これらのふきのとうに関するアレルギーや毒性、似ている有毒植物との見分け方については、下記の関連記事で解説しているのであわせてご覧ください。

    青みず(ヤマトキホコリ)

    青ミズ

    呼び名青ミズ、ヤマトキホコリ
    分類イラクサ科ミズ属
    収穫時期4月初旬~10月
    採れる地域北海道~九州
    生えている場所日当たりが悪くじめっとした場所、沢・滝など水辺の近く
    おすすめの食べ方和え物、お浸し、炒め物
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    青ミズ(ヤマトキホコリ)は、後述する赤ミズの近縁で、水辺の近くに自生することが多い山菜です。

    赤ミズに比べて採れる量が少なく、ヌメリやムカゴ(葉の付け根にできる小豆のようなコブ)が無いのが特徴です。

    水分が多くシャキシャキとした食感で、アクもクセも無いのでどんな料理にも合わせやすく、東北地方ではよく食べられる山菜のひとつです。

    赤みず(ウワバミソウ)

    赤ミズ

    呼び名ミズ、赤ミズ、ウワバミソウ、蟒蛇草
    分類イラクサ科ウワバミソウ属
    収穫時期4月初旬~10月
    採れる地域北海道~九州
    生えている場所日当たりが悪くじめっとした場所、沢・滝など水辺の近く
    おすすめの食べ方和え物、お浸し、炒め物
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    赤ミズは、一般的には「ウワバミソウ」の名で知られており、ミズという呼び名は方言です。赤ミズと青ミズの2種類がありますが、「ミズ」というとこちらの赤ミズを指します。

    収穫できる期間が10月までと長いため山の食料としてはとても優秀で、アクやクセが無いのでとても食べやすい山菜です。

    青ミズにはないヌメリやムカゴがあるのが特徴で、比較的見つけやすい初心者向けの山菜と言えるでしょう。

    水辺の近くで群生していることが多く、ついつい沢山収穫してしまいがちなのですが、表面の薄皮を剥く手間がかかるので、過剰に採ってしまうとあとで下処理に時間がかかってしまうので注意しましょう。

    ミズについてのより詳しい説明については、下記の関連記事をご覧ください。

    青こごみ(クサソテツ)

    青こごみ

    呼び名青こごみ、クサソテツ、コゴメ、雁足、カクマ
    分類イワデンタ科クサソテツ属
    収穫時期5月~6月初旬
    採れる地域日本全国
    生えている場所日当たりのよい、近くに水源がある湿った所
    おすすめの食べ方サラダ、お浸し、和え物など
    似ている植物(※赤は有毒)ゼンマイ、ワラビ、その他シダ植物

    青こごみはクサソテツの若芽で、一般的に「こごみ」と言えば、この青こごみを指します。

    ゼンマイやワラビと並んで美味しいシダ植物の山菜として有名ですが、こごみはこの中でもアクが最も少なく、最低限の下処理でサラダやお浸しなどにして食べることができるので人気があります。

    青こごみは群生していることが多いので、場所さえ覚えてしまったら毎年まとまった量を大量に収穫することができるかもしれません。

    ただ、成長がとても速く、数日で芽が葉に育ちきってしまう事もあるので、時期を見計らって何度か下見に来るなどする必要があるでしょう。

    また、初心者では他のシダ植物との見分けがつきにくいのが難点ですが、下記の関連記事で見分け方を詳しく解説しているので、こごみを採りに行こうと考えている方は事前にご覧いただければと思います。

    赤こごみ(キヨタキシダ・イッポンコゴミ)

    赤こごみ

    呼び名赤こごみ、キヨタキシダ、イッポンコゴミ、清滝羊歯
    分類イワデンタ科ヘラシダ属
    収穫時期4月~6月中旬
    採れる地域日本全国
    生えている場所日当たりのよい、近くに水源がある湿った所
    おすすめの食べ方サラダ、お浸し、和え物など
    似ている植物(※赤は有毒)ゼンマイ、ワラビ、その他シダ植物

