鳥足升麻(トリアシショウマ)はあまり一般的な知名度は高くありませんが、若芽はとても美味で人気のある食べられる山菜です。
食用になる若芽の頃は産毛の様な細かい毛がびっしりと生えていることもあって、知らない人にとっては食用であることにすら気付かなそうなものですが、その風貌から他の植物と見分けるのがさほど難しくありません。
本記事では、トリアシショウマの特徴と、旬の時期、おすすめの食べ方などについて解説いたします。
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トリアシショウマ(鳥足升麻)とはどんな山菜?
- 和名:トリアシショウマ(鳥足升麻) 別名:トリアシ、ヤマナ、サンボンアシ
- 学名:Astilbe odontophylla
- 階級:ユキノシタ科チダケサシ属
- 分類:多年草
- 分布:本州の中部以北(特に日本海側)
- 収穫時期:4~5月
- 形態:赤みがかった毛深い茎の先が3つに分かれていて鳥の足に似ている
トリアシショウマは日本固有の植物で、その見た目が毛深い鳥の足のような形で、天に向かってシュっと伸びている姿からトリアシショウマと呼ばれています。
※画像:wikipedia
上の画像はトリアシショウマの葉ですが、葉の縁が不規則なギザギザで側脈が不揃いに縁まで到達しています。
よく似ている植物にヤマブキショウマ(別科)があるのですが、葉脈を見れば違いが分かりやすいので後述します。
トリアシショウマ(鳥足升麻)の旬の時期
トリアシショウマは春の山菜で、4~5月が旬の時期です。
葉が開ききってしまっていると食べ頃を過ぎてしまっているので、まだ葉の開いていない若芽を採るようにしましょう。
花期は7~8月で、甘い香りのする白い花を咲かせます。
若芽の頃と比べると似ても似つかない姿ですが、若芽の頃だけじゃなく花も楽しめるのもトリアシショウマの良い所です。
トリアシショウマ(鳥足升麻)がよく生えている場所
・林道や道路脇、斜面
・伐採後のひらけた場所
・水気のある所
トリアシショウマは見た目が特異で目立つので比較的容易に見つけることができます。
よく生えているのは日当たりが良く水分の多い場所で、高い木が切り開かれた伐採跡地や道路脇などでよく見かけます。
地域としては、本州の中部以北の日本海側に自生していることが多いとされています。
ショウマ(升麻)と名前の付く似た植物
サラシナショウマ
※画像:wikipedia
サラシナショウマ(更科升麻/晒菜升麻)は、別名「ヤマショウマ」や「イッポンショウマ」と呼ばれるキンポウゲ科の多年草の植物です。
ユキノシタ科のトリアシショウマとはよく似ていますが別科の植物で、日本全国に自生しています。
根は「升麻(ショウマ)」と呼ばれる生薬になり、漢方として解熱・抗炎症作用を持ちます。
サラシナショウマの葉には悪臭があり、花の形も大きく一本にまとまっているところもトリアシショウマとは違う点ですね。
ヤマブキショウマ
※画像:wikipedia
トリアシショウマとよく似ていて間違われることが多いのが「ヤマブキショウマ(山吹升麻)」です。(画像はミヤマヤマブキショウマ)
ヤマブキショウマはバラ科の多年草で、自生地はトリアシショウマと同じような場所にあるので一緒に採取されることが多い山菜。トリアシショウマ同様に若芽を食べることができます。
若芽はトリアシショウマに比べて緑色で毛がないので見分けやすいでしょう。
※画像:wikipedia
ヤマブキショウマの葉をよく見てみると、前述のトリアシショウマの葉に比べて側脈が均一に平行に並んで葉の縁に到達しているのが分かります。
トリアシショウマのおすすめの食べ方
若芽は美味とされるトリアシショウマですが、おすすめの食べ方は
・和え物
・バター炒め
・お浸し
・煮物
などです。
アクが少なく下ごしらえをしっかりせずとも食べられるのと、さっぱりとしたクセの少ない味は様々な料理に使いやすいのも魅力です。
まとめ
美味であるのに意外と知られていない山菜「トリアシショウマ(鳥足升麻)」についてご紹介しました。
同じ「ショウマ」と名がつく植物には、ユキノシタ科のトリアシショウマ以外に、バラ科やキンポウゲ科の植物も多く、成長した姿は見た目もとても似ているので見分けがつきにくいです。
一般的に食用とされているのは、トリアシショウマとヤマブキショウマなので、特徴をよく理解して見分けられるようにしましょう。