葉が肉厚で爽やかな香りをさせる多肉植物系ハーブ「アロマティカス」は、見た目も可愛く育てやすいのでとても人気があります。
我が家のアロマティカスは2013年に購入してから育てていますが、どんどん増えて友人にもらわれたり、育て方を間違えて全滅しかけたりしながら現在も元気に育っています。
そんな私の5年以上にわたるアロマティカス生育経験から、アロマティカスの育て方や特長、活用方法などについてご紹介します。
Contents
アロマティカスとはどんな植物?
- 和名:アロマティカス
- 英名:Aromaticus
- 学名:Plectranthus amboinicus
- 階級:シソ科プレクトランサス属
- 分類:多年草
- 原産地:インド、南アフリカ
- 形態:草丈20~30cmで時間が経つと木質化しやすい
- 特徴:寒さと過湿に弱い、食べることができる
アロマティカスは「多肉植物」と「ハーブ」の中間のような植物で、基本を押さえておけば育てることも増やすことも簡単な「初心者向け」の植物です。
料理やハーブティーなどにも使えるので、ただ観賞用として育てるのではなく様々な活用方法があるのが育てていて楽しい所でもあります。
肉厚でコロンとした葉っぱも可愛く、インテリア性も高いので寄せ植え等をして可愛く飾るのでも良いでしょう。
アロマティカスの花言葉
アロマティカスの持つ爽やかなミントの香りは、海外ではアロマテラピーやハーブティー、皮膚の炎症止めなどに使われることなどから「沈静」という花言葉が付いているそうです。
アロマティカスの効能と食べる以外の使い方
※自作虫よけスプレー
アロマティカスは食用にできるのでサラダなどにも使えることが良く知られていますが、私は青臭さとちょっとした苦みがあまり好きではないので、ハーブティーや虫よけスプレーなどに使っています。
海外では火傷など皮膚炎の炎症止めに効果があると言われていますが、健康に関する効能よりも芳香を活かした使い方が一般的。
ミントの匂いを嫌がる害虫も多いので、我が家ではアルコールとアロマティカスの葉で虫よけスプレーを作っています。
効果は気休め程度かもしれませんが、増えすぎるアロマティカスの活用法としてはとてもシンプルで使い勝手がいいのでおすすめですよ。
アロマティカスの育て方
アロマティカスは育てやすいのですが、私は何度も枯らしかけたことがあり、上手に育てるにはいくつか押さえるべきポイントがあります。
①十分な日光を与える必要があるが、必ずしも外ではなく日当たりのいい室内の窓際でOK
②周辺温度はできれば10℃以上、最低でも5℃を下回らないように注意する
③水はあげ過ぎると根腐れの原因になるので乾燥気味に育てる
④日照不足&肥料のあげ過ぎは徒長の原因になるので注意する
⑤密集して育ちすぎると内部が蒸れて枯れやすくなるので、間引いて風通しを良くする
これまで様々な観葉植物を育ててきて、当サイトでも植物を枯れさせないポイントをご紹介してきましたが、植物を枯らしてしまう理由の最たるものが「過剰なお世話」や「人の気まぐれによる突然の環境変化」です。
過剰なお世話というのは例えば、水のあげ過ぎや肥料のあげ過ぎなど。
多肉植物に近いアロマティカスは自身に水分を多く蓄えることができるので乾燥気味の環境を好みます。
肥料をあげ過ぎると過栄養でひょろっとした株になってしまい、持ち前のミントの香りも薄まってしまいますので注意しましょう。
また、「今日は天気がいいから外に出してあげよう!」と普段と違う行動をとって、夜間のしまい忘れによる冷え込みで一晩で枯らしてしまう等も多い失敗例ですね。
植物好きな人ほど枯らしてしまうことが多い理由が「手のかけ過ぎ」と言われています。
植物にとって環境変化が一番のストレスになるので、鉢の置き場所ひとつで上手く育たないこともありますし、急な場所変更によって枯れてしまうこともあります。
その植物にあった環境を作ってあげることがうまく育てる一番の秘訣ですので、時には水や肥料をあげないように我慢するのも世話をしていることにつながることを覚えておきましょう!
アロマティカスを上手く育てるポイントをまとめます。
おすすめの緩効性肥料はこちらの記事でご紹介しています。
アロマティカスは地植えできるかは「冬の寒さ」次第!