    通常のこごみ(青こごみ)に対して、茎の部分が赤いので「赤こごみ」と呼ばれていますが、元々はこの赤こごみを「こごみ」と呼んで食べていたものの、独立して生えているので数を収穫することができず市場に出回っていませんでした。

    そこで、群生している「青こごみ」を「こごみ」として流通させたところ、名前が定着したので、茎の赤いこごみを「赤こごみ」として区別するようになったと言われています。

    生えている環境やおすすめの食べ方は青こごみと変わりませんが、赤こごみの方が沢山採れないので希少価値も高く、味もあっさりしていて青こごみよりも好きだという人が多いようです。

    赤こごみの詳細については、前述の青こごみの関連記事内でご紹介していますので、そちらをあわせてご覧ください。

    ※2018/7/27追記
    以前掲載していた画像が赤こごみではないとのご指摘をいただき、写真を訂正いたしました。

    ゼンマイ

    ゼンマイ

    呼び名ぜんまい、ゼンメ、薇
    分類ゼンマイ科ゼンマイ属
    収穫時期3月~6月
    採れる地域日本全国
    生えている場所山中の崖下や急な斜面、湿った場所
    おすすめの食べ方煮物、ナムルなど
    似ている植物(※赤は有毒)こごみ、ワラビ、その他シダ植物

    国産の天然ぜんまいは初心者には難易度の高い、ぬかるんだ急な斜面などにあることが多く、スパイクシューズやアイゼンなどで万全の準備をして挑む場所に多く生えています。

    アクが多いため、あく抜きや下処理に手間がかかり、乾燥ぜんまいを作る工程や、乾燥ぜんまいを水で戻す工程にも数日かかるので、ちゃんと食べられるようにするのに時間がかかります。

    この採取の難易度の高さと加工の手間暇がかかることから国産のぜんまいは高級品として扱われることが多いので、一度は挑戦してみたい憧れの山菜のひとつでもあります。

    ぜんまいを採る時の注意点や加工の方法に関しては、下の記事もあわせてご覧ください。

    ボウナ(イヌドウナ/ヨブスマソウ)

    ホンナ2

    呼び名ボウナ、ウドブキ、ヨブスマソウ、イヌドウナ、ホンナ
    分類キク科コウモリソウ属
    収穫時期4月~6月
    採れる地域北海道、本州、四国
    生えている場所雑木林の中や、谷沿いの斜面、高山の雪解けあと
    おすすめの食べ方天ぷら、和え物、お浸し、汁物
    似ている植物(※赤は有毒)イヌドウナ、ヨブスマソウ、コウモリソウは近縁

    ボウナは元々東北地方の一部で食べられていたのですが、その美味しさから首都圏でも流通するようになってきた山菜です。

    しかし、まだまだ有名どころの山菜ほどの知名度は無く、知る人ぞ知る美味しい山菜となっています。人によっては、その山菜らしい苦みと香りが他のどの山菜よりも美味しいと名前を真っ先に挙げる人がいるほど、通好みの味わいです。

    ボウナと呼んで食される山菜には「イヌドウナ」「ヨブスマソウ」があり、どちらも近縁で味に大きな違いはありませんが、見た目と生えている場所にやや違いがあります。

    エゾニュウ(サク、フジ、ニョウサク)

    エゾニュウ

    呼び名サク、ニョウサク、エゾニュウ、フジ、ニオ
    分類セリ科シシウド属
    収穫時期5月中旬~6月初旬
    採れる地域北海道・本州(北部)
    生えている場所草原、海岸部
    おすすめの食べ方塩蔵してから食べる。炒め物や煮物
    似ている植物(※赤は有毒)エゾノヨロイグサ、アマニュウ、エゾノシシウド

