数ある観葉植物の中でも、丈夫で初心者が育てやすいものの筆頭が「パキラ」です。
100均やホームセンターでも購入ができる人気の観葉植物なので、育ててみたことがある人も多いのではないでしょうか。
今回はそんなパキラの基本的な育て方と、剪定や切り戻し、鉢の植え替えなど、長く元気に育ってくれるための手入れの方法についてご紹介いたします。
もう既にパキラを育てていて、葉が落ちたり変色したりなど調子が悪いパキラの対処法をお探しの場合は、下の記事をご覧ください。
Contents
パキラってどんな観葉植物?【基本情報】
和名(別名) | パキラ(カイエンナッツ) |
階級 | アオイ科パキラ属 |
耐寒性・耐暑性 | 暑さに強く、寒さに弱い(5℃まで) |
日当たり | 直射日光ではない日当たりの良い所 |
耐陰性 | あり |
水やり | 土の表面が乾いたら |
ハイドロカルチャー | 可能 |
ハンギング | 向かない |
根の成長 | 根の成長は比較的早い |
増やし方 | 挿し木、実生(種) |
花言葉 | 勝利・快活 |
育てやすさ |
パキラは元々熱帯アメリカ原産で、高温多湿の環境を好む植物です。
日本では観葉植物としてとても人気があり、100均などでも小さな鉢に入って売れらていますが、大きくなると10m以上にもなる熱帯の植物です。
耐陰性があるため、室内で育てるのにも向いており、寒さにさえ気をつければ病害虫にも強いので初心者にも育てやすいのも特徴です。
100均やホームセンターで購入するパキラは花や実をつける?
あまり知られていませんが、パキラは上の写真のようなとてもキレイな花をつけます。
しかし、日本で観葉植物として流通しているパキラの多くは、実生(みしょう)株ではなく挿し木で増やされたものであるため、花や実をつけることはありません。
ハワイや東南アジアに自生している野生のパキラは、上の画像のような実をつけます。
パキラは別名「カイエンナッツ」と呼ばれ、食用として食べられていたこともありますが、有毒な成分があることが分かったため現在では食べられていません。
実生株と挿し木の株の違いと見分け方
実は、100均で売られているようなミニ観葉植物のパキラであっても、実生株が売られている場合があります。しかし、100均の店員さんにそのパキラが実生株かどうかを聞いてもわからないことがほとんどだと思いますので、上記の特徴に気を付けて実生株かどうかを見分けるようにしましょう。
実生株を購入しても、花が咲くかどうかは生育環境にもよるため確実ではなく、花をつけるまで5年~10年はかかると言われているので根気強く育ててみましょう。
パキラの種の購入・通販は可能?
パキラの実生株を育ててみたいという方は多く、パキラの種を購入しようと探してみてもなかなか見つかりません。
パキラの種は念に2回、2月と8月にしか収穫されず、種の発芽の確率も収穫から1カ月を経過するころから弱まってくるため市場に出回ることが少ないのもその理由です。
どうしても実生株を種から育てたい方は、2月と8月のいずれかでオークションサイトなどを定期的にチェックするなどをすると見つかるかもしれません。
時期によってはeBay等の海外オークションサイトで購入ができるので、購入方法については下記をあわせてご覧ください。
パキラの寿命はどのくらい?
パキラの寿命自体はとても長く、海外では樹齢100年以上のパキラも自生しているので、生育環境さえ整っていれば10年も20年も元気に育ってくれます。
生長の過程で起きる様々なトラブルに適切に対処することができるかどうかがカギとなるでしょう。
パキラを室内で育てるのに適した環境の作り方と手入れの方法
パキラは日光がどの程度必要な植物?
パキラは耐陰性のある植物なので、直接日光が当たらない室内でも育てやすい観葉植物ですが、年中日陰で育てるとひょろっとした間延びした株に成長してしまうので、適度な日光を浴びさせることも重要です。
ただし夏の強い日差しのもと、直射日光に当て続けると葉が焼けてしまうので、レースのカーテンを一枚挟んだような、差し込むような日差しに当ててあげるようにすると元気な株に育つでしょう。
point直射日光ではない日当たりの良い室内
パキラの水やりのタイミングは?
パキラを枯らしてしまう原因の一つに「根腐れ」があります。
観葉植物を精一杯愛情込めて育てようとする人ほど、過剰に水をあげてしまい枯らしてしまう事も多いので、水のあげ方には十分な注意が必要です。
春から秋にかけての生育期は、土がしっかり乾いたのを確認したら鉢の下から水が染み出るくらい与えるようにします。
冬は植物も休眠期間に入るので、夏の時期の半分以下の頻度で全く問題ありません。少し土を乾かし気味で育てることを意識しましょう。
また、定期的に霧吹きなどで葉水をあげると病害虫の予防にもなるのでお勧めです。
point過剰な水やりは厳禁!病害虫予防に葉水は定期的にあげよう!
パキラが好む温度はどのくらい?
パキラは熱帯原産の植物のため寒さにはあまり強くありません。
5℃以下になると枯れてしまいますが、元気な状態を保ちたい場合はできるだけ10℃以上を保つように心がけると良いでしょう。
寒さによるダメージは、葉の変色として現れることが多いので葉の様子は欠かさずチェックするようにしましょう。
point出来れば10℃以上、最低でも5℃を下回らないように注意しよう!
パキラに肥料を与える頻度と量、おすすめの肥料は?
