あけび(木通/通草)|種類の違い・実&皮の食べ方・旬の季節・花言葉など

アケビ

秋の味覚のひとつである「あけび」は、東北地方では比較的よく食べられる山の恵みです。

我が家の敷地内にも自生していて、旬の時期になると大きな実が食べてくれと言わんばかりに皮を割ってアピールしてきます。

自宅で好きなだけ採れるのでお店で購入したことはありませんが、栽培しているところも少なく、皮が割れた後はあまり日持ちしないため希少価値が高い果実とも言われていますね。

アケビという名前は聞いたことがあるけど「食べた事が無い」「どんな味かわからない」「調理法を知りたい」「そもそもどんな風に木になってるの?」という方も少なくないので、本記事ではアケビに関する基本情報について解説したいと思います。


意外とアケビを食べたことが無い人って多いのかなぁ?

ワシも実はここ宮城県に移住してくるまで食べたことが無かったんじゃよ!今じゃ当たり前のようにあちこちに生えてるがのう

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あけびとはどんな植物?

あけび
  1. 和名:あけび
  2. 学名:Akebia quinata
  3. 英名:Akebia、chocolate vine
  4. 階級:アケビ科アケビ属
  5. 分類:つる性落葉低木
  6. 分布:日本全国
  7. 花期:3~4月
  8. 形態:ツルで伸びてフェンスや他の木々に巻き付く
  9. 特徴:暑さにも寒さにも強い、果実、皮、新芽は食用になる

画像は我が家の裏山に自生していたアケビ(2018年秋撮影)です。

アケビは、特に東北地方の人間にとっては生活の中でのかかわりの深い植物で、果実は甘くおやつになり、果皮はあく抜きをして炒めればおかずに、春の新芽は山菜として食べることができ、種からは油が採取でき、茎は生薬として使われ、蔓(つる)はかごを編む素材となります。


全く無駄がないんだね!

それぞれの部位に利用価値があって、昔から人々の暮らしに密接にかかわってきた植物なんじゃよ
あけび

家の敷地内に散在するアケビは、他の木々にからみ付いてかなり高い所に果実がなっているものもありました。

栽培物でない場合は、大体が我が家のように他物に巻き付いてしまっているのを目にすることがほとんどだと思います。

あけびの漢字「木通」とは漢方では「もくつう」と読む

あけびを漢字で書くと「木通」と書きますが、アケビのつるの部分を切って乾燥させたものを漢方として使う場合は「もくつう」と読むのが一般的です。

蔓を切った時に穴が空いていて、片方から息を吹きかけると空気が通ることから「木通」、または「通草(つうそう)」と呼ぶことがあります。

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あけびの花言葉は?

アケビの花
※画像:wikipedia

才能・唯一の恋

あけびの旬の時期・季節は?

あけび

アケビの旬は「秋(9~10月)」です。

全国の山に自生しているので地域の気候によって旬の時期に差はありますが、栽培物は約9割を山形県産なので、スーパーに出回る時期を考えるのであれば「山形県産のアケビが収穫される時期」である9~10月ごろが旬と言っていいでしょう。

因みに我が家の周囲(宮城県北部)では、8月頃から皮が割れたアケビを見ることができます。

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あけびの種類

ゴヨウアケビ
※画像:ゴヨウアケビ(wikipedia)

アケビにはいくつかの種類があり、日本で見ることができるのは下記の3種類です。

・アケビ
・ミツバアケビ(三葉アケビ)
・ゴヨウアケビ(五葉アケビ)

アケビは果実の色が「紫色」ですが、ミツバアケビは「黄土色」です。その両者の交雑種がゴヨウアケビと言われています。


我が家に生えてるのは黄土色で葉が3枚だから「ミツバアケビ」だね!

ゴヨウアケビが最も甘いと言われているぞい!

あけびにそっくりな「ムベ(トキワアケビ)」

ムベ
※画像:wikimedia commons

あけびによく似た果実として「ムベ」という植物があります。

アケビ科ムベ属の植物で、別名をトキワアケビとも呼ぶこの果実は、関東よりも西側に自生していて、滋賀県近江八幡市では古くから皇室に献上されてきた「不老長寿の実」として知られています。

ムベとアケビの大きな違いは、アケビに比べて果実が小さく、ムベは完熟しても果皮が割れることがないという点です。

時の天智天皇が元気な老夫婦にあった時に「なぜそんなに元気なのか」と尋ねたところ、老夫婦がこの果実を食べているからですと言って献上し、それを食べた天皇が「むべなるかな(もっともだな)」といったことから「ムベ」と呼ばれるようになったそうです。(出典:産経WEST)


今でもムベの生産農家さんはあるみたいだね!

味はアケビに似ているそうじゃが、一度食べてみたいのう

あけびの食べ方と部位ごとの味の違い

アケビの果実の食べ方

アケビの実

アケビの果実は、果皮が割れたら完熟しているサインなので、その割れているところから皮を割くと白い実が見えてきます。

このねっとりとしたゼリー状の果実の中には、大量の種が入っているので果実にかぶり付きながら、スイカの種を吐き出すようにして食べます。(勿論スプーンなど使ってもOK!)

写真の上の方にうっすら映ってる緑の長靴は息子ですが、アケビは彼の大好物なのでそのままがぶりと食べ、器用に種を吐き出します。

種が多いので見た目よりも果実の可食部位が少なく食べにくいのが難点ですが、なんとも言えない甘い味が広がり美味です。

アケビの果皮の食べ方

実は果実以上に食材としての人気があるのが「果皮(果肉)」です。

果皮はあく抜きをする必要があるのですが、ほんのりとした苦みを活かして天ぷら炒め物など加熱する料理によく使われます。

あく抜きをする場合は、薄く切った後に2~3時間ほど水にさらしておけば苦みも収まり食べやすくなります。


なんかゴーヤを食べてるような苦みで癖になるね!

山形県ではよく皮を使った料理が食べられてるんじゃよ

アケビの新芽(木の芽)の食べ方

木の芽

中越地方や東北の一部地域では、アケビの新芽を「木の芽」と呼び、春の山菜として食べられています。

他の地域で木の芽といえば山椒の芽を指すことが多いのですが、私たち雪国の人間にとってはアケビの新芽が一般的です。

アケビの木の芽の旬の時期は4月下旬~5月下旬ころで、ゴヨウアケビの新芽が苦みが少なくておいしいです。

アクがあるのでさっと湯がいてしまえば、酢味噌で和えたりお浸しにして食べるとこれまた美味ですよ!

あけびの蔓を使った「かご」も工芸品として人気

あけびの蔓はとても丈夫で、東北地方では工芸品の材料としてよく使われています。

中でも「あけびのかご」は、使えば使うほどに手の油がかごに馴染んでつやが出て、なんとも言えない風合いを醸し出すようになります。

季節によっては東北地方ではあけびの蔓を使ったかご作りのワークショップなども開催されていることが多いので、是非興味がある人は探してみてください。

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まとめ

秋の自然の味覚のひとつであるアケビですが、春に芽吹く新芽も美味しい山菜として食べられていますし、木質化した蔓も工芸品に使われるので一年を通して人の暮らしにかかわっている植物であることが分かっていただけたと思います。

アケビ自体は全国の里山に自生しているので、ハイキングやキャンプなどで自然のある所に行くときは、アケビがなっていないか周囲を見渡してみると良いかもしれません。