    エゾニュウは、とにかくアクが強く、苦みも強い山菜です。

    美味しい山菜なのですが、そのアクの強さから基本的には塩蔵保存をして越冬させ、翌年になってから塩を取り除いて食べるのが一般的とされています。

    また、私が持っている5冊のガイドブックのいずれにも掲載されておらず、知る人ぞ知る幻の山菜でもあります。

    エゾニュウは熊の大好物でもあるので、エゾニュウを採りに山に入る時は、熊と出くわす可能性があるので十分注意するようにしましょう。

    山わさび

    山わさび

    呼び名山わさび、セイヨウワサビ、ワサビダイコン
    分類アブラナ科トモシリソウ(セイヨウワサビ)属
    収穫時期10月~11月
    採れる地域北海道・本州
    生えている場所主に北海道の山中
    おすすめの食べ方生ですりおろす
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    北海道の山中に自生していることが多い山わさびは、ローストビーフの付け合わせなどで出てくる白っぽい色のわさびです。

    私の故郷北海道では、結構気軽に収穫できる山菜として人気があり、秋になるとスーパーに天然物の山わさびが並びます。

    天然ものならずとも栽培はとても簡単で、種イモをほんの小さな断片でも地面に植えるとすぐに発芽して増えます。

    病害虫にも強いので、地表の葉をモンシロチョウの幼虫などに食べられる以外は、特に成長を遮るものもなく簡単に収穫ができます。

    山わさびの栽培方法については下記関連記事で詳しくご紹介していますので、是非参考にしてみてください。

    ワラビ

    ワラビ

    呼び名ワラビ、シトケ、コブシナ、ホドロ
    分類コバノイシカグマ科ワラビ属
    収穫時期4月~5月
    採れる地域日本全国
    生えている場所日当たりのいい山中、草原、雑木林の中など
    おすすめの食べ方炒め物、ナムル、お浸し、天ぷら
    似ている植物(※赤は有毒)ゼンマイ、コゴミ、その他シダ植物

    山菜と言えば名前が出てくるほどポピュラーな存在と言っていい「ワラビ」ですが、山菜の中でも特にあくが強く、あく抜きをせずに食べると食中毒(ワラビ中毒)になるほどです。

    ワラビには発がん性のあるプタキロサイドや、ビタミンB1を破壊するチアミナーゼ(アノイリナーゼ)という酵素が含まれているので、十分にアク抜きをしないといけません。

    ワラビを探す時は、昨年の葉が枯れて堆積した跡に生えてくるので、周囲が赤茶色く枯れたシダ植物の葉でおおわれているあたりを探すようにしましょう。

    ヤマウド

    ウド

    呼び名ウド、ヤマクジラ、ウント、クサダラ、ケウド
    分類ウコギ科タラノキ属
    収穫時期4月~5月初旬
    採れる地域北海道・本州・四国・九州
    生えている場所山の斜面、特に腐葉土が堆積している場所
    おすすめの食べ方 天ぷら、酢味噌和え、炒め物
    似ている植物(※赤は有毒) タケニグサ

    大きく成長すると食用にならないことなどから「ウドの大木」などと言われますが、若芽の時は香り高くとてもおいしい山菜です。

    崩れたような山の斜面にあることが多く、足元が滑らないようにスパイクシューズなどを履いていると安心です。

    アクはありますが、採れたての色の薄いウドは、皮を剥いて味噌などをつけてそのまま生で食べることができます。

    一方で、タケニグサという毒草の芽生えと似ているので注意しましょう。

    カタクリ

    カタクリ

    呼び名カタクリ、カタカゴ
    分類ユリ科カタクリ属
    収穫時期4月~5月初旬
    採れる地域北海道・本州・四国・九州
    生えている場所林野の湿った場所、雪解け後の山の斜面
    おすすめの食べ方酢の物、おひたし、天ぷら
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    カタクリは、根の部分がデンプンの材料として使われていたことは有名ですが、茎や若葉も山菜として食べられることを知っている方はあまり多くありません。

    花をつけるまで7年以上かかり、地上部に顔を出すのはわずか4~5週間と短いため、カタクリのような植物は「スプリング・エフェメラル(春の妖精・春の短い命)」とも呼ばれます。

    つぼみ状態の若葉を抜き取って茹でると食用になりますが、あまり食べ過ぎるとお腹を下してしまうため、適度な量を楽しむのが良いようです。

    行者にんにく(アイヌネギ)

