ナナカマド(七竈)ってどんな木?花言葉・毒の有無・開花や紅葉の時期

ナナカマド

街路樹や庭木としても人気のある「ナナカマド」は、秋には赤い実を沢山つけ、紅葉も美しいのが特徴です。

鮮やかな赤い実を小鳥がついばんでいるのを見ると「美味しいのかな?」と思う人もいるかもしれませんが、実を食べる前に是非この記事を最後までお読みいただければと思います。

今回は、ナナカマドについて詳しく解説したいと思います。


ウチの庭にもナナカマドがあるよ!ムー先生の実家のある北海道にも沢山あるよね!

うむ。ナナカマドは寒さにとても強いので、北海道や東北地方で見かけることが多いぞい!

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれています

ナナカマドの特徴

ナナカマド
  1. 和名:ナナカマド 別名:ヤマナンテン
  2. 英名:Japanese rowan
  3. 学名:Sorbus commixta
  4. 階級:バラ科ナナカマド属
  5. 分類:落葉高木
  6. 分布:北海道~九州
  7. 形態:高さは7~10mほど
  8. 果実熟期:9~10月
  9. 特徴①:果実にはソルビン酸という物質が含まれ、冬でも腐らない

食料保存料としても使われる「ソルビン酸」が含まれるため、冬の北海道でも上の画像のように葉は全て落ちてしまっても実は落ちずに残っていることが多く、雪とのコントラストがキレイな植物です。

スポンサーリンク

ナナカマドの名前の由来・語源

炭

ナナカマドは漢字で書くと「七竈」

その名前の由来は「木材が燃えにくく、7度かまどに入れても燃えない(炭にならない)」という特性から付いたと言われています。

しかし、現実にはナナカマドの木材が燃えにくいかと言えばそうでもなく、他に名前の由来となった説があると考えている学者もいるようです。

ナナカマドの花言葉

ナナカマドの花

慎重・安全・賢明・用心

ナナカマドの花言葉は、ナナカマドの名前の由来と言われている「木材が燃えにくい」という性質から、「慎重」や「用心」などの安全面に関するものが多くついています。


北海道などで街路樹にナナカマドが多く植えられているのも、この花言葉にあやかっていると言われておるんじゃよ
スポンサーリンク

ナナカマドの実は食べられる?毒性の有無は?

ナナカマドを食べるツグミ

ナナカマドの赤い実は、小鳥たちが良く食べていることから食用になると考える人も多いのですが、ナナカマドの実は渋くとても食べられたものではありません。

また、果実には毒性のある「シアン化合物」が含まれているため、大量に摂取することはお勧めできません。

ナナカマドの木が多く植えられている北海道では、ジャムなどに加工している業者もありますが、苦み成分や毒の成分があるので個人で食用として用いるのは難しいでしょう。


でも、毒の成分があるって言っても、小鳥たちは美味しそうに食べてるのはなんで?

実は、鳥たちはナナカマドの毒の成分や苦み成分が抜けるタイミングを見計らって食べているんじゃよ!
霜が降りたナナカマド

ナナカマドの実の毒素や苦み成分は、霜が当たることによって加水分解され、鳥たちにとっては食べ頃の実に変化していることがあります。

実際に冬の北海道でナナカマドの木を見てみると、鳥が美味しそうに食べている木とそうでない気があることに気が付きます。これは霜に当たって苦み成分が分解されている木とそうでない木があり、鳥たちはそれを見分けているようです。

ナナカマドの毒「シアン化合物」って何?

シアン化合物自体は少量でも人を死に至らしめる猛毒ですが、ナナカマド同様食品にも微量ながら含んでいるものがあります。

【シアン化合物を微量に含む食品】

リンゴの種・あんずの種・小豆・青梅(種子)・キャッサバの葉・ナナカマド

一定量を摂取して、中毒症状が出ると「めまい」「吐き気」等を引き起こし、大量に摂取すると死に至ることがあります。

よほど大量に摂取しなければ、食品中に含まれるシアン化合物の含有量では重篤な症状を引き起こす危険性は少ないですが、念のため注意するようにしましょう。

子供やイヌがナナカマドを食べてしまったら?

子供が食べる

庭木に飢えてあるナナカマドを子供さんやペットが誤って食べてしまった場合は、大量でない場合はさほど心配する必要はありませんが、もし体調に異変をきたしているようであれば病院に連れて行くようにしましょう。

もし意識がある場合は、吐き出させて胃洗浄を繰り返すことで症状が軽快することがありますが、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。

ナナカマドの開花・紅葉・実がなる時期

ナナカマドの紅葉

ナナカマドは、実だけではなく白い花や紅葉も美しいので街路樹としても人気の樹木です。

ナナカマドが多く見られる北海道での「開花・紅葉・果実が赤く色づく」時期は下記の通りです。

  1. 開花時期      :5月~7月
  2. 実が赤く色づく時期 :9月~11月
  3. 紅葉の時期     :10月下旬~11月初旬

特徴の項目でも触れましたが、ナナカマドの実には食物保存料にも使われる「ソルビン酸」という成分が含まれているので、冬になっても実は腐ることなく枝についています。

実も葉も真っ赤になる11月初旬も美しいですが、葉が全て落ち切った後の雪とナナカマドの実のコントラストもとてもきれいなので、北海道に行った際にはぜひ見ておきたい光景です。

まとめ

ナナカマドは、赤い実をつける植物としては比較的ポピュラーで、街路樹や庭木として植えられているのを見かける植物です。

「ヤマナンテン」という別名からわかる通り「南天」にも似ていますし、その他にも赤い実をつける植物で見分けがつきにくいものが数多くあります。

赤い実をつける植物については下記の関連記事でまとめていますので、もしお探しの植物が「ナナカマド」であるかどうかの鑑別を行いたい方には役立つかもしれません。