【山菜】うるい(オオバギボウシ)|時期・食べ方・バイケイソウとの見分け方

春から初夏にかけて楽しめる山菜のひとつに「うるい」があります。

アクが全くなく、サラダなどでも楽しめるうえ、比較的簡単に見つけることができるので、山菜採りシーズンにはウルイを目的に山に入る人も多くなります。

一方で、毒草「バイケイソウ」をウルイと間違えて採ってしまい、食中毒を起こすケースがみられるので、しっかりとした予備知識が必要になってきます。

美味しい旬のウルイを採取するために必要な知識を備えて山に入れるように、この記事ではウルイの特徴や生えている場所、おすすめの食べ方などと共に、誤食の多いバイケイソウ類との見分け方のポイントについて解説します。

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ウルイ(オオバギボウシ)の特徴

ウルイ
  1. 和名:ウルイ(オオバギボウシ) 別名:トウギボウシ、アマナ、ギンボ
  2. 学名:Hosta sieboldiana
  3. 英名:Plantain lily
  4. 階級:リュウゼツラン亜科ギボウシ属
  5. 分類:多年草
  6. 分布:北海道・本州・四国・九州
  7. 花期:6~8月
  8. 形態:成長すると1mほどにもなる。
  9. 特徴①:有毒のバイケイソウ・コバイケイソウとの誤食が多発しているので注意が必要
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オオバギボウシ(ウルイ)の名前の由来

擬宝珠

オオバギボウシは、つぼみが橋の欄干に付けられている「擬宝珠」に似ていて、葉が大きいことから「オオバギボウシ」と名付けられたとされています。

オオバギボウシの若芽を指す「ウルイ」という名は、葉の色がウリ類の葉の色に似ていることから、瓜菜(うりな)が変化してウルイとなったという説と、「潤(うるおい)」の意味で、湿地に生え、葉柄に水分が多いために名付けられたという説があります。

オオバギボウシ(ウルイ)の花言葉

冷静・静寂・静かな人

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オオバギボウシ(ウルイ)の旬の時期

うるい

ウルイの旬の時期は4~5月頃。葉が開かずに丸まっている若芽の時期が旬です。

葉柄はある程度成長しても食べられますが、葉は若芽でも苦いので、葉が丸まっている時期のもの以外では、葉は取り除いて茎の部分のみを食べることが多いです。

オオバギボウシ(ウルイ)が生えている場所と採り方

湿った土

オオバギボウシは、全国の平地から高地まで様々な湿った場所に生えています。

具体的にいは、日当たりのよい草地や泥沿い、湿地に群生していることが多く、特に沢沿いの傾斜に生えていることが多いため、採取時には滑らないように足元はスパイクシューズなどで行くと安心です。

ウルイを採取する場合は、根元をナイフで刈り取ります。

前述した通り、ある程度葉が開いてしまっているものは葉をとってしまい、茎の部分だけを採取すると良いでしょう。

ウルイの食べ方と下処理の方法

ウルイ

ウルイの特徴は、「アクがほとんどない」ことと「独特のヌメリ」です。

そして保存のききにくい山菜にしては珍しく、茹で干しすることで「やまかんぴょう」と呼ばれる保存食にできるという点で昔から重宝されてきた山菜です。

おすすめの食べ方は、サラダ、浅漬け、鍋、炒め物などです。

ウルイの下処理・下ごしらえの方法

ウルイの若芽の付け根にある「はかま」と呼ばれる部分は堅いので取り除きます。

大きく葉が開いている場合は、葉の部分は取り除き、葉柄の薄皮を剥いて茹でると調理可能な状態になります。

若芽の状態であれば、生で天ぷらやみそ汁の具にすることもできます。

ウルイを使ったやまかんぴょうの作り方

  1. 葉を取り除いて葉柄だけにします
  2. 大きく育ちすぎたウルイは葉に近い部分ほど固くなるので、大きさによっては切り落とす
  3. 緑色が濃いほど苦みも強いので、しっかりと色が抜けるまで茹でる(10分程)
  4. 煮沸段階で色があまり抜けなくても、天日にさらすことでさらに色が抜ける
  5. 天日で1週間ほど、カラカラになるまで干せば完成!

出来上がったやまかんぴょうは、一晩水にさらすことで使用可能な状態になるぞい!
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ウルイと間違いやすい毒草「バイケイソウ」と「コバイケイソウ」の見分け方

コバイケイソウ バイケイソウ

山菜採りで「うるい」を採る場合、気をつけたいのが有毒植物「バイケイソウ」と「コバイケイソウ」をうるいだと勘違いして採ってしまう事です。


上の二枚の写真は、どっちがウルイかわかるかの?

えーっと、左?

残念!これはどっちも有毒植物で、左が「コバイケイソウ」、右が「バイケイソウ」じゃ!
ウルイ

本当のウルイは、上の画像なのですが正直若芽の時は本当に似ているので、並べて見比べでもしない限りとても良く似ているので見分けがつかないほどです。

こちらの「食べると危険な毒草一覧|身近な猛毒・有毒植物図鑑【全26種】」の記事でもバイケイソウとコバイケイソウの危険性に触れていますが、これらの有毒植物は誤って食べると最悪死に至る危険性のある植物で、厚生労働省でも誤食の多い植物として注意喚起がされています。

>>>自然毒のリスクプロファイル – バイケイソウ類:厚生労働省

私の住む宮城県でも良く採れるウルイについて、宮城県のHPでバイケイソウとの見分け方について分かりやすい解説があったので、画像を引用しながらまとめたいと思います。

ウルイとバイケイソウの見分け方のポイント①:葉と茎の付き方

-ウルイとバイケイソウの見分け方(宮城県HP引用

画像引用:宮城県HP

バイケイソウ類とウルイの違いの一つ目は、「長い柄があるかどうか」という点です。

ある程度大きく育ったウルイの場合は、葉の大きさに対して十分な長さの柄がありますが、バイケイソウは葉が大きく育ってもウルイのような長い柄は無く、中央の柄を囲い込むように周囲に葉が生えるので、外から柄を見ることができません。

ウルイとバイケイソウの見分け方のポイント②:葉脈

ウルイとバイケイソウの見分け方(宮城県HP引用2

画像引用:宮城県HP

見分け方のポイントの2つ目は、「葉脈の形」です。

ウルイは、中央に太い葉脈があり、そこから左右にカーブを描いて葉脈が走っているのに対し、バイケイソウは中央に太い葉脈が無く、葉の付け根から平行に葉脈が走っているという点です。

ウルイとバイケイソウの鑑別に迷ったら採らない

前述の2つの見分け方は、ある程度成長して葉が大きくなったからこそ分かる見分け方ですので、地面から顔を出したばかりの若芽の場合はこの鑑別方法が使えないこともあります。

葉ごと食べるのであれば、まだ葉が開ききっていない若芽の頃が美味しいのですが、その時はよりバイケイソウとの鑑別が難しいので、自信が無い時は採らないという選択肢も大切になってきます。

まとめ

春から初夏にかけて楽しめる山菜「うるい」の特徴と有毒植物との見分け方などについて解説いたしました。

アクがほとんどなく、どんな調理にもよく合う美味しい山菜ですが、有毒植物との見極めが難しいので、しっかりとした予備知識が無いまま採取に向かうのは危険です。

バイケイソウとコバイケイソウの存在を頭に入れつつ、ウルイだと思ってもすぐに採らずに見極め、100%の自信がない場合は採らずに帰るというのも大切になります。

是非何度でもこのページの画像を見返して、見分け方を忘れてしまわないようにしましょう!

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