    行者にんにく

    呼び名行者にんにく、アイヌネギ、キトピロ、ヤマニンニク
    分類ユリ科ネギ属
    収穫時期5月
    採れる地域北海道・本州(近畿まで)
    生えている場所松林、雑木林、海岸沿い
    おすすめの食べ方炒め物、醤油漬け、卵とじ、生食
    似ている植物(※赤は有毒)バイケイソウ、コバイケイソウ、イヌサフラン、スズラン

    行者ニンニクは、北海道では「アイヌネギ」と呼ばれ親しまれている山菜で、比較的平地でも見かけますが東北以南では高山で見られることが多いです。しかし、本州の高山では採取が禁止されていることも多いので注意しましょう。

    行者ニンニクは生育が特に遅いのが特徴で、発芽して5年は葉が一枚しか出ず、葉が2枚になるには少なくとも6~7年かかると言われています。

    育つのが遅いにもかかわらず、近年では乱獲されることにより希少価値が高まり、あまり見かけなくなってしまっているため、少なくとも1枚葉の発芽から5年以下のものは採らずに残すようなマナーが求められています。

    似ている植物に特に有毒なものが多く、バイケイソウイヌサフランスズラン等はいずれも若芽が似ており、誤って食べると最悪死に至る物ばかりです。

    見分け方の特徴は、強烈なニンニク臭があるかどうか根元部分の赤紫色の繊維の有無です。

    ウルイ

    ウルイ

    呼び名ウルイ、オオバギボウシ、トウギボウシ、アマナ、ギンボ
    分類リュウゼツラン亜科ギボウシ属
    収穫時期4月~6月初旬
    採れる地域北海道・本州・四国・九州
    生えている場所日当たりのよい草地、沢沿いの斜面など湿った場所
    おすすめの食べ方サラダ、鍋、浅漬け、炒め物
    似ている植物(※赤は有毒)バイケイソウ、コバイケイソウ

    ウルイは湿った場所に生えていて比較的見つけやすい山菜ですが、有毒の「バイケイソウ」と酷似しているために頻繁に誤食による食中毒が起きています。

    アクが少ないためサラダなどでも食べることができ、茹でた後に天日で干すと「やまかんぴょう」と呼ばれる保存食になります。

    ウルイとバイケイソウの見分け方等の詳細については、下の記事で詳しく解説しています。

    アイコ(ミヤマイラクサ)

    アイコ

    呼び名ミヤマイラクサ、アイコ、アイ、エゴキ
    分類イラクサ科ムカゴイラクサ属
    収穫時期4月~5月
    採れる地域北海道・本州・九州
    生えている場所高冷地の湿った場所、沢のそば、岩礫地
    おすすめの食べ方和え物、お浸し、漬物
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    ミヤマイラクサは、東北地方では「アイコ」の名前で親しまれている山菜です。

    全草にヒスタミンを含むトゲが密生しているので、素手で触ると腫れあがるので必ず軍手か革手袋をする必要があります。

    しかし、このトゲで覆われた見た目とは裏腹に、味はさっぱりしていて癖が無いとてもおいしい山菜で、東北地方では山菜の女王と言えばアイコを指すと言われるほどです。

    当然生食はできませんが、塩を入れた熱湯でゆでるとトゲは溶けるので問題ありません。

    葉は捨てられてしまう事が多いのですが、茎よりも栄養価が高いので、刻んでみそ汁の具にするか佃煮にするなどの利用方法があります。

    シドケ(モミジガサ)

    モミジガサ

    呼び名シドケ、モミジガサ、シトギ、モミジソウ
    分類キク科コウモリソウ属
    収穫時期4月~5月
    採れる地域北海道・本州・四国・九州
    生えている場所スギ林、半日陰の湿った場所、腐葉土の堆積した斜面
    おすすめの食べ方お浸し、漬物、天ぷら
    似ている植物(※赤は有毒)ヤマトリカブト