これも私が失敗してしまった実体験なのですが、アロマティカスは地植えが可能な植物ではあるのですが寒さに弱いので、冬季に霜が降りるような地域ではまず地植えは不可能です。
ここ宮城県北部の栗原市で地植えをした結果、11月に霜が降りた日に一晩で全て枯れてしまいました。
アロマティカス自体に水分がとても多いので、外気によって植物内の水分が凍結するほどの寒さになると一気に真黒く変色してしまいます。
アロマティカスを寒い窓際に置いていて、葉が黒っぽく変色していたら寒さにやられている可能性が高いので鉢の置き場所を工夫した方が良いでしょう。
アロマティカスが枯れそうな時のチェックポイントと復活方法
アロマティカスを育てていて「何か様子がおかしい」と思った時に幾つかチェックすべきポイントがあります。
・水をあげ過ぎていないかどうか
・鉢が小さすぎて根詰まりを起こしていないかどうか
・肥料をあげ過ぎていないかどうか
・異変が起きる直前に急な環境変化をしていないかどうか
基本的にこのどれかが該当していると思いますので、心当たりがあるものから対策をしましょう。
葉が黒ずんでグニャグニャになっている場合
霜や冷気にあたってしまった可能性があるので、もし鉢の置き場所が窓際だったり、家の外に出している場合は室内の温かい場所に移動させましょう。
対策と復活方法ぐにゃぐにゃになってしまった場所は切り落としてしまい、もし生き残っている場所があれば残しておく、もしくは清浄な茎を水差しで増やせば程度によっては復活が可能です。
葉が黄色っぽく変色してきた場合
可能性はいくつかあり、直射日光に当てすぎて日焼けしてしまったか、単純に葉が古くなってしまったかのどちらかが最有力。
対策と復活方法古くなった下葉から黄色くなって落ちていくのは自然の事なので、特に直前の環境変化や直射日光に長時間あてたなどが無ければ放っておいて大丈夫でしょう。
葉が何かに食べられて穴が空いている場合
葉の表面に無数の小さな穴が空いている場合などは「ハダニ」などの害虫の可能性があります。
対策と復活方法通常ハダニが少数であれば葉の表面を拭きとることで解決しますが、アロマティカスは葉の数が多いのでハダニ用の薬剤を使うのが一番手っ取り早いです。
水と牛乳を1:1で割ったものをスプレーするのでも効果的ですし、おすすめは「粘着くん液剤」のようなデンプン由来の殺虫剤です。
ハダニの予防法としては、定期的に霧吹きなどで葉の表面を湿らせることが効果的なので、被害に遭う前に習慣づけておくと良いかもしれません。
アロマティカスの茎が木質化(木化)した場合
※我が家のアロマティカスの木質化した部分
アロマティカスは時間が経過し成長すると地面に近い部分から木質化していきます。
これを枯れてきたと勘違いしてしまう人もいるのですが、アロマティカスが成長する中では避けようもない現象です。
木質化するとアロマティカス本来の柔らかさが消え、樹木のように固い印象になってしまう他、香り成分も少なくなってしまうので木質化を嫌う人もいます。
その場合はまだ柔らかい部分を切り取って、挿し木などを行って再度育てるようにしてみると良いでしょう。
アロマティカスの増やし方【葉挿し・挿し木・水挿しのどれがいい?】
アロマティカスはとても生命力が強いので簡単に増やすことができます。
一般的に言われる観葉植物の増やし方には幾つか方法がありますが、アロマティカスについては下記の通りです。
アロマティカスの増やし方 | 可否 |
葉挿し | ✖ |
挿し木(芽) | △ |
水挿し | ◎ |
株分け | 〇 |
最も簡単な増やし方は、伸びた芽を3~5cm程度切り取って切断面を水に浸けておけば2~3日で根が出てきますので、根がある程度しっかり伸びたら土に差し込んであげればOKです。
ある程度の長さで切ってそのまま土に差し込んでもいいですが、最初は切断面が水に浸かっていた方が発根しやすいのと、発根具合が確認しやすいという理由から、私は最初に水挿しを行って発根させてから土に植えるという方法をとっています。
誤ってポッキリと折れてしまった茎を水に挿しても発根するくらいなので、正直あまり難しいことを気にしなくても大丈夫。
一方で、多肉植物っぽいという点から「葉挿し」でも増えると思われがちですが、アロマティカスは葉挿しでは増えないので注意が必要です。
必ず数センチ茎を残して発根できるように刈り取りましょう。
アロマティカスは水耕栽培できる?おすすめの土は?
アロマティカスは前述の通り感想を好む植物なのであまり水耕栽培には向きません。
水耕栽培ができると書いているサイトもいくつか見かけますが、ほとんどが水差しで発根させている写真を載せているだけで、安定して生育させるためには水耕栽培のみでは不十分です。
水耕栽培は土を使わないから衛生的だと考える方も少なくありませんが、初心者向けではないのでちゃんと育てたい場合は土に植える方が失敗は少なく済みます。
水挿しは長くても1~2週間程度にとどめて、発根が促されたら土に移すようにしましょう。
水耕栽培の難しさやデメリットについては「ハイドロカルチャーでの観葉植物の育て方」を紹介した記事で詳しくご紹介しています。
アロマティカス栽培に適した土は?
また、室内で土を使うことにたいして虫の発生などの心配があるかもしれませんが、アロマティカスの生育は市販の「サボテン用の土」や「多肉植物用の土」で問題ありません。
私が普段使っているのは虫が湧かない「ゴールデン培養土」という種類の土で、室内で使っても衛生的な土です。
室内で虫や異臭が発生しないようにするには土選びと肥料の使い方が重要です。
コバエが大発生してしまうので、決して有機肥料や有機肥料が含まれている土を選ばないでくださいね。
初心者がやりがちな土選びの失敗と対策について下記の関連記事でご紹介しているのでこちらもあわせてご覧ください。
アロマティカスはどこで買える?【通販サイト】
アロマティカスは花屋さんでも購入できますが、全ての花屋さんに売っているわけではないのでネットでの購入が確実です。
ここまでにご紹介したようにアロマティカスは簡単に増やすことができるので、お洒落な鉢と一緒に購入したい場合意外は、安価なものを選んで自分で増やすのが経済的でしょう。
まとめ
アロマティカスは育てやすく増やしやすいので慣れてくると置き場所に困るくらい増殖します。
簡単な中にもいくつかの注意点がありますので、そこをしっかり押さえれば枯らしてしまうことは少ないでしょう。
成長に伴って木質化したり葉が黄色くなって落ちてしまったりしますが、あまり心配し過ぎず、失敗してもいいように挿し木などにどんどん挑戦していくと良いと思います。