日本各地に自生していて庭木としても人気のある「ツルウメモドキ」は、庭木としてだけでなく、枝と実の美しさから盆栽やリース、生け花などに使われる事の多い植物です。
近年では種などから育てるケースも多く、土の状態や水やりの頻度など生育環境について知りたい人が増えてきました。
この記事では、ツルウメモドキの育て方や種や実生株の購入方法などについて詳しく解説していきます。
では、解説をしていくぞい!
Contents
ツルウメモドキの特徴
- 和名:ツルウメモドキ 別名:ツルモドキ(蔓擬)
- 英名:Oriental staff vine
- 学名:Celastrus orbiculatus
- 階級:ニシキギ科ツルウメモドキ属
- 分類:落葉性つる植物
- 分布:北海道~沖縄の日本全土
- 果実の鑑賞時期:10~12月
- 特徴:花は雌雄異株
ツルウメモドキは、耐寒性が強く北海道を含む日本全土で自生しています。
葉や若芽の形がウメに似ていることから、ツルウメモドキの名前が付けられています。
ツル性で成長が早く、枝や実の美しさから観賞価値が高いため、フラワーアレンジメントや庭木などで使われる事が多いのが特徴です。
枝から実が落ちにくいので、しなやかなツルを活かしてリースとして用いられることも多いのでツルウメモドキのリースを見たことがある方も多いかもしれませんね。
ツルウメモドキの花の開花時期
晩春(5~6月)
ツルウメモドキの開花時期は、春の終わりごろの5~6月です。
雌雄異株なので、赤い実を楽しみたい方は雌株を買うことを間違えないようにする必要があります。
庭木として果実を沢山つけたい場合は、雄株と雌株を近い場所に植えると実が付きやすくなります。
ツルウメモドキの花言葉
ツルウメモドキの花言葉は、ツルウメモドキの特性から来ているものが多いとされています。
黄色い実が裂けて、中から赤い綺麗な種子が顔を出すことから「開運」、春の終わりに花が咲いてから果実が見ごろになるまでに長い時間がかかることから「大器晩成」の花言葉があてられたと言われています。
ツルウメモドキの実は食べられる?
ツルウメモドキの果実は「食べられます」
果実の鑑賞時期は10月~12月ですが、この期間の果実は無味であまりおいしいとは言えませんが、冬季に入って雪が積もるような時期にまで落ちずに残っている果実は、完熟しているので甘みがあって美味しいとされています。
ツルウメモドキの種を購入して実生株を育てるには?
ツルウメモドキの種を発芽させる方法と播種適期は?
発芽のしやすさ
普通
播種適期
とりまき、3月頃
ツルウメモドキの種の購入方法
ツルウメモドキの種子は、インターネット通販で購入することができます。
種子の採取時期が秋のため、フレッシュな種を購入可能な時期が冬(11月~2月)の期間限定であることが多いので注意しましょう。
ツルウメモドキの実生株の購入方法
ツルウメモドキは比較的容易にネット通販で購入することができます。
ツルウメモドキは晩秋から春先まで休眠状態になるので、購入時期によっては実や葉が落ちてしまっていることがあります。
鉢の市販期は10月~12月頃が多いので、購入を検討されている方はその時期に探してみると好みの樹形のものを見つけやすいかもしれません。
ツルウメモドキの育て方(土・水やり・植え替えの時期)
- 土:水はけのよい土であれば、特にこだわる必要はない
- 水やり:表面が乾いたらたっぷりあげる
- 日当たり:日当たりの良い場所(強い直射日光よりは、木漏れ日や半日陰が好ましい)
ツルウメモドキを植える際に、土は水はけの良い土を選ぶようにします。もともと野山に自生している種類なので、水はけ以外は特にこだわらなくても問題ありません。
つる植物は適度な水分を必要とするので土の表面が乾いたら水をたっぷりあげるようにします。
また、日光を好むので日当たりの良い場所に植えることが多いですが、直射日光が当たり過ぎると乾燥しやすく日焼けしてしまうので、半日陰や木漏れ日が差し込むような場所に植えるのが好ましいでしょう。
地植えする前の苗木の場合、植え替えの適期は「3~4月」です。
ツルウメモドキを植える予定の土壌が粘土質など水はけの悪い土の場合は、水はけを良くしてくれる土壌改良資材を投入して改善するようにしましょう。
土壌改良資材についてはこちら土壌改良資材のメリット&デメリットを比較解説|特徴と使い方を教えます
ツルウメモドキの盆栽の育て方
盆栽としてツルウメモドキを育てるときも、前項の庭木としての育て方のポイントとさほど大きく変わりません。
ツルウメモドキの盆栽を作るうえで必要になる各作業の適期は下記の通りです。
- 剪定 :(芽出し前)2月下旬~3月初旬
- 植え替え:3月~4月
- 芽摘み :4月~5月
- 受粉 :(開花後)5月~6月
- 針金掛け:6月~7月
ツルウメモドキは剪定にも強いので、芽出し前の時期か、落葉後の冬の時期に選定を行う事が多いです。
また、根詰まりしやすい種類でもあるので、1~2年間隔で鉢の植え替えを行うと良いでしょう。
肥料は春(4月)と秋(10月)頃に、窒素分の補給に「油粕」、リン酸の補給に「骨粉」や「バットグアノ」などを株元に置き肥しますが、窒素過多になると実付きが悪くなるので注意しましょう。
・骨粉(肉骨粉・蒸製骨粉)とはどんな肥料?成分・効果・使い方を解説!
・バットグアノってどんな肥料?|効果・成分・効果的な使い方を徹底解説!
まとめ
ツルウメモドキの特徴を最後にもう一度まとめます。
・土質は水はけが良ければ大抵の土壌で育つ
・つる植物なので水を好むため、極度の乾燥に注意
・直射日光を避けた日当たりの良い所を好む
・実は食べられるが完熟していないと無味
・肥料は「油粕」と「リン酸(骨粉orバットグアノ)」を春と秋の2回
・比較的寒さには強いが土の凍結には注意が必要で寒風も避けた方が良い
・剪定や芽摘みには強く丈夫で育てやすい
・挿し木、取り木、根伏せで簡単に増やすことができる
ツルウメモドキは、庭木以外にも盆栽などで楽しむ人が多く、観賞価値の高い植物です。
比較的簡単に育てることができるので、是非育成に挑戦してみてはいかがでしょうか。