    モミジガサは、山菜特有の苦みとクセのある山菜で、山菜好きの人に特に好まれている山菜です。

    ブナ林などの奥深くに生えていることが多いため、山菜取り初心者ではなかなか見つけにくいかもしれません。

    新芽の頃は傘をすぼめたような形をしていて表面に細かい毛がありますが、この毛がよく似ている毒草「トリカブト」と見分けるポイントとなります。

    トリカブトは致死性の高い毒草なので、誤ってトリカブトを採ってしまわないように注意しましょう。

    ニリンソウ(フクベラ)

    ニリンソウ

    呼び名ニリンソウ、フクベラ、ソバナ、コモチバナ、ヤマソバ
    分類キンポウゲ科イチリンソウ属
    収穫時期3月~5月
    採れる地域北海道・本州・四国・九州
    生えている場所沢沿いの草原、林床
    おすすめの食べ方お浸し、和え物、天ぷら
    似ている植物(※赤は有毒)ヤマトリカブト

    ニリンソウは、モミジガサ同様に猛毒のトリカブトと間違いやすい山菜です。

    特に、ニリンソウとトリカブトは混生しやすいので、ニリンソウの群生だと思ってやみくもに採取するとトリカブトが混じることがあります。ニリンソウ採取の時は、つぼみを確認してからの採取が望ましいとされています。

    クセのない味わいは人気が高く、和え物やお浸しなどが美味しいです。

    ※トリカブトとの見分け方については、上の「モミジガサ(シドケ)」の項目を参照ください

    イタドリ

    イタドリ

    呼び名イタドリ、スカンポ、サシガラ、タジイ、ドングイ
    分類タデ科ソバカズラ属
    収穫時期4月~6月
    採れる地域北海道の一部を除いた日本全国
    生えている場所日当たりのよい道端、空き地、土手など
    おすすめの食べ方炒め物、漬物、みそ汁の具、生食も可能
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    イタドリは、山菜というよりも食べられる野草というイメージが近いかもしれません。

    繁殖力が旺盛で、コンクリートやアスファルトを突き破るほど成長力も強く、在来生物を駆逐するほどの勢いで繁殖するため、世界の侵略的外来種ワースト100のひとつでもあります。

    アスパラのように地面から伸びた若芽を食べますが、リンゴ酸クエン酸酒石酸などの様々な有機酸を含むため、生でかじるとみずみずしい爽やかな酸味が味わえます。ただし、シュウ酸を含んでいるので食べ過ぎには注意です。

    イタドリは、特に高知県でよく食べられている山菜です。

    ノビル

    ノビル

    呼び名ノビル、ヒルナ、ネンビル
    分類ユリ科ネギ属
    収穫時期葉(4~5月)、鱗茎(1年中)
    採れる地域日本全国
    生えている場所日当たりのよい草地、あぜ、土手
    おすすめの食べ方素焼き、炒め物、天ぷら、酢漬け、お浸し
    似ている植物(※赤は有毒)アサツキ、スイセン、タマスダレ

    ノビルはニラやネギの仲間で、地下に鱗茎と呼ばれる球根を持つ山菜です。

    土手や畦道、河原など人間の生活圏に生えていることが多く、山の中に単独で繁殖することはないとされています。

    生食が可能なので、水洗いをして味噌をつけて食べても良いですが、辛みがあるのでさっと茹でて調理に使うと辛みは抑えられるでしょう。

    また、ノビルの採取の際に注意したいのが「スイセン」「タマスダレ」などの毒草との誤食です。いずれの毒草も過去に死亡例があるので、間違えないように注意しましょう。

    セリ

    セリ

    呼び名セリ、シロネグサ
    分類セリ科セリ属
    収穫時期1月~4月
    採れる地域日本全国
    生えている場所水湿地、田んぼの畔、川辺
    おすすめの食べ方和え物、鍋、炒め物
    似ている植物(※赤は有毒)ドクゼリ、キツネノボタン

    セリは、春の七草のひとつに数えられる山菜で、独特の香りが特徴です。

    沢山の新芽が競い合って生える様子から「競(せ)り」という名前が付いたとされています。

    1月に七草がゆとして食べられることから、1月になると栽培物がスーパーに並びますが、自生しているセリの旬は1~4月と言われています。

    4~5月になるとヒルが出てきて産卵をする時期であることと、セリと間違いやすいドクゼリが出始める時期になることから、晩春のセリの採取は控えた方が良いと言われています。