肥料をあげるタイミングも水と同様で成長が止まっている冬には控えるようにするのが大切です。
あげるタイミングがわからなくなってしまいやすい人は、効果の効き目が遅い「緩効性の固形化成肥料」がおすすめです。
春先(4月初旬)と夏(8月~9月)に一回ずつ、鉢の上に数粒のせておくだけでじんわりと効果が表れるのでとても楽なのが特徴です。
point緩効性の固形肥料を年2回(4月と8月頃)にあげ、冬は肥料はあげなくてOK!
パキラの鉢の植え替え・植え付けはいつ行えばいい?
パキラは、枝葉だけでなく根の成長もとても速いので、鉢の中がすぐに根でいっぱいになってしまうため、根詰まりを起こして枯らしてしまうという失敗が多いのも特徴です。
根詰まりが起きると、伸びる先を失った根が窒息し、水も吸えなくなってしまうのでどんどん葉が枯れ落ちていく原因にもなります。
鉢の植え替えは、株の成長が本格化し始める前の5~6月が適しています。
頻度としては2年に一度くらいのペースで行うと良いでしょう。
古い鉢から引き抜いたら、茶色く傷んだ根だけを切り落として、そのまま土はほとんど崩さずに新しい大きめのポットに移し替えればOKです。
point鉢の植え替えは2年に1度くらい、5~6月にやろう!
パキラはハイドロカルチャーで育てられる?
ハイドロカルチャーとは「水耕栽培」の事で、特に土の代わりにハイドロコーンと呼ばれる人工的に生成した土のようなものを使って栽培する方法を指すことが多いです。
パキラもハイドロカルチャーで育てることができる観葉植物の1つで、室内で土を使わず衛生的に育てたい方におすすめの方法です。
ハイドロカルチャーは衛生的で虫が湧きにくいというメリットがある反面、本来は土の中にすむ微生物が行っていた不純物の分解などの役割を、人間が薬品などを使って化学的に行う必要があるので、上手く枯らさずに育てるにはコツが必要な方法でもあります。
パキラを剪定しよう!切り戻しや挿し木で増やす方法
パキラは生長がとても速く、室内でもどんどんと新しい芽を出しては伸びていきます。
室内で観葉植物としてパキラを育てる場合は、自由に伸びっぱなしにさせると樹形も崩れ管理がしにくくなってしまうので、定期的に「剪定」を行って枝を切りそろえてあげる必要があります。
大きさを整えるために、バッサリと幹や枝を切り落とすことを「切り戻し」といいます。
初めは折角伸びた枝葉を切り落としてしまう事に不安を感じる人もいますが、パキラは基本的にどこを切っても目を出すほど強い植物なので心配はいりません。
パキラを切り戻しをする時の注意点
パキラの切り戻しをする場合の注意点は下記の4点です。
- 剪定ばさみは使う前に消毒をする
- 切れ味の良いハサミを使う
- 剪定に適した時期は5~6月
- 成長点を残す
剪定ばさみは、以前病気になって枯れた葉などを切り落とす時に使用したりして、病気や雑菌がついている場合があるので、使用前にしっかり洗うなどしてから使うようにしましょう。
また、ハサミの切れ味が悪いと繊維を潰してしまうので、切り落とした枝を挿し木にする場合は根が生えてこない場合があるので注意しましょう。
切り戻しを行う時期は、生長が早まる夏より少し前の5~6月に行うのがベストです。
パキラの幹を見ると、以前枝が生えていた場所などボコッと少し出っ張った場所がありますが、そこが成長点です。
切り戻しをする際は、成長点の1~2cm上を切ると、そのすぐ下の成長点から2~4週間もすれば新芽が出てきます。
万が一成長点を残さないで切り落としてしまったとしても、しばらくすれば木自体が成長して新たな成長点ができて芽が出てくるので心配はいりませんが、成長点を残した剪定よりは新芽が出るまでに時間がかかります。
パキラを挿し木で増やす方法と注意点
パキラは切り戻しの際に切り落とした枝を使って、挿し木をすることで増やすことができます。
挿し木のポイントは下記の通りです。
- 2節くらいを残して、10センチほどの長さで枝を切り取る
- 挿し木の時期は5月~7月
- 葉から水分が蒸散するのを防ぐために、大きい葉は半分に切る
- 切り取った枝は、すぐに深水に浸け、一晩ほど水を吸わせる
- その後、深さ5cm程度の浅い水に数日浸けたら土に挿す
挿し木の際には2節位を残して枝を切り整えます。
切り落とした枝についている葉が大きい場合は、水分が蒸散しやすいので半分程度に切りそろえるようにしましょう。
挿し木で増やす方法は簡単ですが失敗することもあるので、100%成功すると思い込まず、何本か同時に挿し木をすることでリスクを回避することも必要でしょう。
パキラは縁起がいい植物!風水効果で運気UP
パキラは「発財樹」や「Money Tree」とも呼ばれており、金運アップの効果があるという事で室内で育てるには縁起がいい観葉植物と言われています。
どっしりとした太い幹と、上に向かってどんどん伸びる枝葉は、安定と上昇志向の意味を持つため仕事運にも良いとされています。
室内に観葉植物を置いて運気をアップさせたいと考えている方はパキラがぴったりかもしれません。
まとめ
パキラは観葉植物の中でも育てやすい品種ではありますが、生長が早く、根も葉もどんどん伸びてしまうため、根詰まり防止のための植え替えや、切り戻しのための剪定などが必要になってくるのが一番のポイントになってくるでしょう。
枝を切ったり、それまで順調だった鉢を植え替えるのは、慣れていないと不安に感じるかもしれませんが、成長力の強いパキラはあまり心配しすぎなくても大丈夫ですので、適切な時期と方法を守って手入れをしてあげて下さいね。