    三大有毒植物のひとつであるドクゼリとの見分け方は、セリ特有の香りがしないことと、葉柄の形状が違う(ドクゼリは葉柄が長い)のが特徴ですが、並べて比較してみないと初心者には見分けがつきにくいかもしれません

    また、同じエリアに生えやすいキツネノボタンも有毒植物として注意が必要です。

    カンゾウ(萱草)

    カンゾウ

    呼び名カンゾウ、ヤブカンゾウ、ノカンゾウ、ワスレソウ、アマナ
    分類ユリ科ワスレグサ属
    収穫時期3月~5月
    採れる地域日本全国
    生えている場所日当たりが良く湿った場所、あぜ道、河原、土手
    おすすめの食べ方酢の物、和え物、煮物、天ぷら
    似ている植物(※赤は有毒)キツネノカミソリ、スイセン

    カンゾウは、ふきのとうと並んでいち早く春の訪れを知らせてくれる山菜です。

    カンゾウには漢方に使われるマメ科の「甘草」がありますが、このユリ科のカンゾウは「萱草」と書き、全くの別物です。

    属名のワスレグサは、花のつぼみが「心配事をすべて忘れてしまうほど美味しい」ことからきているといわれており、花蕾の軽いヌメリと甘みがとても美味とされています。

    萌え出たばかりの若葉は、アクも少なくさっと塩水で茹でて冷水にさらすと、甘みが増して和え物やお浸しによく合います。

    萌え出たばかりの若芽はスイセンと酷似しており、花やつぼみの形と色がヒガンバナ科のキツネノカミソリによく似ていて、いずれも有毒植物ですので注意しましょう。

    シャク(ヤマニンジン)

    シャク

    呼び名シャク、ヤマニンジン、コジャク、ワイルドチャービル
    分類セリ科シャク属
    収穫時期3月~6月
    採れる地域北海道・本州・四国・九州
    生えている場所林の中の湿っている場所、川沿い
    おすすめの食べ方お浸し、天ぷら
    似ている植物(※赤は有毒)ドクニンジン、ムラサキケマン

    ヤマニンジンは、その名の通りニンジンによく似た葉をつける山菜です。

    セリ科特有の香りがあり、塩ゆでしてしっかりアクを抜くことで食べやすくなります。

    シャクによく似た毒草に「ドクニンジン」があり、誤食による食中毒の事例が度々報告されています。

    ドクニンジンにはセリ科特有の香りは無く、どちらかというと「かび臭い」ので違いが分かります。また、ドクニンジンには赤紫色の斑点があるので、葉をよく見て間違えないようにしましょう。

    ハリギリ

    ハリギリ

    呼び名ハリギリ、センノキ、ミヤコダラ、オニダラ、ジュウニサマ
    分類ウコギ科ハリギリ属
    収穫時期4月~6月
    採れる地域日本全国
    生えている場所全国の山地
    おすすめの食べ方天ぷら、酢味噌和え
    似ている植物(※赤は有毒)タラノキ、ヤマウルシ

    ハリギリは、タラノキによく似ていますが、全体に鋭いトゲがあるので見分けがつきます。

    タラの芽と区別して食べない地域もありますが、ハリギリの若芽もタラの芽と遜色ないほど美味しく食べることができます。

    別名でアクダラとあるように、強いアクがあるので木灰や塩を入れた熱湯で茹でてアクを抜く必要があります。

    アサツキ

    アサツキ

    呼び名アサツキ、イトネギ、ヒルコ、センブキ、ウシビロ
    分類ヒガンバナ科ネギ属
    収穫時期12月~3月
    採れる地域北海道・本州・四国
    生えている場所山間部の道端や川のそば、海辺や砂浜にも生える
    おすすめの食べ方和え物、薬味、生食
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    アサツキは、食用とされるネギ類の中で最も細い葉を持つ山菜です。

    栽培物のアサツキは1年中食べることができますが、自生するものは5~6月に赤紫色の花を咲かせ、その後は地上部の葉が枯れるので収穫できるのが早くても12月頃になる。

    ラッキョウ型の鱗茎があり、葉と共にすべて食べられるのが特徴です。

    つくし(土筆)

    つくし

    呼び名つくし、スギナ、ズイナ、つくしんぼ
    分類トクサ科トクサ属
    収穫時期3月~6月
    採れる地域北海道・本州・四国・九州
    生えている場所畑、土手、河原、道端、空き地
    おすすめの食べ方佃煮、天ぷら、和え物、炒め物、山菜ごはん
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    つくしは、誰でも知っている馴染み深い植物ですが、実はスギナという植物の胞子茎であることはあまり知られていません。

    スギナは地中深くに根をはり、別名「地獄草」と呼ばれるほど駆除が難しい強害雑草として農家からは嫌われている植物でもあります。

    つくしは春の山菜としても親しまれていて、はかまと頭を取り除いて茎だけを食材として利用します。

    ただし、アルカロイド無機ケイ素と共に、ビタミンB1欠乏症を引き起こすチアミナーゼを含むため、過剰摂取は推奨されていません。

    スギナ(つくし)については、下記の記事もあわせてご覧ください。

    ツワブキ

    ツワブキ

    呼び名ツワブキ、イシブキ、ヤマブキ、オカバス
    分類キク科ツワブキ属
    収穫時期3月~6月
    採れる地域本州(福島県・石川県以西)~沖縄
    生えている場所日当たりのよい海岸の崖地、岩場、海辺
    おすすめの食べ方佃煮、煮物、漬物
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    ツワブキは、山ではなく海のそばに生える植物で岩の多い場所を好む性質があるため、別名イシブキなどとも呼ばれます。

    葉や茎の部分だけでなく、花やつぼみも食用となります。

    アクがとても強いので、素手でつかむと手が真っ黒になるので必ず軍手を用意するようにしましょう。

    このアクには有毒なピロリジジンアルカロイドを含むため、木灰や重曹を用いてしっかりと灰汁抜きをする必要があります。

    トリアシショウマ(鳥足升麻)

    トリアシショウマ

    呼び名トリアシショウマ、アワボ、ヤマナ、
    分類ユキノシタ科チダケサシ属
    収穫時期4月~6月
    採れる地域本州(中部以北)~北海道
    生えている場所山地の湿った場所、斜面、道沿い
    おすすめの食べ方天ぷら、炒め物、和え物、お浸し
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    トリアシショウマは、若芽の形が鳥の足のように見え、葉が麻の葉のように伸びることから名づけられました。

    先端が3つに分かれ、全体にびっしりと毛が生えているのが特徴で、熱湯で茹でるとこの毛は気にならなくなります。

    サッパリとしてクセのない味は、お浸しや和え物によく合いますし、シャキシャキした歯ごたえは炒め物にしてもとても美味しいです。

    根曲り竹(千島笹)

    根曲り竹

    呼び名ネマガリタケ、姫竹、クマザサ、コウライザサ、アサヒザサ
    分類イネ科ササ属
    収穫時期5月~6月
    採れる地域北海道~関東北部
    生えている場所日本海側の山地、ブナ林の林床
    おすすめの食べ方たけのこご飯、炒め物、煮物、刺身
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    東北や北海道でタケノコと言えば、この「ネマガリタケ」を指すことが多いです。

    アクが少なく、新鮮なものは刺身でも食べれるほどで毎年5~6月になると、ネマガリタケを採りに山に入る人が一気に増えるほど人気の山菜です。

    このネマガリタケは熊も大好物のため、この時期になると山菜採りに山に入った人がクマの犠牲になったり、背丈が1~3mにもなる笹の中を突き進んで遭難してしまうというニュースを毎年目にします。

    美味しさもさることながら、貴重なネマガリタケは高値で買い取って貰えるとあって、熊の出没がニュースになっても山に入ってしまう人が後を絶ちません。

    ネマガリタケを採取しに行く場合は、必ずそのエリアの熊の出没状況を調べ、熊対策を万全にして自己責任で山菜採りをするようにしましょう。

    木の芽(アケビの新芽)

    木の芽

    呼び名木の芽、このめ、きのめ
    分類アケビ科アケビ属
    収穫時期4月~5月
    採れる地域北海道・本州・四国・九州
    生えている場所山野に自生
    おすすめの食べ方和え物、炒め物、汁物
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    東北地方で「木の芽」というと「アケビの新芽」を指すことが多く、アケビの果実以上に珍重されています。

    塩を入れた熱湯でさっと湯がくだけで、甘味が増してとても美味しくいただけます。

    アケビは新芽以外にも果実や果皮、蔓など全てにおいて利用価値の高い植物なので、1年を通して見かける植物でもあります。

    ズイキ(芋茎)

    ずいき

    呼び名ズイキ、芋苗、芋茎
    分類サトイモ科サトイモ属
    収穫時期6月~9月
    採れる地域主に栽培
    生えている場所
    おすすめの食べ方煮物、酢味噌和えなど
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    ズイキは、主にサトイモなどの芽が伸びた後の茎の部分を言います。

    山野に自生していることはほとんどなく、スーパーなどで見かける多くが栽培ものでしょう。

    ズイキはアクが強いために、調理前にしっかりとアク抜きをする必要があります。

    ミョウガタケ(ミョウガ)

    ミョウガタケ

    呼び名 ミョウガタケ、茗荷竹
    分類ショウガ科ショウガ属
    収穫時期4月~5月
    採れる地域日本全国
    生えている場所山間部の日陰になった林床
    おすすめの食べ方薬味、サラダ、生食
    似ている植物(※赤は有毒)ネマガリタケ

    ミョウガタケは、晩夏~秋になると食べられるミョウガの若芽の事を言い、春になると地面から顔を出す山菜です。ミョウガが「花ミョウガ」と呼ばれるのに対し、ミョウガタケは「葉ミョウガ」とも呼ばれます。

    栽培されているものは、「偽茎(地上に顔を出すタケノコのようなもの)」が成長しすぎないように、長期間にわたって偽茎の上に土を盛って柔らかく育てたものを収穫するのでとても手間がかかります。

    一方で天然物のミョウガタケは、生長しすぎると堅くて食べられないので、柔らかい若芽であるほんのわずかな期間しか収穫できない貴重な山菜となります。

    クレソン(オランダガラシ)

    クレソン

    呼び名クレソン、オランダガラシ、ミズガラシ、バンカゼリ
    分類アブラナ科オランダガラシ属
    収穫時期豪雪地帯以外なら年中収穫可能(5~6月は注意)
    採れる地域日本全国
    生えている場所小川、沼、池など
    おすすめの食べ方サラダ、天ぷら、和え物、炒め物
    似ている植物(※赤は有毒)特になし

    スーパーなどでもよく見かけるクレソンは、実は「オランダガラシ」という名で呼ばれる山菜です。

    日当たりが良く、水流があり水深の浅い場所であれば、多少水が汚くても育ちます。

    繁殖力が旺盛で、茎の一部が水に浸かっていればすぐに根が伸び増殖します。そのため、在来生物を駆逐する可能性があり、日本では外来生物法要注意外来生物のひとつとされています。

    生で食べるとアブラナ科の植物特有のピリッとした辛みが広がり、肉料理やサラダによく合います。

    自生しているものを採取する場合は、晩春から初夏の開花時には昆虫の卵やヒルがついていることがあるので採取しない方が良いと言われています。

    まとめ

    今回ご紹介した山菜はこれでもごく一部で、特定の地域のみで食べられている山菜や、まだあまり知られていない山菜もまだたくさんあります。

    是非この機会に色々な山菜を知って、旬のシーズンに山菜採りに行ってみてください!

    また、山菜採りに行く前に知っておいた方が良い「毒草」「かぶれる植物」「必要な持ち物」などを下記にまとめていますので、是非あわせてご覧ください。

    山菜に関するおすすめの本